福寿草(元日草) 3     198句

福寿草家族のごとくかたまれり  福田蓼汀  山火

作品
作者
掲載誌
掲載年月
福寿草老い諾ふとにはあらず 水原春郎 馬醉木 201102
福寿草咲くに間のあり妣の家 竹内悦子 201103
母がゐて媼もゐたり福寿草 雨村敏子 201103
日だまりに頭並べて福寿草 續木文子 201103
己が寿命知らぬ幸せ福寿草 長浜徳三 春燈 201104
福寿草ふるさとの山みな低し 山田暢子 風土 201104
福寿草肩寄合ひて咲きにけり 橋本之宏 風土 201104
微笑は言葉にまさる福寿草 名取袿子 201104
初めての曾孫抱く重み福寿草 田村加代 末黒野 201104
どうしてもこれが欲しいと福寿草 こうのこうき ろんど 201104
枯庭にぼちぼち咲きし福寿草 中里カヨ 酸漿 201104
福寿草添へ盆栽に親しめり 中里カヨ 酸漿 201104
福寿草生きん心を励しつ 松元末則 酸漿 201104
福寿草雪に囲まれゐたりけり 谷合青洋 酸漿 201104
雪消えて色放ちけり福寿草 谷合青洋 酸漿 201104
帽子飛び拾いに行きて福寿草 樋口正輝 ぐろっけ 201105
日に向きてひしめき咲けり福寿草 阿部ひろし 酸漿 201105
庭園の一際明かし福寿草 石井邦子 酸漿 201105
福寿草咲き初めて雪冠りけり 池田いつ子 酸漿 201105
残雪の消えて色あり福寿草 池田いつ子 酸漿 201105
福寿草朝の光に開きけり 上原光代 酸漿 201105
福寿草こころ豊かな一日なり 上原光代 酸漿 201105
身ほとりの明るさ願ふ福寿草 芝尚子 あを 201105
濡れ縁の長き方丈福寿草 渡邉孝彦 やぶれ傘 201106
若衆にのせられて買ふ福寿草 鳳蛮華 201106
枯れ草の一点に燠福寿草 古川忠利 ろんど 201106
母在るが父の幸せ福寿草 コ田千鶴子 花の翼 201111
仕合せをほのかに灯す福寿草 加藤千春 春燈 201202
みどりごに淡き乳の香福寿草 栗原公子 201203
如何に生き如何に終へるか福寿草 石脇みはる 201203
福寿草咲く結界の石ひとつ 田村すゝむ 風土 201203
福寿草肩寄せあつて咲きにけり 安藤虎酔 かさね 201203
ボロ市に福寿草あり買ひ求む 青木英林 かさね 201203
ねぎらひしことなき妻へ福寿草 岡崎伸 遠眼鏡 201203
しあはせは回り来るもの福寿草 加藤千春 春燈 201204
一畳庵とや季寄せ針箱福寿草 茂木なつ 春燈 201204
福寿草五人家族の三つ咲く 上辻蒼人 風土 201204
三寸の影もあたたか福寿草 藤岡紫水 京鹿子 201204
寄り添ひて句友の絆福寿草 水野範子 ぐろっけ 201204
福寿草書物の陰や教授室 佐藤幸示 万象選集 201205
福寿草産着の袖のやや長し 磯貝綾子 万象選集 201205
朝日射す雪の窪みに福寿草 塩島トシ子 万象選集 201205
咲き初めし丈不揃ひの福寿草 岡ア春菜 万象選集 201205
福寿草土の色して芽を吹けり 黒田秋子 万象選集 201205
底辺にあたたかさあり福寿草 小林あけみ 万象選集 201205
我に妻妻に我あり福寿草 佐藤正美 万象選集 201205
福寿草空家の庭に咲き殖ゆる 海野さき子 万象選集 201205
住職の垂れたる眉毛福寿草 福島茂 201205
花豆のふつくら炊けり福寿草 野畑さゆり 201206
福寿草咲かせて貧も富もなし 沖田希望 ホトトギス 201207
梅五分の樹下に満開福寿草 佐藤喜仙 かさね 201207
福寿草ほころぶけふの日ざしかな 和田郁子 粥の味 201209
いま消えし地靄の跡の福寿草 田中貞雄 自註句集 201301
安曇野の日は透明に福寿草 熊岡俊子 雨月 201302
前向きを遺影に約す福寿草 清水節子 馬醉木 201303
風呂敷てふやはらかきもの福寿草 岡部名保子 馬醉木 201303
縁側のあうむの喃語福寿草 能勢俊子 馬醉木 201303
日溜りに遊女の碑あり福寿草 大島みよし 201304
軒下のけふの往来福寿草 垣岡暎子 火星 201304
にぎやかな家族が通る福寿草 佐々木秀子 201304
雪吊りより長き廊下や福寿草 大島翠木 201304
寄せ植ゑの金の耀ふ福寿草 城戸緑 末黒野 201304
床上げや庭にまばゆき福寿草 原久栄 末黒野 201304
佳きことはゆつくりと来る福寿草 鳳蛮華 201304
その事は言はぬが花と福寿草 田中信行 201305
木の上より子の声降りぬ福寿草 吉田カイ 万象 201305
福寿草生る景石を選り好み 田中貞雄 ろんど 201305
満を持す光のつぼみ福寿草 中田のぶ子 ろんど 201305
福寿草小さな春の肩寄せて 増田甚平 ろんど 201306
福寿草莟みに育むものは何 布川直幸 201401
福寿草一つ嬉しき知らせ来る 赤座典子 あを 201402
口で描く絵のやさしさや福寿草 井上正子 春燈 201403
風水を信じ植ゑたる福寿草 竹内悦子 201403
平凡に自足のくらし福寿草 中本吉信 201403
エレベーターの前は日だまり福寿草 高倉恵美子 201403
一門の俳門来福福寿草 磯野しをり 雨月 201404
まほろばのいろ動き出す福寿草 川井秀夫 末黒野 201404
嬰児の爺婆九人福寿草 塩見英子 雨月 201404
黄と言はむ金と言はむか福寿草 樺山翠 雨月 201404
白砂を海となしけり福寿草 沼田巴字 京鹿子 201404
尾根越えに踏み場無く咲き福寿草 坂根宏子 野山の道 201404
福の字の名札立てある福寿草 杉浦典子 火星 201404
福寿草孫と背くらべしてをりぬ 栗山恵子 雨月 201404
太陽の下の団欒福寿草 佐々木よし子 201404
佛壇の昏さの前の福寿草 中山純子 万象 201404
寄り添うて二つほころぶ福寿草 田中淺子 201404
身の丈の幸みつけたし福寿草 石川かおり 福袋 201404
身の程の幸せ福寿草二つ 山田夏子 雨月 201404
赤子泣くたびにかがよふ福寿草 山田美恵子 火星 201404
父母の空福寿草の全開す 中野京子 201405
福寿草つぼみ余さず咲く構へ 島谷征良 風土 201405
福寿草覗く人影重なれり 野上杏 201405
気負ひなく生き来し幸や福寿草 大橋伊佐子 末黒野 201405
淡々と日差しは庭に福寿草 瀬島洒望 やぶれ傘 201405
地に緊まる小さき瑞光福寿草 林八重子 馬醉木 201405
福寿草どこにおいても改る 水田むつみ ホトトギス 201406
雪のひま閉ぢたるままの福寿草 安部康子 万象 201406
ちらちらと疎林の日射福寿草 河野美奇 ホトトギス 201406
福寿草しぼませ山に日の没りぬ 工藤ミネ子 風土 201407
福寿草村に残りし人ら老ゆ 工藤ミネ子 風土 201407
福寿草眩し三月二十九日 鎌田悟朗 ろんど 201407
ホ句と歩む日々こそ大事福寿草 落合由季女 雨月 201410
福寿草より改る心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201501
赤子泣くたびにかがよふ福寿草 山田美恵子 火星 201501
福寿草より改る心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201501
妹が泣けば姉泣く福寿草 小林朱夏 201502
寅さんの褪せた背広や福寿草 鈴木みのり 201503
福寿草母眠らせしあと眠る 岡部名保子 馬醉木 201503
背中への陽の温もりや福寿草 吉田宏之 201503
君よめる対座の詩や福寿草 藤丸誠旨 春燈 201503
足跡の窪み押し上げ福寿草 中山静枝 201504
足腰に良き坂道や福寿草 木下慈子 馬醉木 201504
民芸館に喫茶コーナー福寿草 間島あきら 風土 201505
鎌倉の寺苑巡りぬ福寿草 榊山智惠 末黒野 201505
木洩れ日に唄つてゐるよ福寿草 田中幹也 万象 201505
今年またひかり頂く福寿草 時澤藍 201506
潮風に耐へて咲き継ぐ福寿草 稲畑汀子 ホトトギス 201601
東京に雨の寄せ植ゑ福寿草 稲畑汀子 ホトトギス 201601
福寿草大地を割りて色ほどく 稲畑汀子 ホトトギス 201601
先師なほ吾を励ます福寿草 池永加代 京鹿子 201601
温もりの土手に競ひし福寿草 佐藤健伍 201603
福寿草診察室の濃き朝日 鈴木良戈 201603
団欒に喃語も混り福寿草 中田みなみ 201603
少年にかしこき金の福寿草 大畑善昭 201604
赤ん坊の蹠ぷくぷく福寿草 雨村敏子 201604
天日に色のぞきをり福寿草 吉田順子 201604
風来れば水の底めき福寿草 中根美保 風土 201605
寄せ植ゑてありその一つ福寿草 稲畑汀子 ホトトギス 201701
俳句てふ吾に支へあり福寿草 落合由季女 雨月 201702
野を染めし色は光や福寿草 竹中一花 201703
日だまりに椅子まるく置く福寿草 安居正浩 201704
寄せ植ゑの福の要や福寿草 梅田武 末黒野 201704
染抜きの家紋風呂敷福寿草 鈴木庸子 風土 201704
福寿草大地ほほゑむごとくあり 柴田昭子 雨月 201704
ふくらむ土手愛され殖ゆる福寿草 竹内慶子 春燈 201705
手土産はをうなの好きな福寿草 秋川泉 あを 201705
日輪をふところにして福寿草 柴田靖子 201706
団子屋の五珠そろばん福寿草 山田正子 201706
福寿草逢瀬短き野のほとり 丸井巴水 京鹿子 201802
地の息のひかりとなりぬ福寿草 菊地光子 201803
あるがまま生きて卒寿や福寿草 高村令子 風土 201803
裏門を出づれば畠福寿草 城戸ひろみ 雨月 201803
太陽の落し子めくや福寿草 岡本秀子 201804
福寿草はらからのごと集ひけり 小林はじめ 六花 201806
切株に憩へる人や福寿草 佐藤花木 雨月 201806
震災のその後の日々福寿草 稲畑汀子 ホトトギス 201901
しあわせな色をしている福寿草 山田邦彦 201902
幸せが色に出にけり福寿草 高橋将夫 201903
ふくふくと赤子福耳福寿草 小林陽子 201903
充電完了福寿草がひらく 井原美鳥 201903
仮住みの窓辺明るき福寿草 渡辺若菜 春燈 201904
その辺り影のおよばず福寿草 藤生不二男 六花 201904
念仏は胸に咲く花福寿草 平野多聞 201904
花びらを小判とみたり福寿草 小山寿子 風土 201904
百歳の忘れ上手や福寿草 川崎真樹子 春燈 201904
たれかれの笑みのこぼるる福寿草 中村紀美子 春燈 201904
福寿草一鉢はなれ置かれたる 江見巌 六花 201904
やはらかき日ざしの窓辺福寿草 吉原ひろ子 末黒野 201905
小流のリズム軽やか福寿草 秋山文子 末黒野 201905
句に生きて生きて卒寿や福寿草 高村令子 風土 201906
日光を全て受けとる福寿草 千葉禮子 202002
墨を磨る男語らず福寿草 前田美恵子 202002
福寿草サルの家族の寄り添ひて 大日向幸江 あを 202003
空気佳し水佳し晴れて福寿草 池田澄子 船団 202003
背伸びせぬ幸せもあり福寿草 栗原公子 202003
知らずとも良きことのあり福寿草 新沢伸夫 202003
黄のにじむ光を弾き福寿草 .藤原明美 202004
老いてなほ夢ふくらます福寿草 門伝史会 風土 202004
只今と言へる幸せ福寿草 金山雅江 春燈 202004
しあはせの根つ子の太し福寿草 大杉映美 馬醉木 202004
日のいろを集めて一輪福寿草 杉原ツタ子 202004
庭石と共に誘う福寿草 重原爽美 202006
旅番組に曾遊の地あり福寿草 赤座典子 あを 202103
まなじりの皺やはらかに福寿草 六車佳奈 風土 202104
病みの世にぽつと日の差す福寿草 石橋みどり 202104
日表に黄金眩しき福寿草 瀬戸峰子 春燈 202105
日溜りや藁を褥に福寿草 岡野里子 末黒野 202105
福寿草睦み合うこと訴えて 伊藤昌枝 202105
陽当りに花を咲かせる福寿草 亀岡睦子 やぶれ傘 202105
そこだけに日の差してゐる福寿草 角野良生 202107
娘に頼り娘に支へられ福寿草 高村令子 風土 202203
兄妹は仲良くせよと福寿草 谷田明日香 風土 202203
歳長けて縁の重し福寿草 植村蘇星 京鹿子 202203
頬杖をつき一鉢の福寿草 高橋詩 202203
神苑の朝の日まとふ福寿草 黒滝志麻子 末黒野 202204
双葉よりかく逞しき福寿草 内藤静 風土 202204
待つことのすなはち祈り福寿草 内藤静 風土 202204
娘一家に玄関狭し福寿草 土井ゆう子 風土 202204
寄せ植ゑの白砂こぼるる福寿草 森田節子 風土 202204
老友の恩情深し福寿草 種田利子 春燈 202205
福寿草の色極めたる日和かな 畑田久美子 202210
福寿草→ 1

 

2022年1月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。