2    100句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
蔵の戸を力まかせに開けて冬 木下仁司 200103
母いつも冬のはじめの鶴に似て 烏居真里子 船団 200103
人よりも人影の濃き冬はじめ 鹿野佳子 200103
老眼鏡のケースごつんと落ちて冬 鶴目鯛遊子 六花 200103
低音のおしやべり娘冬きたる 鶴目鯛遊子 六花 200103
電車バスラジオ演説駅の冬 西塚成代 六花 200103
明珍の火箸の音色しんと冬 竹内芳子 あを 200103
墓石に冬の光のやわらかに 林田加杜子 いろり 200104
一天に太陽と冬ありにけり 粟津松彩子 ホトトギス 200104
止まれば冬将軍の風の鞭 岩村節子 200104
天晴な裸木立たせ冬を越す 村越化石 200104
またしても冬の音なり土の中 伊藤格 200104
一と冬の死を見届けし柏の木 藤田宏 200104
奥琵琶の鉛筆描きのような冬 藤木雅章 200105
女から老女へ冬を惑ふなり 佐渡美佐子 船団 200105
寢る前を低く唱へり冬も果 岡本眸 200105
冬の葬死後の評価も少し聞く 能村登四郎 200108
同温の妻の手とこの冬を経なむ 能村登四郎 200108
一冬を越えて吾あり五体あり 能村登四郎 200108
ひたすらに掃いて冬待つ庭としぬ 能村登四郎 羽化 200110
庭石の冬待つ顔の四つ五つ 能村登四郎 羽化 200110
秋から冬へ壁といふ壁くづれ落ち 竹内弘子 あを 200110
故人の名心に置きて旅の冬 稲畑汀子 ホトトギス 200111
佛頭を運び入れたる冬の家 岡井省二 200111
欠伸して身体に冬の落し穴 富沢秀雄 船団 200111
残されし名著繙き偲ぶ冬 稲畑汀子 ホトトギス 200112
山荘や冬を妊る雨の音 下村志津子 銀化 200112
冬青き湖底の毬藻おもひ寝る 鷹羽狩行 200112
見舞ひたき人を心に冬の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200112
電柱を黄色く冬はあつたかく 松山律子 六花 200112
冬の床起きろ起きろとやかん鳴く 福田みさを いろり 200112
波しまく島は白帯締めて冬 千田敬 200201
波裏に冬しのびをり風岬 平子公一 馬醉木 200201
いろは坂四十八段上の冬 神蔵器 風土 200201
珈琲を泥の如のむねむたき冬 皆吉司 船団 200201
冬の日の魚拓の墨の青さかな 平田紀美子 風土 200201
悲しみに似る鳥声よ冬なかば 林翔 200201
冬将軍山々を統べ従はす 村越化石 200201
冬の窓星降りしきり降りしきり 木下節子 雲の峰 200201
冬の香とおもふや畑のうすけむり 平子公一 馬醉木 200201
冬空にビルの高さや露天神 高野清風 雲の峰 200201
背を向けて冬の梢を見詰めをり 渡邉友七 あを 200201
鍵盤も冬の怒濤につづくかな 村上瑪論 銀化 200201
槐山房のぐるりを冬の金魚かな 栗栖恵通子 200201
尖塔の高みに冬の日のありぬ 芝宮須磨子 あを 200201
暖冬やこはれゆもの野に放つ 宇都宮滴水 京鹿子 200201
工事現場照らす裸灯の冬きびし 栢森定男 あを 200201
冬の鮎湧水の青ひつぱれり 大串章 百鳥 200201
流木がいつぽん冬の瀬になじむ 吉成美代子 あを 200202
棟梁の鉈で料れり冬の軍鶏 岡村優子 春耕 200202
三冬を送りし雨となりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200202
冬の噴水睦言を寄せつけず 亀田愚風 銀化 200202
むじな藻を蔵して太古池の冬 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
残生のとろ火料理よ冬厨 村上光子 馬醉木 200202
畦道の冬陽の幅を一人占む 松本鷹根 京鹿子 200202
灯油買い冬将軍を待つばかり 茂木とみ いろり 200202
ユーカリの冬まざまざと被爆痕 和田敏子 雨月 200202
もう冬のきてゐる柱多き家 影山わこ 百鳥 200202
ひとり身の今更冬の一人旅 岡本眸 200202
烏賊火より島の灯暗し壱岐の冬 密門令子 雨月 200202
日の目見ぬ句のむくろ溜め冬を生く 渡辺純 京鹿子 200202
現世を逃げるは易し冬布団 清水結化 いろり 200202
風鳴つてまた葉が舞つて荘の冬 岡本眸 200202
予報では暖冬といふ此の日和 大平保子 いろり 200202
四條のつぎは三條冬が近くなる 森茉明 京鹿子 200202
手鏡を畳に伏せてはたと冬 冨田竹子 200202
治療室冬を粧う山見ゆる 福田みさを いろり 200202
何乗せて空飛ぶ人や冬五輪 赤座典子 あを 200202
「おめん」てふ京のうどんや冬の旅 中川二毫子 遠嶺 200202
アメ横の雑駁に冬はじまれる 戸田喜久子 200202
聖護院に冬の来てゐる松のいろ 杉浦典子 火星 200202
鏡掛あでやかなりし伊賀の冬 田中藤穂 あを 200202
五湖つなぐ底潮冬の来つつあり 山岡季郷 馬醉木 200202
茶柄杓の滴のひかり冬迎ふ 岸のふ 馬醉木 200202
元寇の沖を烏賊火の燃ゆる冬 密門令子 雨月 200202
ユニークな一言残し冬に逝く 福田みさを いろり 200202
伐りたての切株木屑まみれ冬 望月周 百鳥 200202
太陽のうすうす冬を病む如し 渡邉友七 あを 200202
老残や冬の長さを風にきく 塚村素代 いろり 200202
すぐそこに冬の帷ぞ夜会服 瀬川公馨 200202
展望台冬一色に見入りたり 鎌田俊雄 いろり 200202
冬を待つ搾菜の甕地に並べ 渡辺昭 200202
国盗りのありしは昔美濃に冬 鹿野佳子 200203
昨日釣今日は雨読と冬めぐる 河内童楽 六花 200203
薬待つ五百四番冬の午後 横山迪子 六花 200203
一杓に冬の音聴く筒茶碗 平田すみ子 風土 200203
音立てて冬をよろこぶ静電気 長岡新一 200203
太陽のうすうす冬を病む如し 渡邉友七 あを 200203
風除を恃みて冬を生きる草 岸善志 ホトトギス 200203
微動だにせざる浮島引きて冬 玉置かよ子 雨月 200203
冬を越す用意の見えて葡萄畑 公山礼子 200203
冬 →3      

 

2021年11月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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