星月夜 4   200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
死はかくも冷たき額や星月夜 竹貫示虹 京鹿子 201408
白蓮の歌集ひもとく星月夜 青柳雅子 春燈 201411
山頂に並び寝ころぶ星月夜 田中繁夫 末黒野 201411
旋盤の金屑にほふ星月夜 山本耀子 火星 201411
幽天に稜線研ぎ出す星月夜 渡部節郎 201411
星月夜記念写真の中の人 江島照美 201411
星月夜潮のかをりの逢瀬かな 小田里己 201411
ロザリオを握りて眠る星月夜 荒井千佐代 201411
映画館出て蹴つまづく星月夜 箕輪カオル 201411
句を詠むは祈りにも似て星月夜 藤岡紫水 京鹿子 201411
円空の空は無限の星月夜 大森尚子 風土 201411
厩舎より床蹴る音や星月夜 相沢有理子 風土 201411
唐突に婚の花火や星月夜 竹内悦子 201412
星月夜平和なる世を祈りけり 成田なな女 春燈 201412
窓の灯を遠く近くに星月夜 安藤久美子 やぶれ傘 201412
星月夜地に還りゆくものおくる 熊谷ふみを ろんど 201412
星月夜二胡ひく指の白きかな 寺沢千都子 万象 201412
一望の村の鎮もる星月夜 数長藤代 201412
天国に在すと信じ星月夜 中原吟子 雨月 201412
星月夜水先案内乗船す 島玲子 風土 201412
橋の上に人語ありけり星月夜 生田作 風土 201412
星月夜宿替への灯の落ち着かず 原田達夫 201501
略図のやうな砂漠め遺跡星月夜 鈴鹿けい子 京鹿子 201501
星月夜切羽詰まるといふ力 藤原照子 201501
妹の初盆修す星月夜 植村よし子 雨月 201501
星月夜トルコの影絵ひたすらに 中島陽華 201501
星月夜その億年の均衡よ 伊藤厚子 ろんど 201501
日付のない二人のための星月夜 林達男 京鹿子 201501
夫の星と決めてしばしの星月夜 久米憲子 春燈 201502
星月夜白鳥の首羽根の中 今井春生 201502
見上げれば祖国と同じ星月夜 伊吹之博 京鹿子 201502
星月夜女流人の歌碑寂びぬ 當間シズ 万象 201502
星月夜寄り添ひゐたる影法師 平居澪子 六花 201502
星月夜話が尽きぬ同窓会 江口九星 201504
考へる歩幅となりし星月夜 寺田すず江 明日葉 201505

 「山眠る」序句

繙けば煌く山の星月夜

稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
星月夜宇宙に近き三瓶かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
星月夜太陽系に住み古りて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
今年又三つ増えゆく星月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
目が慣れてゆく慣れてゆく星月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
カシオペアより星月夜被さり来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
星月夜行けぬところへ行ける橋 佐藤喜孝 あを 201510
火の山を宥むる入江星月夜 安立公彦 春燈 201511
高下駄の青春ありき星月夜 山崎刀水 春燈 201511
美しき嘘は見え見え星月夜 藤岡紫水 京鹿子 201511
国境のおそき両替星月夜 奥田茶々 風土 201511
星月夜魚見櫓に男かな 瀬川公馨 201511
星月夜何時しかこころ透明に 岩月優美子 201511
車椅子はるかとなりて星月夜 阪倉孝子 201511
おつぺしの鰯の浜や星月夜 内海良太 万象 201511
石佛を石工が寝かす星月夜 久保東海司 風鈴 201512
退いて知るこころの平和星月夜 千田敬 201511
米倉に米の満ち充つ星月夜 菅谷たけし 201511
稜線は宇宙の界星月夜 小松誠一 201511
現世にもあまねく恵灯星月夜 小松誠一 201512
九時間の旅路の果ての星月夜 山田閏子 ホトトギス 201512
夫の忌の念珠むらさき星月夜 白井友梨 馬醉木 201512
軒寄せて眠る家並や星月夜 安立公彦 春燈 201512
星月夜子はそれぞれに輝きて 伊吹之博 京鹿子 201512
老いらくの夜這ひてみたき星月夜 中島芳郎 201512
渚行く二人の影や星月夜 大橋伊佐子 末黒野 201512
星月夜ぞろぞろ犬の家族たち つじあきこ 201512
死ぬならばひとりがよろし星月夜 神蔵器 風土 201512
窓閉ざすシベリア上空星月夜 奥田茶々 風土 201512
星月夜あの宇宙船いま何処 岡山敦子 京鹿子 201601
夫逝きて木椅子がひとつ星月夜 柴田志津子 201601
感謝祭のターキー焼けて星月夜 森田節子 風土 201602
僥倖を待てといふなり星月夜 寺田すず江 201602
星月夜だらりだらりの豆のさや 高野昌代 201602
星月夜しげしげ顔を見つめ合い 杏中清園 船団 201602
ふり向けばノラが一匹星月夜 つじあきこ 船団 201602
月球儀の海広々と星月夜 のざきまみこ 201603
星月夜この惑星に住む不思議 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
二つ三つ零れてよりの星月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
忘れめや三瓶の旅の星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 201608
やはらかに鯉の息する星月夜 沼田巴字 京鹿子 201608
星月夜天文台下駐在所 古川夏子 201610
鞍馬山の龍笛のこゑ星月夜 加藤みき 201611
港の灯遠くなりゆく星月夜 島玲子 風土 201611
波枕アラビア海の星月夜 島玲子 風土 201611
飼ふ飼はぬ堂々めぐり星月夜 松本文一郎 六花 201611
ひき込まれさうな近さの星月夜 齋藤厚子 201611
引き寄する纜太し星月夜 荒井千佐代 201611
ふるさとの闇の深さや星月夜 塩野谷慎吾 201612
舐められし耳ひんやりと星月夜 山田六甲 六花 201612
詩から死へ想ひのめぐる星月夜 栗原公子 銀の笛 201612
星月夜波は地球の皮膚呼吸 七種年男 輪中の空 201612
星月夜詩ごころ少し擽(くすぐ)りぬ 寺田すず江 201701
充足のいまを畏み星月夜 錫木妙子 馬醉木 201701
街の灯を遠くに置きて星月夜 相良牧人 201701
コーランの流るる町や星月夜 わたなべ漣 201612
馬小屋にかすかな寝息星月夜 深川淑枝 201701
死ぬる迄泳ぐ魚や星月夜 広渡敬雄 201701
星月夜裏の窓から家出する 朝日泥湖 船団 201702
星月夜三瓶の夜を欺かず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
星月夜ギリシャ神話を描きたる 竹下陶子 ホトトギス 201707
長き夜の底へ底へ星月夜 甲斐いちびん 船団 201707
妖怪も夫も遊ぶ星月夜 鶴濱節子 船団 201707
汀子句碑文字くつきりと星月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
星月夜三瓶の夜を欺かず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
星月夜期待通りに行かずとも 稲畑汀子 ホトトギス 201708
無限へと無音膨るる星月夜 森村江風 201710
星月夜積年の友急逝す 鈴木良戈 201711
手を振るは生者の別れ星月夜 菊地光子 201711
一夜やどりの屯田の街星月夜 棚橋朗 201711
万といふ光またたく星月夜 中村洋子 風土 201711
海鳴りを描き足す窓の星月夜 塩貝朱千 京鹿子 201711
水音より暮れゆく里の星月夜 栗山恵子 雨月 201711
星月夜遠くは街の灯にまぎれ 阪上多恵子 雨月 201711
手のとどくほどの乗鞍星月夜 片山喜久子 雨月 201711
暮れてより空の近づく星月夜 大石喜美子 雨月 201711
子午線の通るふるさと星月夜 丸尾和子 雨月 201711
星月夜見出し得たるわれの星 金森信子 雨月 201711
星月夜星の和名の雅びなる 金森信子 雨月 201711
暮しの灯消して見上ぐる星月夜 村上悦子 雨月 201711
星月夜砂のカンバス風の筆 飯田久美子 末黒野 201712
押し合ひて割り込むベンチ星月夜 五十嵐富士子 末黒野 201712
癒えし目に去年とは違ふ星月夜 池乗恵美子 末黒野 201712
背もたれの窪み愛でるや星月夜 加藤峰子 201712
星月夜ささやきを聴く耳欲しき 渕上千津 201712
腰痛に百万ボルト星月夜 岩田洋子 201712
山の宿三百六十度星月夜 高橋榮子 京鹿子 201712
今生の母の唸りを星月夜 中島陽華 201801
ジャズ喫茶出で満天の星月夜 田中美惠子 201801
自動車に照らされにけり星月夜 丑久保勲 やぶれ傘 201711
最終のバスすれ違ふ星月夜 瀬島洒望 やぶれ傘 201711
見送りの子はふりむかず星月夜 菊池洋子 やぶれ傘 201712
星月夜されどさだかに妻の星 木村享史 ホトトギス 201802
星月夜引込線に貨車一つ 森山暁湖 万象 201802
水琴の音確かなる星月夜 鈴木石花 風土 201802
亡き人に良きこと告ぐる星月夜 荒井ハルエ 春燈 201803
逝く友に唄の流るる星月夜 井上和子 201802
星月夜わたしが0になる時間 長谷川博 船団 201806
老犬の鼻しっとりと星月夜 林豊美 船団 201806
星月夜三瓶の旅も終りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201808
島唄に混じる指笛星月夜 諸岡和子 201810
行く先は夫に委せり星月夜 柴崎富子 春燈 201810
星月夜四半世紀のジャスミンティー 吉宇町麻衣 201811
神神の引きし島山星月夜 山本喜朗 雨月 201811
静けさのさらに静けし星月夜 西村しげ子 雨月 201811
星月夜共に仰ぎし日の遠く 森幸 雨月 201811
負ひし子の重さの記憶星月夜 瀬尾千鶴枝 京鹿子 201811
水琴のリズミカルなる星月夜 鈴木石花 風土 201811
ウォーキングの距離のばしけり星月夜 小林のり人 春燈 201811
ギブスより解放されし星月夜 中上馥子 春燈 201811
星月夜横切る猫の影淡し 延川笙子 六花 201812
星月夜野道遠きを歩みゆき 岡木まち子 馬醉木 201812
終バスの尾灯闇路へ星月夜 岡野里子 末黒野 201812
寝ころびて視野いつぱいの星月夜 沼崎千枝 末黒野 201812
こんな時だから唄おう星月夜 中貞子 201812
星月夜大往生の門出かな 江島照美 201812
身支度の銀の指環や星月夜 辻響子 201812
まだ消えぬ夢のかけらや星月夜 高橋和女 春燈 201812
二合半を傾け偲ぶ星月夜 小嶋恵美 春燈 201812
心になほ生きてゐる夫星月夜 片山喜久子 雨月 201901
師の御霊瞬きかへす星月夜 落合絹代 風土 201901
山際の際の際まで星月夜 今橋眞理子 ホトトギス 201901
シャンパンの泡の行方や星月夜 片山煕子 京鹿子 201901
ダウンタウンジャズ流れ出す星月夜 伊吹之博 京鹿子 201901
門限といふ懐かしきもの星月夜 はしもと風里 201901
星月夜星座見分くる午後八時 飯田久美子 末黒野 201902
星月夜ランプの宿のランプ消し 三羽永治 201904
モルヒネに躊躇と感謝星月夜 中山未奈藻 201904
光年を三瓶にをさめ星月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
二胡奏す遊牧の民星月夜 渡辺節子 201905
星月夜いつまで構えいられるか 吉宇田麻衣 201905
ドラム一打ジャズの始まる星月夜 田代貞香 201905
期待せし旅はや遠し星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 201908
ふり返る三瓶の旅の星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 201908
星月夜三瓶の旅路ふり返る 稲畑汀子 ホトトギス 201908
みどりごに握りしめられ星月夜 江島照美 発火点 201909
髑髏地に晒されし星月夜 江島照美 発火点 201909
ゴッホの絵見しあとの黙星月夜 山岸明子 201910
兄の忌を修す故山の星月夜 落合絹代 雨月 201911
星月夜丘に小さき家並ぶ 中山惠子 201911
知床の森深々と星月夜 池上昌子 春燈 201911
少年の反抗しづむ星月夜 三木亨 201911
禿頭はひかり増しをり星月夜 千田敬 201911
星月夜ジョバンニの汽車どの辺り 粟原公子 201911
星月夜光の列は頂へ 加藤直人 末黒野 201911
美しき嘘透けて見ゆ星月夜 藤岡紫水 京鹿子 201911
星月夜倉に入りし神輿かな 江見巌 六花 201911
気を送る人受くる人星月夜 岩下芳子 201912
星月夜明日には明日の風が吹く 田中信行 201912
地球背にビームが走る星月夜 ふなかわのりひと 201912
穴子筒波止にころがる星月夜 谷陽右 馬醉木 201912
星月夜おのれに倦むといふことも 栗原公子 201912
産気づく牛に呼ばるる星月夜 河口仁志 201912
無神論唱へし人と星月夜 平居澪子 六花 201912
その話ここで手を打つ星月夜 辻響子 201912
人在れば人骨残り星月夜 柴田佐知子 201912
須弥山へ朗朗のこゑ星月夜 加藤みき 202001
通夜客帰路なる道の星月夜 高野昌代 202001
星月夜ただ眺めゐて無我となり 柴田靖子 202001
小股切れ上がるジーンズ星月夜 山本泰人 春燈 202001
AIのひばりが唱う星月夜 平佐和子 京鹿子 202001
鉛筆で家計簿たたく星月夜 中川幸恵 202001
鉛筆で家計簿たたく星月夜 中川幸恵 202001
山稜の風に洗はれ星月夜 森清信子 末黒野 202001
佐渡へ来て洋上泊り星月夜 土井ゆう子 風土 202001
出すあてのない手紙書く星月夜 波戸辺のばら 202001
実験の煙むらさき星月夜 たかはしすなお 202001
潤む目で栞挿し置く星月夜 丸井巴水 京鹿子 202002
びいどろの花瓶の灯影星月夜 本郷公子 京鹿子 202002
余生にも直線・曲線星月夜 本多俊子 202002
熱き息こもる牛舎や星月夜 高倉和子 202003
星月夜雨戸一枚開けおきぬ 岩永みはる 追伸 202003
ポケットにレシート一枚星月夜 木村和也 船団 202003
六甲の今年まだ見ぬ星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 202008
又雨の予報今宵の星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 202008
又話題そこに落着く星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 202008
誰彼に見せたき三瓶星月夜 稲畑汀子 ホトトギス 202008
ふる里は円のまん中星月夜 村田あを衣 京鹿子 202010
みちのくの空は低かり星月夜 山田六甲 六花 202010
前の人と付かず離れず星月夜 丑久保勲 やぶれ傘 202010
星月夜空にだんだん目が慣れて 渡邉孝彦 やぶれ傘 202010
星月夜汀の砂の固緊まり 能村研三 202011
星月夜シーツ波打たせて広ぐ 辻美奈子 202011
暗渠よりせせらぎ聴こゆ星月夜 栗原公子 202011
大鯛の手応へ来たり星月夜 道端齊 202011
水平を刻む灯台星月夜 道端齊 202011
沖縄の古酒こそよけれ星月夜 小林良作 202011
二期作の国に生まれて星月夜 森祐司 202011
無数から一つを探す星月夜 塩貝朱千 京鹿子 202011
星月夜少し残業して帰る 堅山道助 風土 202011
星月夜おのれに倦むといふことも 栗原公子 201911
産気づく牛に呼ばるる星月夜 河口仁志 201911
星月夜昼見し山のシルエット 森なほ子 あを 202011
星月夜地上を闇に沈ませて 今橋眞理子 ホトトギス 202012
星空を仰ぐ子の眼や星月夜 平居澪子 六花 202012
洩るる灯もなき峰里や星月夜 石原孝人 京鹿子 202101
サックスの音色の愛(かな)し星月夜 鷺山珀眉 京鹿子 202101
白神の太き遠吠星月夜 木村あさ子 202101
狭庭とて覆へば広し星月夜 湯川雅 ホトトギス 202101
天翔る神話の馬や星月夜 斉藤マキ 末黒野 202102
猫老いて誰にも抱かれ星月夜 大西乃子 202105
星月夜 →5

 

2022年8月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。