蒲 団 1 (含 他季)     100句

寝ごゝろや火燵蒲団のさめぬ内    其角

作品
作者
掲載誌
掲載年月
肩布団して南朝の裔とかや 山田弘子 春節 199503
蒲団重くなりしは妻か雪女か 神蔵器 199810
休日の杜氏布団を叩きゐし 大西八洲雄 春耕 199901
生くるとは蒲団ぬくめる血のしげし 竹村悦子 銀化 199903
秋の怒濤魂うずめ羽根蒲団 桐木榮子 船団 199903
ゆれもせぬ胸にかかえて布団干す 中原忽湖 船団 199903
逃げ易き日に路地住の干蒲団 安陪青人 雨月 199904
四ッ折りの布団や子規の大頭 栗栖恵通子 199904
癒ゆること蒲団の中でじつと待つ 三瀬教世 円虹 199905
蒲団干す猫と犬とに愛されつ 長沼都 船団 199906
勘違いの多い一日羽蒲団 近藤千雅 船団 199907
魚になる夢の続きを羽蒲団 近藤千雅 船団 199907
春眠の続きを孵す羽根布団 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 199908
綿の花兄の蒲団を埋め尽す 蔵前幸子 船団 199912
蒲団干し子に畳み置く日の匂ひ 阿部悦子 酸漿 200002
蒲団干し真昼それぞれゐなくなる 仲村青彦 200002
葱起こし畑の蒲団はがす朝 尾上有紀子 わがまま 200002
陶然と日矢の刺される干蒲團 中原道夫 銀化 200002
蓑虫のぬくもりのあり干蒲団 今瀬剛一 200003
足が出て砂漠を歩く蒲団かな 山田六甲 六花 200003
鉄棒に宿直明けの布団干す 宮城白路 風土 200003
帰りたる子のぬくもりの布団干す 武井美代子 風土 200005
押入れの闇の記憶や干蒲団 塩路隆子 精鋭選集 200008
ねむられぬ旅の布団や水鶏鳴く 二村蘭秋 雨月 200009
穂高小屋信濃に向ひ蒲団干す 阿部寒林 200010
蒲団干しきのふの夢を叩きけり 秋山深雪 船団 200102
双塔の見える日和や布団干す 竹村良三 200102
突と姑逝かれし布団干せしまま 堀田清江 雨月 200102
干蒲団猫が試し寝してゐたり 栗山みどり 200103
退院の近し蒲団を干して待つ 合川月林子 ぐろっけ 200103
蒲団干す遠く真つ赤なアドバルン 岡本眸 200104
蒲団干す鴨の水照のここにまで 高橋愛子 200104
近隣にさきがけ叩く干布団 永岡セツ 酸漿 200104
紙漉きの膝をいたはる膝蒲団 今西ひろえ 200105
干す重さ取り込む軽さ蒲団かな 八幡酔鵬 200106
雪女郎敷きっぱなしの薄布団 土橋柚花 船団 200106
痔の多き鍛冶職つぎて腰布団 北川えい子 ぐろっけ 200106
水鳥や憑かれて旅の羽根蒲団 西條李 京鹿子 200110
花冷えの赤い蒲団にもぐり込む 東莎逍 船団 200111
利根川の草木は枯れて布団見ゆ 江倉京子 あを 200112
川の字に並んだ蒲団エイヤットウ 松村美智子 あを 200201
このぬくき空気よ布団と身とのあひ 林翔 馬醉木 200201
魂去にて嵩の減りたる蒲団かな 阪本哲弘 200202
六甲の風はらみたる羽根蒲団 辻のぶ子 雲の峰 200202
蒼天の機嫌うかがふ干蒲団 秋葉雅治 200202
八ツ岳の見ゆる日和や蒲団干す 神山テル 春耕 200202
屋根までも蒲団干しある海女の宿 中村敏夫 春耕 200202
蒲団着て伏流水のやうにゐる 菅藤良子 銀化 200202
干蒲団白昼夢に膨らめる 山室キミ子 銀化 200202
肯定も否定もせずの蒲団かな 石山正子 銀化 200202
干布団我家も叩きはじめたり 根岸善行 風土 200202
布団干す母の泊りし匂ごと 渕田則子 200202
けふ泊まる布団干されてゐたりけり 福地真紀 百鳥 200202
布団から小銭出て来し二三枚 山田六甲 六花 200202
現世を逃げるは易し冬布団 清水結化 いろり 200202
蒲団干し宇宙へ埃旅立たす 泉田秋硯 200203
禅堂に一人一畳蒲団敷く 友田直文 200203
蒲団干す生きながらへしハムレット 次井義泰 200203
襟といふ冷たき処蒲団にも 小林一雨 銀化 200203
海見えてふくらんでゐる干蒲団 岸本すみゑ 酸漿 200203
蒲団から首出してゐる長者かな 山田六甲 六花 200203
小春日や布団をたたく団地かな 大平保子 いろり 200203
煎餠餅蒲團煎餠枕ゆめみ良き 中原道夫 銀化 200203
干蒲団良きここちしてねむられず 小浦遊月 酸漿 200204
美しき空の片隅布団干す 邑橋淑子 遠嶺 200204
天心の旧居の空に干布団 松崎鉄之介 200204
病む最中米寿祝がれり羽根蒲団 瀧新珠 京鹿子 200205
干布団いつぽん川村とほる 梶浦玲良子 波小舟 200205
ぬくもりのまだある妻の蒲団干す 宮森毅 六花 200206
鳥ぐもりどつさり捨つる古布団 田中呑舟 火星 200206
敵意などなし家中の蒲団干す 木村みかん 200301
大小の干蒲団の波おこす路地 大森美恵 風土 200301
蜜柑山ふもとに布団たたく音 大串章 百鳥 200301
神の嶺仰ぎ宿坊布団干す 村上一葉子 200302
真夜中に布団被りてほくそ笑む 篠田大佳 あを 200302
干し布団綴じ糸垂らす畝の葉に 品川鈴子 ぐろっけ 200302
何時の間の雪や蒲団が干してある 泉田泉一 200303
蒲団干し村の家々華やげり 大橋節子 200303
蒲団からアンモナイトの図鑑出づ 中村尭子 銀化 200303
四肢伸ばす蒲団四温の日のぬくみ 石川元子 酸漿 200303
蒲団干す夢の名残をひきもどし 田代史子 馬醉木 200303
蒲団干す日射し少なきこと嘆き 田中嘉代子 ぐろっけ 200303
干布団思ひの外にふくらみし 吉田康子 青山椒 200303
倖せな家族構成蒲団干す 遊橋惠美子 風土 200304
春の蒲団昔は韓と陸つづき 佐藤喜孝 青寫眞 200304
空真青子ら見送りて布団干す 浜野茂 百鳥 200304
布団叩く音のくもつてきたりけり 根岸善行 風土 200305
浮雲に乗る夢みたり干布団 田中時子 八千草 200306
蒲団屋も魚屋もある植木市 高倉恵美子 200308
窓ごとに蒲団干しあり遍路宿 青山悠 200308
黴の書に花袋の蒲団混じりをり 内藤三男 ぐろっけ 200310
梯子掛け蒲団干しをり峡の宿 宮澤美和子 百鳥 200401
月光の蒲団の美しき父の閨 山田美恵子 火星 200401
みどり児の息やはらかし蒲団干す 雨村敏子 200402
幼稚園遊具に蒲団干してあり 大石登志美 築港 200402
悩み事多し蒲団に身を沈め 佐本英介 築港 200402
下宿生屋根に布団を干し合へり 大串章 百鳥 200402
撫牛の背に掛けある絹布団 川野喜代子 雲の峰 200402
取り入れし布団に枇杷の花香る 森本さやか 雲の峰 200402
逆転の発想ありき蒲団干す 前田美恵子 200403
蒲団 2 →      

 

2021年1月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。