風 鈴 6    109句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風鈴をあへて鬼門に遊ばせる 高堀洋子 京鹿子 201910
江戸風鈴技巧凝らせる絵付かな 西村しげ子 雨月 201910
すこしくは秋の風鈴らしく鳴る 辻美奈子 201910
余りある海風軒に江戸風鈴 大川暉美 末黒野 201910
何時の世の誰が打ちし釘風鈴吊る 森脇貞子 雨月 201910
風鈴のこゑの澄んだり濁つたり 渡邉孝彦 やぶれ傘 201910
風鈴や眠る右脳に響き入る 谷口一献 六花 201910
重畳と山風鈴の鳴りづめに 荒川心星 201910
風鈴の短冊風をさがしをり 栗坪和子 201911
風鈴市産地の景を音にのせ 宮元陽子 末黒野 201911
風鈴市風一吹きに皆呼応 宮元陽子 末黒野 201911
北窓の風鈴の音二つ三つ 丑久保勲 やぶれ傘 201911
秋風鈴母はベットに正座して 高橋将夫 201912
鉄と玻璃風鈴二つ風二つ 山西商平 ホトトギス 201912
明珍の箸の風鈴けふは晴れ 貫井照子 やぶれ傘 201912
秋風鈴あらたな風をさそひけり 藤生不二男 六花 201912
風鈴市人香をひとつ捨ててきた つはこ江津 船団 201912
さざ波の音して秋の貝風鈴 岡本尚子 風土 201912
朝戸風秋の風鈴淀みなく 上月智子 末黒野 202001
風鈴に山河の記憶ひとつ鳴る 近藤真啓 春燈 202001
風鈴を吊るして風を招き入る 礒貝尚孝 黄落 202003
一瞬の風鈴市のコンチェルト 礒貝尚孝 黄落 202003
おのづから風鈴市に風生まる 礒貝尚孝 黄落 202003
風鈴の鳴りて静けさ深まりぬ 礒貝尚孝 黄落 202003
風鈴市産地の景を音にのせ 宮元陽子 末黒野 202004
風鈴を鳴らす佳人の掌 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
風鈴やなかなか冷めぬ離乳食 森清信子 露の堂 202008
夕風に汐の香生みぬ貝風鈴 佐俣まさを 春燈 202009
放心を現に戻す軒風鈴 菊池和子 京鹿子 202009
風鈴や独り暮しでなささうな 大川ゆかり 202009
風鈴が佃小路の風誘ふ 中内敏夫 202009
シーサーや貝風鈴に祷るこゑ 中田禎子 202009
風鈴や醤の匂ふ蔵の町 中島昌子 202009
風鈴の風を迎ふるさ揺れかな 赤川誓城 ホトトギス 202010
風鈴や追悼文をしたためて 林いづみ 風土 202010
寝つかれぬ夜や風鈴音もなし あさなが捷 202010
炭風鈴木霊の記憶もて鳴れり 加賀荘介 202010
風鈴のうだつの町を伝ひ鳴る 笹村政子 六花 202010
風鈴の音消す雨となりにけり 高倉和子 202010
切れさうな紐で風鈴ぶら下がる 瀬島洒望 やぶれ傘 202010
自転車が秋の風鈴鳴らし行く 藤井美晴 やぶれ傘 202010
風鈴や卯波路地には鳴らぬやう 佐藤恭子 あを 202010
風鈴の風の足音なりしかな 和田華凛 ホトトギス 202011
風鈴や夫の手借りて髪染めて 岡野里子 末黒野 202011
風鈴をはづし寝につく老夫婦 土井ゆう子 風土 202011
風鈴や風のつながる路地暮し 浜田はるみ 202011
風鈴の音がふるさとの音であり 遠藤泉 202011
寝る前に風鈴外しおきにけり 志方章子 六花 202011
亡き夫の買ひし風鈴鳴つてをり 工藤邦子 202011
推敲や鉄風鈴の音の中 赤石梨花 風土 202011
風鈴に加油ジャヨウと書いてありにける 柳川晋 202011
風と売る百の風鈴千々の音 森清信子 末黒野 202011
風鈴へ風来るを待つ茶店かな 玉川利江 末黒野 202011
短冊の濃き色ゆかし秋風鈴 赤座典子 あを 202011
強風に風鈴音を失へり 須藤常央 ホトトギス 202012
風鈴の風と闘ふ音となる 須藤常央 ホトトギス 202012
御霊来て夜の風鈴を鳴らしけり 須藤常央 ホトトギス 202012
部屋に吊る貝風鈴や海遠く 市川夏子 末黒野 202012
遠慮なき客に風鈴騒ぎけり 住田千代子 六花 202012
若葉風鈴選るときは目を瞑り 須賀ゆかり 202105
風鈴や舌出す猫の深眠り 鈴鹿呂仁 京鹿子 202107
風鈴のうつらうつらと鳴る真昼 増成栗人 202108
風鈴の迎へる駅に芙美子像 道端齊 202108
山の子に潮騒届く貝風鈴 森岡正作 202109
鍋島の色絵風鈴音澄めり 石川雪江 202109
風鈴は南部の音色夜の深し 五十畑悦雄 202109
風鈴がちんと鳴りたるお昼時 丑久保勲 やぶれ傘 202109
風鈴や嘘をつけない背な動く 直江裕予 京鹿子 202109
風鈴の短冊読めり夕の風 池谷鹿次 末黒野 202109
病む人に夜の風鈴外しけり 山田暢子 風土 202109
風鈴やチリンと一つそんな午後 久保夢女 202109
音競ふ風鈴二種や玻璃と錫 七郎衛門吉保 あを 202109
風鈴の舌のねぢれてまはりゐる 江口恵子 やぶれ傘 202110
潮傷みせし風鈴の音を愛す 能村研三 202110
器忌の明珍風鈴鳴りにけり 岩木茂 風土 202110
風鈴や介護の車今朝も来て 須賀敏子 あを 202110
風鈴のさまざまな音を愉しめり 和田遊 202110
風鈴を物干し竿に吊つてみる 丑久保勲 やぶれ傘 202111
みちのくの風の音する鉄風鈴 竹村淳 202111
風鈴の黙せば風を待つ心 酒井湧水 ホトトギス 202112
風鈴の窓歓声はテレビより 阪西敦子 ホトトギス 202112
風鈴の音の交り合ふ曲がり角 神山市実 やぶれ傘 202112
頬杖をとく風鈴や夜半の旅 岡温子 京鹿子 202201
心做し秋風鈴の音老いて 宮崎浩美 末黒野 202203
音纏ひ風鈴売は路地に消ゆ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
風鈴に矛を納める夫婦かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
はたと止む風鈴の音誰か来し 土井ゆう子 風土 202209
風鈴や寝そべる犬の上目遣ひ 小泉里香 やぶれ傘 202210
風鈴の音を競はせ菓舗古りぬ 黒滝志麻子 末黒野 202210
風鈴や陶と鋳物の二重奏 山口郁子 末黒野 202210
風鈴市の御国訛や風の音 喜田君江 末黒野 202210
風鈴の隅々抜くる古家かな 岩崎藍 末黒野 202210
甘酒を釜に沸かして江戸風鈴 柿沼盟子 風土 202210
風鈴が聞こえぬほどに集中す 高橋将夫 202210
夕星や貝風鈴の音乾き 能村研三 202211
忘れられ秋風鈴となりにけり 西井薫美子 202211
錆びて尚南部風鈴古歌ゆらす 牛島晃江 202211
風鈴の百の音子安地蔵尊 岡野里子 末黒野 202211
懐かしき海の音とも貝風鈴 杉山くみ子 末黒野 202211
黄昏や風鈴響く石畳 河野礼子 末黒野 202211
秋風鈴丸く納める黙もあり 犬飼典子 京鹿子 202211
地震遥か南部風鈴鳴りにけり 塙誠一郎 家系図 202211
欣喜雀躍秋風鈴の高鳴りす 五十嵐敏子 202211
鳴り急ぐ秋の風鈴はづしけり 能村研三 202212
秋風鈴吐息のやうな感嘆符 菊池和子 京鹿子 202212
耳底にのこる潮騒貝風鈴 大西逸子 京鹿子 202212
買はれゆく風鈴の音微かなり 広瀬 済 やぶれ傘 202302
通されし風鈴の部屋落ち着かず 荒井千佐代 202304
風鈴を吊れば川風きたりけり 白石正躬 やぶれ傘 202307
風鈴 →1

 

2023年8月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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