日向ぼこ 5   125句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
己が身を裏返したき日向ぼこ 宮内とし子 201702
日向ぼこ妣の傍へに居る思ひ 伊藤由良 末黒野 201702
ふところに母の手紙や日向ぼこ 祐宗千代子 雨月 201702
飼ひ猫に苗字ありけり日向ぼこ きくちきみえ やぶれ傘 201703
今さらに戻れぬ初心日向ぼこ 中原吟子 雨月 201703
日向ぼこ羽あるものを羨しめる 松本三千夫 末黒野 201703
日向ぼこ片意地いつの間にか失せ 楠原幹子 201703
騒音のとどかぬ耳よ日向ぼこ 宮崎高根 201703
日向ぼこいつしか幼の深眠り 前田美恵子 201703
気がかりを一つ抱へて日向ぼこ 阪上多恵子 雨月 201704
日矢落ちてひとつ白帆の日向ぼこ 宮崎洋 春燈 201704
児にもらふほんとの笑顔日向ぼこ 森清信子 末黒野 201704
三猿のひとりぽつちの日向ぼこ 鈴木一広 201704
向き変ふる連れにつられて日向ぼこ 森清堯 末黒野 201704
そこの猫こちら向かんせ日向ぼこ 木村ふく 馬醉木 201704
ペンギンに倣ひて暫し日向ぼこ 宇都宮敦子 201704
日向ぼこ大事な用を忘れをり 中川句寿夫 ここのもん 201705
時分どき誰かが言へり日向ぼこ 中川句寿夫 ここのもん 201705
癌のこと話してをりぬ日向ぼこ 中川句寿夫 ここのもん 201705
猫の毛の日にふつくらと日向ぼこ 岩村惠子 ホトトギス 201705
迷ひ猫過去を語らず日向ぼこ 岩村惠 ホトトギス 201705
日向ぼこ身ぬち白濁してゆきぬ 大川ゆかり 201706
先客の猫に並びて日向ぼこ あさなが捷 201707
老人の櫛目整しく日向ぼこ 佐藤喜孝 あを 201709
小さき靴日向ぼこする保育園 松村光典 やぶれ傘 201712
切れぎれの生命線や日向ぼこ 柴山志津子 201801
目鼻なき千代紙人形日向ぼこ 竹中一花 201801
公園を知り尽し猫日向ぼこ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
劣化した洗濯バサミ日向ぼこ 篠田純子 あを 201802
心臓に戻る血多し日向ぼこ 篠田純子 あを 201802
背骨から肋に伝ふ日向ぼこ 篠田純子 あを 201802
日向ぼこみなさみしげに在來種 佐藤喜孝 あを 201802
日向ぼこ過去と未来の真ん中に 小川流子 201802
日向ぼこ無印良品の顔で 七田文子 201802
はは似の目ちち似の指や日向ぼこ 千田百里 201802
祝祭に遠く離れて日向ぼこ 安居正浩 201802
つもる話を堂縁の日向ぼこ 辻水音 201803
母ときにこの世を離れ日向ぼこ 柴田佐知子 201803
旦つくのたがひかけひき日向ぼこ 小林のり人 春燈 201803
足元に雀来てゐる日向ぼこ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201803
兼題を温めてをりぬ日向ぼこ 今村千年 末黒野 201803
死神の張り付いてゐる日向ぼこ 山田健太 風土 201803
百寿なる母の笑顔や日向ぼこ 秋山文子 末黒野 201803
抱く稚を膝の欲りゐる日向ぼこ 間宮あや子 馬醉木 201803
日向ぼこここな海抜十メートル 山内四郎 春燈 201803
相槌も難儀やなあと日向ぼこ 秋岡美津子 201803
年寄と年寄の猫日向ぼこ 荒井千佐代 201803
みどりごの通訳欲しや日向ぼこ 本聞せつ子 末黒野 201804
用件をくりかへし聞く日向ぼこ 稗田寿明 201804
目瞑れば母の胎内日向ぼこ 城戸ひろみ 雨月 201804
お日さまに心預けて日向ぼこ 播磨武子 雨月 201804
丸丸と出窓に猫や日向ぼこ 黒澤佳子 あを 201804
日向ぼこドミノゲームは父の敗け 中野千代子 末黒野 201805
中七の思案の果や日向ぼこ 今村千年 末黒野 201805
日向ぼこ猫と分ちて浄土の座 平野多聞 201805
智恵の輪のほどけぬままに日向ぼこ 窪みち子 201806
石庭に心の解け日向ぼこ 五島富佐子 雨月 201806
草間彌生のかぼちやのごとき日向ぼこ 服部早苗 201806
日向ぼこ片意地張らぬ歳となり 森田明成 201806
日向ぼこ誰かを待つてゐるやうな 高倉和子 201806
駐車場裏にあります日向ぼこ みさきたまゑ 船団 201809
日向ぼこ母の法悦淋しみて 大橋敦子 雨月 201811
日向ぼこうかと口笛吹いてをり きくちきみえ やぶれ傘 201901
小さき虫集まり来たる日向ぼこ 鈴木光影 201901
省略のきかぬ面々日向ぼこ 安田優歌 京鹿子 201901
日向ぼこ溶け入り散歩塩田平 石森理和 あを 201901
九十年何して来たか日向ぼこ 犬塚李里子 201902
金太郎の飴とけるまで日向ぼこ 高野昌代 201902
珈琲の無糖微糖や日向ぼこ 岩下芳子 201902
腹たるむ老猫とゐて日向ぼこ 小笠原妙子 201902
赤んぼの重さを忘れ日向ぼこ 浅田光代 風土 201902
ひとりごつ母の涙や日向ぼこ 森清堯 末黒野 201902
差し障りなき話ばかりや日向ぼこ 塚本虚舟 やぶれ傘 201902
空白の中にすとんと日向ぼこ 近藤喜子 201903
日向ぼこ場所を得たるが風が来て 白石正躬 やぶれ傘 201903
日向ぼこしながら靴を磨きけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201903
漱石の旧居の縁に日向ぼこ 桜井知恵子 雨月 201903
日向ぼこ記憶に残る祖母の膝 岡田正義 雨月 201903
ちぐはぐなをみなの会話日向ぼこ 西千代恵 雨月 201903
日向ぼこ空を広しと仰ぎては 那須禮子 春燈 201903
父母の墓見えてゐる日向ぼこ 根本世津 201903
歩くひと走るひと見て日向ぼこ 瀬島洒望 やぶれ傘 201903
日向ぼこ母が一等席につき 柴田佐知子 201904
膝を病み手持無沙汰や日向ぼこ 市川夏子 末黒野 201904
日向ぼこ氏素姓など無き自由 森清信子 末黒野 201904
縮みては伸びては猫と日向ぼこ 今村千年 末黒野 201904
信楽やたぬきと人と日向ぼこ 三浦純子 201904
母のかほ母のこゑする日向ぼこ 西岡啓子 春燈 201904
日向ぼこ首を振るにも力要る 吉田葎 201905
ラジオ聞く夫の傍ら日向ぼこ 石田冨山 京鹿子 201905
日向ぼこ庭の雀がすぐそこに 山岸明子 201905
大き円書いて真中に日向ぼこ 田村すゝむ 風土 201905
病みし身の和らいでゐる日向ぼこ 石橋幾代 201906
母の声思ひ出したる日向ぼこ 高倉和子 201907
犬の死を忘れし母の日向ぼこ あさなが捷 201907
ねんねこの記憶どこぞに日向ぼこ 森祐司 201910
ボンネット猫の楽園日向ぼこ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
善悪の境うするる日向ぼこ 柴田志津子 201912
公園の椅子にもたれて日向ぼこ 大橋晄 雨月 202002
思ひ出話尽きぬ二人や日向ぼこ 平井改子 風土 202002
日向ぼこ →6

 

2022年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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