福寿草(元日草) 2     136句

青丹よし寧楽の墨する福寿草   水原秋桜子   重陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
福寿草笑はぬ人の笑ひけり 小野寺靖 百鳥 200404
福寿草長子の如き一つあり 粟津松彩子 ホトトギス 200405
句座と言ふ静かさにをり福寿草 山下繁子 河鹿 200405
福寿草バリヤフリーの大広間 中野英歩 八千草 200407
大シャベルでそうっと植替え福寿草 中野英歩 八千草 200407
而して黄金小出しに福寿草 鷹羽狩行 200501
笑つても笑はなくても福寿草 伊藤白潮 200502
日のかしぐことなど別に福寿草 阿部ひろし 酸漿 200503
藁屋根のひかり零れて福寿草 蓮井崇男 対岸 200503
親と子の力競べよ福寿草 鈴木勢津子 200503
福寿草淡き日を受け凛と咲く 増田敏子 築港 200503
身籠りし子へ蕾もつ福寿草 仲尾弥栄子 雲の峰 200503
福寿草生涯夫と同い年 堀内千鶴子 帆船 200504
福寿草芽吹くあたりの土ならす 渋谷まさ江 築港 200504
日当りに咲きあふれたる福寿草 小松鈴子 酸漿 200504
石けりの声はずみをり福寿草 谷村幸子 200504
愛称で呼び合ふ夫婦福寿草 細川知子 ぐろっけ 200504
福寿草停年の無き厨事 水野範子 ぐろっけ 200504
日だまりにひそと寄り添ふ福寿草 木内美保子 六花 200504
嬰の振る無心の拳福寿草 永田歌子 遠嶺 200505
福寿草棚田の霧の晴れにけり 加藤夕陽子 百鳥 200505
福寿草福を極めて伸びにけり 阿部ひろし 酸漿 200506
福寿草八十歳になりにけり 数藤弥太郎 200507
誕生の色はまぶしく福寿草 浅田光喜 対岸 200510
向きむきにひらき初めたる福寿草 水田清子 200601
福寿草招くよ庭のそこここに 阿部ひろし 酸漿 200603
師の快癒祝ぎ福寿草燦たりや 堀田清江 雨月 200603
福寿草母に戌歳八めぐり 窪田粧子 馬醉木 200604
ユニセフの親善大使福寿草 山田富朗 遠嶺 200604
福寿草頤だんだん空に向く 中野京子 200604
晩年の辞書を割る日々福寿草 土屋酔月 火星 200604
口遊む歌重なりて福寿草 田中眞由美 ぐろっけ 200604
母さんと呼ばれる縁福寿草 田中眞由美 ぐろっけ 200604
福寿草地におろされてのびやかに 中田芳子 ぐろっけ 200604
ノートまだ白きがままや福寿草 斉藤小夜 風土 200604
福寿草改札口に花ひらく 竹生田勝次 風土 200604
日溜を探して鉢の福寿草 廣瀬義一 雨月 200604
図書館の大きなルーペ福寿草 瀬崎憲子 百鳥 200604
日の恵み次々福寿草咲ける 鵜飼紫生 雨月 200605
火があれば掌をかざすなり福寿草 佐藤つぎ女 対岸 200605
老松の根元かがやく福寿草 山形悦子 万象 200606
眠る児はいつも万歳福寿草 小林朱夏 200702
その字画ほぐすごとくに福壽草 鷹羽狩行 200702
元日草夢二が猫の温もれる 海上俊臣 酸漿 200702
身ほとりに明るさ運ぶ福壽草 芝尚子 あを 200703
福寿草賑はふ花の数しづか 黒澤登美枝 200703
本年の卦を吉とせり福寿草 泉田秋硯 200704
おかめ役出を待つ部屋に福寿草 山部淑子 200704
やはらかき日差しに座せり福寿草 高畑信子 遠嶺 200704
良き事が一つありそな福寿草 岡垣佳子 遠嶺 200704
金婚を祝ぎけり福寿草ふたつ 味村志津子 雨月 200704
丹田の力み解きたり福寿草 吉田明子 200704
我が庭に品位をたもち福寿草 渡辺安酔 200705
福寿草節分草と地に屈む 乗光雅子 雨月 200705
霧石に山の日移る福寿草 雨村敏子 200801
一人殖え一家十人福寿草 深沢梅子 200801
幼きも貴き芽なり福寿草 布川直幸 200803
恋語り合ふごと庭の福寿草 仁平則子 200803
二才児の歯科検診や福寿草 仁平則子 200803
切れ長の仏の御目福寿草 小城綾子 200803
福寿草たちまち雪を遠ざけて 阿部ひろし 酸漿 200803
福寿草温まるごと雪の中 阿部ひろし 酸漿 200803
この年も惹なきとよ福寿草 小松渓水 酸漿 200803
覗きこむ顔の大きく福寿草 宮内とし子 200803
子はとみに言葉ふえゆく福寿草 伊東恵美子 馬醉木 200804
福寿草歩き初むとの便りかな 米尾芳子 馬醉木 200804
城跡に五十年住む福寿草 大西八洲雄 万象 200804
福寿草りんりんとして妹背あり 水野恒彦 200804
墨をする机の上の福寿草 廣瀬義一 雨月 200804
銀行の窓に置かれし福寿草 舩越美喜 京鹿子 200804
大方の眷属来たる福寿草 岡本一路 京鹿子 200804
松葉しき寄添ひ咲ける福寿草 広瀬敏子 酸漿 200804
馥郁と庭の日溜り福寿草 佐藤なか 遠嶺 200805
福寿草子はそれぞれの灯に戻り 金原登志子 馬醉木 200805
父祖の地は蹠にやさし福寿草 佐藤いね子 馬醉木 200805
福寿草咲くと告ぐ声弾みけり 村越化石 200805
雪融けの日差しの中の福寿草 小池一司 やぶれ傘 200805
裏木戸や朝日さしくる福寿草 松本文一郎 六花 200805
福寿草芽立の土のほぐれをり 大山妙子 酸漿 200806
生まれ来る子の名声にし福寿草 柴崎英子 絹の波 200806
傍目にも仲よき家族福寿草 小川匠太郎 200901
貧乏植木屋歳暮にくれし福寿草 瀧春一 深林 200901
大盃と言へねど金の福寿草 山嵜ヤス子 酸漿 200902
福寿草ここらと落葉掃きにけり 阿部文子 酸漿 200902
窓越しの日ざしのなかの福寿草 小野喬樹 馬醉木 200903
幸せの天使のごとき福寿草 中山静枝 200903
姑と母の遠き日々あり福寿草 高橋照子 雨月 200903
穏やかな家族の支へ福寿草 高尾幸子 遠嶺 200904
千羽鶴折る指先や福寿草 小原徳男 遠嶺 200904
いもうとのやうなるわぎも福寿草 太田寛郎 200904
日溜りに微笑みいくつ福寿草 上原和子 200904
ちちははに恋の昔や福寿草 山田暢子 風土 200904
床の間に清少納言福寿草 及川澄子 風土 200904
今朝妻の髪整へる福寿草 廣畑忠明 火星 200904
茎のばしなほ花残す福寿草 阿部ひろし 酸漿 200904
萌出てあたり豊かに福寿草 久保田ヤスエ 酸漿 200904
刻々と朝日に開く福寿草 谷合青洋 酸漿 200904
寄添つて暖め合へり福寿草 青木民子 酸漿 200904
日を享けて思ひおもひの福寿草 青山悠 200905
硬き土割りて咲きけり福寿草 中里信司 酸漿 200905
雪の間に福寿草の芽見つけたり 柿崎寿恵子 酸漿 200905
盆鉢の籾殻に咲く福寿草 天野美登里 やぶれ傘 200905
朝の日の木下明るし福寿草 池田いつ子 酸漿 200906
福寿草咲かせ浪速に商へる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
逃げやすき日差捉へて福寿草 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
福寿草水の捩れるひとところ 林いづみ 風土 201001
佳きことのまだありやあり福寿草 岡田和子 馬醉木 201003
海に向くなぞへに群るる福寿草 鈴木良戈 201003
福寿草苗札よりも低くあり 秋千晴 201003
きのふの日蘂に残せり福寿草 阿部ひろし 酸漿 201003
朝日さし遅速さだかや福寿草 阿部ひろし 酸漿 201003
常の日も節分もなし福寿草 阿部ひろし 酸漿 201003
幾株を目もてたどれり福寿草 阿部ひろし 酸漿 201003
福寿草松の落葉を敷きつめて 八木岡博江 酸漿 201003
寄せ植ゑや彩の引立つ福寿草 鳥取博子 201003
福寿草あちこち向いて咲きにけり 斉藤裕子 あを 201003
六十歳で嫁入りをする福寿草 篠田純子 あを 201003
返信に家族の写真福寿草 東亜未 あを 201003
受け継ぎし命三代福寿草 河瀬俊彦 遠嶺 201004
神苑を出てひいふうみい福寿草 伊藤希眸 京鹿子 201004
筆おいてぶらり出でたり福寿草 谷村幸子 201004
介護士の声和らかに福寿草 静寿美子 ぐろっけ 201004
福寿草はらから似たる指かたち 芝孝子 末黒野 201004
福寿草顔を揃えてぱつと咲く 佐藤健伍 201004
ふつくらと地を彩りて福寿草 劔持和子 酸漿 201004
もうそこにきのふはなくて福寿草 芝尚子 あを 201004
花時計正午の位置の福寿草 山本無蓋 201005
混沌の中の光明福寿草 川口襄 遠嶺 201005
神苑の満つる日差しや福寿草 梅田武 末黒野 201005
福寿草根づく亡夫の句碑にかな 天野梅花 ろんど 201005
擡げたる土重からん福寿草 金田けいし ろんど 201005
福寿草おのれ許すと言ふ事も 関根洋子 風土 201005
そこここに声あぐるごと福寿草 東芳子 酸漿 201005
福壽草花の限りに日を彈く 佐藤喜孝 あを 201005
福寿草朝の日差しに目覚めけり 貫井照子 やぶれ傘 201006
福寿草常のところに咲きにけり 貫井照子 やぶれ傘 201006
福寿草→ 3      

 

2021年1月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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