富士山(冬)4   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪富士に長き夕映寒の入り 神田美穂子 万象 200807
初詣富士にどんどん近づけり 神田美穂子 万象 200807
冬めきし車窓に富士の茫とあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200811
笠雲をどつかと乗せて冬の富士 須賀敏子 200812
基地の初富士黒人兵の寡黙にて 瀧春一 深林 200901
初富士の特等席といふ軋み 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
冠雪の富士相模湾越しにかな 丑久保勲 やぶれ傘 200901
初狩の雪富士天に朝日さす 阿部ひろし 酸漿 200901
藪柑子ここらも富士の一部分 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
木枯一番こよなく晴れし朝の富士 田中きよ子 酸漿 200901
白雲のパフもて富士の雪化粧 林翔 馬醉木 200901
彩雲の富士まなかひに初松籟 遠藤和彦 彩雲 200901
冬木立茜に染まる富士のあり 加藤すま子 酸漿 200901
冬茜鴉も見るか遠き富士 早崎泰江 あを 200901
初富士を置くふるさとの海の上 片山由美子 200902
笠雲をどっかと載せて冬の富士 須賀敏子 あをかき 200902
忘年会へ富士の高さのトンネル抜け 丸山佳子 京鹿子 200902
富士の背に日の沈みゆく冬至かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200902
一時は富士を隠して蒲団干す 守屋井蛙 酸漿 200902
前景は小菅刑務所雪の富士 北村香朗 京鹿子 200903
雪の富士に見とれて珈琲冷えにけり 杉本綾 200903
雪の富士に逢ひたし坂の道登る 間宮澄 200903
新雪の峠に着けば富士のあり 伊藤いな栄 酸漿 200903
初富士や寒林梢を明るうす 渡邉友七 あを 200903
初富士のくつきり人も世も信ず 渕上千津 200903
遙か見る立冬の富士凜々しかり 兼子栄子 酸漿 200903
富士を背に愛鷹山の初冠雪 山口まつを 雨月 200903
白毫の初日いただく富士の峰 四條進 200903
遠富士もひかりて雪の三原山 代田青鳥 風土 200903
遠富士といふもくつきりお茶の花 布川直幸 200903
今年もねベランダからの初の富士 須賀敏子 あを 200903
冬落暉はるかな富士のシルエット 浅子かおい 200903
天皇の誕生祝ふ師走富士 兼子栄子 酸漿 200903
幸先や総武線より雪の富士 藤原照子 200903
一瞬の富士たふとかり初電車 佐々木よし子 200903
喪の旅の車窓に煙る雪の富士 落合晃 200904
喪の旅の車窓にけむる雪の富士 落合晃 200904
青空の富士山頂の雪狼煙 金山藤之助 200904
寒夕日富士を浮べて沈み行く 阿部文子 酸漿 200904
遥かなる富士へつながる恵方道 山田春生 火星 200904
熔岩原の新雪を踏み富士仰ぐ 塩見治郎 雨月 200904
富士に載る寒雪の縁焼けにけり 黒坂紫陽子 馬醉木 200904
白装の大富士や年改まり 渡邊千枝子 馬醉木 200904
三ヶ日富士を見ぬ日のなかりけり 山口まつを 雨月 200904
冬落暉二重の富士を据ゑにけり 山田富朗 遠嶺 200904
タイル絵の富士を枕にして初湯 柴田良二 雨月 200904
まさをなる空に初富士欺かず 濱上こういち 200904
蒼天へ松の雪吊遠チに富士 山口まつを 雨月 200905
水仙のずうつと先に富士の山 渡部磐空 200905
初富士や空も心も晴れ渡り 川口襄 遠嶺 200905
出初め式親子で富士を蹴り上ぐる 縣昌司 万象 200905
冬麗の富士父在りし日のごとく 佐藤信子 佐藤信子集 200905
旧正の富士を車窓に東上す 大久保白村 ホトトギス 200906
遠目にも雪の深さや窓の富士 北畠明子 ぐろっけ 200906
トンネルを出目潰しぞ富士の雪 東亜未 あをかき 200906

 富士原友句集『今年藁』序句

をちに富士こちに筑波や今年藁

鷹羽狩行 200909
繙きし白井喬二の富士に雪 吉弘恭子 あをかき 200910
雪の富士立てり嘆きの夜ぞ明くる 水原秋櫻子 馬醉木 200911
初富士を車窓にホトトギス社へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
一日を富士と歩かん冬の晴 須賀敏子 200912
この時期の富士ならきつと白芙蓉 直江裕子 京鹿子 201001
雪富士の全容晴女打揃ひ 西山美枝子 酸漿 201001
初富士に面と向かひて初筑波 布川直幸 201001
初富士に空従つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
祝ぎの座へ全き初富士の車窓 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
富士を見る避寒の旅となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201001
埼玉の遠きにありて富士の雪 早崎泰江 あを 201001
冬立つや富士くつきりと高架駅 塩千恵子 201001
あきらめてゐし冠雪の富士に会ふ 箕浦志づ子 201002
初富士は見へねど御坂峠晴 東亜未 あを柳 201002
初雪の富士真向ひに連句会 中山勢都子 ぐろっけ 201002
訃報聴く車窓に雪の富士眩し 前川ユキ子 201002
悠揚の冠雪の富士真っ向に 前川ユキ子 201002
富士へかざせば鈴の鳴る破魔矢かな 鷹羽狩行 201002
今日晴れて富士冠雪の報をきく 芥川多喜子 201002
冬富士の柔らかき日の竹とんぼ 和田満水 201002
一日を富士と歩かん寒の晴 須賀敏子 あを 201002
大年の赤き夕暮黒き富士 岩下芳子 201003
蒼穹に初富士芦ノ湖踏んまへて 木村茂登子 あを 201003
鮮やかに志功の富士の初暦 中原敏雄 雨月 201003
暁紅の富士夢ならず初日享け 手島靖一 馬醉木 201003
振り返る海原抱ふ雪の富士 森理和 あを柳 201003
初富士を見しと久しき便りあり 鎌倉喜久恵 あを 201003
初富士や明日の吾が身と思ひたく 森下康子 201003
初富士や疎林の中の甲斐の宿 片野美代子 酸漿 201003
初富士の裏表なき眺かな 小林朱夏 201003
初富士の見ゆと思はず歓呼せり 村上克哉 201003
笠雲の笠重ねたる雪の富士 羽田岳水 馬醉木 201003
夕映えの初富士に向けペダル踏む 正能浩子 201003
富士絶景無言にさせる冬座敷 渡部磐空 201003
富士山頂今冬至の日沈むなり 三井公子 酸漿 201003
富士山のはみ出してゐる枯野かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201003
遠富士や骨董市に空ッ風 瀬島洒望 やぶれ傘 201003
遠富士の裾まで雪や蒲団干す 小川玉泉 末黒野 201003
冬晴の富士煌きの三番瀬 三橋泥太 遠嶺 201003
冬の陽が富士山頂に落ちにけり 須賀敏子 あを 201003
冬の海迫まりて富士の裾野かな 庵原典子 201003
大白鳥翔つや洋上富士聳てり 井月光石 風土 201004
大根引き尻餅つけば富士ありし 嶋田一歩 ホトトギス 201004
大寒の富士や十日の明けの月 森清尭 末黒野 201004
富士山(冬) →5      

 

2021年1月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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