日 永 3       200句

退院の話などして兵日永   高島茂   飛鳥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
公園に鳩の頷く日永かな 近藤幸三郎 風土 201105
水底の泥に杭立つ日永かな 生田恵美子 風土 201105
遠出して寄り道多き日永かな 四條進 201105
ひたすらに座す男優の日永かな 和田政子 201105
坊主池の水抜かれある日永かな 杉浦典子 火星 201105
日永なる撒き餌に嘴の増える増える 浜口高子 火星 201105
人の名を二人で忘れ日永かな 高倉恵美子 201105
もの言はぬ影がもの言ふ日永かな 川井秀夫 ろんど 201105
入院に飽きて日永の毛玉とり 山口キミコ 201106
峪ひとつ移れる落暉日永かな 松岡和子 201106
駅前に鳩の増えたる日永かな 遠山のり子 201106
赤子ほめ猫をほめして日永かな 大木清美子 201106
石仏のややかたむきて日永なる 豊田都峰 京鹿子 201106
日永かな谷崎源氏の和紙の反り 田村みどり 京鹿子 201106
日永し仕事帰りのティータイム 石川裕美 ぐろっけ 201106
魚籠溢る魚の名聞くも日永かな 安永圭子 風土 201106
もてなしに山菜七種日永かな 安永圭子 風土 201107
日永とてなかばうつつの椅子あたり 豊田都峰 京鹿子 201107
日永かな参道に立つ托鉢僧 細川コマヱ 雨月 201107
ボール蹴る音と泣き声日永し 西村裕子 火星 201107
楽隊について歩ける日永かな 橋本順子 201107
一人居の庭木と語る日永かな 羽賀恭子 201108
真中に棒垂れ下がる日永かな 松田都青 京鹿子 201108
先頭もしんがりもなく行く日永 松田都青 京鹿子 201108
折り紙に日永の陰が来る疊 服部郁史 京鹿子 201108
被災地を癒す日永であれかしと 安原葉 ホトトギス 201109
ときに言葉交し日永の老夫婦 野沢しの武 風土 201109
日永かな己が手相を己が見て 佐藤淑子 雨月 201109
舞殿の紙垂千切れゐる日永かな 大島英昭 やぶれ傘 201109
ぬり椀の粥みどりなる日永かな 岸本淑子 末黒野句集 201203
寄り道のついでといふも日永かな 稻畑汀子 ホトトギス 201204
連れ出して遊ぶ子もなき日永かな 青野安佐子 201205
けん玉の虜となれる日永かな 国包澄子 201206
舫ひ杭伸び縮みする日永かな 渡部節郎 201206
石畳辿り日永の神楽坂 細川洋子 201206
急ぎ鳴き終り日永の鳩時計 柳生千枝子 火星 201206
甲板に輪投げの輪とぶ日永かな 杉浦典子 火星 201206
ふろしきのやうな母なり日永なり 酒本八重 201207
豆腐屋の喇叭尾を曳く日永かな 乗光雅子 雨月 201207
山に来て海を見てゐる日永かな 松本三千夫 末黒野 201207
空想の旅に出てゐる日永かな 志方章子 六花 201207
切株の罅割れてゐる日永かな 大島英昭 やぶれ傘 201207
開かんとしたる蕾の日永かな 須藤常央 ホトトギス 201210
雲一つ日永を育てをりにけり 須藤常央 ホトトギス 201210
カーテンの日永に風のなかりけり 須藤常央 ホトトギス 201210
殿町を鯉のゆるりと日永かな 藤井君江 馬醉木 201212
仕事場の模様替してゐる日永 稲畑汀子 ホトトギス 201304
墨の香にどつぷりつかる日永かな 大湊栄子 春燈 201304
木の願ふままに彫りゆく日永かな 吉田葎 201304
木津川の流れ悠々日永かな 山本孝夫 201305
京情緒の日永たっぷり市内バス 井口淳子 201305
水青の方へ歩の向き日永かな 森田節子 風土 201305
吊皮の揺れにまかせる日永かな 齊藤實 201305
整然と植うる玉葱島日永 塩見英子 雨月 201305
八つ橋の真中に水を見る日永 大島英昭 やぶれ傘 201305
西へ行くほどに日永や郷里なる 山口キミコ 201306
ぶらぶらといわき七浜日永かな 森高武 風土 201306
対岸へ一羽遅るる日永かな 西村節子 火星 201306
土塊を叩き腰のす日永なり 藤田宣子 ぐろっけ 201307
外川千軒床屋一軒日永かな 成瀬櫻桃子 春燈 201310
日永かな銃眼の影三角に 山田六甲 六花 201402
又とんぼ返りの旅の日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201404
仕事場の模様替してゐる日永 稲畑汀子 ホトトギス 201304
木の願ふままに彫りゆく日永かな 吉田葎 201304
墨の香にどつぷりつかる日永かな 大湊栄子 春燈 201304
八つ橋の真中に水を見る日永 大島英昭 やぶれ傘 201305
木津川の流れ悠々日永かな 山本孝夫 201305
水青の方へ歩の向き日永かな 森田節子 風土 201305
京情緒の日永たっぷり市内バス 井口淳子 201305
整然と植うる玉葱島日永 塩見英子 雨月 201305
吊皮の揺れにまかせる日永かな 齊藤實 201305
ぶらぶらといわき七浜日永かな 森高武 風土 201306
西へ行くほどに日永や郷里なる 山口キミコ 201306
対岸へ一羽遅るる日永かな 西村節子 火星 201306
土塊を叩き腰のす日永なり 藤田宣子 ぐろっけ 201307
外川千軒床屋一軒日永かな 成瀬櫻桃子 春燈 201310
日永かな銃眼の影三角に 山田六甲 六花 201402
又とんぼ返りの旅の日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201404
改札を出て空あふぐ日永かな 大島英昭 やぶれ傘 201405
難波津や日永の雲のはねず色 高松由利子 火星 201405
よくしゃべる家電に返事して日永 粟津さくら 201406
東の間の肩の荷下ろす日永かな 齋藤晴夫 春燈 201406
日永かな帰りたる子の手の汚れ 永田万年青 六花 201406
日永かな叩き出したる靴の砂 永田万年青 六花 201406
日永さにもやしの髭根取ってをり 住田千代子 六花 201406
日永しメレンゲのつのぴと立てて おーたえつこ 201406
おほどかな申の寺護神日永し 中村紀美子 春燈 201406
山崎に三川望む日永かな 前田美恵子 201406
片付けの未だ終らぬ日永かな 永田万年青 六花 201406
室生谷崖の弥勒の日永なる 服部鹿頭矢 馬醉木 201406
蘂ながき山吹ながむ日永かな 神田恵琳 春燈 201406
日永かな捨てる事より考へず 門伝史会 風土 201406
あきもせず回り将棋の日永かな 辺田たか子 ろんど 201406
喜びも苦しさもあり日永かな 後藤マツエ 201406
大橋の点灯淡き日永かな 永田万年青 六花 201406
預かり子日永を積み木鬼ごつこ 加藤峰子 201407
饂飩屋にリュックと入る日永かな 箕輪カオル 201407
松切つて赤き年輪日永なる 杉浦典子 火星 201407
アルバムに子の声を聞く日永かな 久布白文子 馬醉木 201407
千体の仏にまみゆ日永かな 前田美恵子 201407
想はでもよきこと日永のゆゑ想ふ 藤岡紫水 京鹿子 201407
太公望ひとり残れる日永かな 粟倉昌子 201407
犬とゆくいつもの道の日永かな 宮川みね子 風土 201407
三十石船唄歌ふ日永かな 池端英子 ろんど 201408
書きさしの文をまとむる日永かな 西川みほ 末黒野 201408
南山に馬放ちたる日永かな 王岩 あを 201503
今日は西明日は東へ日永旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
気のつけば日永と思ふ夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201504
閉じ蓋を開ける日永の右手かな 吉田香津代 201505
林出て里へひとすぢ日永なる 豊田都峰 京鹿子 201506
植木屋の梯子あづかる日永かな 鈴木庸子 風土 201506
パラオより戻りし友の日永かな 和田政子 201506
畦道のS字に曲がる日永かな 大文字孝一 春燈 201506
地下鉄に迷ふ日永の渋谷駅 田中臥石 末黒野 201506
鸚哥のゆるりと眠る日永かな 齋藤厚子 201506
みどり児に遊ばされゐる日永かな 竹内タカミ 201506
挑まれて二局目を指す日永かな 中野久雄 末黒野 201507
サランラップのはじめを探る日永かな 松本秀子 201507
安静とふ仕置を受くる日永かな 今井洋子 雨月 201507
煎餅を前歯で齧る日永かな 金子正道 京鹿子 201508
チロルチョコ大人買ひする日永かな 秋月祐一 船団 201512
女医さんに脈をとらるる日永かな 山下健治 春燈 201604
水槽の大魚つぶやく日永かな 宮内とし子 201605
大桟橋催事あまたや日永し 佐藤惠子 風土 201605
縁の下の片付いてゐる日永かな 根橋宏次 やぶれ傘 201605
ゆび編みにオカリナの音日永し 加藤みき 201606
こちこちの豆板ありて日永し 中島陽華 201606
さざなみの美しかりし日永かな 竹内悦子 201606
地平線に小石投げたる日永かな 寺田すず江 201606
手を打ちて鯉集まり来日永かな 柳橋繁子 201606
狛犬の相寄ることもなき日永 宮内とし子 201606
スニーカーおろしたてなる日永かな 町山公孝 201606
鯉はぬる音の間合の日永かな 三上程子 春燈 201606
客のなき骨董市の日永かな 大橋伊佐子 末黒野 201606
死ぬるまで生きねばならぬ日永し 中杉隆世 ホトトギス 201607
長生きをせしと日永の山にいふ 中杉隆世 ホトトギス 201607
古書市に浮世絵選ぶ日永かな 三好かほる 万象 201607
神の木の木遣に動く日永かな 小林和世 201607
ぜんまいの仕掛けを探る日永かな 塩野谷慎吾 201607
三陸の湾また湾の日永かな 鈴木直充 春燈 201607
貫入の音のかすかに日永かな 服部早苗 201607
牛鳴いて一本道の日永かな 柴田志津子 201607
棟上げの槌音高き日永かな 石黒興平 末黒野 201609
妻いつも何か煮てゐる日永かな 角野良生 201610
日永かな米の炊けくるにほひして 山田六甲 六花 201702
銀幕や日永障子にひとの影 山田六甲 六花 201702
祝意抱く日永の旅となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201704
旅帰り日永の仕事恪勤に 稲畑汀子 ホトトギス 201704
船笛の日永の沖へ消えてゆく 山田天 雨月 201705
病床に人恋ふ夫の日永かな 斉藤マキ子 末黒野 201705
続く貨車見送ってゐる日永かな 西村しげ子 雨月 201706
独り居や日永の庭を掃くことも 田村加代 末黒野 201707
日永かな遊びを知らぬ電波時計 加舎廣子 京鹿子 201707
象の鼻ぶらり地を掃く日永かな 菊地光子 201707
二羽の鴎が鳶追ひ払ふ日永かな 浜福惠 風土 201706
蕎麦処日永の列へ小半時 松本三千夫 末黒野 201708
牛追ひの馬柵に凭るる日永かな 鈴鹿呂仁 京鹿子 201804
日帰りの上京にして日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201804
一と工夫また一工夫日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201804
病状の一喜一憂とて日永 稲畑汀子 ホトトギス 201804
稿債を果たせしよりの日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201804
みよし野で別れ来しより日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201804
又会ふも日永の旅路なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201804
耳遠き母との会話日永し 細川洋子 201805
にはとりのあひだをとほりゆく日永 根橋宏次 やぶれ傘 201805
日永かな風のソナタの杉木立 鷺山珀眉 京鹿子 201806
デュエットをしてゐる烏日永し 森なほ子 あを 201805
本堂の朱の塗りたてで日永し おーたえつこ 201806
歩くために歩く坂道日永かな 秋岡美津子 201806
日永さやマトリョーシカの音抜きて 石田阿畏子 馬醉木 201807
竿売の声をひきずる日永かな 佐藤保子 馬醉木 201807
ベランダに雀二羽ゐる日永かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201807
鶏のつつくほつつく日永かな 山内碧 201807
ライオンの王の風格日永かな 大橋晄 雨月 201808
一人にて詩画を愉しむ日永かな 浜崎素粒子 ホトトギス 201809
体調をゆだねたるより日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201904
体調のととのへゆくも日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 201904
会一つ休みて日永余しけり 稲畑汀子 ホトトギス 201904
旅終へて日永の家居くつろげる 稲畑汀子 ホトトギス 201904
友の訃に日永刻々ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201904
オーボエの音やはらかき日永かな 栗原公子 201906
「笑点」と合はす晩酌日永し 福島茂 201906
点滴に日々を委ねて病む日永 松本鷹根 京鹿子 201906
つれづれの日永を刻む秒針音 宇田篤子 京鹿子 201906
聖書売りに捕まへらるる日永かな 辻水音 201907
とりあへず改札口を出る日永 根橋宏次 やぶれ傘 201907
小面のやや口開くる日永かな 石黒興平 末黒野 201907
桟橋の夕日の波の日永かな 尾崎千代一 末黒野 201907
徘徊の鯛や鮃の日永かな 平野多聞 201908
参道の松の影濃き日永かな 遠山のり子 201909
青葉風日永ささやきささやいて 田尻勝子 六花 201908
一日の日永の旅路尽くるなく 稲畑汀子 ホトトギス 202003
幾度も日永の空を見上げし日 稲畑汀子 ホトトギス 202003
早起きをしたる日永の使ひ方 稲畑汀子 ホトトギス 202003
日永かな大路小路を上る入る 鷺山珀眉 京鹿子 202005
開きしままの文庫本ある日永かな 加倉井たけ子 202005
やき餅を買うて日永の神参り 村田あを衣 京鹿子 202006
店番のどこか拭ひてゐる日永 青谷小枝 やぶれ傘 202007
縛られ地蔵縄のぶらつく日永かな 吉清和代 202007
福耳の羅漢が笑ふ日永かな 木村梨花 春燈 202007
拭き取りしゴミ覗き見る日永かな 小山よる やぶれ傘 202007
自動車がひかつて過ぎてゆく日永 大島英昭 やぶれ傘 202007
三密とふ言の葉をどる日永かな 室井津与志 春燈 202008
京日永市バス一日乗車券 立村霜衣 ホトトギス 202009
オンライン句会声つなぎて日永 立村霜衣 ホトトギス 202009
公園の鳩を数へてゐて日永 立村霜衣 ホトトギス 202009
カタン糸五十番ミシンかたぐわた日永 篠田純子 あを 202011、
あぶくひとつ池の底から浮く日永 白石正躬 やぶれ傘 202105
パン焼ける匂ひ漂ひくる日永 小山よる やぶれ傘 202105
思ひ出を夕餉の菜に日永かな 落久保万里 春燈 202105
ベランダに鳩睦み合ふ日永かな 後藤大 春燈 202105
ガンダムは横浜に居る日永かな 森なほ子 あを 202105
番号で呼ばれて動く日永かな 三上程子 春燈 202107
人生の音色日永の駅ピアノ 卜部黎子 春燈 202107
地図の上指は旅する日永かな 能美昌二郎 202107
日永 →4

 

2023年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。