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わが壁に梟の棲みはじめけり   小島良子   花虻

作品
作者
掲載誌
掲載年月
聲かけの梟にはや眼差しあり 岡井省二 199812
梟の声を遠しと聞きゐたり 柳生千枝子 火星 199812
梟のくまぐまからだなりにけり 岡井省二 199812
己を視むと梟の顔廻す 大島雄作 199901
梟の尾羽根上げゐし和讃かな 延広禎一 199902
梟聲を聞きしか頭陀袋中は米 中原道夫 銀化 199902
梟やコップに水を半ばほど 木下野生 199903
梟や悪書ばかりを積みかさね 木下野生 199903
梟や玄室の扉の開かれし 延広禎一 199903
梟や多羅葉をほも暮れてゆく 各務耐子 199903
梟の足踏み替ふる丹波かな 夏秋明子 火星 199904
生き死には単純だぞーと梟よ 田中空音 海程 199909
梟声上手に真似る顔さびし 能村登四郎 芒種 199911
梟よりふかく嘆きて下水管 林朋子 船団 199912
梟が宿つてをるぞ蛸藥師 岡井省二 199912
梟に母の話を聞かせおく 田畑幸子 火星 200001
梟のやをら眼を開く一の星 北川英子 200001
蒼穹を知らず梟老いにけり 波多洋子 銀化 200001
梟の糞の乾びも初昔 岡井省二 200001
梟の来てをる考の鎖骨かな 栗栖恵通子 200002
梟を見て梟に見られをり 浜口高子 火星 200002
梟の首を回して己なり 浜口高子 火星 200002
梟に曼陀羅山の大鳥居 飯塚ゑ子 火星 200002
ひょんの笛吹き梟を揺り醒す 田中藤穂 水瓶座 200002
梟に覚めてつくづく父母のあり 田畑幸子 火星 200002
梟に近づいてをる腓かな 栗栖恵通子 200003
梟の足踏み替ふる丹波かな 夏秋明子 ヒッポ千番地 200003
白梟眼やさしく振りむける 岩崎皓子 雲の峰 200003
梟や妣の朱椀のたなごころ 白澤良子 200004
梟の真昼を歩く笑ひかな 今木偉郎 200004
梟の丸くふくらむ夜の闇 秋野火耕 船団 200006
梟に曼荼羅山の大鳥居 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 200006
梟の餌は白鼠彼岸寒 小石秀子 酸漿 200006
土笛は梟まねて浦おぼろ 塙三千男 馬醉木 200006
梟の夜のメニューの小骨たち 寺田良治 船団 200007
梟に近づいてをる脛かな 栗栖恵通子 200008
炎天から降り来たりし籠梟 岡井省二 200008
梟の声に針の手上めゐたる 乾佐知子 春耕 200010
梟のうしろの闇を信じをり 山尾玉藻 火星 200012
梟の所在を問はぬ昼の森 稲畑汀子 ホトトギス 200012
梟の居ると聞くさへ森深し 稲畑汀子 ホトトギス 200012
梟に楽譜のごとき星降りぬ 亀井美奈美 いろり 200102
雪かぶり作り梟夜を見張る 阿部文子 酸漿 200102
梟や母の寝顔をたしかめに 山尾玉藻 火星 200102
梟の羽音に闇の凹むごと 佐藤真次 200103
針千本飲まそと梟啼きにけり 加藤いろは 200103
値札たしかめて梟と木菟と 彌榮浩樹 銀化 200103
梟に曼陀羅山の大鳥居 飯塚ゑ子 火星 200103
明かりして来し梟の富士額 延広禎一 200104
梟や剣玉の音つづきをる 延広禎一 200104
目を閉ぢて梟むほん思ふかな 曷川克 遠嶺 200104
梟と人魚がをるぞ唄ひましよ 延広禎一 200105
木の洞に梟二羽の子を蔵す 竹内弘子 あを 200105
梟の芯はたんぽぽかもしれぬ 入江一月 船団 200105
雪のチセ島梟の彫物売る 松崎鉄之介 200105
梟の満面ねずみ狙ひゐる 竹内弘子 あを 200105
今暮れて闇の梟啼きにけり 竹内悦子 200107
新樹透く身はしろがねの子梟 岩崎きゑ子 馬酔木 200109
朝風呂に梟面の一人かな 加藤青女 海程 200110
梟の枝の濡れゐる後の月 山尾玉藻 火星 200111
梟の細目がちなる倦怠期 伊藤格 200111
二月なほ梟に縞あるごとく 岡井省二 200111
天灼けて縞梟を抱きをり 岡井省二 200111
梟は月面われは月明で 岡井省二 200112

七月三日加藤楸邨逝く

炎天がすは梟として存す

岡井省二 200112
梟の月に哭きけり大日紀 雨村敏子 200112
梟のくまぐまからだなりにけり 岡井省二 200201
祖谷谿の闇がとろりと梟啼く 山田弘子 円虹 200201
梟に会ひにゆかうか賢治の森 加藤富美子 200201
梟にうすくれなゐの雨となり 山尾玉藻 火星 200201
梟を飼ひて平家の裔とかや 山田弘子 円虹 200201

母九十四歳

梟はことほぎの首めぐらしぬ

山尾玉藻 火星 200201
梟や夜空に曲り角のあり 平田紀美子 風土 200201
梟に学びたきことあまたあり 大串章 百鳥 200201
梟にもつとも近き眼なり 雨村敏子 200202
目の前を飛ぶ梟の早さかな 岩月優美子 200202
梟の鳴いて日暮を呼べる森 田中由喜子 馬醉木 200202
梟と生れ全円の闇に拠る 森茉明 京鹿子 200202
梟のわらひて昼をやりすごす 佐藤喜孝 あを 200202
旅立をせよと梟鳴きにけり 浜崎良彦 円虹 200202
梟や北野天神曼荼羅図 加藤みき 200203
梟啼いてふきげんな夜の会語 尾上直子 200203
梟の杜に電線入りゆけり 浜口高子 火星 200203
梟の声する闇に高枕 高橋将夫 200203
梟の眼に杳冥の淵潜む 山本涼 銀化 200203
一天の星梟の眼に泪 関口幹雄 遠嶺 200204
梟を愛語とも聴く独りの夜 林翔 200204
梟や雨降る杜の常夜燈 沢崎ゆきえ 春耕 200204
流木を蹴つて梟翔ちにける 延広禎一 200204
梟もその樹も失かり夢のあと 山口まさやす 銀化 200204
梟や実験室に窓のなく 森賀まり 百鳥 200205
白梟遥けき海へ向いてをり 祐森禰香 遠嶺 200205
梟の声のひゞける外厠 滝沢伊代次 万象 200212
梟の鳴いて山家の門に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200212
梟は緋いろの羽を畳みけり 山尾玉藻 火星 200302
梟や風に捲くれし魔女図鑑 延広禎一 200302
梟や皿に一切れ胡麻豆腐 竹内悦子 200302
ネクタイは梟の柄日記買ふ 秋田谷明美 帆船 200302
まうしろを向く梟の亡国論 波多洋子 銀化 200302
梟の声に注釈付け話す 伊藤早苗 200303
梟 →2      

 

2020年12月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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