日 永 2       104句

母恋し日永きころのさしもぐさ   白雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白黒の写真取り出す日永かな 高木武人 百鳥 200506
浮世絵の切手を剥がす日永かな 竹生田勝次 風土 200507
入院の四日目日永かこちけり 松崎鉄之介 200507
砂壁に軸懸け流す日永かな 飯塚ゑ子 火星 200508
日永船メリケン白くジヤマンは黒き 瀧春一 菜園 200509
老漁夫の日永一日網繕ふ 佐藤三男 万象 200601

 歌舞伎座、三月興行に源氏物語≠上演

いづれのおほんときにや日永かな

久保田万太郎 春燈 200603
日永てふ旅に油断のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200604
干し物がなくて日永の物干竿 定梶じょう あを 200605
鍬使ふ音の聞こえし日永かな 橋口礼子 河鹿 200606
一両電車畑中はしる日永かな 河本由紀子 春燈 200606
次の世を覗いてみたき日永かな 高橋将夫 200606
横向きに鎌かけてある日永かな 栗栖恵通子 200606
進みぐせの柱時計に日永かな 有元文子 風土 200606
石段を港へ下りて日永し 青山丈 200606
亀一つ泳ぎはじめし日永かな 木村茂登子 あを 200606
湯を浴びて飯に間のある日永人 淵脇護 河鹿 200607
ランドセルまた見せに来る日永かな 石川倜子 馬醉木 200607
川の名をタクシーに問ふ日永かな 富沢敏子 200607
植木市の花苗選ぶ日永かな 赤松丹山 雨月 200607
朴の木が鷽に仕上がる日永かな 柴田佐知子 200607
浅草の観音裏の日永かな 八木下巌 200607
吾が句集幾度も読む日永かな 瀧青佳 ホトトギス 200608
急行の通過の駅の日永なる 松崎鉄之介 200705
網しぼりつつ舟寄れる日永かな 杉浦典子 火星 200705
家人待ち日永の夕の庭を掃く 達山丁字 200706
釣り糸を垂れて日永の長寿眉 布村松景 春燈 200706
捨てられぬもの増やしゆく日永かな 安永圭子 風土 200706
不聞顔きかずがおおしおきされて泣く日永 岡野峯代 ぐろっけ 200706
急ぐこと何一つなき日永かな 村越化石 200706
孫等来て日永多忙に過しけり 石田嘉江 200706
つと道にいでて道ゆく日永かな 八田木枯 晩紅 200706
百余年考へてゐる日永かな 久本久美子 春燈 200707
指の股しつかり拭いて日永かな 戸田和子 200707
名水を掬し日永の旅ひと日 出口賀律子 雨月 200707
日永さの毛馬の堤を逍遙す 藤田誉子 雨月 200707
波音のどこか違うて日永かな 長沼紫紅 200707
駅名の長くなりゆく日永かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
広東語で道を問はるる日永かな 平野加代子 春燈 200803
予定又伸びて日永といへざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200804
釣り人の餌を付け替へる日永かな 大島英昭 やぶれ傘 200804
鈎り人の餌を付け替へる日永かな 大島芙昭 やぶれ傘 200804
役員の決まらぬ会議日永かな 仁平則子 200805
棟梁の鉛筆耳に日永かな 藤井君江 馬醉木 200805
大いなる切株一つ日永かな 村越化石 200805
心電図講義終りて日永なり 岡有志 ぐろっけ 200805
坂の石ころがりきらぬ日永かな 柿沼盟子 風土 200806
鳥獣戯画日永の壷のくびれかな 大島翠木 200806
笊一つ杭に日永の舟溜り 内海良太 万象 200806
ペリカンの芸に日永の拍手湧く 椋本一子 雨月 200806
啄木忌日永の磯の砂が鳴く 吉村摂護 200806
宝籤二まい持ちゆく日永かな 奥田順子 火星 200807
水の音日永の園のいづかたも 島谷征良 風土 200807
時なしの鐘に南円堂日永 椋本一子 雨月 200807
町日永そば屋の水車動かざる 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200807
ピアノ弾きに投げ銭をする日永かな 丑久保勲 やぶれ傘 200807
藍の華つぶやき殖ゆる日永かな 山田春生 万象 200808
ケーブルの山へ戻つてゆく日永 山尾玉藻 火星 200903
日永とて油断の旅でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200904
日永とて楽しきことは過ぎ易く 稲畑汀子 ホトトギス 200904
活版の一文字横向く日永かな 飯塚恵美子 炎環 200905
手の念珠ゆるくなりたる日永かな 本多滋子 春燈 200905
七曜を忘れ日永を遊びけり 三上程子 春燈 200905
三代の日本画展に日永かな 須藤美智子 風土 200906
猫の欠伸吾にうつれる日永かな 上野昌子 春燈 200906
下り線ホームに鳩ゐる日永かな 大木清美子 200906
飼犬の脱走続く日永かな 大橋晄 雨月 200906
土手に出て向う岸見る日永かな 大崎紀夫 やぶれ傘 200906
擬似卵ご生大事に日永鶏 中田みなみ 200906
イグアナの舌のぬめぬめ日永かな 細川和子 炎環 200907
浦凪に鴎の座る日永かな 和田政子 200907
亀石を鳴かせてみたき島日永 三宅文子 春燈 200907
すれ違ふ舟に手をふる日永かな 赤羽陽子 春燈 200907
「おくりびと」観て来しよりの日永かな 曽根治子 風土 200908
未だ解けぬ数字パズルの日永かな 田嶋洋子 春燈 200908
もう少し遊びたき子の日永かな 近藤ともひろ ろんど 200908
遊びたき子等につき合ふ日永かな 塚本政子 ろんど 200909
蕉翁の冬の日永遠に久屋の地 青木錥子 201002
模様替してみたくなる日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201004
朝月の消えて日永のはじまれる 稲畑汀子 ホトトギス 201004
一番の歌詞しか知らず日永かな 小嶋洋子 201004
もの忘れ診察室てふ日永かな 浅野洋子 春燈 201005
鉛筆を削り減らして日永かな 柴田久子 風土 201005
古書の市気長に捜す日永かな 中村芳夫 201005
夕食やえらく日永になつてをり 加藤みき 201006
仏壇に臍の緒を見し日永かな 大島翠木 201006
縮緬の巾着を縫ふ日永かな 谷岡尚美 201006
鷹ヶ峰三山まろき日永かな 田中佐知子 風土 201006
曾我の里とろとろ歩く日永かな 舘泰生 風土 201006
堤防に人と犬増え日永かな 岩木眞澄 ぐろっけ 201006
辻一つ違へて歩く日永かな 米田正弘 201006
サボテンの恵比寿笑ひの日永かな 新江たか ろんど 201006
駑馬のあくび麒麟にうつる日永かな 定梶じょう あを 201006
岩に顎あづけて亀の日永かな 定梶じょう あを 201006

 江川和彦『日永』序句

海に出て川の遊べる日永かな

鷹羽狩行 201007
花時計植ゑ替へてゐる日永かな 舩越美喜 京鹿子 201007
長伏しに無為の日永のひとり部屋 吉沢秀ひろ ろんど 201007
日永かな駅のホームに海の鳥 城孝子 火星 201007
雑魚干して網干して浦日永なる 山下美典 ホトトギス 201008
ふくろふの眠るほか無き日永かな 久保山満末 201008
柱時計止ってゐたる日永かな 大泉美千代 雨月 201008
嬰の口伸びて縮んで日永かな 志方章子 六花 201008
西に訃の続き日永の一日旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
何するも掛け声大き日永かな 河本由紀子 春燈 201104
日永→ 3      

 

2021年4月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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