蒲団 2(含 他季)    124句

藁蒲團足伸べし音してをかし    佐藤念腹

作品
作者
掲載誌
掲載年月
肩蒲団流氷見ゆとラヂオ言ふ 鎌倉喜久恵 あを 200403
江の島と富士のあひだに蒲団干す 大森春子 200403
どの家も幸せさうな布団干し 加賀富美江 遠嶺 200403

 村越化石氏生家

汝が姉が布団干し待つ石蕗の花

竹中龍青 200403
太陽に軽さを貰ふ干布団 三浦澄江 ぐろっけ 200403
干し上がり使ふ当てなき客蒲団 栗原紘子 200404
太陽は草の匂ひや干蒲団 下山田美江 風土 200404
わが家に一枚舌の蒲団干す 平野貴 対岸 200404
この里の小町伝説干布団 戸田和子 200404
布団干し昼の日差しを畳み込む 井手房野 築港 200404
海晴れて干物の横に布団干す 小野寺靖 百鳥 200404
大あくび空に向かひて蒲団干す 片岡静子 200405
干蒲団敵のごとく叩く音 泉田秋硯 200405
蒲団より軽くなりたる人を抱く 久保田妙 百鳥 200405
すこし遠くへ蒲團をはこぶ春の花 佐藤喜孝 あを 200405
掛布団ずれておはせし寝釈迦かな 山尾玉藻 火星 200406

 滝瓢水の母の実家(三木湯ノ山街道)

炎昼の石に蒲団は掛けられず

山田六甲 六花 200408
そば殻のこぼれてゐたる蒲団かな 竹内弘子 あを 200412
干蒲団叩くに谺返しけり 笹原紀世子 200501
宿坊の布団の薄き秋意かな 石川賢吾 200501
木の影のすれすれに干す蒲団かな 和田林子 帆船 200502
部屋中にひがな一日蒲団干す 内山鶴江 築港 200502
羽根布団今日の一日の胸算用 須佐薫子 帆船 200502
干布団大東島は風力2 林昭太郎 200502
山彦の機嫌よき日や蒲団干す 坂ようこ 200503
灯台の見ゆる白浜干蒲団 金子慶子 遠嶺 200503
干布団軽さといふは淋しけれ 秋岡朝子 200503
学寮に布団干しある小春かな 杉山みゆき 百鳥 200503
布団干す廊下に直射日を入れて 渋谷まさ江 築港 200504
天鵞絨の衿の布団に顔埋める 森理和 あを 200504
交番のフェンスふくらむ干布団 町田洋子 200504
六法の置かれてありし蒲団かな 高橋将夫 星の渦 200507
来客に足らぬ日射しの布団干す 中島英子 八千草 200508
蒲團から墜ちて疊に明易し 佐藤喜孝 あを 200509
螢や夫に布団の余りをり 城孝子 火星 200510
取込みし布団に土用の日の匂ふ 福澤乙 酸漿 200510
呼応するあり干布団叩く音 伊藤白潮 200512
胸算をしばし布団の打ち直し 伊藤白潮 200512
北陸や海照る屋根の干布団 岡本眸 200512
通草食べ羽毛布団にゐるこころ 天野きく江 200601
布団干す音で納める猫喧嘩 三橋早苗 ぐろっけ 200601
半島もここが北端干布団 定梶じょう あを 200601
数へ日の脹らんでゐる客蒲団 大森慶子 母衣 200602
干蒲団たたいて夫を許しけり 楠原幹子 白卓布 200602
幼子と雲のはなしや蒲団干す 糸川草一郎 百鳥 200602
物ぐさ太郎になるよと蒲団はぎし母 吉田明 200602
羽づくろふ音のかすかに羽蒲団 中島あきら 200602
干蒲団の感触よきにすぐ寝つく 村山春子 200602
干蒲団叩きて隣同士かな 簗田たかゑ 火星 200602
羽布団卵抱きたるやうに寝る 新井佐知子 遠嶺 200602
青天へ展ぐ家族図干布団 大沢美智子 200602
鳥の声よく響く日や蒲団干す 佐々木よし子 200603
やさしさの膨らんでくる布団かな 篠藤千佳子 200603
介護終へ五体投げ出す干布団 岡久枝 酸漿 200603
子等が来てやがて帰りて蒲団干す 清原彰子 河鹿 200604
取り込みし蒲団日の香の夜も匂ふ 池田美佐代 200604
炬燵布団花柄にして春を待つ 若本彰子 酸漿 200604
竿売りの声を遠くに布団干す 北川キヨ子 200605
起きられぬ春の布団に喰ひつかれ 前川明子 200605
肩深く埋めて母の蒲団なり 片田千鶴 馬醉木 200606
布団干す今日は富士山男前 芦川まり 八千草 200606
ふるさとの蒲団の重さ明け易し 木暮剛平 万象 200609
山国の重き蒲団を重ねたる 滝沢伊代次 万象 200701
働いて深き睡りへ干蒲団 須藤美智子 風土 200701
布団干すここは狼煙といふところ 定梶じょう あを 200701
蒲団干す海抜ゼロの家に住み 後條さと子 200702
立冬の日をたつぷりと蒲団かな 古川京子 万象 200702
干蒲団儀式のやうに裏返す 田村園子 200702
散会のあとの座布団雪くるか 山尾玉藻 火星 200702
己が身のぬくみにぬくむ蒲団かな 松崎鉄之介 200702
生きてゐる証の蒲団干しにけり 岩月優美子 200702
窓ごとに蒲団干しあり秋日和 延川笙子 六花 200702
定年の男が叩く干蒲団 井上玉枝 万象 200703
入日かつ海金襴の蒲団かな 中島陽華 200703
富士山を遠見に拝し布団干す 鈴木石花 風土 200703
遅刻せし夢の続きに布団干す 大井邦子 ぐろっけ 200703
布団干す鉄道警察分遣所 菅原末野 風土 200704
蒲団縫ふに姑の遺せし真綿引く 宝王トシ子 200704
縁側の布団に冬日入り込む 阿久津勝利 万象 200704
手と足に蒲団の中だけの自由 倉持梨恵 200704
別荘に着いて先づ干す蒲団かな 友田直文 200705
雲雀野に花柄蒲団捨ててある 蘭定かず子 火星 200706
両側の桟敷に並ぶ夏布団 鈴木石花 風土 200709
飛機の過ぐ刻ある照らす干蒲団 嶋田摩耶子 ホトトギス 200710
方丈の大座布団や寺涼し 森山暁湖 万象 200710
蒲団干し草の渚へ階二段 浅田光代 風土 200711
足もとに死神すわる蒲団かな さのれいこ 春燈 200712
寝乱れし足がまさぐる夏蒲団 四戸和彦 八千草 200712
干布団叩く音して此岸かな 中山純子 万象 200801
太陽を溜め込み中の干布団 布川直幸 200802
遠富士を視野に置きつつ蒲団干す 本橋葉月 遠嶺 200802
修行僧屋根に広げて蒲団干す 鍋島広子 万象 200803
蒲団干し寺には寺の一家族 足立典子 雨月 200803
悪党の影を潜めて蒲団干す 小澤克己 遠嶺 200803
布団屋に綿の荷届く十二月 西山美枝子 酸漿 200803
玉電や縫ふ家並の干蒲団 菊池由惠 酸漿 200803
蒲団干す独身寮の日曜日 大久保白村 ホトトギス 200804
縁に干す蒲団に坐り生家なる 大久保白村 ホトトギス 200804
通夜の子の掌のあたたかき蒲団かな 丸山照子 火星 200804
畳まれし日のぬくもりの布団かな 青木民子 酸漿 200804
落武者のごとく蒲団に入りけり 首藤知茂 200805
夏布団干し神楽坂裏に住む 大西八洲雄 万象 200808
夏布団さらりとかけて夜鷹聞く 斉藤小夜 風土 200809
夏布団畳みて旅の終りけり 徳丸峻二 風土 200809
夏蒲団肋骨冥くありにける 栗栖恵通子 200810
旅先の重き蒲団になじまざる 稲畑汀子 ホトトギス 200812
わが病む夏の蒲団を妻は仕立てをり 瀧春一 深林 200901
天高し舟屋の屋根の干蒲団 柴野静 200902
干し蒲団膨れ過ぎしと叩かるる 小林朱夏 200902
一時は富士を隠して蒲団干す 守屋井蛙 酸漿 200902
風邪引きに布団の重さありにけり きくちきみえ やぶれ傘 200902
めざめゐて布団の重さ屋根の雪 橋本順子 200904
夜泣きの子母の布団に引込まれる KOKIA 六花 200904
町ぢゅうが布団干す日のひとつづつ 定梶じょう あを 200904
心身の浮かむ思ひや干蒲団 内藤呈念 ホトトギス 200905
日の匂ひ吸ひし布団や子に遠し 佐藤信子 佐藤信子集 200905
目覚めては布団引き上ぐ寒夜かな 久永つう 六花 200905
いつの間に裏返りゐて夏蒲団 堀内一郎 あを 200908
片足の夏蒲団よりあそび出て 市村健夫 馬醉木 200910
仮の世の終の棲家の掛布団 篠田純子 あを 200911
假の世に蒲團を延べてこの世とす 佐藤喜孝 あを 200911
蒲団干日和と言はむ山の手も 鷹羽狩行 200912
頭上からぽんぽん叩く干蒲団 上原重一 201001
羽根布団そろりと踏んで猫来たる 木野本加寿江 火星 201001
蒲團→ 3      

 

2021年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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