日向ぼこ 3   200句

日向ぼこ佛掌の上にゐる思ひ   大野林火   方円集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
根性も根気もしばし日向ぼこ 北川英子 200803
日向ぼこ現在完了形の気分 安居正浩 200803
たましひが逃げてゆきさう日向ぼこ 西宮舞 200804
日向ぼこしてゐることを忘れけり 北川キヨ子 200804
ちちははの眼差しありぬ日向ぼこ 岩木茂 風土 200804
大仏の胎内を出で日向ぼこ 落合絹代 雨月 200804
にこにことわらべ地蔵の日向ぼこ 横田実 遠嶺 200804
空いてゐる優先席の日向ぼこ 赤座典子 あを 200804
日向ぼこゴリラの仕草我に似て 安部里子 あを 200804
黒猫の一匹は影日向ぼこ 斉藤裕子 あを 200804
人褒めてこころふくらむ日向ぼこ あきの澪 200805
野良猫の藁を枕に日向ぼこ 渡辺安酔 200805
野良猫の四肢のんびりと日向ぼこ 渡辺安酔 200805
放電も充電もあり日向ぼこ 菅谷たけし 200805
日向ぼこ知らぬ幼児と仲良しに 鳥居恭宏 遠嶺 200805
日向ぼこ無念無想の刻の過ぐ 犬塚芳子 200805
用ひとつ先へ送りて日向ぼこ 武田幸子 200805
遠きより集ひ来しもの日向ぼこ 湯浅夏以 樹も鳥も 200806
ワルツの譜猫六匹の日向ぼこ 湯浅夏以 樹も鳥も 200806
素っ気なく横向きし猫日向ぼこ 森永洋子 200901
死神を断る手立て日向ぼこ 宮崎左智子 200901
人の世に長居のさまの日向ぼこ 鷹羽狩行 200901
子どもたち蝌蚪のごとくに日向ぼこ 瀧春一 深林 200901
冬青き草は冷やりと日向ぼこ 瀧春一 深林 200901
漢字表睨むでひねもす日向ぼこ 鎌倉喜久恵 あを 200901
日向ぼこ此の世なかなか楽しかり 水原春郎 馬醉木 200902
眼裏にわが血の赤し日向ぼこ 三代川玲子 春燈 200902
献立を考へてゐる日向ぼこ 河村紀美子 春燈 200902
日向ぼこ近くに亡夫のゐるやうな 望月晴美 200902
海原の沖に小船の日向ぼこ 七種年男 200902
階に顎こする猫日向ぼこ 篠田純子 あを 200902
餌もらふ日向ぼこりの猫太し 東亜未 あを 200902
日向ぼこ煙草のけぶり動きゐる 森理和 あを 200902
乗継ぎのバス停猫と日向ぼこ 舛田初惠 酸漿 200902
屈託を解き放ちたり日向ぼこ 塩路隆子 200903
昭和期のモガモボ並び日向ぼこ 藤見佳楠子 200903
毎朝を感謝三拝日向ぼこ 瀧青佳 ホトトギス 200903
日向ぼこ大型犬を傍らに 吉沢陽子 200903
日向ぼこ背中合せの夫婦かな 中田禎子 200903
日向ぼこ話のずれて重なりて 中野京子 200903
日向ぼこ声なきこゑに呼ばれけり 鈴木とおる 風土 200903
内緒話できぬ翁ら日向ぼこ 中村紘 ぐろっけ 200903
乳呑み児の素つぽんぽんの日向ぼこ 榎美幸 万象 200903
俯いてお尻ふる猫日向ぼこ 斉藤裕子 あを 200903
単線の電車待つ間の日向ぼこ 渡邉孝彦 やぶれ傘 200903
日向ぼこ父は齢を楽しみて 柴田佐知子 200903
日向ぼこ話相手の欲しくなり 木村茂登子 あを 200903
日向ぼこ忍の一字の母の背な 松岡和子 200904
愛犬の四肢伸び伸びと日向ぼこ 飯田美千子 200904
死のことの話も尽きし日向ぼこ 岬雪夫 200904
四代の頂点の母日向ぼこ 高橋将夫 200904
体内に充電しをる日向ぼこ 橋本順子 200904
日向ぼこ卓に伏せたる禅語録 藤沢秀永 200904
気を失ひし目白としばし日向ぼこ 田部井幸枝 200904
日向ぼこうとうとと命なしくづし 久保田由布 ぐろっけ 200904
日向ぼこ窓を背にして俳誌読む 長谷川としゑ ぐろっけ 200904
身の内の鬼を熄ます日向ぼこ 岩永充三 200904
なごやかな雀の一家日向ぼこ 杉本綾 200905
しみじみと両手眺むる日向ぼこ 縣昌司 万象 200905
ふるさとは遠くにありて日向ぼこ 土井三乙 風土 200905
嫁のくれし人形膝に日向ぼこ 長谷川照子 春燈 200905
辛抱が大事と生きて日向ぼこ 高倉恵美子 200905
日向ぼこ孫へ昭和を語り継ぐ 北畠明子 ぐろっけ 200905
チンドン屋一行日向ぼつこかな 大崎紀夫 やぶれ傘 200905
生き過ぎと言ふことは無し日向ぼこ 小張昭一 春燈 200905
木によりてしばらく日向ぼつこかな 白石正躬 やぶれ傘 200905
わだかまりいつかほどけて日向ぼこ 木場田秀俊 200906
剃り残しひつぱる父の日向ぼこ 高橋ひろ 万象 200908
不機嫌な現実・現在・日向ぼこ 北側美美 200908
日向ぼこ不意に一人を恐れけり 小嶋洋子 泡の音色 200912
物知りがゐて落着かぬ日向ぼこ 鷹羽狩行 200912
入港の汽笛の棒や日向ぼこ 鷹羽狩行 201001
猫二匹恋ともならず日向ぼこ 早崎泰江 あを 201001
日向ぼこ一つベンチに二人づつ 木村茂登子 あを 201001
哲学書を枕の猫と日向ぼこ 宮田香 201002
ため息も欠伸もうつり日向ぼこ 松岡和子 201002
若草山をみてをり縁の日向ぼこ 塩路五郎 201002
日向ぼここのかぐはしき時止れ 小山田子鬼 201002
パリ時間持ち来しままの日向ぼご 佐々木群 201002
思ひ出し笑ひふくらむ日向ぼこ 堀内五齢 春燈 201002
妬まれぬほどの幸せ日向ぼこ 川崎真樹子 春燈 201002
日向ぼこ暗き部屋より呼ばれけり 根岸善行 風土 201002
枯露柿をデザートとする日向ぼこ 上原重一 201002
うとうとと朝刊抱きて日向ぼこ 吉沢陽子 201002
母の背のまろきを偲び日向ぼこ 大橋晄 雨月 201002
わが後ろ誰か通りし日向ぼこ 涼野海音 火星 201002
五感とうに滅びへ向かひ日向ぼこ 柴田志津子 201002
手術日を待ち居る友と日向ぼこ 宮野照子 馬醉木 201003
日の恵み猫と分かちて日向ぼこ 有吉桜雲 201003
日向ぼこ一人ぼつちの点々と 千田百里 201003
日向ぼこ仲違ひとは静かなり 千田敬 201003
生も死も天気と同じ日向ぼこ 安居正浩 201003
老いて知るこの贅沢な日向ぼこ 荒原節子 201003
目つむりて耳さとくをり日向ぼこ 松本三千夫 末黒野 201003
衰へは足より覚ゆ日向ぼこ 木下和代 末黒野 201003
豆腐屋のがんこも老いて日向ぼこ 稲垣佳子 末黒野 201003
金平糖角数へをり日向ぼこ 小幡喜世子 ろんど 201003
いつからか淋しきものに日向ぼこ 川上久美 ろんど 201003
このままの往生もよし日向ぼこ 布川直幸 201003
なんとまあ日向ぼつこの涅槃像 岡野ひろ子 201003
船と猫小さき漁港に日向ぼこ 森理和 あを 201003
鋳掛屋の遠くに居りし日向ぼこ 定梶じょう あを 201003
日向ぼこ仏のごとき父となり 岸上二條 201004
沈黙に慣れて二人の日向ぼこ 苑実耶 201004
ばばさまの頬ほたほたと日向ぼこ 樋口みのぶ 201004
日向ぼこ禰宜は箒を垣に立て 竹生田勝次 風土 201004
日向ぼこ翼ゆつくりたたみけり 大川ゆかり 201004
魂を奪はれてゆく日向ぼこ 寺田すず江 201004
耳遠きことには触れず日向ぼこ 熊切光子 末黒野 201004
風鐸の庇の下の日向ぼこ 四條進 201004
切株に背中合せの日向ぼこ 長坂ヤス子 酸漿 201004
どっちみち極楽遠し日向ぼこ 鎌倉喜久恵 あを 201004
鳥影とこゑ過ぎりけり日向ぼこ 丑久保 勲 やぶれ傘 201005
抱く犬に愛されてゐる日向ぼこ 中田みなみ 201005
マトリョーシカきれいに並べ日向ぼこ 服部早苗 201005
人恋しくなりてゐるなり日向ぼこ 高倉恵美子 201005
孫抱きて匂ひ懐かし日向ぼこ 宮崎薫風 201005
猫一族額寄せ会ひ日向ぼこ 清水侑久子 201006
濡れ縁に猫平つたく日向ぼこ 有賀昌子 やぶれ傘 201006
少しづつ移動しながら日向ぼこ 秋千晴 201006
日向ぼこ年功序列あるにはある 冨山俊雄 山居抄 201008
贅沢と思ふ退屈日向ぼこ 嶋田摩耶子 ホトトギス 201008
人脈をぼんやり辿り日向ぼこ 坂本哲弘 山ざくら 201009
胸中を過ぎる雲あり日向ぼこ 坂本哲弘 山ざくら 201009
日向ぼこ未だ働ける貌ばかり 大沼遊魚 倭彩 201009
日向ぼこ死にたい人を眞ん中に 大沼遊魚 倭彩 201009
茶を啜りおくれて笑ふ日向ぼこ 大沼遊魚 倭彩 201009
たましひのときをり離れ日向ぼこ 鷹羽狩行 201011
目つむれば花鳥画のなか日向ぼこ 鷹羽狩行 201012
日向ぼこり一反風呂敷につつむ 伊藤希眸 京鹿子 201101
眼裏に鑑真のゐる日向ぼこ 山崎青史 ろんど 201101
色即是空空即是色日向ぼこ 冨山俊雄 春燈 201102
実家からの柿と手渡す日向ぼこ 上原重一 201102
日向ぼこ言葉の要らぬ友とゐて 塩千恵子 201102
日向ぼこ笑ひころげて死の話 松下八重美 201102
庭園の椅子あちこちや日向ぼこ 鎌田紀三男 酸漿 201102
乗換への駅のベンチの日向ぼこ 内藤三男 ぐろっけ 201102
一輪の花を見てゐる日向ぼこ 花田心作 201103
肩に乗るインコと語る日向ぼこ 江島照美 201103
植物園日向ぼっこの二三人 金澤明子 201103
日本が隅にある地図日向ぼこ 中野京子 201103
神と居ることに気付かず日向ぼこ 松田都青 京鹿子 201103
日向ぼこ地獄見て来し漢どち 相良牧人 201103
鳶の衆の日向ぼつこや朝茶どき 折橋綾子 201103
寅年の猫になり切る日向ぼこ 相良牧人 201103
日向ぼこしに来る猫と濡れ縁に 園多佳女 雨月 201103
首都圏を下界に猿山日向ぼこ 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201103
日向ぼこ柑手欲しやと尾ふり犬 竹下昭子 ぐろっけ 201103
案内板鹿睦まじく日向ぼこ 大西ユリ子 ぐろっけ 201103
おしやべりをみな聞く犬や日向ぼこ 池田久恵 ぐろっけ 201103
ただ黙し少女と並ぶ日向ぼこ 家塚洋子 酸漿 201103
ことのみな些事となりゆく日向ぼこ 井上浩一郎 ホトトギス 201104
老眼鏡額に忘れ日向ぼこ 田村元 ホトトギス 201104
日向ぼこはにかみの顔並びけり 小石珠子 春燈 201104
日向ぼこしているやうに父母の墓 和田絢子 春燈 201104
日向ぼこして推敲の助詞一つ 次井義泰 201104
空つぽにしたき胸裡よ日向ぼこ 渋谷ひろ子 酸漿 201104
花八手姉妹仲よく日向ぼこ 長坂ヤス子 酸漿 201104
闘病の命いとほし日向ぼこ 宮原悦子 雨月 201104
背中より少し充電日向ぼこ 七田文子 201104
来し方の余白語らふ日向ぼこ 岩永充三 201104
神経が伸びる屋上日向ぼこ 田中敬 201105
日向ぼこ肩甲骨を寄せてみる 丸井巴水 京鹿子 201105
日向ぼこ煙草一本ほどの縁 矢野百合子 201106
違ふ事考へてゐる日向ぼこ 河隅惠子 201106
八十へ二年となりし日向ぼこ 内藤三男 ぐろっけ 201106
座布団にもたれて祖母の日向ぼこ 大地真理 201108
写生文出す話など日向ぼこ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
日向ぼこめく陸橋の高さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
命あるかぎり影あり日向ぼこ 鳥居おさむ ろんど 201112
子とろ子とろ心とらるな日向ぼこ 鷹崎由未子 花野 201112
誰となくなんとなくをり日向ぼこ 藤丸誠旨 春燈 201201
日向ぼこ居眠りつつもどこか覚め 佐津のぼる 六花 201201
妹にも白髪の見える日向ぼこ 鎌倉喜久恵 あを 201201
ゆりかもめ中州に集ひ日向ぼこ 福本すみ子 201202
てのひらで太陽隠す日向ぼこ 小林朱夏 201202
おほかたは眠りて母の日向ぼこ 宮井知英 201202
重力の地球に在りて日向ぼこ 座古稔子 201202
枝移る小鳥見てゐる日向ぼこ 根岸善行 風土 201202
長生きの先の模索や日向ぼこ 佐瀬品子 ろんど 201202
しばらくはことりの懐ろ日向ぼこ 貝森光洋 六花 201202
三毛猫をまあるく撫でて日向ぼこ 貝森光洋 六花 201202
これ以上なき貌をして日向ぼこ 貝森光洋 六花 201202
日向ぼこ彼の世この世を行き来して 貝森光洋 六花 201202
まんまるな口して木偶の日向ぼこ 貝森光洋 六花 201202
死神に一歩近づく日向ぼこ 小山田子鬼 201203
眼裏は浄土の色か日向ぼこ 菅谷たけし 201203
生き生きと死のこと話す日向ぼこ 矢野百合子 201203
富士を愛で日向ぼつこへ加はれる 野畑さゆり 201203
日向ぼこ誰も良き顔してをりぬ 宮沢治子 春燈 201203
東奔西走せしこと今は日向ぼこ 水原春郎 馬醉木 201203
足してゐる二人の齢日向ぼこ 石田きよし 201203
日向ぼこ入会金はお日様に 中山皓雪 201203
日向ぼこそばかす美人の笑ひかな 加藤みき 201203
日向ぼこ時のせせらぎみてゐたる 中野京子 201203
贔屓力士の名前言ひ合ひ日向ぼこ 西川みほ 末黒野 201203
日向ぼこ遠く近くに妻の唄 林哲夫 ぐろっけ 201203
サンルームてふ快適の日向ぼこ 片岡良子 雨月 201203
しがらみの糸数へをり日向ぼこ 岩永はるみ 白雨 201203
子の尻をひつくりかえして日向ぼこ 吉弘恭子 あを 201203
日向ぼこ→ 4      

 

2020年12月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。