二 日 1     197句

練炭の灰置かれある二日かな    金子蛙次郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
二日には原稿依顔殺到す 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901
長男のひげぞりぞりと二日かな 代田青鳥 風土 199903
二日はや満月の影地に敷けり 松崎鉄之介 199903
わたつみに満月にほふ二日かな 石本秋翠 馬醉木 199904
潮騒を聞きに二日のハイウェイ 玉川悠 遠嶺 199904
二日の夜ピンポン負けてしまひけり 武井康隆 船団 199906
文旦や夫婦にあまりある二日 佐々木峻 船団 199908
二日はや大瓶風を生みにけり 小形さとる 200003
二日はや漢方薬を煎じをり 志摩陽子 200003
朝の日に墨の香たつる二日かな 高野清風 雲の峰 200003
二日はやまみゆ鼬のおもてかな 澤本三乗 200004
音一つ立たぬ二日の白障子 西山胡鬼 京鹿子 200004
一年の計も寝かせて二日かな 志麻茜 銀化 200004
大漁旗風を孕める二日かな 小林光美 春耕 200004
二日はや灯をあかあかと郵便課 鈴木ミヨコ 200005
人聲にもらふ明るさ二日かな 小島とよ子 新樹光 200007
さくら湯のシロが尾をふる二日かな 長沼都 船団 200008
かゆいとこかいてもらっている二日 中原幸子 遠くの山 200010
折り目ある旗に日のさす二日かな 中原幸子 遠くの山 200010
平穏の二日といふ日迎へたり 阿部ひろし 酸漿 200102
銭湯の煙のぼりし二日かな 三代川次郎 俳句通信 200102
二日はや下積みとなる願ひ絵馬 八染藍子 200103
二日はや血を換へにゆく靴磨く 若月瑞峰 春耕 200103
それぞれに別のことする二日かな 小松誠一 200104
二日かな夢語る人夢書く子 西塚成代 六花 200104
中天に半月かかる二日かな 小澤克己 遠嶺 200105
帆船の光を撒いて来る二日 寺田良治 船団 200107
呼応してひかる二日の畦の榛 高崎武義 200202
きはやかや二日夜明の星一つ 阿部ひろし 酸漿 200202
文机の使はぬ塵も二日かな 鷹羽狩行 200202
ふるさとの夢に雪積む二日かな 尾上直子 200203
二日はや鴉おりたつ魚干場 天野和風 春耕 200203
二日はや沖の生簀へ手漕ぎ舟 布谷洋子 春耕 200203
きっちりと足袋穿き二日つまらなく 利根川妙子 200204
古りし数珠持ちて安堵の二日かな 岩田育左右 遠嶺 200204
幼児の山羊に触れたる二日かな 青池亘 百鳥 200204
八専の小雨ぱらつき旧二日 落合由季女 雨月 200206
鳥の声増やし二日を寝てをりぬ 嵯峨根鈴子 火星 200207
家付きの小綺麗癖や二日はや 谷渡末枝 万象 200212
籠鳥にもの言ぶことも二日かな 鷹羽狩行 200301
学校の兎見にゆく二日かな 須佐薫子 帆船 200302
漆黒に二日の富士の鎮まりぬ 赤座典子 あを 200302
膝の子の重たくなりぬ二日かな 水井千鶴子 風土 200303
くたびれしものに二日の身を通す 小原禎子 銀化 200303
晴着楚々乙女二日の初出勤 林翔 200303
二日目は里の雑煮を作りけり 青木政江 酸漿 200303
部屋に入る二日の日ざしやはらかき 石川元子 酸漿 200303
門松に軽く雪置く二日かな 石川元子 酸漿 200303
ほろほろと雪零れくる二日かな 深澤鱶 火星 200304
夫とゐて鉄瓶たぎる二日かな 宇田喜美栄 200304
原稿の書出し二行二日かな 川端実 遠嶺 200304
二日はや釣り糸垂れる人の影 中薗道子 遠嶺 200304
碧落へ二日の朝の深呼吸 青木民子 酸漿 200304
うなぎ屋の卓にもの書く二日かな 冨田正吉 200304
鉄棒に雀来てゐる二日かな 冨田正吉 200304
子ら遠し二日の星を仰ぐとき 隈部郁子 200304
長尻の客に二日のはやも暮れ 小川匠太郎 200401
鎌倉や二日の雲の縁光り 小林優子 酸漿 200403
サーファーの笑みの眩しき二日かな 小林優子 酸漿 200403
二日はや蛸干されゐる明石かな 和田一 雨月 200403
リハビリの自転車をこぐ二日かな 名田西の鴉 草の花 200403
昼月に自転車を漕ぐ二日かな 原嶋光代 草の花 200403
木曽駒の朝日に厳と二日かな 竹内喜代子 雨月 200404
島影を大き舟出る二日凪 田中英子 火星 200404
駅伝に横浜二日の人出はや 北村香朗 京鹿子 200404
阿弥陀ケ峰雲がなびきて二日かな 山田耕子 京鹿子 200404
猩々と夢を転がす二日かな 楠翁 200404
子が父に連弾せがむ二日かな 藤井智恵子 百鳥 200404
肩揺する癖出始めて二日かな 近藤貞子 六花 200502
着付終へ子に我を見る二日かな 北島上已 酸漿 200503
雪は止み二日の朝の御来光 林翔 200503
二日はや漁船で沖の賑はへり 長谷川久吉 200503
トーストにバター溶けゆく二日かな 鶴田武子 雲の峰 200503
後早に鴉のわきを抜け二日 吉弘恭子 あを 200503
二日はや紙折る指に力込め 岩崎憲二 京鹿子 200503
作業着の夫に切火の二日かな 東郷すみ江 万象 200504
コンビナート火煙真直に二日凪 松林順子 雨月 200504
あんぱんのあんこぼれゐる二日かな 竹内悦子 200504
指先に土陶工の二日かな 奥田弦鬼 風土 200504
臘梅の金鈴拾ふ二日かな 栗本佳代子 200504
獏の目を避けて二日の動物園 いしだゆか 遠嶺 200504
鉈研いで山へは入らぬ二日かな 淵脇護 河鹿 200504
二日はや一人の暮しはじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200601
木の雫見せて二日の今年の日 阿部ひろし 酸漿 200602
手のひらにつむじ風ある二日かな 矢崎昌 200603
二日はや夢のなか行く一人旅 村越化石 200603
二日はや風の日暮れのあすなろう 藤岡紫水 京鹿子 200603
二日はや子等は帰りて老二人 長沢よしや 200604
二日はやフランスパンとマグカップ 永嶋みね子 火星 200604
立てなほす背筋二日の風の中 中山皓雪 200604
おとうとの挙手まなうらに二日かな 山崎靖子 200604
二日はや離郷の人ら駅頭に 足利ロ子 ぐろっけ 200605
山湖なほ氷らず二日おだしく暮れ 瀧春一 常念 200606
一人居の二日に飾る豆雛 小黒加支 酸漿 200606
二日はや往診の鞄かゝへたる 滝沢伊代次 万象 200701
二日はや初目薬と言ふべかり 堀内一郎 あを 200702
節の重ひろげ二日の帰省者ら 羽田岳水 馬醉木 200703
朱の盃をかさね米寿の二日屠蘇 羽田岳水 馬醉木 200703
二日かな老松とはのあて姿 林翔 200703
神州の二日に詣で孔子廟 都筑智子 200703
二日の日蝋梅に射し淡しとも 阿部ひろし 酸漿 200703
ねんごろに妻の手擦る二日かな 朝倉富次 酸漿 200703
妻の手にはたらく二日の厨水 布川直幸 200703
名湯に二日の客を持てなせり 仁平則子 200703
二日はやふだん使ひに火も水も 佐藤博美 200704
見送りに出て満月の二日かな 内山けい子 200704
竃猫やをら出でくる二日かな 山田六甲 六花 200801
ラヂオから六段流る二日かな 山田六甲 六花 200801
ぬるま湯に浮かぶ二日の乳房かな ことり 六花 200801
女湯に赤子の泣ける二日かな ことり 六花 200801
二日はやものかきぞめの家籠 阿部ひろし 酸漿 200803
いつよりの東雑煮の二日かな 山田美恵子 火星 200804
二日かな松のうしろに夕茜 佐藤喜孝 あを 200803
二日とて集ふ笑顔の多きかな 牧原佳代子 酸漿 200804
二日はや叱られてゐる兄おとと 垣内薫 200805
掌にすくふ嬰のふぐりの二日かな 城孝子 飛火野 200808
二日はや飛べる翼を恃みとす 小澤克己 遠嶺 200901
二日はやただの雀でありにけり 加藤克 200902
姉の忌の一月二日母郷の温泉 鈴木石花 風土 200903
藪柑子実の失せてゐし二日かな 阿部文子 酸漿 200903
穗のしらじらとある二日かな 佐藤喜孝 あを 200903
二日はや車窓に仰ぐ二日月 数長藤代 200904
二日はやカレーの匂ふ夕厨 折橋綾子 200904
宣言し新湯に入りぬ二日かな 原田達夫 200904
馬術部のバケツ湯気たつ二日かな 浜口高子 火星 200904
翡翠の色のよぎりし二日かな 丸山照子 火星 200904
うらじろの葉の反り返り二日かな 佐藤信子 佐藤信子集 200905
上げ板のカタと鳴ったる二日かな 佐藤喜孝 あを 200912
おうおうの応へ二日の師匠かな 大坪景章 万象 201001
髪ほどきふいに溜息つく二日 ことり 六花 201001
皓々と月残りゐて二日かな 阿部文子 酸奬 201002
祖の墓に家族の揃ふ二日かな 石川かおり 201003
御家墨は松の模様の二日かな 雨村敏子 201003
二日はや机辺片付けゐたりけり 安立公彦 春燈 201003
鳴きまねをする懸巣をり庭二日 長田秋男 酸漿 201003
二日はや出掛ける事となりにけり 若本彰子 酸漿 201003
二日はや神事の袴たたみけり 恒川とも子 201003
松の内一番静かなる二日 木村茂登子 あを 201003
妻留守の二日の自動洗濯機 村井二郎 馬醉木 201004
二日はや二人になつてしまひけり 数長藤代 201004
二日はや炭引く音に目覚めけり 大貫美智子 万象 201004
薪割つて木端を飛ばす二日かな 伊藤美音子 万象 201004
不動明王読経の声も二日かな 竹内悦子 201004
二日から缶を集める男達 島本知子 ぐろっけ 201004
二合半を二人で酌みし二日かな 吉弘恭子 あを 201101
内々の二日の枕経ありき 大畑善昭 201102
蒼穹へ尖り谷川岳二日 藤原照子 201103
日本間に墨の香のたつ二日かな 土井三乙 風土 201104
手相良き子を褒めてやる二日かな 泉田秋硯 201104
「龍の湯」に身体ほつこり二日かな 田中みのる 火星 201104
来る子あり帰る子のある二日かな 山口美貴子 火星 201104
二日の雲雀天の香具山より高く 石垣幸子 雨月 201104
にぎはひの少し二日の神まうで 大島英昭 やぶれ傘 201105
箱根路を登る駅伝見に二日 嶋田一歩 ホトトギス 201106
曳馬野の細筆おろす二日かな 山田春生 万象 201201
二日礼者愛ふばかりの嬰見せに 宮崎左智子 201203
スカイツリー窓に昼餉の二日かな 永島雅子 春燈 201203
ランナーに二日の富士の美し厳し 浅木ノヱ 春燈 201203
竹を踏み鉄亜鈴振り二日かな 田中貞雄 ろんど 201203
静けさの墨すつてをる二日かな 中島昌子 201203
二日はや自転車磨く親子かな 清海信子 末黒野 201204
骨董に光満ちたる二日かな 小林和世 末黒野 201204
雪のせて二日の山の霽れてきし 山本耀子 火星 201204
家あふるばかりにうまご来し二日 出口貴美子 雨月 201204
二日富士箱根駅伝往路終ふ 嶋田一歩 ホトトギス 201206
駅伝を見る渋滞に二日富士 嶋田一歩 ホトトギス 201206
墨の香の部屋に籠れる二日かな 北崎展江 くりから 201209
火事ありし二日の空の崩れそむ 山田六甲 六花 201301
ゆつくりと父の起ちたる二日かな 高倉和子 201302
鷹匠の一笛が統ぶ二日かな 森岡正作 201303
子も孫も去にて二日の長湯かな 大橋晄 雨月 201303
朝ぼらけ竹藪ぬける二日かな 庄司久美子 201304
百巻の書に日の当る二日かな 宮川みね子 風土 201304
二日はや待つた無しなる雪卸 森屋慶基 風土 201304
人形筆からくりも見せ二日かな 杉本薬王子 風土 201304
今年はや動き初めたる二日かな 村上悦子 雨月 201304
ヒューズ飛びスイッチ探る二日の夜 水野範子 ぐろっけ 201304
空晴れて真鯛の届く二日かな 福島せいぎ 万象 201304
予測せる誰彼の来る二日かな 橋本美代 やぶれ傘 201304
駅伝の手旗へ風の二日かな 岩上行雄 末黒野 201305
二日はや音立て回る洗濯機 青木朋子 201305
大根の勝鬨あがる二日かな 中島玉五郎 201402
灯のひとつ独身寮の二日かな 小島昭夫 春燈 201403
星屑の降つてきさうな二日かな 樋口みのぶ 201403
ここかしこ鴉高鳴く二日かな 加藤北天 雨月 201403
正月二日は京風となる雑煮かな 西田史郎 201403
まつさをな空に凧舞ふ二日かな 河合とき 末黒野 201404
二日とろろ婆の大渦子の小渦 升田ヤエ子 六花 201404
紙と筆えらぶ二日の日ざしかな 坂口夫佐子 火星 201404
花やしき二日の声が頭上から 宇都宮敦子 201404
鳴り止まぬ鈴の緒二日日和かな 久保東海司 201404
にこにことバウムクーヘン切る二日 谷岡尚美 201404
二日はや一人の夜のとろろ汁 木村ふく 馬醉木 201501
二日はや鍬で寄せたるものを焚く 山田六甲 六花 201501
二日かな万年筆の尻ぬぐひ 山田六甲 六花 201502
家に籠り色なき雪の二日かな 四條進 201503
二日早茶花探しの用伝ひ 坂本依誌子 春燈 201503
二日→2      

 

2021年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。