日向ぼこ 4   200句

日向ぼこしてゐて寒くなりにけり    辻桃子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
めったにはなかない猫と日向ぼこ 芝尚子 あを 201203
日向ぼこ五体満足百二才 續木文子 あを 201203
針箱は母の年輪日向ぼこ 伊東和子 201204
黒猫と三毛の談合日向ぼこ 国包澄子 201204
峡住みの知恵を教はる日向ぼこ 松岡和子 201204
変身が得意な孫と日向ぼこ 高橋将夫 201204
人生の給油の時間日向ぼこ 小林美登里 かさね 201204
日向ぼこうかうか老婆になつちまふ 栗原公子 201204
日向ぼこして考へのまとまりぬ 町山公孝 201204
日向ぼこ遠まなざしは待つごとし 戸栗末廣 201204
爪切りを手に加はりぬ日向ぼこ 森清堯 末黒野 201204
待ち惚け気付かれぬやう日向ぼこ 田中貞雄 ろんど 201204
鬼子母神さまに背を向け日向ぼこ 大坪景章 万象 201204
猿はみな同じ方向き日向ぼこ 丹生をだまき 京鹿子 201204
日向ぼこの猫撫で犬に吼えられり 松木清川 ぐろっけ 201204
日向ぼこ猫集まれり長屋門 早崎泰江 あを 201204
足の裏見せたる河馬の日向ぼこ 松田明子 201205
日向ぼこ幼に訛なおされる 永塚尚代 ぐろっけ 201205
潮焼けの顔の揃ひて日向ぼこ 横川良子 万象 201205
生き死にの話に至る日向ぼこ 石川笙児 馬込百坂 201206
硝子戸の外の風見る日向ぼこ 丑久保勲 やぶれ傘 201206
老僧の法話に猫の日向ぼこ 岡田満喜子 ぐろっけ 201206
眼裏に鑑真在す日向ぼこ 山ア青史 万華鏡 201206
尾を振るが猫の返事よ日向ぼこ 宮田香 故郷 201207
頼朝の日向ぼつこや源氏山 菅原孟 かさね 201212
引つ越してやっと洗濯物の日向ぼこ 森田子月 ぐろっけ 201212
よく笑ふ幼子あやし日向ぼこ 中山静枝 201301
縁側に老婆と猫の日向ぼこ 青木英林 かさね 201301
髪切っておでこのまるみ日向ぼこ 吉弘恭子 あを 201301
彼の世から使者来るごとき日向ぼこ 大木清美子 201301
けふよりは二人なりけり日向ぼこ 亀井紀子 201301
干し蛸の日向ぼっこや瀬戸の海 松田和子 201302
伊右衛門のお茶と並びて日向ぼこ 安居正浩 201302
自分には見えない背中日向ぼこ 関根揺華 201302
過去にさようならと明日日向ぼこ 森田子月 ぐろっけ 201302
日向ぼこ折々髪膚裏返し 祐宗千代子 雨月 201302
何もかも昔のことよ日向ぼこ 樋口みのぶ 201302
真中に割り込む猫や日向ぼこ 川口崇子 万象 201303
日向ぼこ児と色紙のサンタ折る 今泉あさ子 末黒野 201303
日向ぼこわれら似たもの夫婦なる 岩上行雄 末黒野 201303
残さるる庭石ひとつ日向ぼこ 山路紀子 風土 201303
日向ぼこ欲得いまだ衰へず 後藤マツエ 201303
日向ぼこ刻をゆだねてをりにけり 犬塚芳子 201303
日向ぼこ来週までに解くクイズ 中村紘 ぐろっけ 201303
日向ぼこもうすぐ思ひ出せさうな 大川ゆかり 201303
日向ぼこ特等席に猫二匹 吉田宏之 201304
ひそかなる歌をノートに日向ぼこ 飯田ひでを 201304
マドレーヌ紅茶に浸す日向ぼこ 足立良雄 201304
神もする自問自答を日向ぼこ 高橋龍 201304
来し方も行く末も見ゆ日向ぼこ 松田明子 201304
日向ぼつこ歳深みたるふたりかな 田嶋洋子 七線譜 201306
日向ぼこ針箱の蓋開いたまま 中谷三千子 船団 201306
日向ぼこめいてガラス戸めぐらせる 稲畑汀子 ホトトギス 201401
日向ぼこ埴輪の顔になつている 川本順美 京鹿子 201401
樟脳の匂へる祖母の日向ぼこ 柴田佐知子 201401
天守閣跡のベンチに日向ぼこ 瀬島洒望 やぶれ傘 201401
日向ぼこどちらが先に逝かんかな 田中佐知子 風土 201402
日向ぼこ背中合せといふ距離で 七種年男 201402
子規庵の縁を動かず日向ぼこ 大坪景章 万象 201402
物忘れ笑ひ飛ばして日向ぼこ 水野範子 ぐろっけ 201402
無欲とは退屈なもの日向ぼこ 宮崎高根 201402
恙なき母のひととき日向ぼこ 宮口征子 馬醉木 201402
杳かなる母と語らふ日向ぼこ 川上恵子 雨月 201402
檜皮葺の屋根の下なり日向ぼこ 伊勢きみこ 火星 201402
耄碌の加速中なり日向ぼこ 宮崎高根 201402
スマホンがベンチ占領日向ぼこ 北尾章郎 201402
居眠る夫ただ眺めをり日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201402
切札は捨てず使はず日向ぼこ 江澤弘子 201402
クッキーを焼くと決まりぬ日向ぼこ 菅野蒔子 末黒野 201402
お互ひの疲れ見ぬふり日向ぼこ 佐用圭子 201402
失へる時への回顧日向ぼこ 大島みよし 201402
子等の部屋夫と静かな日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201402
遠き日の絵本のごとし日向ぼこ 三川美代子 201403
同じ石見つめてをりぬ日向ぼこ 宇都宮敦子 201403
日向ぼことろとろ客死せる心地 細川洋子 201403
日向ぼこ貧乏話して噪ぐ 石橋萬里 ぐろっけ 201403
母の齢に追ひつき独り日向ぼこ 北岸邸子 春燈 201403
ポイントの溜る心地よ日向ぼこ 七田文子 201403
余生とはこんなものかも日向ぼこ 小倉正穂 末黒野 201403
人褒めて心ふくらむ日向ぼこ 中村房子 馬醉木 201403
悟りなど無いと悟つて日向ぼこ 高橋将夫 201403
荒行を終へし仏弟子日向ぼこ 福島せいぎ 万象 201403
掌中にはばたく鶴や日向ぼこ 藤井寿江子 馬醉木 201403
ポケットを繕ふ背なは日向ぼこ M谷和代 万象 201403
ひとりとは言はずに猫と日向ぼこ 小山直子 末黒野 201404
ミサイルの飛んでくるかも日向ぼこ えとう樹里 201404
日向ぼこどちらが先に逝かんかな 田中佐知子 風土 201404
日向ぼこ水神に息あはせをり 本多俊子 光のうつは 201404
三界のやはり遠くて日向ぼこ 土屋草子 末黒野 201404
温もりの冷めうらさびし日向ぼこ 飛高隆夫 万象 201404
木の椅子を軋ませてをり日向ぼこ 藤井美晴 やぶれ傘 201404
快速に乗も十五分日向ぼこ 石川かおり 福袋 201404
上席は話上手や日向ぼこ 野畑さゆり 201404
掃除機をルンバに変へて日向ぼこ 橋本靖子 201404
ドラキュラの知らぬ愉楽や日向ぼこ 片山博介 春燈 201404
和解して心に羽や日向ぼこ 田中一美 末黒野 201404
快速に乗る十五分日向ぼこ 石川かおり 福袋 201404
銅賞の菊に並びて日向ぼこ 中山純子 万象 201405
日向ぼこひとりのときは雲を見て 樋口英子 201405
日向ぼこ遠まなざしは待つごとし 戸栗末廣 201405
日向ぼこ心の隙間温めて 山田佳子 201405
この村に未だ馴染まず日向ぼこ 中杉隆世 ホトトギス 201405
これと言ふ思案もなくて日向ぼこ 永野由美子 ホトトギス 201405
補聴器を入れたる人と日向ぼこ 田中一美 ろんど 201405
老いるとは箒立てかけ日向ぼこ 中山純子 万象 201405
忌を修し無なる心に日向ぼこ 播磨武子 雨月 201405
人と逢ふことが大好き日向ぼこ 加藤千春 春燈 201405
日向ぼこネコのポーズの猫もゐて 野村鞆枝 京鹿子 201406
羊羹と番茶の日向ぼこりかな 丑久保勲 やぶれ傘 201406
金平糖みんなでこぼこ日向ぼこ 中村あいこ 船団 201406
日向ぼこ役目果たせし陶番犬 佐々木なつ ろんど 201407
孤独には自由が似合ふ日向ぼこ 奥名房子 201410
山々に向く死にざまの日向ぼこ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
草原と空はわがもの日向ぼこ 松田和子 201501
新入りや肩身せばめて日向ぼこ 中島玉五郎 201501
草原と空はわがもの日向ぼこ 松田和子 201501
手が届くところに日がさす日向ぼこ 佐々木良玄 春燈 201502
日向ぼこ次への発条を溜めてをり 田所節子 201502
日向ぼこ身の閂を全開に 大沼遊魚 201502
日向ぼここのまま襤褸と化すもよし 布川直幸 201502
尻尾なき犬の来てをり日向ぼこ 涼野海音 火星 201502
日向ぼこ心の滓の溶け行ける 松本三千夫 末黒野 201502
早足に日向ぼこりの前通る 加藤みき 201502
拝金も拝名もすて日向ぼこ 江島照美 201502
行く雲の用あるごとし日向ぼこ 佐藤喜孝 あを 201502
子猫にも目薬注すや日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201502
「まさむね」と名付けし猫と日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201502
日向ぼこ円座に子猫納まりて 斉藤裕子 あを 201503
顕るる雀蜂の巣日向ぼこ 森理和 あを 201503
影のあることをたふとび日向ぼこ 定梶じょう あを 201503
のど飴の袋やりとり日向ぼこ 佐津のぼる 六花 201503
母の膝の寧らぎに似て日向ぼこ 金森信子 雨月 201503
日向ぼこわが身太陽電池かな 相良牧人 201503
山なみや朽木になごむ日向ぼこ 箕輪カオル 201503
日向ぼこ刹那と永遠の間かな 近藤喜子 201503
日向ぼこ老人力を置きざりに 松木ひろ ろんど 201503
来し方を語る背丸し日向ぼこ 森清堯 末黒野 201503
六道の辻見えてゐる日向ぼこ 柴田佐知子 201503
ゐこぼれて庭に茣蓙しき日向ぼこ 宮崎左智子 201503
日向ぼこ影を残して離れけり 笹村政子 六花 201503
携帯の機能と格闘日向ぼこ 中山静枝 201503
日向ぼこ母郷に似たる山に向き 戸栗末廣 201504
日向ぼこ母に老けたと言はれたる 宮井知英 201504
猫ほどの暇はなけれど日向ぼこ 田中一美 ろんど 201504
日差し追ひ躙る縁側日向ぼこ 北尾章郎 201504
動かざるわが影とゐて日向ぼこ 成智いづみ 馬醉木 201504
妻呼べば孫が駆け寄り日向ぼこ 溝淵弘志 六花 201504
腹の上子猫揺らして日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201504
好物を並べ立つ夫日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201504
新聞のインクの匂ひ日向ぼこ 東小薗美千代 末黒野 201505
日向ぼこ話のはづむ飴ひとつ 宮沢治子 春燈 201505
生きてゐることを忘れる日向ぼこ 中山皓雪 201505
どの家も山羊飼ひ老は日向ぼこ 福島せいぎ 万象 201505
忙中の閑もて余す日向ぼこ 和田照海 京鹿子 201505
野良猫を手なづけ婆の日向ぼこ 西川みほ 末黒野 201506
また少し座布団ずらす日向ぼこ 後藤園子 201506
老人の乾いてしまう日向ぼこ 寺田良治 船団 201508
日向ぼこして鼻糞を食ふゴリラ 大崎紀夫 虻の昼 201510
日向ぼこ確と生き来し証背に 石井清一郎 馬醉木 201601
日向ぼこ合掌する身温もれり 秋川泉 あを 201601
日向ぼこ身ぬちの母性目覚めけり 小倉陶女 春燈 201602
日向ぼことろけさうなる猫の顔 大木清美子 201602
人の名を忘るる母の日向ぼこ 片山民子 201602
母あらば百の齢に日向ぼこ 山田六甲 六花 201602
ポケットのなくて手が暇日向ぼこ 定梶じょう あを 201602
八角四角ビルの谷間の日向ぼこ 佐藤恭子 あを 201602
人の臭ひすつかり消して日向ぼこ 福島茂 201603
喉飴を配り加はる日向ぼこ 塩野谷慎吾 201603
死ぬことも忘れてゐたる日向ぼこ 伊藤通明 201603
日向ぼこ優しく溶けるウエハース 時澤藍 201603
日向ぼこ親子だるまの笑ひ声 中谷富子 201603
日向ぼこ手と足の螺子ゆるむ 中山皓雪 201603
豆の木の鉢置く縁に日向ぼこ 安藤久美子 やぶれ傘 201603
日向ぼこ窓辺の猫にこんにちは 豊田信子 201603
日向ぼこ玻璃戸に背を張り付けて 小池みな 末黒野 201603
きつとある自然治癒力日向ぼこ 和田華凛 ホトトギス 201604
背中てふ太陽パネル日向ぼこ 内山照久 201604
祖母の髪梳きしは遥か日向ぼこ 中村紀美子 春燈 201604
日向ぼこ媼三人大笑ひ 懸林喜代次 春燈 201604
過ぎ越しし時を温めて日向ぼこ 齋藤晴夫 春燈 201604
つひの間の片道切符日向ぼこ 元橋孝之 京鹿子 201604
飴舐めて余生ごまかす日向ぼこ 高村令子 風土 201605
日向ぼこ上手に逝きし人のこと 野村鞆枝 京鹿子 201605
日向ぼこ病自慢の輪を抜けて 野村鞆枝 京鹿子 201605
日向ぼこ身の上話を聞くはめに 野村鞆枝 京鹿子 201605
とげ抜きで指のとげ抜く日向ぼこ 丑久保勲 やぶれ傘 201605
日向ぼこめき名苑の片隅に 稲畑汀子 ホトトギス 201612
挨拶の心行き交ふ日向ぼこ 稲畑汀子 ホトトギス 201701
日向ぼこ忘れ上手になりにけり 安居正浩 201701
人生の第五楽章日向ぼこ 楠原幹子 201701
動くこと忘れてをりぬ日向ぼこ 藤井寿江子 馬醉木 201701
わが書斎居ながらにして日向ぼこ 稲畑汀子 ホトトギス 201701
日向ぼこ特等席を知る猫と 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
やすらけき今の幸せ日向ぼこ 尾野奈津子 春燈 201702
日向ぼこもぬけの殻となつてをる 高橋将夫 201702
日向ぼこ見上ぐる雲も日向ぼこ 原田達夫 201702
日向ぼこマリアの如く嬰抱いて 高村令子 風土 201702
二歩を打つ投了のなき日向ぼこ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201702
一切の空(くう)となりたる日向ぼこ 近藤喜子 201702
積善も余慶も無けれ日向ぼこ 荒井千瑳子 201702
日向ぼこ→5

 

2015年12月26日 ">2015年12月26日 >

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。