風 鈴 5    100句

風鈴の音が眼帯にひびくのよ   三橋鷹女   向日葵

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏に入る吊りつ放しの風鈴も 飛高隆夫 万象 201608
妣がりへをりをりひびく夜の風鈴 岡部玄治 201608
己が意で鳴つてみたかろ風鈴よ 栗原公子 201608
風鈴や暮れ残りたる波がしら 小倉陶女 春燈 201609
風の来ぬ軒へ風鈴移しけり 沢辺たけし 万象 201609
風鈴のささやくやうに唄ふやうに 望月晴美 201609
江戸風鈴夕風に酢の匂ひして 宮内とし子 201609
みちのくの駅の風鈴しぐれかな 大畑善昭 201609
風鈴の音にぎやかに吹かれけり 加藤タミ 末黒野 201609
風鈴や訪ふ人のなき木賃宿 栗原京子 201609
ひと雨が来さう風鈴鳴り出だし 定梶じょう あを 201609
一列に吊られ風鈴鳴り渡る 渡邉孝彦 やぶれ傘 201609
風鈴やなまけ心の昼下り 黒滝志麻子 末黒野 201610
清貧の父の風鈴吊しけり 吉村摂護 201610
肩車子が鳴らしたる貝風鈴 林徹也 201610
風鈴を百の音色の中に買ふ 天谷翔子 201610
朝まだき風鈴の音の夢うつつ 高橋将夫 201610
風鈴の疎ましき夜のありにけり 久保東海司 201610
風鈴の風選ぶこと許されず 宮田豊子 春燈 201610
風鈴の一喜一憂風任せ 呂秀文 春燈 201610
風鈴市音を違へて江戸・南部 高埜良子 春燈 201610
風鈴の音色抜けゆく青畳 水井千鶴子 風土 201610
買ひ戻る風鈴に風付いてきし 谷田部栄 万象 201610
風鈴の導く旅客ターミナル 高田令子 201610
縁日のどれがどの音よ江戸風鈴 鎌田光恵 201610
風鈴や舌の機嫌の良き日なり 竹内悦子 201611
風鈴や湖にさざ波立つやうな 土井ゆう子 風土 201611
風出しや風鈴の音やや密に 佐津のぼる 六花 201611
歯科院のフロント白し貝風鈴 箕輪カオル 201611
風鈴の固まつてゐるにはか雨 山口ひろよ 201611
小商ひ秋風鈴に委せをり 相良牧人 201611
南部の風運ぶや苞の秋風鈴 永島雅子 春燈 201611
理髪屋の風鈴子守唄めきぬ 石黒興平 末黒野 201611
風鈴の音に急かされ庭仕事 成井隆之 末黒野 201611
秋風鈴余計な風のなせる音 高野昌代 201612
秋風鈴仕舞はんとして鳴りにけり 藤生不二男 六花 201612
僧院の秋の風鈴助言めく 山崎靖子 201612
川風の風鈴に来て透きとほる 橋本くに彦 ホトトギス 201612
風鈴や恋ひたすらな頃のあり 竹下陶子 ホトトギス 201701
風鈴の釘風道の芯に打つ 木暮陶句郎 ホトトギス 201701
秋の風鈴呼ばれしやうに鳴りにけり 中田みなみ 201612
母のゐる場所は風鈴よく鳴りぬ 高橋将夫 蜷の道 201703
風鈴や次の風待ち音を待ち 大川暉美 末黒野 201704
風鈴を吊り替ふ東京物語 中川句寿夫 ここのもん 201705
和光裏通り風鈴売闊歩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
風鈴幽し白昼の飲屋街 笹村恵美子 201709
風鈴の共鳴圏で揺るるもの 熊川暁子 201709
黙つて見る風なき午後の鉄風鈴 土井三乙 風土 201709
風鈴の駆け出す音や電車発ち 池元道雄 馬醉木 201709
風鈴の夕風誘ふ音色かな 安斎久英 末黒野 201709
風鈴や風の吐息を見逃さず 座古稔子 201710
くろがねの風鈴の音に訛あり 茂呂昇平 201710
風鈴や一泊旅行の先先に 大日向幸江 あを 201709
風鈴やなまあたたかき点耳薬 高橋道子 201710
風鈴や頑張りすぎの舌抜かれ 平野みち代 201710
風鈴に風をおまけに貰ひ受く 山本無蓋 201710
風鈴の風待つだけの不自由かな 足立良雄 201710
風鈴は備前火だすき陶の里 曽根薫風 馬醉木 201710
ていねいに掃く軒先や江戸風鈴 岩永はるみ 春燈 201710
風鈴の明珍火箸利休の音 持田信子 春燈 201710
風鈴や携帯に亡き母の声 久保村淑子 万象 201710
風鈴の鳴る時赤子泣き止みぬ 住田千代子 六花 201710
江戸風鈴赤を基調の硝子透く 西村しげ子 雨月 201710
江戸風鈴内彩色の技術かな 山田夏子 雨月 201710
風鈴や叱咤相槌さまざまに 高木典子 雨月 201710
風鈴を拭ひて音色新たなり 梅田武 末黒野 201710
風鈴の音色亡き母いざなふか 占部美弥子 末黒野 201710
風鈴へ委ぬる手足ひと休み 加藤タミ 末黒野 201710
母の忌を貝風鈴の鳴るカフェに 高橋道子 201711
木戸門の風鈴直す警備員 箕輪カオル 201711
風鈴や海のにほひの乱れ箱 木澤恵司 201711
明珍の風鈴風を選びたる 和田華凛 ホトトギス 201711
風鈴の高鳴りつづく夕べかな 林いづみ 風土 201711
江戸風鈴江戸下町の風情あり 大橋晄 雨月 201711
風鈴の饒舌真夜の疎ましき 播磨武子 雨月 201711
風鈴や湯宿の静寂深まりぬ 平沢恵子 春燈 201712
風鈴やしづかに時の流れをり 磯貝尚孝 清閑 201804
風鈴の藤村の風とらへけり 浅木ノヱ 春燈 201808
風鈴の音色に回る土星の輪 高橋将夫 201809
風鈴や芯まで眠る赤ん坊 柴田佐知子 201809
風鈴の音色恋しと言ひ交す はしもと風里 201809
鉄風鈴八一旧居の軒深し 宮内とし子 201810
風鈴の音して風の我がもとに 齊藤實 201810
風鈴に気うつの足を止めにけり 善野行 六花 201810
風鈴の好きな風来る格子窓 土井三乙 風土 201810
風鈴にほどよき夜風二人の居 永井惠子 春燈 201810
風鈴や古人はものを思はざる 柳川晋 201811
日当りて風鈴の音の濁り出す 吉田葎 201812
風鈴や気儘な余生ありがたし 岸洋子 201902
風鈴や路地の隙閧フ佃島 佐藤喜孝 あを 201909
職人の心意気の音江戸風鈴 西千代恵 雨月 201909
利根の風筑波の風や古風鈴 山田健太 風土 201909
豆腐食ふ間も風鈴のよく鳴れり 土井三乙 風土 201909
貝風鈴はらからの声聞いてをる 阪倉孝子 201909
風鈴の音がいちにちの寧らぎに 和田遊 201909
風鈴に山河の記憶ひとつ鳴る 近藤真啓 春燈 201909
風鈴の軒端に空を仰ぎをり 岡本まち子 馬醉木 201909
大寺の欄干に聞く江戸風鈴 中山惠子 201909
扇風機で鳴らす風鈴団地夫 篠田純子 あを 201910
船を待つ風鈴一つ手土産に 森祐司 201910
風鈴 →6

 

2021年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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