向日葵 3           111句

向日葵に煙のごとく老婆来る    鈴木鷹夫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ひまはりを羨ましいと思ふ日も 藤田素子 火星 200609
向日葵のただ一本へひた歩む 伊藤白潮 200609
快癒して向日葵と肩並べけり 田辺博充 200609
兵馬俑めく向日葵や月下にて 泉田秋硯 200610
向日葵の炎えてゴッホの絵となりぬ 前田陽子 200610
姫向日葵帽子に挿してもらひけり 橋本リエ 春燈 200610
向日葵やゴッホの魂の生き続き 岩月優美子 200610
向日葵の迷路にいさぎよく迷ふ 齊藤實 200610
活けられて向日葵空を失へり 鵜沢千恵子 200610
向日葵と向ひ合ひをる夕日かな 岡田 麻枝 酸漿 200610
幾萬本のひまわり夫へ「かしらなか」 柴野静 200611
向日葵図苦悩にねぢれし筆の跡 丹生をだまき 京鹿子 200611
ひまはりの迷路を俯瞰できる橋 田村園子 200611
一本は背よりも高き向日葵よ 木暮剛平 万象 200611
向日葵や唯我独尊ではないか 永田哲心 遠嶺 200611
地球丸くて向日葵に隠れゐる 竹内悦子 200611
大向日葵休耕田をうめ尽す 神保みね子 酸漿 200611
棒立ちの枯向日葵に日が廻る 秋千晴 200611
蒼天へ日輪草の駆け登る 川口襄 遠嶺 200612
寂しかり向日葵切りし大き空 三井孝子 六甲 200612
ひまはりの八万本に入日かな 池崎るり子 六花 200704
向日葵のみな逞しや鍛冶が家 瀧春一 200706
向日葵や奉公袋提げて出づ 瀧春一 200706
向日葵の花に對ひてこゝろ萎へぬ 瀧春一 200706
立死にと決め向日葵のたぢろがず 高崎武義 200707
向日葵に俯向きどきの来りけり 林翔 200707
向日葵の三百本に日出づる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
灯を消して向日葵を夜のものとせり 鷹羽狩行 200708
山雀のひまはりの種子素早く剥く 新倉舒子 200708
無防備な顔ひまはりに凝視さる あさなが捷 200708
ひまはりの貫禄立ちに亡夫の影 松葉よし江 200709
遠き日の少女雑誌や日輪草 木村冨美子 遠嶺 200709
向日葵や背丈をきそふ兄おとと 水成玲子 春燈 200709

中川一政美術館

向日葵の虜となりて館出づる

植竹惇江 春燈 200710
向日葵を来て巌山の昏さかな 大島翠木 200710
向日葵に集まる光ゆるる影 中野京子 200710
向日葵のうしろを瀬戸の潮流れ 川口崇子 万象 200710
ひまはりの保護色めきて遊行せり 加藤峰子 200710
向日葵やみんな一人称主格 上谷昌憲 200710
向日葵の風のおさけび遠海鳴り 小野寺節子 風土 200710
ひまはりや昼の校長室灯る 大山文子 火星 200710
向日葵の供華に適はぬ大きさよ 宮津昭彦 200710
よき畑よき田圃あり大向日葵 今谷脩 ぐろっけ 200710
向日葵や畑中に日の燦々と 小野木雁 酸漿 200710
武甲山背に向日葵を閲兵す 佐々木新 春燈 200711
向日葵に覗かれてゐる胸の内 樋口みのぶ 200711
ひまわりや知らぬ顔して愚痴を聞く 改正節夫 ぐろっけ 200711
花言葉憂し向日葵は頭垂れ 石田阿畏子 馬醉木 200711
直立の向日葵の大いなる暗さ 田中藤穂 あを 200711
向日葵にぶつかり落つる夕陽かな 和田照子 200712
向日葵や子に全方位未来あり 田畑耕之介 京鹿子 200801
ひまわりの三本までは、まあ許す 坪内稔典 稔典句集 200804
向日葵の百万本の大合唱 竹下陶子 ホトトギス 200806
ひまはりに行進曲を所望せり 府川房江 遠嶺 200806
向日葵や空に戦のありし日も 湯浅夏以 遠嶺 200806
囀りの佳境ゴッホのひまはりに 片山タケ子 200806
向日葵の万に一つは好きと言へ 泉田秋硯 二重唱 200806
壺に活け向日葵十花馴致せり 泉田秋硯 二重唱 200806
向日葵の種ぎっしりと鋼の香 塩路隆子 200809
向日葵が咲き文机の低くなる 鷹羽狩行 200809
向日葵の胸のあたりに触れてみる 上原重一 200809
恋失せし子や向日葵の天仰ぐ 山崎ゆき子 炎環 200809
ひまはりや真四角な箱運ばるる 一ノ木文子 炎環 200809
六月のひまはり手持無沙汰風 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200809
向日葵の一茎一花誇るなり 宮津昭彦 200809
向日葵や勝気なる瞳の女の子 鈴木照子 200810
向日葵やゴッホの狂気われに欲し 衣川砂生 馬醉木 200810
向日葵につつまれてゐる平家かな 中野京子 200810
ゴッホの影探す向日葵畑の中 岩月優美子 200810
向日葵の畑の中のパラドール 津田礼乃 遠嶺 200810
黒猫のためのひまはり十五本 三橋泥太 遠嶺 200810
後戻り出来ずひまはり梅雨に咲き 大坪景章 万象 200810
向日葵の黙の重さに対峙せり 高橋亮二 春燈 200810
賛成の数を集めて向日葵咲く 諸岡和子 200810
向日葵のあつち向いてほい昏れにけり 川崎光一郎 京鹿子 200810
向日葵を厠に活けし次女の家 波田美智子 火星 200810
向日葵の細き支柱に太き茎 猪爪皆子 200810
向日葵や曲がれば沼へ出る小道 瀬島洒望 やぶれ傘 200810
ひまはりは皆俯きて地平線 森理和 あを 200810
ひまはりに太陽がのしかかりけり 鈴木直充 素影 200811
陽に叫ぶ被爆大地の向日葵は 苑田ひろまさ 200811
向日葵やゴッホの黄色探す旅 池田加寿子 200811
向日葵は太陽が好き農学部 加藤克 200811
向日葵の茎あかあかと枯れにけり 田島健一 炎環 200811
日輪と大観覧車とひまわりと 近藤公子 200811
向日葵の弱音を聴いてしまひけり 亀ヶ谷照子 遠嶺 200811
後悔の時は作らじ大向日葵 町田美枝子 遠嶺 200811
ひまはり重し退院の夕暮に 北川とも子 ぐろっけ 200811
向日葵の後始末する大鋏 宇佐見正 200811
向日葵の迷路にひとの沈みけり 安藤久美子 やぶれ傘 200811
向日葵の花に種ある重さかな 安藤久美子 やぶれ傘 200811
ひまはりの生け垣構へ茂左ヱ門 駒井のぶ 200812
一面の向日葵の黄を鋤き込めり 紅露恵子 万象 200812
豪雨去り倒れし向日葵介錯す 松木清川 ぐろっけ 200904
向日葵と八頭身を競ふ君 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
向日葵 →4      

 

2021年8月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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