5    100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
やまなみの暮れの漆黒冬長し 西屋敷峰水 河鹿 200405
玄冬の白に馴れ過ぎゐし心 泉田秋硯 200405
粗樫の葉の艶冬の終りけり 辻恵美子 栴檀 200405
寝起きの嬰抱けば真冬も汗じめり 中島霞 ぐろっけ 200405
童話聞き心いつしか冬を去る 村越化石 200405
撥つくる冬の裸灯低く吊り 青山悠 200405
椿落つ冬の定石置くごとく 西川織子 馬醉木 200405
冬の影のびくる英治の居間の中 吉弘恭子 あを 200405
冬行くを追ひて東の岬まで 高田令子 200405
鼻にツンと冬の匂える帰心かな 松井和恵 八千草 200406
沛然といふ大きさに冬硝子 佐藤喜孝 あを 200407
冬入り日アフリカ天地燦然と 村松紅花 ホトトギス 200407
あんみつを男も食べる古都の冬 若泉真樹 「瑠璃」 200407
この若き心を映せ冬鏡 林翔 200408
その侭に冬ひそみゐる空の壜 宇都宮滴水 京鹿子 200411
青空にどすんと冬が直立す 土屋ゆたか 帆船 200411
閼伽井屋に噴く霊水も冬の音 橘澄男 「山景」 200408
この若き心を映せ冬鏡 林翔 200410
冬遠からじ軒下に柴の束 鷹羽狩行 200411
日々冬へ日々新たなる星の数 岡本眸 200412
防波堤沿ひゆけば冬見えて来し 岡本眸 200412
草入りの水晶の透き机上冬 鷹羽狩行 200412
冬のくれ暮といふ字は幕に似て 八田木枯 晩紅 200412
絵の乙女はだかのままに冬迎ふ 林翔 200501
木々の影わが影冬の来りけり 密田真理子 200501
ゆふぐれの味噌の香つよき冬の寺 ほんだゆき 馬醉木 200501
花生けて濡るる指先冬さやか 岡本眸 200501
覚めてすぐ立ちたる冬に向かふべし 能村研三 200501
鳥声も冬の音楽丘の径 林翔 200501
天皇の入浴嫌ひまねて冬 須佐薫子 帆船 200501
冬ながら巡礼日和槙にほふ 坪井洋子 200501
冬始めシャツの釦をつけておく 堀内一郎 あをかき 200501
玄冬や玉葱の皮煎じをる 石脇みはる 200502
兄逝けり冬死に場所を得しごとく 朝妻力 雲の峰 200502
がらがらと上がる鎧戸冬が来る 太田寛郎 200502
樹海かな真青な冬の顔をして 小澤克己 遠嶺 200502
湧水の八枚鏡冬兆す 小澤克己 遠嶺 200502
冬洞の風雅光りの珪酸草 小澤克己 遠嶺 200502
骨貝のかたちに冬の来てゐたり 杉浦典子 火星 200502
あたたかにすぐ落つ冬の眠りかな 辻恵美子 栴檀 200502
日射し疎に落人村の墓の冬 西村しげ子 雨月 200502
飛ぶものも許さぬ冬のゆり大樹 神蔵器 風土 200502
富士立つや額縁となる冬の門 阿部文子 酸漿 200502
忘れもの必ずひとつあつて冬 玉川梨恵 200502
暴風も夏日も生ず冬の変 赤座典子 あを 200502
無患子の実のある空や冬の寺 渡辺初枝 酸漿 200502
「栴檀」誌冬のベツドにのこりける 辻恵美子 栴檀 200502
夜は風が泥凹ませり冬蓮田 内山花葉 200502
梵鐘の一打に冬の立ちにけり 丸尾和子 雨月 200502
眇して冬の像となる一鳥 鈴鹿仁 京鹿子 200502
かたまりて天道虫の越冬中 須佐薫子 帆船 200502
甘藷穴の簣の子一枚冬を越す 西形佐太郎 200502
人杖に問ひつつ冬の吟行に 前田雅章 雲の峰 200502
人来ねばわが聲もなし家の冬 岡本眸 200502
水べりに冬の香の濃き日暮かな 中島たまな 200502
子規横向き一葉顔を上げて冬 斎藤棹歌 200502
夫の下痢いつかな止まず冬きたる 相沢有理子 風土 200502
静脈に冬の塵置く仁王尊 東福寺碧水 万象 200502
積み上げし寄進瓦に冬の貌 川村政枝 築港 200502
軒にまで薪を積んで峡の冬 清水ミツコ 200502
冬の圧の織り鮮しや紫館 田村すゝむ 風土 200502
冬の葬大漁旗をもて拡げ 須佐薫子 帆船 200502
冬荒れて生命育む海なりし 小林山狸 六花 200502
冬始めシャツの釦をつけてをく 堀内一郎 あをかき 200502
久伊豆の神社の冬や龍の彫 小澤克己 遠嶺 200503
すすぎ干す窓いつぱいに冬の白 仲村青彦 200503
岬鼻に向けて宜候冬の航 藤田かもめ ぐろっけ 200503
まぶしきはうれしきとあり冬の辞書 寺門丈明 あを 200503
ひとり酒風のはげしき夜半の冬 中元英雄 河鹿 200503
ゆふやけの一部始終を冬の崖 岡本眸 200503
黒鍵のもどり緩慢冬の小火 吉田明子 200503
鍋の蓋ずらせば冬の匂ひたつ 藤井智恵子 百鳥 200503
油絵の波止場が冬となつてゆく 丸井巴水 京鹿子 200503
スカートを揺らして冬の待ち時間 玉川梨恵 200503
焼酎の試飲にほろ酔ふぬくき冬 梅村五月 栴檀 200503
魚うまき冬の来たれり働けり 土田栄 200503
双手で擁く大岩冬の鼓動あり 渡邉友七 あを 200503
玄冬やラ・カンパネラ弾き終る 谷口佳世子 200503
湖に石を投げたる音も冬 江崎成則 栴檀 200503
電卓を叩く一足す一は冬 木村みかん 200503
冬住の里はここぞと焚火跡 村越化石 200503
坑帽の遺品となりし冬の壁 伊東湘三 春燈 200504
朝刊のごとりと落ちる冬の底 浦川哲子 200504
地震の冬小千谷縮の機が泣く 服部菰舟 雨月 200504
招かれし部屋の茶掛の冬の詩 砂川せい輝 遠嶺 200504
櫟林冬の影おく那須路かな 田中章子 酸漿 200504
暮るる野の冬の名残りの沼明かり 伊藤たいら 雲の峰 200504
ひとり来し嵐山の冬淋しからず 新免京子 200504
マンハッタンの冬なつかしや望郷か 新免京子 200504
ユリノキも冬の一樹となりにけり 中村洋子 風土 200504
一力茶屋点りて冬も水打てり 間宮あや子 馬醉木 200504
豆炒つて冬の出口も見えて来し 禰寝瓶史 京鹿子 200504
入籍の実感じわりじわり冬 倉持梨恵 200504
温き冬地震の予兆を怖ぢもして 滝川あい子 雨月 200504
味うすき羊羹食べてるやうな冬 禰寝瓶史 京鹿子 200504
象の仔の病み日本の冬きびし 堀井英子 雨月 200504
ととのはぬ冬丹念に窓拭くも 野路斉子 200504
冬寂の梢の鳥のこゑの鋭し 小澤克己 遠嶺 200504
いちょう葉に肩たたかれて冬知らせ 吉宇田知英子 200505
凍て冬を好きとならねば生きられぬ 境良一 京鹿子 200505
冬 →6

 

2021年12月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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