風 鈴 4    218句

風鈴の音が眼帯にひびくのよ   三橋鷹女   向日葵

作品
作者
掲載誌
掲載年月
無粋なる南部風鈴音色澄む 伊藤純子 201109
眠らせてくれし風鈴にて覚むる 高木嘉久 201109
風鈴を聞きつつごろ寝あるがよき 齊藤實 201109
風鈴や細き格子のをんな店 中野さき江 春燈 201109
風鈴の軍配風や囲碁仇 九竜庵玄 201109
風鈴に風が出てきてひとりなり 定梶じょう あを 201109
南部鉄風鈴の音の鎮魂歌 年森恭子 ぐろっけ 201109
ガラス器を選る風鈴の音のなか 中田みなみ 201109
風鈴の音に夕闇を纏ひけり 田中浅子 201110
海境や南部風鈴鳴りやまず 中田禎子 201110
風鈴や瓢箪池をみな知らず 田中藤穂 あを 201110
風無くて南部風鈴扇ぎけり 辻井ミナミ 末黒野 201110
漆黒の明珍風鈴句座の顔 磯田せい子 ぐろっけ 201110
風鈴を吊るに風道探しをり 山田正子 201110
風鈴や空寝の耳の聡きこと 山崎@青史 ろんど 201110
風鈴の乱れひと雨呼ぶ気配 塩路五郎 201110
風鈴の浮世離るや日の離る 佐藤凉宇子 ろんど 201110
風鈴の舌を繰る路地の風 史あかり ぐろっけ 201110
風鈴の師の句を詠みて予後待てり 野口喜久子 ぐろっけ 201110
風鈴と青鬼灯を山の家 石脇みはる 201110
風筋をさけて風鈴吊しけり 浅川幸代 末黒野 201110
汚泥から南部風鈴甦る 吉田克美 ろんど 201110
廃ガラスを風鈴とせしリサイクル 山口キミコ 201110
南部風鈴釘錆びてやや老いて 辻直美 201110
陶器屋の風鈴京都二年坂 永田圭子 ろんど 201110
もう誰もゐない糶場の貝風鈴 遠藤真砂明 201110
竹風鈴五輪中継かき消しぬ 松林依子 201111
透明ないるかの風鈴細く鳴く 中村江利子 京鹿子 201111
女子チーム勝ちて風鈴しづまりぬ 林哲夫 ぐろっけ 201111
風吹くや千の風鈴千の音 矢田有年 春燈 201111
相和することなき百の風鈴よ 堀井英子 雨月 201112
鳴りつづく風鈴外す頃合ひか 山内碧 201202
気まぐれに鳴る風鈴を友とせり 山崎稔子 末黒野 201204
風鈴の鈍く錆たる音なりぬ 加納淳子 六花 201207
風鈴や祖父の遺せる古き音 宮田香 故郷 201207
風鈴の音色に映る市の景 菅原孟 かさね 201207
銀座横丁風鈴売の憩ひをり 河内桜人 京鹿子 201208
久々の風鈴かぜに慣れて来し 原田達夫 201208
風鈴のあそび鳴りして山のかぜ 中山純子 万象 201208
風付けて江戸風鈴の売られけり 布川直幸 201208
浅草や風鈴売に声かけて 町山公孝 201208
ほろ酔ひや銀座行き交ふ風鈴売 丸山酔宵子 かさね 201208
江戸風鈴小気味よき音聞かせけり 尾野奈津子 春燈 201209
人恋へば真夜の風鈴ひとしきり コ田千鶴子 馬醉木 201209
風鈴や母呼ぶ夢に目覚めける 太田慶子 春燈 201209
風鈴やとなりどうしの難しき 花田心作 201209
よくひびく風鈴家の奢りとす 定梶じょう あを 201209
相づちを打つ風鈴と思ひけり 鳳蛮華 201210
川風や在りし日のまま江戸風鈴 本多俊子 201210
工作の風鈴ごろんとたまに鳴る 古井公代 ぐろっけ 201210
貝風鈴浜で聴くのとちがふいろ 大湾宗弘 万象 201210
風鈴を鳴らしてゐたり千の風 中島昌子 201210
風鈴を吊りてほどよき風を待つ 藤岡紫水 京鹿子 201210
風鈴や夫なしの世を落着かず 辻直美 201210
風鈴や診療終へてくつろげり 岡野安雅 かさね 201210
風鈴の舌に程良き風来たる 内田梢 末黒野 201210
風鈴のころとひと鳴りしたるのみ 大橋晄 雨月 201210
徒然の風鈴愉し文机 田中臥石 末黒野 201210
空き家の江戸風鈴の音しきり 松本恒子 ぐろっけ 201211
ちんでなくちりりんとこそ江戸風鈴 橋本くに彦 ホトトギス 201211
鳴らぬ日の軒風鈴に掌をかしぬ 石川叔子 201211
風鈴曼荼羅ぶぶ漬の昼餉かな 佐藤凉宇子 ろんど 201211
風鈴を吊りて始まる書道展 三橋早苗 ぐろっけ 201211
風鈴や師の句を吊し風を待つ 杉本綾 201211
風鈴の鳴らぬ一日や旅疲れ 藤井久仁子 ぐろっけ 201211
風鈴の江戸と南部が音を競ひ 松木清川 ぐろっけ 201211
風鈴の音色にけふの身をほぐす 小倉正穂 末黒野 201211
風鈴に風筋よろし三年坂 粟倉昌子 201211
父の歩は手摺伝ひに竹風鈴 柴田佐知子 201211
不揃ひの風鈴の音や亀の浮く 北村淳子 ろんど 201211
納戸から出て風鈴のはしやぎをり 津田霧笛 ぐろっけ 201211
日照つゞきひねもす鳴れり江戸風鈴 三浦澄江 ぐろっけ 201211
奈良風鈴静かに厄を払ひけり 池端英子 ろんど 201211
風鈴や変はりはじめし風の道 松本文一郎 六花 201212
風鈴の音色響ける露地の中 安藤虎酔 かさね 201212
風鈴を吊し二人の時新た 田嶋洋子 七線譜 201306
十階の風に風鈴鳴止まず 赤座典子 あを 201308
風鈴の音色昭和の風絶へだへ 阿部寒林 あを 201308
うたたねの父の胛軽風鈴 長田曄子 火星 201309
世の中に背を向け風鈴静かなり 貝森光洋 六花 201309
古釘に吊す風鈴吹きまよふ 小林昌幸 201310
身のうちに風鈴の音の溜まりゆく 大川ゆかり 201310
音束ね路地に入り来し風鈴売 遠藤逍遙子 風土 201310
風鈴の音に夜空が白みゆく 中山純子 万象 201310
風鈴や故郷の南部恋ふ音色 小野寺節子 風土 201310
母吊りしままの風鈴ときに鳴り 武生喜玖乃 雨月 201310
母のゐる場所は風鈴よく鳴りぬ 高橋将夫 201310
風鈴やバリアフリーの母の家 細川洋子 201310
風鈴の鳴るは陸奥たましづめ 竹内悦子 201310
風鈴の音の快き節電日 山田佳子 201310
風鈴のこゑを戸毎に窯の里 秋山信行 やぶれ傘 201310
風鈴に応へ隣家の貝風鈴 戸栗末廣 201310
風鈴にエコのくらしを伺ひぬ 田中久子 201310
残照の路地風鈴とカレーの香 松本三千夫 末黒野 201310
横丁といふ風鈴の鳴るところ 安居正浩 201310
店頭の陶の風鈴われを呼ぶ 市橋香 ぐろっけ 201310
好きなだけ鳴らし風鈴仕舞ひけり 小山田子鬼 201310
風鈴や縮緬格子糸格子 田中佐知子 風土 201311
糸巻を風鈴にして縮緬屋 田中佐知子 風土 201311
風鈴を下ろして夜を眠らせり 祐宗千代子 雨月 201311
風鈴や風の通ひ路つきとめぬ 松本文一郎 六花 201311
風鈴の夜の静寂を呼び込めり 山中蕃 末黒野 201311
風鈴の紐・短冊を替へもして 林いづみ 風土 201311
風鈴に委ねてをりし猫の耳 高野春子 京鹿子 201311
相槌を軽く返して貝風鈴 小泉欣也 ろんど 201311
退院すまづ風鈴を片付けて 三橋早苗 ぐろっけ 201312
風の中どれがどの音風鈴屋 山田正子 201312
風鈴にふと戯れて風去りぬ 仙頭宗峰 万象 201312
風鈴の自問自答のすゑ一打 鳳蛮華 201312
潮どきやはづし忘れの貝風鈴 鷺山珀眉 京鹿子 201401
風鈴の一斉に鳴る陶器市 あさなが捷 201407
南部風鈴ふる里の風恋しきか 塩村瑞子 雨月 201408
風鈴に昼寝の夢を賜りぬ 松嶋一洋 201408
火を浴びし江戸風鈴の音色かな 谷田部栄 万象 201408
風鈴を離れさまよふ風となり 布川直幸 201408
風鈴を揺らすそよ風良い音色 西田史郎 璦別冊 201408
風鈴や夢と現を往き来して 水野恒彦 201408
風鈴や子に何時よりの聞き上手 深澤厚子 馬醉木 201408
風鈴の軽く叩かれ買はれけり 河前隆三 馬醉木 201408
小児病棟風鈴吊ればすぐ鳴れり 山本耀子 火星 201408
軒風鈴二つ違うた音で鳴る 定梶じょう あを 201409
響き愛し南部風鈴二十年 赤座典子 あを 201409
出し抜けの風鈴鳴つて歓喜天 中島陽華 201409
明珍の風鈴の音や城下町 宮崎左智子 201409
白磁器の窓の風鈴鳴りにけり 杉浦典子 火星 201409
風鈴や年輩ばかりの囲碁サロン 高橋泰子 201409
風鈴や明日の目覚めを疑はず 天谷翔子 201409
風鈴や亡き女の声そこはかと 大口堂遊 春燈 201409
風鈴や文箱に仕舞ふこんぺい糖 辻響子 201409
風鈴や手慣れに通る針のめど 山本町子 風土 201409
風鈴の本気に舵取る南南西 柳本渓光 ろんど 201409
風鈴の音風鈴が消しあひぬ 高橋将夫 201409
風鈴の音を散らかす一人の日 黒澤登美枝 201409
風鈴の音を気兼ねに街住ひ 西川みほ 末黒野 201409
風鈴の音ばかりなりひとり住 田中淺子 201409
風のなき夕べ風鈴鳴り始む 杉浦典子 火星 201409
よき松の立ち並びゐて軒風鈴 内海良太 万象 201409
南部江戸と風鈴二つ音ふたつ 松本三千夫 末黒野 201409
孫つくりし貝風鈴をみやげにと 千葉惠美子 末黒野 201410
にこやかな顔風鈴に描かれをり 安居正浩 201410
舌切れし風鈴風の忘れもの 羽根嘉津 201410
宵風鈴今日の気弱をなぐさめぬ 西郷慶子 201410
嬰の目の風鈴の音を追うてけり 太田慶子 春燈 201410
偕老の会話の途切れ軒風鈴 安井和恵 201410
鳴れば憂し鳴らねばさみし江戸風鈴 河口仁志 201410
無人駅風鈴の音高らかに 羽賀恭子 201410
風鈴の音の戸惑ふ風の中 加古みちよ 火星 201410
風鈴の夢の中よりうつつへと 中尾安一 火星 201410
貝風鈴遠海鳴りに応へけり 和田照海 京鹿子 201410
風鈴や池に波紋の二つ三つ 蘭定かず子 火星 201410
風鈴の尾が乾坤の星ふやす 土屋草子 ろんど 201410
風鈴の今朝はバッハのチェロにのり 西郷慶子 201410
風鈴の音色の優し風優し 荻龍雲 201410
風鈴のとぎれとぎれに友の顔 水谷直子 京鹿子 201410
風鈴に妻偲ぶ句や風清し 山崎幸夫 末黒野 201410
定位置の風鈴の釘錆びてをり 大西よしき ろんど 201410
土間に影江戸風鈴の静まらず 岡野里子 末黒野 201410
鉄風鈴いつせいに鳴る物産館 松林依子 201410
みちのくの風鈴を吊る旅ごころ 廣瀬克子 春燈 201410
風鈴の幽かなる音や目の冴えて 山崎稔子 末黒野 201411
たまに鳴る鉄風鈴や沙汰なき子 山崎稔子 末黒野 201411
風鈴が津軽の風を連れて来る 古川忠利 ろんど 201411
風鈴にふるさと匂ふ夕ベかな 増田甚平 ろんど 201411
軒風鈴やなせたかしのアンパンマン 佐瀬晶子 ろんど 201411
気風よき江戸風鈴の音を選ぶ 礒貝尚孝 201411
風鈴を指もて鳴らす別れ来て 荒井千佐代 201411
風ごとに風鈴ちがふ歌うたふ 金子正道 京鹿子 201411
風止んで風鈴の舌伸びにけり 住田千代子 六花 201411
風鈴の音たしかめて買はぬ客 橋本くに彦 ホトトギス 201412
風鈴のりんと鳴らぬを眺めたり 大坪あきら 万象 201412
風鈴の音色瞼に嬰眠る 柴田歌子 201412
風鈴や季節外れのさみしさよ 青野安佐子 201412
父の家風に素直でない風鈴 中谷三干子 船団 201502
風鈴の場所替えたりして真昼 陽山道子 船団 201502
風生れてより値の決まる風鈴屋 佐瀬晶子 ろんど 201502
風鈴の音に表も裏もなし 布川直幸 201506
風鈴に江戸の風聴く昼下り 木村ふく 馬醉木 201507
自づから南部風鈴響き合ひ 大橋晄 雨月 201507
風鈴に子のみの風のあるらしく 白神知恵子 女坂 201508
風鈴に川風の来て鳴りやまず 村上國枝 春燈 201508
着信を風鈴の音に設定す 高橋道子 201508
舌切れし風鈴風の忘れもの 羽根嘉津 201508
キッチンに空き巣守る音貝風鈴 安永圭子 風土 201508
風鈴や車の下にねむる猫 村上倫子 201508
未だ風を知らぬ風鈴手の平に 大石よし子 雨月 201508
風鈴を鳴らしトロッコ坑道へ 渡たみ 馬醉木 201509
風鈴や静けさ深む路地の昼 高橋泰子 201509
民宿の風鈴下の階で鳴る 大崎紀夫 やぶれ傘 201509
貝風鈴下駄の音たて女の子 黒滝志麻子 末黒野 201509
風鈴や力士出払ふ相撲部屋 中村嵐楓子 春燈 201509
風鈴の舌の向うに真昼かな 大崎紀夫 虻の昼 201510
秋風鈴楷書のごとき父とゐる 徳田千鶴子 馬醉木 201510
駄菓子屋の貝風鈴の鳴りやまず 植田桂子 馬醉木 201510
見えぬ風見せて風鈴買はれけり 米山のり子 馬醉木 201510
風鈴とランプ商ふ多喜二の地 原田しずえ 万象 201510
何に狂ふや風鈴の賑々し 竹内悦子 201510
風鈴や黄泉平坂微風あり 有松洋子 201510
揺れやまぬ貝風鈴や日のまだら 岡野里子 末黒野 201510
風鈴や昭和の残る通過駅 和田慈子 末黒野 201510
舌長き音のするなり江戸風鈴 宇都宮敦子 201510
風鈴の余韻のほしき未完の詩 卜部黎子 春燈 201510
誰も居ぬ部屋に風鈴ひとり言 松嶋一洋 201510
風鈴や蝶遊ばせて風を生む 四條進 201510
子等の嘘に南部風鈴音澄めり 後藤マッエ 201511
招き猫江戸風鈴をひさぐ店 岡野里子 末黒野 201511
風鈴の隣り近所といふことも 相良牧人 201511
煙草屋に江戸風鈴の真昼かな 今井春生 201511
風鈴の短冊読める程の風 久保東海司 風鈴 201512
風鈴の隣り近所といふことも 相良牧人 201511
風鈴を鳴らさぬ嵐鳴らす風 林昭太郎 201511
常夏の潮風に鳴る鉄風鈴 阿久津勝利 万象 201512
侘住まひ風鈴ばかりにぎやかに 遠山のり子 201512
素つ気なき音風鈴を終ふとき 原友子 201512
聞くとなく軒の風鈴きいてをり 黒川悦子 ホトトギス 201601
頭蓋骨なら有る貝風鈴も有る 池田澄子 船団 201512
呉服屋の秋の風鈴ひそと鳴る 高橋将夫 201601
風鈴の疎ましき夜のありにけり 久保東海司 201602
風鈴の音色加はる偏頭痛 鴨下昭 201602
風鈴→ 5      

 

2021年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。