向日葵 4   108句

向日葵の大声でたつ枯れて尚   秋元不死男   万座

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ひまはりの咲くを告げ来る隣の子 井上幸子 酸漿 200908
向日葵剪る乳房ゆさりと妊り女 相沢有理子 風土 200908
向日葵畑トランペットを吹きに来し 立石萌木 雨月 200908
向日葵や膨らむ夢はエーゲ海 遠藤実 あを 200908
疲れふと夜の向日葵に兆しけり 徳田千鶴子 馬醉木 200909
病める子に向日葵の花まぶしすぐ 横田初美 春燈 200909
向日葵や文字ぎつしりと専門書 佐藤美恵子 200909
向日葵の黄に海の青退りけり 松本圭司 200909
向日葵の影揺すりゐる風のあり 藤原冬人 火星 200909
向日葵の端より延ばす鯨幕 中田みなみ 200909
向日葵の意外な重さ持たされし 中田みなみ 200909
日蝕の後ひまはりの金縛り 神戸京子 ろんど 200909
向日葵や小さきものは低く干し 楠原幹子 200909
向日葵やゴッホの好みモネ好み 木村茂登子 あを 200909
旅に出る我に向日葵そっぽ向く 土井くみこ 200910
学校のひまわりさいたうれしいな 中森かな 200910
ひまわりは一日一周してるんだ 広瀬結麻 200910
ひまわりや父の笑顔に重さあり 和田政子 200910
向日葵の迷路や夫はまよはずに 山本耀子 火星 200910
向日葵の揺れて哄笑笑するごとし 坂本悠亘 春燈 200910
地球まだ濡れてゐるひまはりの花 竹内悦子 200910
蒼天と向日葵われも前向きに 近藤きくえ 200910
向日葵を咲かす床屋の花壇かな 瀬島洒望 やぶれ傘 200910
向日葵の熱き視線にうろうろす 大坪景章 万象 200910
いたましやゴッホ狂へる向日葵は 大橋敦子 雨月 200910
向日葵にこころ猛々しくなりぬ 大橋晄 雨月 200910
向日葵の皆既日蝕模す構へ 大橋晄 雨月 200910
向日葵や保育園今昼寝どき 江木紀子 雨月 200910
大ひまはり咲かせ媼の独り住む 島貫寿恵子 雨月 200910
向日葵や女性の長寿うとましき 木下もと子 200910
向日葵に伏す従卒のごとき影 荒木甫 200910
向日葵に後ろ姿のありにけり 前川明子 200910
向日葵の太陽を背に咲きゐたり 出口誠 六花 200910
見上げゐる子に向日葵はうつ向けり 久保田嘉郎 酸漿 200910
ひまはりや眼下に海と渇く街 細野みすず 炎環 200910
堕天使のゐしひまはりの迷路かな 山崎彩 炎環 200910
向日葵の裏側の黄も燃えてをり 近藤節子 200910
向日葵といたづら小僧背くらべし 宮田香 200911
ひまはりに覗かれてをりゴッホの絵 池田忠山 200911
ひまはりの頭重たき変声期 足利ロ子 はらから 200911
弟妹の忌なりき斃す大向日葵 大島翠木 200911
向日葵の影の濃淡午後に入る 小林のり人 春燈 200911
日蝕いま呆然と吾もひまはりも 田辺博充 200911
向日葵に狙はれてゐるわが眉間 山口ひろよ 200911
ひまはりさへ暾にそっぽむき秋暑し 東野鈴子 雨月 200911
ひまはりのうなだれ果ててなほ咲けり 河村多惠子 200911
ひまはりを一ぱい生けて誕生日 小島三恵 酸漿 200911
向日葵の迷路に母子呼び交す 北島智子 200912
向日葵の首の血管浮く黙祷 古川忠利 ろんど 200912
ひまはりやわが身に潜む火種あり 近藤公子 201009
向日葵の蕾はすでに大人びて 小林朱夏 201009
大向日葵天鈿女命かな 大島翠木 201010
向日葵やしつかり者の妹よ 中田禎子 201010
向日葵の空に気づきし腹時計 中野京子 201010
晴れの日の向日葵なべてこちら向く 谷岡尚美 201010
少女期の向日葵ならむ俯きて 久米なるを 201010
向日葵のこちら向きたり多感なり 久米なるを 201010
向日葵に太平洋の夕日かな 吉清和代 万象 201010
己が首持て余しゐる大向日葵 藤岡紫水 京鹿子 201010
向日葵も姥も生気を得る夕べ 羽生きよみ ぐろっけ 201010
向日葵や人は妥協を重ねつつ 菅谷たけし 201010
向日葵の中の一本後向き 吉田政江 201010
向日葵の精も欲しくて誕生日 鈴木良戈 201010
向日葵の丈まだ低く咲きはじむ 大野ツネ子 酸奬 201010
顔ほどの向日葵みやげに友来る 下井たまみ 酸奬 201010
主なき庭向日葵の盛りなり 五十嵐勉 201011
ひまはりの盛りや留守の駐在所 小川玉泉 末黒野 201011
向日葵や一村低き家ばかり 清海信子 末黒野 201011
向日葵の全員「かしら右」閲す 泉田秋硯 201011
向日葵の中に逆向くへそまがり 石田玲子 201011
一両の電車向日葵ひと揺らぎ 岡崎春菜 万象 201011
ふはふはのガラス向日葵まきこんで 直江裕子 京鹿子 201011
向日葵へ一人あるきの好奇心 高野春子 京鹿子 201011
向日葵に姫という種の戦後なり 鈴木てるみ ぐろっけ 201011
向日葵の腐食始まるたちくらみ 新江たか ろんど 201011
向日葵やただ真つ直ぐに臨みたる すずき巴里 ろんど 201011
夜は恐ろし向日葵の群咲きに咲き 上田明子 雨月 201011
向日葵の後の始末の斬首かな 常田創 201012
向日葵の正面作るために咲く 湯川雅 ホトトギス 201012
向日葵のあち見こち見の迷路かな 館容子 201012
向日葵の一日の疲れまだ見せず 島谷征良 風土 201012
向日葵や母の血強く感じをり 苑田ひろまさ 201101
破顔一笑ひまはりの咲きにけり 樋口みのぶ 201101
百合として向日葵として枯れてをり 荻野加壽子 万象 201103
向日葵の大きな顔に迎へられ 伊藤憲子 201107
晴れし日の大向日葵に海昏く 水野恒彦 201108
ひまはりを抱きて主役の顔となり 近藤公子 201108
ひまはりを亡夫の化身のエールとし 吉田晴子 201109
向日葵の種播く復興の願ひこめ 木村茂登子 あを 201108
向日葵をあふり北への列車過ぐ 豊田都峰 京鹿子 201109
向日葵や空がざらつくほどの数 酒本八重 201109
借り菜園向日葵の花いま盛ん 松嶋一洋 201109
放射能食みつつ向日葵天を向く 鈴木 セツ 201109
胃薬の能書ひまはりうなだるる 梶浦玲良子 六花 201109
無人駅大向日葵に迎へられ 水原春郎 馬醉木 201110
向日葵や女子高生の高笑ひ 羽賀恭子 201110
向日葵の花蕊に確固たる野心 荒木甫 201110
庭先の向日葵のほか誰も居ぬ 辻直美 201110
向日葵の色をぐらりと生けなほす 辻美奈子 201110
向日葵やうしろ姿の隙だらけ 楠原幹子 201110
地平線越えて向日葵天にまで 山口ひろよ 201111
向日葵のゴッホの円も仮分数 鎌田悟朗 ろんど 201111
向日葵の日影の背のみどり濃し 上辻蒼人 風土 201111
向日葵や白寿の嫗音もたず 吉村摂護 201112
向日葵のうしろは無縁仏なり 栗原京子 201112
菜園は大向日葵の宰領す 河内桜人 京鹿子 201112
ひまはりは実に大方の牛舎朽つ 小林輝子 風土 201112
向日葵や板飛込の身が展く 吉田葎 201204
向日葵→ 5      

 

2021年8月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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