富士山(冬)3   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
公魚釣る真白き富士をまなかひに 嶋木勝次郎 遠嶺 200607
ガリバーもひと跨ぎせよ二月富士 松村多美 四葩 200607
寒晴れや富士伏流の噴く金粒 桑原泰子 八千草 200608
かしこみて初富士俯瞰してをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200611
渚ゆく富士の初雪見定めて 小山徳夫 遠嶺 200612
初冠雪の富士を仰げりミサの道 北村すなほ 200612
富士晴るる卓にぴしりと寒卵 塩田博久 風土 200701
初富士の所在うすうすしかとあり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
冠雪の富士見るスカイ・ラウンジに 大塚美孝 200701
初冠雪富士くつきりと風に立つ 小林幸子 酸漿 200702
師と旅をして雪富士の眩しき日 坪井洋子 200702
冬日和富士を離れて雲遊ぶ 小泉当子 酸漿 200702
朝富士に雪の鮮し根深汁 神田美穂子 万象句集 200703
富士山を遠見に拝し布団干す 鈴木石花 風土 200703
元旦や富士は茜の雲を生み 遠藤若狭男 200703
大観の富士と思へり大旦 坂上香菜 時流 200703
雪の富士たつぷり志野釉かけしごと 紺野とも子 200703
吹き晴れて雪嶺の富士の空真青 水野節子 雨月 200703
乗初の筑波新線富士へ発つ 内山花葉 200703
寒晴や富士の大きく近づきぬ 久松和子 万象句集 200703
初富士や時ゆるやかに流れ出し 遠藤若狭男 200703
初富士の刃の反りを裾野まで 鷹羽狩行 200703
初富士に淡しと思ふ初日かげ 阿部ひろし 酸漿 200703
初日さす富士を逆さに山中湖 矢崎暉文 酸漿 200703
冠雪の富士山頂に淑気みつ 新倉舒子 200703
米基地の金網越しに白き富士 須賀敏子 あを 200703
寝釈迦山より拝しけり雪の富士 城詰操 万象 200704
初富士や真青の空に鳶の笛 木暮剛平 万象 200704
皓々と壁なす富士や冬菜畑 手島靖一 馬醉木 200704
八海の池静かなり雪の富士 小松渓水 酸漿 200704
二ン月の富士を見たくて早起きす 須賀敏子 あを 200704
雪嶺は伯耆富士なりこごみ摘む 石垣幸子 雨月 200705
寒晴の富士に背筋を正しけり 小林眞彦 遠嶺 200705
初富士や丸き地球に裾広げ 田中春生 200705
初富士の見えざることを見て帰る 嶋田一歩 ホトトギス 200705
初携帯電話となりし富士を見て 嶋田一歩 ホトトギス 200705
麦を踏む怡土富士の裾を少し踏む 小林朱夏 200705
東京の授賞日和に雪の富士 上崎暮潮 ホトトギス 200706
おだやかに初富士を見る夕なりき 瀧春一 200706
喋る間に富士は雪雲着てしまふ 稲畑汀子 ホトトギス 200801
雪踏みて富士の裾野でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200801
雪多き裏富士よりのコースとる 稲畑汀子 ホトトギス 200801
とりけもの懐にして富士眠る 水原春郎 馬醉木 200801
初旅や行きに帰りに富士仰ぎ 鷹羽狩行 200801
初富士を正面いまが真正面 鷹羽狩行 200801
初富士や庵にて帯を選びをり 小澤克己 遠嶺 200801
明るくて寒くて富士の見ゆる庭 稲畑汀子 ホトトギス 200801
富士現れて隠れて現れて冬うらら 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
富士見ゆや小松の崖の藪柑子 渡辺水巴 ぐろっけ 200801
富士よりの風雪吊を騒がせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
富士の雪踏みし昨日の遠かりし 稲畑汀子 ホトトギス 200801
富士の雪見しより旅となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200801

 「伊吹嶺」十周年を祝して

富士につづきて伊吹嶺の初景色

鷹羽狩行 200801
もう少しはつきりせんか雪の富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
初富士の日の出を前に明りけり 阿部ひろし 酸漿 200802
初凪や大富士のほか影置かず 鷹羽狩行 200802
冠雪の富士にのみ雲日本晴 林翔 200802
老ひとり富士に一礼冬田打つ 上原恒子 雨月 200802
玲瓏と真日が越えゆく雪の富士 渡邊千枝子 馬醉木 200802
富士眺む湯治の母の冬立つ日 赤座典子 あを 200802
山容の瞼しさ初冠雪の富士 宮津昭彦 200802
遠富士を視野に置きつつ蒲団干す 本橋葉月 遠嶺 200802
冬麗や遥に富士を望みつつ 天田美保子 酸漿 200802
雲間より夕日を返す雪の富士 塚本泰子 酸漿 200802
一位の実富士眼間の浅間社 大山妙子 酸漿 200802
ベランダに富士見ゆる日や干大根 須賀敏子 あを 200802
元朝の富士の白さの際立てり 坂井和子 酸漿 200803
雪纏ひ雲這はせたる今日の富士 須賀敏子 あを 200803
雪晴れやくぼみつぶさに甲斐の富士 岡田章子 ぐろっけ 200803
初富士を遠富士にしたまま老いぬ 青山丈 200803
初雪の富士頂を高うせり 川口襄 遠嶺 200803
初御空晴れて風なし富士筑波 鈴木阿久 200803
富士山に疲れを癒す冬の窓 中藤勉 遠嶺 200803
富士見ゆる小高き丘を恵方とす 野口みどり 酸漿 200803
浜風は寒しやつぱり富士は美し 坪井洋子 200803
双六のひと振りで着く富士の山 貝森光大 六花 200804
きさらぎや何時もいつとて富士は富士 須賀敏子 あを 200804
寒晴や落日富士を黒くせり 鎌倉喜久恵 あを 200804
初富士の丸ごと見ゆる峠かな 内海良太 万象 200804
初富士のほか何もない日本晴 木村茂登子 あを 200804
海の上に富士浮いてをり冬霞 島谷征良 風土 200804
夕富士を描く窓辺や虎落笛 阿部すず枝 万象 200804
忘年の旅に付きくる雪の富士 阿部ひろし 酸漿 200804
子の新居にて初富士を拝しけり 河本利一 200804
48A席眼下雪の富士 藤原照子 200804
対岸の富士洗ひたて風二月 長谷川千枝子 200805
銭湯の富士はくつきり寒の雨 山田正子 200805
寒明くる指して指先ほどの富士 布川直幸 200805
初富士や夢を描きて道行かむ 松隈絹子 遠嶺 200805
初富士の全容迫り来る日和 安原葉 ホトトギス 200805
六根清浄富士は青天二月尽 徳永辰雄 春燈 200805
富士白く片隅に置き首都凍つる 小山徳夫 遠嶺 200805
竹馬や肩の高さに富士の山 佐土井智津子 ホトトギス 200806
晴れやかに深雪の富士の浮びけり 大山妙子 酸漿 200806
凩に縮こまりたる富士のあり 木村享史 ホトトギス 200806
雲の中雪しまきゐる富士ならむ 今井千鶴子 ホトトギス 200806
達磨市富士も天城もよく晴れて 神田美穂子 万象 200807
大野火の舐めたる富士の演習場 神田美穂子 万象 200807
大根稲架の杭を打ち込む富士の晴 神田美穂子 万象 200807
空濡れて二月の富士の明らかに 今井千鶴子 ホトトギス 200807
富士山(冬)→4      

 

2021年2月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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