富士山(冬) 2   200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鴛鴦のつがひ放てり逆さ富士 太田昌子 馬醉木 200304
冬うらら富士の白炎睡魔よぶ 太田昌子 馬醉木 200304
寒の富士蘇峰筆鋒迫るなり 太田昌子 馬醉木 200304
初旅や雲上の富士玲瓏と 山下佳子 馬醉木 200304
初富士も昼餉となりしふたりかな 嵯峨根鈴子 火星 200304
影富士の頂までの鴨の水尾 上田繁 遠嶺 200304
深雪晴諏訪湖に遠く富士見ゆる 川合広保 雲の峰 200304
旅始ひねもす富士を眺めつつ 中野たけみ 雨月 200304
冬晴や富士高きこと口々に 石川英利 百鳥 200304
波の牙襲ひかかれる雪の富士 林日圓 京鹿子 200304
遠富士へ夢のひとすぢ黄水仙 渡辺智佳 遠嶺 200305
雪富士に雲湧き出して天に浮く 大川嘉智香 築港 200305
雪の富士どこから見ても吾に向く 小澤友江 築港 200305
遠富士や日々新しき冬の晴 中島たまな 200305
富士の空晴れて大地は冬霞 木村享史 ホトトギス 200306
三寒四温同病憩ふ富士ま白 横山智恵子 京鹿子 200306
初富士の麗姿真近かに缶コーヒー 四戸和彦 八千草 200307
寒晴や転居先にも富士見坂 高木嘉久 200307
仮寓出て富士ある方を恵方とす 木村享史 ホトトギス 200308
神渡富士を隠してしまひけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311
富士のせてうすうすと冬霞かな 稲畑汀子 ホトトギス 200312
山荘の視界に枯野越しの富士 稲畑汀子 ホトトギス 200312
もう富士を隠さぬ萩の冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 200312
昏れのこる富士に白月仄とあり 鎌倉喜久恵 あを 200312
富士見ゆる見ゆると言へり藁ぼつち 神谷孝子 対岸 200312
初富士の照り遍しや水掬ふ 小澤克己 遠嶺 200401
初明り富士の裾野にチョーカかな 吉弘恭子 あを 200401
初冠雪待つ富士峙てり天下茶屋 有働亨 馬醉木 200402
富士見ゆる陸橋に立ち空つ風 畠田律子 対岸 200402
冬一番富士すつきりとシルエット 須賀敏子 あを 200402
鵯やけさ近々と雪の富士 永見嘉敏 酸漿 200402
初富士の日の出にまとふ雪煙 阿部ひろし 酸漿 200402
冬夕焼富士の姿の凜凛しさよ 中村しげ 酸漿 200402
枯野ゆく風が呼んでる富士の朝 徳田正樹 河鹿 200403
しんかんと富士山頂の冬の月 徳田正樹 河鹿 200403
空よりもあをき襞なり雪の富士 小林優子 酸漿 200403
冬茜富士黒々と休みをり 早崎泰江 あを 200403
逆光の冬富士仰ぎ旅昏るる 田中藤穂 あを 200403
ゆく年の富士に灯ともす小屋ひとつ 山本喜朗 雨月 200403
ゆく年の富士や星座を従ふる 山本喜朗 雨月 200403
富士隠れたる冬ざれの海渡る 溝内健乃 雨月 200403
遠富士や小枝に騒ぐ寒雀 中村克久 雲の峰 200403
わが描きし富士と過しぬ松の内 渡部義次 雲の峰 200403
白をもて寒気貫く富士の峰 林昭太郎 200403
江の島と富士のあひだに蒲団干す 大森春子 200403
宵富士の裾の濃くある四温かな 藤田あけ烏 草の花 200403
富士川の波立ちて冬ざるるなり 清水正司 草の花 200403
富士をかくす白きすだれの掛大根 清水正司 草の花 200403
富士颪す風に凍みつぐふもと村 羽田岳水 馬醉木 200404
こんなにも富士の初雪近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404
蒼穹へ富士玲瓏と初景色 山口順子 200404
雲生れて三日の富士となりにけり 岩渕彰 遠嶺 200404
雪を被し富士大空を独り占め 吾妻好子 遠嶺 200404
初風呂の大きな窓にあかね富士 本山卓日子 京鹿子 200404
顧みる薩體サの三日富士 田中きよ子 酸漿 200404
広重の富士や三日の駿河湾 田中きよ子 酸漿 200404
谷村なり富士が放てる雪煙 阿部文子 酸漿 200404
冬木立すでに暮れゐし五ヶ所富士 小山香月 酸漿 200404
富士山の飛び出してきし初暦 遠野萌 200404
田子の浦の蒼空に立つ深雪富士 稲谷妙子 遠嶺 200405
初富士の遠く凪たる三番瀬 三橋泥太 遠嶺 200406
括られし桑富士山を遠景に 栢森定男 風よ 200407
乗り初めの全輌富士の写真展 真木早苗 八千草 200408
数へ日や富士に真向ふ峠口 橘澄男 山景 200408
白銀の富士研ぎ澄ます大寒波 橘澄男 山景 200408
こんなにも富士の初雪近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
冬霞富士点描のごとく置く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
初富士に心正されゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
初富士に太陽の従うてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
初富士に日本の生活始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
富士隠す雲とても初空のもの 稲畑汀子 ホトトギス 200501
冠雪の富士をホテルの窓に見る 渋谷まさ江 築港 200502
穏やかに枯野は富士を匿へり 小澤克己 遠嶺 200502
初富士や新幹線を真一文字 鷹羽狩行 200502
初茜色ほのかなる富士のあり 浅野恵美子 酸漿 200503
冬麗や富士見櫓に鳥の影 夏目満子 酸漿 200503
冬椿夕日ななめに五ヶ所富士 小山漂葉 酸漿 200503
端然と初富士都庁展望台 吉沢かねよ 帆船 200503
遠富士にむらさき紡ぐ初霞 都筑智子 200503
大富士に茜さしたる淑気かな 小林碧郎 馬醉木 200503
初富士を真正面に渚晴れ 鈴木あき子 築港 200503
高架橋渡る正面雪の富士 高梨水青 築港 200503
渚にて拝す雪富士裾野まで 高梨水青 築港 200503
紆曲して雪富士左右に現はるる 高梨水青 築港 200503
富士裾野牛舎を包む冬霞 原みさえ 200503
淑気かな富士にひとすぢ川光る 赤座典子 あを 200503
はや三日干し物越に富士の山 須賀敏子 あを 200503
冬帝のころも賜る夜明け富士 吉澤利治 遠嶺 200503
遠富士を松原越しに冬の海 酒井美津 遠嶺 200503
綿虫や一竹染の四季の富士 小島とよ子 遠嶺 200503
冬富士を背に修行僧素足なり 瀬良梅子 200503
純白の富士を遥かに電車待つ 田原陽子 200503
霜踏めば朝日が抱く今朝の富士 佐藤ナオ子 遠嶺 200503
白妙の富士山頂に初日射す 木暮剛平 万象 200504
落日の影絵となりし冬の富士 岩瀬発 帆船 200504
遠富士も駒も一望深雪晴 大沢敦子 雲の峰 200504
お大師の爪彫版木富士颪 柴田由乃 風土 200504
雪富士を三面鏡にたたみけり 柴田由乃 風土 200504
シリウスの触れんばかりに雪の富士 宮崎正 ホトトギス 200504
満天の星降る富士の霜夜かな 長山あや ホトトギス 200504
裾野まで白き初富士湾に浮く 鈴木照子 200504
ビルの上に大きな富士や句座始 植松安子 200504
初富士の白の新鮮仰ぎけり 嶋田一歩 ホトトギス 200505
初鴉富士の白さをとびゆける 嶋田一歩 ホトトギス 200505
誰云ふとなく初富士へ行く支度 嶋田摩耶子 ホトトギス 200505
なで肩に白煙立てて雪の富士 あきの澪 200505
初富士のすつきりとあり旅の中 目黒慧 遠嶺 200505
碧天を支へてをりし雪の富士 塩川雄三 築港 200505
末黒なる富士の麓の風温し 川原典子 酸漿 200505
冬に入る富士大観の絵に似たり 花島みゆき 八千草 200505
初富士や一都二県の隔たりに 大平芳江 200505
初富士は白面の青年と見ゆ 中杉隆世 ホトトギス 200506
三寒やこんなとこより富士見えて 今橋眞理子 ホトトギス 200506
富士消ゆる四温の雲につつまれて 今橋眞理子 ホトトギス 200506
初富士や補聴器風に鳴つてをり 原田達夫 虫合せ 200506
雪富士を借景の庭杏咲く 宮城島たか子 200506
街の灯の上に初富士明けてゆく 木村享史 ホトトギス 200507
富士を彫り上げて初空ありにけり 木村享史 ホトトギス 200507
初空や富士見通りの水溜り 石川賢吾 200507
又旅の計画富士の初雪に 稲畑汀子 ホトトギス 200509
よべの雨富士の初雪かも知れぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200509
初富士に工場地區の音止みぬ 瀧春一 菜園 200509
初富士は蓮の枯れゐる田のはてに 瀧春一 菜園 200509
海苔舟も見えず初富士なかぞらに 瀧春一 菜園 200509
初富士の白し葛西の海濁る 瀧春一 菜園 200509
初富士も大成丸も昔ながら 瀧春一 菜園 200509
旅心全開富士の冬めける 稲畑汀子 ホトトギス 200511
白菜を山積みにして富士隠す 能村研三 能村研三句集 200512
富士忘れ枯木林に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 200512
暮れゆける富士を惜みて冬夕焼 稲畑汀子 ホトトギス 200512
富士を消し星生む闇の寒さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200512
刻々の富士の夜明も旅の冬 稲畑汀子 ホトトギス 200512
目の覚めるたびに富士見る旅の冬 稲畑汀子 ホトトギス 200512
快晴の朝富士となる寒さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200512
富士の雪見ゆる月光射しそめし 稲畑汀子 ホトトギス 200512
枯木立越しの富士山ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200512
冬帝に委ねし富士の懐に 稲畑汀子 ホトトギス 200512
岳麓の富士を隠さぬ冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 200512
初雪の少し消えゐし富士と見し 稲畑汀子 ホトトギス 200512
富士目ざし来し水鳥もありぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 200512
富士山の裾に白桃したたらす 吉田島江 火星 200512
野分晴通勤電車の富士の嶺 池田賀子 栴檀 200512
富士駅伝雲海下りて来て速し 嶋田一歩 ホトトギス 200601
初富士の近づく空路とる家路 稲畑汀子 ホトトギス 200601
初富士を見下ろす旅となりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200601
富士見えぬ初旅に海荒れしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200601
車窓から買ふ駅弁や雪の富士 宮城白路 風土 200601
風花の舞ふ竜ヶ岳富士間近 須賀敏子 あを 200601
新雪の富士をさへぎる雲も無し 徳田正樹 河鹿 200602
食欲の増しけり富士の初冠雪 宮澤さくら 遠嶺 200602
湧水の碧をかさねて富士眠る 頓所友枝 200602
バス快走初冠雪の富士を窓 鵜飼紫生 雨月 200602
初冠雪の富士の右肩下りかな 松崎鉄之介 200602
富士くつきり皹増ゆる昨日今日 こばやしきょうこ 200602
ふしくれの手庇富士の笠雲に 小野寺節子 風土 200602
霜晴や屋根のはざまに小さき富士 早崎泰江 あを 200602
風花の舞ふ竜ヶ岳富士間近 須賀敏子 あを 200602
新年の平和の祈り富士へ発つ 徳田正樹 河鹿 200603
冬ざるる富士山麓に祈る声 徳田正樹 河鹿 200603
宇宙へとつながる富士の淑気かな 徳田正樹 河鹿 200603
富士聖地平和の祈り雪になる 徳田正樹 河鹿 200603
徳逸翁抱き大富士眠るかな 水原春郎 馬醉木 200603
窓広く開けば富士やお元日 林翔 200603
初富士や神が描きし雪の襞 林翔 200603
雪は被つ雲は脱がむと指呼の富士 林翔 200603
彩雲やこれなむ富士の初ごろも 林翔 200603
初富士にお髭のやうな雲一つ 林翔 200603
初富士へ直角の水尾高速艇 林翔 200603
富士を見し歓声のごと初鴉 林翔 200603
頂見せぬ三日の富士と訣れけり 林翔 200603
しろがねの富士くつきりと大根干す 佐々木よし子 200603
冬晴の全き富士と真向ひぬ 奥野初枝 万象 200603
茶の花や雲なき富士の聳え立つ 籾山和子 酸漿 200603
燦然と富士を包めり冬落暉 舛田初恵 酸漿 200603
大根引く八十路の力富士日和 野畑小百合 200603
富士川や淡き面輪の冬の富士 北村香朗 京鹿子 200603
富士といふ東天の雄初寝覚 鎌倉喜久恵 あを 200603
日矢射して富士の裾野の新年祭 徳田正樹 河鹿 200604
宇宙へとつながる富士の冬野かな 徳田正樹 河鹿 200604
雪の富士朝の満月掲げけり 川崎俊子 馬醉木 200604
絶唱のやうな富士ある寒茜 高橋道子 200604
父の忌や墓より望む雪の富士 河野政恵 酸漿 200604
大和ごころに大寒の富士見てや佇つ 落合絹代 雨月 200604
四駆止め富士の初日を待ちにけり 鈴木綾子 百鳥 200604
初富士や老いても高き志 古賀勇理央 百鳥 200604
真向ひに富士ある一日冬日差す 徳田正樹 河鹿 200605
ひといきに飲み干す富士の寒の水 徳田正樹 河鹿 200605
初旅や富士を期待のE席に 山下佳子 200605
短日の富士全容を惜みなく 安原葉 ホトトギス 200605
初富士を近所のものとして住める 嶋田一歩 ホトトギス 200605
初富士を見てカルパッチョパスタ食べ 嶋田一歩 ホトトギス 200605
初富士を見てルノアールシャガール見 嶋田一歩 ホトトギス 200605
大寒の富士に真向かふ決意かな 村田文一 遠嶺 200605
富士山が右窓に見え初句会 高安勝三 遠嶺 200605
沖待ちのなべて富士向く初景色 栗下廣子 万象 200605
雪嶺や富士湧水に菜を洗ふ 遠藤典子 栴檀 200605
葬列の沿ふ富士川の涸れてをる 渡辺章子 200605
富士颪すさび二月の漁師町 田所節子 200605
初富士の眞紅一瞬を心に留む 瀧春一 常念 200606
大富士の量感冬日ただよへる 瀧春一 常念 200606
富士山(冬)→ 3      

 

2021年2月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。