冷 奴 2       100句

冷奴隣に灯先んじて   石田波郷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冷奴ありて傘寿の余生なる 笹倉さえみ 雨月 201211
冷奴初めはたつたふたりから 直江裕子 京鹿子 201211
名水の里の持て成し冷奴 塩見英子 雨月 201211
ほんの少し隠し事あり冷奴 田岡千章 201211
疲れたるいのちまだあり冷奴 松田都青 京鹿子 201212
晩酌に何はなくとも冷奴 安藤虎酔 かさね 201212
のつけから男女のはなし冷奴 高橋均 やぶれ傘 201301
世話ばかり焼いて疲れて冷奴 山田佳乃 ホトトギス 201301
諍いは夫より退きぬ冷奴 齊藤眉山 末黒野 201310
巡る血の薄れゆくなり冷奴 宮崎左智子 201310
小料理屋の角尖りたる冷奴 大橋晄 雨月 201310
なるやうになれとすてばち冷奴 橋本修平 かさね 201310
冷奴ソースは好みアメリカン 水谷直子 京鹿子 201311
過ぎし日より今が大事と冷奴 犬塚芳子 201311
日々の砂曼荼羅や冷奴 中野京子 201311
素顔とは皿に盛られし冷奴 松田都青 京鹿子 201312
冷奴てのひらで切り思慕を断つ 久保久子 湖心 201402
魂は遺伝子持たず冷奴 高橋将夫 201408
冷奴まづ一箸に座の和み 大橋晄 雨月 201409
野心などとうに捨てけり冷奴 塩路五郎 201409
葱茗荷添へて日暮の冷奴 宮崎左智子 201409
東京五輪までは生きるぞ冷奴 石川叔子 201409
山清水引きて茶店の冷奴 鎌田篤 雨月 201410
手さぐりの明日が続く冷奴 忽那みさ子 やぶれ傘 201410
いち日の静かに暮れて冷奴 一民江 馬醉木 201410
さつぱりと叱られてをる冷奴 細川洋子 201410
雲を押す湖よりの風冷奴 鴨下昭 201411
崩さねば何もおこらず冷奴 荒田義枝 京鹿子 201501
冷奴子規庵訪ひし昂りに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
商日誌一行に足り冷奴 萩庭一幹 馬醉木 201508
矛先のいつこつち向く冷奴 白神知恵子 女坂 201508
冷奴黙つてつつく休肝日 田原陽子 201508
毒舌や賞昧期限の冷奴 鴨下昭 201508
人生は長き芝居か冷奴 飯田ひでを 201509
箸伸ばす水がいのちと冷奴 奥野初枝 万象 201509
家長てふ言葉失せたり冷奴 木村傘休 春燈 201509
妬む気のもう沸かざりし冷奴 佐藤山人 201509
病棟の日高き夕餉冷奴 森脇貞子 雨月 201509
山の端に夕日とどまる冷奴 泉本浩子 馬醉木 201510
Z箸先にちらと性見え冷奴 窪田佳津子 雨月 201510
冷奴もう登れない岳ばかり 須賀敏子 あを 201510
じんわりと花鰹反る冷奴 原田達夫 箱火鉢 201511
啄木の三倍生きて冷奴 近藤牧男 春燈 201510
冷奴男のおろす新生姜 石原節子 春燈 201510
風物詩また思ひ出す冷奴 伊吹之博 京鹿子 201511
角張つてゐる優しさも冷奴 三木千代 201511
冷奴思ひ通りにならぬ夫 苑実耶 201512
穏やかに筋を通して冷奴 久布白文子 馬醉木 201609
冷奴明日は抜かるる歯に染みて 松本三千夫 末黒野 201609
叱ることなくなりし子と冷奴 山本喜朗 雨月 201609
父の忌や角より崩す冷奴 植田桂子 馬醉木 201610
ひとり身や何はさておき冷奴 小川玉泉 末黒野 201610
こんな日のひとりの昼餉冷奴 犬塚芳子 201610
半世紀続く友どち冷奴 大橋晄 雨月 201610
留守たのむ夫に昼餉の冷奴 栗山恵子 雨月 201610
冷奴つぶし湖広ごれる 雨村敏子 201611
冷奴老いて大事な小事あり 石田きよし 201611
器とは別の白さの冷奴 武藤節子 やぶれ傘 201612
故郷の山高からず冷奴 野沢しの武 風土 201706
憲法の話とくとく冷奴 中山皓雪 201708
ナイターや箸もどかしき冷奴 水原秋櫻子 馬醉木 201708
減り張りの生活もどりぬ冷奴 白澤よし子 馬醉木 201708
一丁を二人で分かつ冷奴」 鈴木鳳来 春燈 201708
箸通す角っこ大事冷奴 窪田佳津子 雨月 201708
冷奴つつくうつしゑ見上げては 窪田佳津子 雨月 201708
二人して外食嫌ひ冷奴 木戸渥子 京鹿子 201709
山頭火に歩けどなれず冷奴 頓所友枝 201709
冷奴話だんだん丸くなる 中山皓雪 201709
削り節ゆるりとくねる冷奴 有賀昌子 やぶれ傘 201709
冷奴くづして話かへりけり 藤野力 馬醉木 201710
久しぶり食欲覚ゆ冷奴 臼杵游児 春燈 201710
冷奴差し向かひといふ死角 奥田筆子 京鹿子 201710
冷奴みな角とれてきし齢 川崎良平 雨月 201710
大山に雲湧き起きぬ冷奴 今村千年 末黒野 201710
ふるさとの薬味たつぷり冷奴 原和三 末黒野 201710
頼み合ふ日々の夫婦や冷奴 久保東海司 201711
乾杯の後はともかく冷奴 大橋晄 雨月 201711
ひと品は薩摩切子に冷奴 尾崎みつ子 雨月 201711
冷奴縦横にある手術痕 津田このみ 船団 201802
一碗に泳ぐきぬ・めん冷奴 秋葉雅治 201808
酔ふほどに恋の指南や冷奴 藤井彰二 馬醉木 201809
ふたりならさて冷奴で良かろうか 本西一代 201809
半分はみそ汁の具に冷奴 黒澤次郎 六花 201810
そんなことどうでもよろし冷奴 高橋均 六花 201810
句風ちと変へて満足冷奴 園部蕗郷 春燈 201810
夕風や傘寿自祝の冷奴 松橋利雄 春燈 201810
徒然の旅は幻想冷奴 日置涛魚 201904
冷奴自由不自由わがものに 大山夏子 201904
留守番の気楽さにゐて冷奴 コ田千鶴子 馬醉木 201907
けふひとり明日もひとり冷奴 城台洋子 馬醉木 201909
ネクタイも疲れも解き冷奴 早川俊久 馬醉木 201909
冷奴流儀それぞれことなりて 渡部恭子 201909
静まりくる路地の残照冷奴 中澤弘 春燈 201909
たつぷりの薬味をのせて冷奴 草柳忍 201910
諸事万端手抜き上手の冷奴 小田嶋野笛 末黒野 201910
独裁もデモクラシーも冷奴 佐藤喜孝 あを 201910
冷奴手酌の父の大き背を 栗山恵子 雨月 201911
冷奴薬味に七味唐辛子 濱野新 やぶれ傘 201911
旅終へて薬味をきかす冷奴 菅野日出子 末黒野 201911
良き妻でゐたき危ふさ冷奴 菊池和子 京鹿子 201911
恋談義続き手つかぬ冷奴 三羽永治 201912
冷奴 →3      

 

2021年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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