懐 手 2     45句

英霊車去りたる街に懐手   石田波郷   鶴の眼

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水の面の雨見てゐたる懐手 山尾玉藻 火星 201501
ちちははの知らぬ卒寿の懐手 土屋草子 ろんど 201501
補助線をどこに引くかと懐手 山崎青史 ろんど 201502
牽かれゆく牛と目が合ふ懐手 中島芳郎 201503
売り物をころがしてあり懐手 辻水音 201503
何や彼やまとめて過ぎし懐手 犬塚李里子 201503
懐手思ひ深みにはまりけり 西村博子 馬醉木 201504
懐手して沖ばかり眺めをり 湯川雅 ホトトギス 201505
無愛想ゆゑに懐手を自粛 田中貞雄 ろんど 201505
いとうなど跳ねると想ふ懐手 中島陽華 201506
ともかくもくはへしたばこふところ手 木下夕爾 春燈 201508
陰陽師秘伝印契懐手 柳川晋 201602
ピストルを忍ばすやうに懐手 福島茂 201603
富士山を遠景にして懐手 中貞子 201603
身の内は明かさぬ素振り懐手 森清堯 末黒野 201603
女房に隠し事ある懐手 根岸善行 風土 201604
浮びたる俳句千転懐手 竹下陶子 ホトトギス 201606
捨つべきは捨つるに如かず懐手 沼田巴字 京鹿子 201612
食堂の見本疑ふ懐手 中田みなみ 201701
度忘れを繕ふための懐手 能村研三 201701
自由とふ不思議な疲れ懐手 菊地光子 201702
工作船資料館に入る懐手 中村洋子 風土 201702
余生にも夢のありけり懐手 橋添やよひ 風土 201702
懐手解いて拡げる新聞紙 鈴鹿呂仁 京鹿子 201702
牛売つて馬喰見送る懐手 中村風信子 馬醉木 201703
うぶすなの港見下ろす懐手 松尾龍之介 201703
胸中に燠熾しをり懐手 森岡正作 201704
郵便受け見て足早の懐手 須賀ゆかり 201704
懐手といて鳥居をくぐりけり 笹村政子 六花 201704
女靴の乱れ揃へぬ懐手 呉文宗 春燈 201705
海上に仏陀めく雲懐手 後藤マツエ 201707
懐手老いてもいまだ見えぬもの 北村梢 京鹿子 201801
古書店の奥に主の懐手 植田桂子 馬醉木 201801
古書街の茶人と覚ゆ懐手 落合絹代 風土 201802
耳遠くふるさと遠く懐手 富川明子 201803
本来の無口にもどる懐手 井尻妙子 京鹿子 201803
決断をしてもほどけぬ懐手 熊川暁子 201804
アメ横や何も買はずに懐手 小泉貴弘 春燈 201805
焦げ臭きチャカの匂いを懐手 秋山泰 船団 201812
鳥籠に何説く懐手の夫は 千田百里 201901
自販機の照らし出したる懐手 中上馥子 春燈 201903
妻に打つ感謝の五文字懐手 伊吹之博 京鹿子 201903
懐手まづ逆効果考へる 井上菜摘子 京鹿子 201904
中天にスーパームーン懐手 本田豊明 201905
懐はなけれど心懐手 和田華凛 ホトトギス 201906
宰相の心は奈辺懐手 後藤比奈夫 ホトトギス 201906
平成に何を成したか懐手 治部少輔 201907
偏屈の相は隠さず懐手 角野良生 201907
冗談の利かぬ漢の懐手 政時英華 京鹿子 202001
思案するほどにあらねど懐手 川田好子 風土 202002
懐手して糶あとの魚河岸に 増成栗人 202003
一隅に照らされをりて懐手 木村嘉男 202003
瞑想のかたち漢の懐手 及川照子 末黒野 202004
懐手指に財布を弄び 鍋島武彦 末黒野 202005
無窮なる虚子の世界に懐手 木村享史 ホトトギス 202006
懐手→ 1

 

2021年1月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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