昼 寝 6       219句  (含他季〉

魂にゆりおこされて昼寝覚め   上野泰   佐介

作品
作者
掲載誌
掲載年月
昼寝覚む夢のモナリザ射殺され 泉田秋硯 201010
枕辺に昼寝を睨む達磨の絵 石岡祐子 201010
正面を向くる亡夫や昼寝覚 小野口正江 末黒野 201010
御陵の上に波ある昼寝覚め 小形さとる 201010
さりげなく鯨の腹に昼寝せり 久津見風牛 201010
仏壇を閉ぢてむなむなむ昼寝かな 荒木甫 201010
ひやかしと踏んで昼寝の骨董屋 小泉三枝 春燈 201010
そして誰もゐなくなりけり昼寝覚 宮崎裕子 春燈 201010
昼寝覚蝉の木の影ふるへをる 城孝子 火星 201010
レミケードの点滴二時間余唯昼寝 大橋敦子 雨月 201010
大昼寝所在なき日のまた暮れて 柴田良二 雨月 201010
昼寝して一日短かくなりにけり 岩永充三 201010
傍らにちゃぶ台高し昼寝覚 定梶じょう あを 201010
「平和の火」台座の蔭の昼寝猫 宮田香 201011
昼寝の子つくづく背丈伸びしかな 寺田光香 201011
昼寝より覚めて白紙のノートかな 高橋秋子 201011
横川よかわより腕をもどす昼寝覚 小形さとる 201011
鳩尾に手を置き秋の昼寝かな 久染康子 201011
この世とは自分の家や昼寝覚 根岸善行 風土 201011
大根を蒔きて安堵の昼寝かな 富田志げ子 酸奬 201011
夢見つつ笑ふ顔なり子の昼寝 井関祥子 酸奬 201011
大昼寝平均寿命超えにける 岸本久栄 雨月 201011
アルプスの稜線窓に置き昼寝 柴田良二 雨月 201011
行者宿の縁開け放ち昼寝人 屋塩見治郎 雨月 201011
何にこの手足重たき昼寝覚 鳳蛮華 201012
牧場の馬に無視され大昼寝 泉田秋硯 201012
きつちりと昼寝時間を織り込める 北村香朗 京鹿子 201012
掛軸の虚子に見られて昼寝かな 竹下陶子 ホトトギス 201102
昼寝よりさめし孤りを見いでけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
のどけしや昼寝に地球の廻る音 遠藤実 あを 201105
老犬に見下ろされゐる昼寝覚 山田六甲 六花 201106
足腰の覚めてはをらず昼寝覚 小田三千代 ホトトギス 201107
昼寝覚め難聴の世は音絶えて 品川鈴子 ぐろっけ 201107
父在りし書架を見てをり昼寝覚 山田六甲 六花 201107
雨だれを昼寝の子守歌と聞く 加納淳子 六花 201107
昼寝覚生れしばかりのひよこの眼 川崎真樹子 春燈 201108
大昼寝臥薪嘗胆なき世代 中島玉五郎 201108
老ラクダ人引き寄せて昼寝中 和田政子 201108
歳時記を枕に昼寝の気まま妻 三浦澄江 ぐろっけ 201108
昼寝覚の頬にくっきり指輪痕 森下康子 201109
宇宙船の本を枕に子の昼寝 堀田順子 馬醉木 201109
昼寝覚相方がゐてどぎまぎす 安居正浩 201109
大昼寝羅漢の欠伸置き去りに 鴨下昭 201109
昼寝覚ビデオ画像は静止中 林哲夫 ぐろっけ 201109
身ほとりを風のつつめり昼寝覚め 小川玉泉 末黒野 201110
補聴器も眼鏡もはづす昼寝かな 石田朝子 末黒野 201110
昼寝覚かの世この世の入り混り 藤原照子 201110
歳とるもたのしみ秋の昼寝かな 千田敬 201110
静まりて昼寝の親子相似形 永塚尚代 ぐろっけ 201110
昼寝覚地球半周してゐたり 細川知子 ぐろっけ 201110
神々も昼寝してゐる大和かな 高橋将夫 201110
昼寝覚この世涼しくゐたりけり 雨村敏子 201110
母胎より戻つてきたる昼寝覚め 近藤喜子 201110
昼寝覚九回裏に間に合ひて 中村則夫 やぶれ傘 201110
昼寝起覚えの声の過ぎりけり 西本育子 ろんど 201110
本堂に風入れ阿弥陀様の昼寝 田中一美 ろんど 201110
クーラーのリモコン握つたまま昼寝 だいじみどり 201111
足指が返事してゐる昼寝覚 相良牧人 201111
哀れとは塾の中での子の昼寝 松田都青 京鹿子 201111
酒蔵の昼寝してゐる陶狸 有本惠美子 ろんど 201111
まづ眼鏡はづして昼寝支度かな 笠置早苗 火星 201111
聞き及ぶ「さ」の字のさまに昼寝なほ 野口喜久子 ぐろっけ 201111
手作りの昼寝の枕孫に貸し 林哲夫 ぐろっけ 201111
見物の児等もパンダも昼寝中 堤節子 ぐろっけ 201111
やれ遅刻刹那とまどふ昼寝覚 西田敏之 ぐろっけ 201111
昼寝してゐる間に庭の雨乾き 天野美登里 やぶれ傘 201111
昼寝せよと仏に肩を叩かるる 安部和子 雨月 201111
目薬の耳まで垂るる昼寝覚 小林清之介 風土 201111
郵便のバイクの音や昼寝覚 丑久保勲 やぶれ傘 201112
花束は昼寝の夢か誕生日 櫻井住江 万象 201112
チンパンジー大人は昼寝子は燥ぎ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
昼寝してゐて正体をまだ見せず 稲畑汀子 ホトトギス 201205
昼寝ざめ術後の頭骸何噸か 品川鈴子 ぐろっけ 201207
他界より誰彼顕るる予後昼寝 品川鈴子 ぐろっけ 201207
みづみづしをんな晝寝の手を胸に 丸山佳子 京鹿子 201207
中尊寺皆を見送り晝寝せり 赤座典子 あを 201207
ふるさとを知らぬゴリラの昼寝かな 高谷栄一 201208
風通し良き部屋に孫昼寝する 後藤克彦 かさね 201209
昼寝にはほどよきところ仏間かな 河口仁志 201209
ひと月の嬰孝行の昼寝かな 石田きよし 201209
野良ねこに海の展ける昼寝場所 工藤ミネ子 風土 201209
山鳩のけだるく鳴けり昼寝覚 北崎展江 くりから 201209
拍動を電池に委ね昼寝人 平田恵美子 ぐろっけ 201209
老の身のころんと昼寝してゐたり 舩山東子 ろんど 201209
大の字に昼寝する児の片笑窪 小林久子 201210
世の端の出口が開いて昼寝かな 原友子 201210
昼寝児を背負ひ微積分解いてゐる 松田都青 京鹿子 201210
推敲の一句定まる昼寝覚 三枝邦光 ぐろっけ 201210
昼寝覚め老眼鏡の置いてある 根岸善行 風土 201210
昼寝覚やんはり笑まふ遺影前 長田曄子 火星 201210
現世に戻りきれざる昼寝覚 中本吉信 201211
深夜まで五輪を見ては昼寝かな 池田正江 かさね 201211
総身のアンモナイトとなる昼寝 中野京子 201211
昼寝覚め賽の河原をさまよへり 中道愛子 201211
昼寝などしてゐて人に後れたる 吉清和代 万象 201211
昼寝子にタオルケットの海広し 浅木ノヱ 春燈 201211
寝返つて畳の熱き昼寝かな 米澤光子 火星 201211
友の僧絵筆を擱きし秋昼寝 酒井秀郎 返り花 201211
子等ゴルフ孫等宿題吾昼寝 唐澤春城 ホトトギス 201212
窓を開け島ごと昼寝してをりぬ 今村征一 ホトトギス 201212
雲上をすべつてゐたり昼寝覚 安永圭子 風土 201212
菜の花や保育園児の昼寝時 布村松景 春燈 201305
昼寝すること回復の途上とも 稲畑汀子 ホトトギス 201307
怪我癒ゆるための昼寝と思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201307
昼寝して取戻したるわが身かな 稲畑汀子 ホトトギス 201307
昼寝するつもりなけれど寝てしまふ 塩路隆子 201307
若葉風耳だけ動く昼寝猫 斉藤裕子 あを 201307
昼寝覚胸に日の斑の揺れてゐし 山田美恵子 火星 201309
行き当たりばつたり疲れたら昼寝 田中貞雄 ろんど 201310
アイピローのいづこか失せり深昼寝 村上禮三 201310
竹垣にヘルメットかけ昼寝かな 齊藤哲子 201310
大昼寝居留守電話を決め込みて 塩田博久 風土 201310
母の肩甘噛みしをり昼寝覚 河崎尚子 火星 201310
束の間の夢はみづいろ昼寝覚 藤岡紫水 京鹿子 201310
捕虫網脇に並べて大昼寝 服部珠子 雨月 201310
昼寝覚孤独が一つ増えており 貝森光洋 六花 201310
拳から昼寝ふかまる動きかな 池田喜代持 六花 201310
昼寝覚夫に目力戻りたる 板倉眞知子 ぐろっけ 201310
とぐろ巻く蛇の昼寝にであひけり 天野美登里 やぶれ傘 201310
えい儘よ昼寝しながらMRI 斉藤裕子 あを 201310
三面鏡の三面にゐて昼寝覚 齋藤厚子 201311
昼寝覚め電話をすれば人違い 水野弘 ぐろっけ 201311
昼寝覚め豆腐屋喇叭通り過ぎ 池田久恵 ぐろっけ 201311
開け放ち路地より昼寝見られをり 今井忍 ぐろっけ 201311
風あらば昼寝枕の置かれけり 舩山東子 ろんど 201312
やはりすつきりたまさかの秋昼寝 大畑善昭 201312
昼寝覚宴の続き何処やら 松本アイ ぐろっけ 201312
かつて無き昼寝してをりこの不覚 赤川誓城 ホトトギス 201401
洗ひ屋とペンキ屋並びゐて昼寝 山本耀子 絵襖 201404
ふと昼寝したくなりしと思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201406
昼寝覚水かげろうの消えてをり 笹村政子 六花 201407
祭衣の親子の昼寝隅田川 上原重一 201407
フライパン洗はざるまま昼寝して 小山陽子 やぶれ傘 201407
昼寝より覚めしをさなに見詰めらる 山尾玉藻 火星 201408
昼寝せし無心の顔を見てしまう 貝森光洋 六花 201408
性来は怠け者らし昼寝覚め 安井和恵 201408
風鈴に昼寝の夢を賜りぬ 松嶋一洋 201408
昼寝覚雀の声の新しく 小川玉泉 末黒野 201409
昼寝覚よさこいの渦遠ざかる 佐瀬晶子 ろんど 201409
昼寝覚めこの世に戻る安堵かな 石田朝子 末黒野 201409
昼寝などさらさら明治の祖母育ち 小澤菜美 201409
仏典を拾い読みして昼寝かな 石田かし子 ろんど 201409
日参の妻の昼寝はわがベッド 山本無蓋 201409
古語辞典なにやら昼寝覚に似る 酒本八重 201409

 辻享子命日

昼寝覚竜宮城へうしろ髪

山田六甲 六花 201409
午後の日や昼寝のやうに足湯して 半田稜 ろんど 201410
昼寝覚め冥界さして遠からず 栗原公子 201410
昼寝覚め缶コーヒーを一気呑み 久世孝雄 やぶれ傘 201410
どこをどう旅してゐしや大昼寝 佐藤淑子 雨月 201410
「いないいないばあ」を聞かせて児と昼寝 竹内悦子 201410
目の前に猫のかほ有る昼寝覚 大川ゆかり 201410
読み止しは胸の上なり昼寝覚 今瀬一博 201410
故郷に床柱あり大昼寝 安居正浩 201410
バス旅の昼寝の暇うれしかり 吉弘恭子 あを 201410
昼寝覚め夢のつづきの波の音 荒井千佐代 201411
昼寝覚すでに晩年来てをりぬ 戸栗末廣 201411
虫籠を抱へしままの昼寝かな 平居澪子 六花 201411
ヘルメットをころがし鳶職とびの昼寝かな 小巻若菜 やぶれ傘 201412
火男と阿亀の根付秋昼寝 竹内悦子 201412
昼寝子の時に乳吸ふ仕草せり 住田千代子 六花 201412
花蘇枋お昼寝時間の保育園 田中藤穂 あを 201506
昼寝より立ち直らんとしてしばし 稲畑汀子 ホトトギス 201507
昼寝より覚めて死のこと死後のこと 松井志津子 201507
夜遊びの愉快を抱きて昼寝せり 布川直幸 201507
古の子我も羨む昼寝かな 王岩 あを 201507
お昼寝と猫が決め込む籐の椅子 斉藤裕子 あを 201508
逸材と言はれし日あり長昼寝 松井志津子 201509
天井のしばらく遠し昼寝覚 林昭太郎 201509
浮島に昼寝うながす鴨に微風 佐藤恭子 あを 201509
昼寝覚還らざる刻流れゆき 島田万紀子 馬醉木 201510
昼寝覚朝か夜かと問はれたり 三澤いつ子 万象 201510
昼寝覚確と地球に着地せり 宮井知英 201510
歓声の渦の芯より昼寝覚 矢野百合子 201510
昼寝より覚めて他人のごとき顔 山内碧 201510
昼寝覚しばらく眼定まらず 苑実耶 201510
顛末を見てしまひたる昼寝覚 あさなが捷 201510
方丈に昼寝の踵見えてをり 柴田久子 風土 201510
妖怪の世を垣間見し昼寝覚 安居正浩 201510
子が母をさがしてをりぬ昼寝覚 柳橋繁子 201510
ごきぶりや三食昼寝居候 中島芳郎 201510
不覚にもこの世留守して昼寝覚む 松林尚志 201509
昼寝覚大事なきかとニュース聞く 廣瀬克子 春燈 201510
昼寝好き昼寝鎌ひの二人かな 村上倫子 201510
ライオンの昼寝姿のしどけなき 近藤紀子 201511
昼寝覚め白き時間を持て余す 中島ひろし 末黒野 201511
カウベルで呼ばる二階の昼寝かな 相良牧人 201511
昼寝覚母の亡き世と思ひけり 高倉和子 201511
山籠る時間長者の大昼寝 江澤弘子 201511
突然に世のま只中昼寝覚 井上浩一郎 ホトトギス 201512
昼寝覚めきらぬ顔出てきし玄関 安原葉 ホトトギス 201512
国会の討論耳に昼寝かな 久世孝雄 やぶれ傘 201512
昼寝せぬ子への絵本の先言はる 山内碧 201512
天上の父ははに会ふ昼寝かな 樋口みのぶ 201512
悩むよりぱつと昼寝をするもよし 河野美奇 ホトトギス 201601
うたたねはしても昼寝の暇はなし 河野美奇 ホトトギス 201601
昼寝覚め虚空にからだ置き忘れ 畑佳与 京鹿子 201601
一族総出カピバラ一気の大昼寝 わたなべじゅんこ 船団 201602
昼寝するつもりばかりの二三日 稲畑汀子 ホトトギス 201607
ふらり来て嫁しき娘昼寝して居りぬ 久染康子 201607
当番が木札を吊つて昼寝中 中川句寿夫 あを 201607
下まぶたありて鸚哥も昼寝中 齋藤厚子 201608
昼寝の子分厚きマンガ本に足 中山皓雪 201608
昼寝して姑在りし日を夢に見て 細川コマヱ 雨月 201608
畳目を頬にうつすら昼寝覚 渡辺やや 風土 201609
昼寝する夫のいびきや獅子のごと 加藤タミ 末黒野 201609
ゆつくりとこの世見てゐる昼寝醒め 柴田志津子 201609
魂ぬけの身の淋しめる昼寝ざめ 下平しづ子 雨月 201609
昼寝児の髪より草の匂ひかな 池田光子 風土 201610
古稀を過ぐ大和の端に昼寝して 上辻蒼人 風土 201610
方丈の軒の深さや昼寝する 松本鷹根 京鹿子 201610
血液を減らさぬために昼寝する 木戸渥子 京鹿子 201610
昼寝覚振れぬ意識を意識する 田部井幸枝 201610
昼寝覚めおそき夕餉は馳走なり 野中圭子 京鹿子 201611
浜風の馬柵に駿馬の昼寝かな 濱谷和代 万象 201611
海凪やデッキの椅子の昼寝覚め 鏡英子 末黒野 201611
ふて寝とも紛ふ左官の昼寝かな 太田良一 末黒野 201611
オリンピック放送見終へ昼寝かな 唐澤春城 ホトトギス 201612
昼寝の子二歳違いの姉の手で 黒澤佳子 あを 201610
半畳に納まる母の昼寝かな 林徹也 201612
昼寝 →7      

 

2021年7月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。