3    100句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
伎芸天いかに御座さむ夜半の冬 武井良平 ホトトギス 200204
吊橋の閉ざされて冬ふかめけり 長沼紫紅 200204
山深く冬が行き倒れてをりぬ 川名将義 銀化 200204
ふと気付く脈の乱れや夜半の冬 武井良平 ホトトギス 200204
永平寺学僧冬も素足なり 藤田寿子 ぐろっけ 200204
一病を得てよりの冬長かりし 小田島成子 百鳥 200204
鋭角のかくまで千羽鶴の冬 有山八洲彦 200204
切り出せる棕櫚けものめく冬の果 中根美保 風土 200204
賑やかな昔ありけり冬の家 三井孝子 六花 200205
鬼房も敏雄も冬の絶滅種 中原道夫 銀化 200205
奥の院闇をほぐすや冬鶯 吉野のぶ子 遠嶺 200205
冬の旅ホームで買ひしゆで玉子 阿保信子 六花句集 200205
誰か来て冬の泉にかほ映す 井口光雄 200205
托鉢の冬モノクロの世界かな 中村清志 200205
冬名残風の日はただ空を見て 北川孝子 京鹿子 200205
七十歳越えし脛もて冬峠 三浦ひろみ ぐろっけ 200205
くすり指秘かに痒し冬電車 三井孝子 六花句集 200205
一と冬を語りきし爐も塞ぎけり 藤井昌治 200206
帰る冬くる春橋の真ん中で 梶浦玲良子 六花 200206
小力士が冬の流れを見てをりぬ 湯浅夏以 遠嶺 200206
東の空はんなりと冬終る 宮原みさを 花月亭 200208
夏柑の冬を抱いて香りたつ 鎌倉喜久恵 あを 200208
夏衣冬も同じき夏衣 中川二毫子 遠嶺 200209
七轉八起おきねば冬の來る氣配 中原道夫 銀化 200210
賽銭を礫のごとく投げて冬 小川匠太郎 200211
冬の庭木々は力を蓄へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200211
夜気纏ふより阿蘇の冬なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200211
冬好きと言うて誘ひに乗りし旅 稲畑汀子 ホトトギス 200211
冬を招ぶ風に奪はれまじく歩す 村越化石 200212
すでに冬長尾平の日の出なり 阿部ひろし 酸漿 200212
冬あけぼの牛乳配達威勢よく 芝尚子 あを 200212
この冬の寺苑親しきものとして 稲畑汀子 ホトトギス 200212
耳朶も小さき肉体冬を待つ 林翔 200212
蝉の殼剥がせし門の木も冬に 佐藤喜孝 あを 200212
冬物のやまひ取り出すナフタリン 阪谷村比呂未 銀化 200301
冬きざす遊牧民の移動あと 斉藤和江 帆船 200301
この冬も人間のまま過ごすとや 朱間繭生 銀化 200301
靴磨く鼻はピノキオ冬の駅 篠田純子 あを 200301
冬なぎや海鵜ひとつの一つ岩 阿部ひろし 酸漿 200301
希望峯など回れや冬の船便は 中原道夫 銀化 200301
忘れむとしてゐて冬が来てしまふ 後藤比奈夫 円虹 200301
冬の道已れ見つめて帰りけり 大串章 百鳥 200301
冬なんぞものかは蝌蚪のお曼陀羅 黒田咲子 200301
淅水の絡巻く杭に冬兆す 大森美恵 風土 200302
灯点してディナークルーズ冬運河 小澤克己 遠嶺 200302
わが声にわれのおどろく冬の居間 田中藤穂 あを 200302
鉢物を同居に迎へ冬書斎 平賀文夫 帆船 200302
大潮流狂ふ眼下に冬の凧 中村恭子 200302
冬講に吾もけぶれるもののうち 福嶋千代子 200302
くすり指秘かに痒し冬電車 三井孝子 六花句集 200302
風神の駆けて濁世に冬を呼ぶ 山下佳子 馬醉木 200302
ひとり居の影一枚や冬疊 岡本眸 200302
シャンソンの詩あり冬のロゼワイン 小澤克己 遠嶺 200302
草田男の遊びし芝生冬も青し 松崎鉄之介 200302
高層の三角出窓冬の鷹 中島陽華 200302
水の下に眼たしかに冬の鯉 平田紀美子 風土 200302
榛名湖の湖心に冬の見えはじむ 高橋房子 200302
肉声も知らぬ位牌を並べ冬 橋本榮治 馬醉木 200302
舟窓のどれも丸くて冬怒涛 木戸渥子 京鹿子 200302
往診の白衣に冬の茜かな 林田茂子 帆船 200302
化野や冬の蛍はくるぶしに 栗栖恵通子 200302
師にまみゆる冬を点りて烏瓜 大竹淑子 風土 200302
冬衾眠るといふも旅の中 加藤暢一 200302
捨て難き書に表紙なく冬迎ふ 芝川百合子 京鹿子 200302
森の家のガーデン冬の演奏会 小澤克己 遠嶺 200302
鍵失せし金庫居座る冬の蔵 當麻幸子 雲の峰 200302
冬の香と思ひいたりぬひざまづき 糸井芳子 200302
冬兆す手元放せぬ舌下錠 武司琴子 ぐろっけ 200302
冬かなしどこに立ちても日の当る 岩上とし子 200303
赤を着て世にも冬にも負けまじく 笠間圭子 京鹿子 200303
この若き心を映せ冬鏡 林翔 200303
頬杖をはづして冬の深みけり 立石萌木 雨月 200303
冬の昼野面にぞろと人の出づ 吉弘恭子 あを 200303
まつさらな冬の廊下を歩きけり 谷口佳世子 200303
ぴりぴりと凍つる大気や能登は冬 山田天 雨月 200303
檄(げき)飛ばす師をしんがりに冬の道 森本さやか 雲の峰 200303
梟の片顏しらず冬百日 佐藤喜孝 あを 200303
老松の菰巻しかと宮の冬 隅田恵子 雨月 200303
冬はもう終わりだったら八角さん 松山律子 六花 200303
冬峠越え必勝の一走者 小澤克己 遠嶺 200303
反古焚いて冬去る音を聞くやうな 鎌倉喜久恵 あを 200303
河岸に村の放牛青嶺冬 中村恭子 200303
決め難き一句に執す夜半の冬 武司琴子 ぐろっけ 200303
水平線見飽きることのなくて冬 大村孝 百鳥 200303
食卓の乳白色にけぶる冬 平居澪子 六花 200303
観覧車廻らぬ冬の遊園地 谷口知子 火星 200303
電線に冬引き寄せて風猛る 板倉幸子 築港 200303
厳冬に千手の影の泌み亘る 大島翠木 200304
広重の五十三次冬の景 林日圓 京鹿子 200304
雀らの奔放冬を楽しくす 古田睦味 200304
旅人のやうに巡りぬ冬画廊 阿部正枝 絵具箱 200304
鶴唳に冬は眠れず鶴の墓 白澤よし子 馬醉木 200304
鳥ごゑや日射や冬のレストラン 木内憲子 200304
妻心臓発作の冬の刻々に 粟津松彩子 ホトトギス 200304
縫針にふくらみありぬ冬の母 佐藤喜孝 青寫眞 200304
冬の窓小さく灯し夢に住む 堀口千穂子 円虹 200304
玄冬や塩辛のせて熱き飯 吉原一暁 200304
音のなき森に聞き耳立てて冬 平野静 京鹿子 200304
うすら日に鎮もる冬の雑木山 阿部正枝 遠嶺 200304
潮風をゆたかに冬の千枚田 渡辺政子 雲の峰 200304
冬 →4      

 

2021年11月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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