向日葵 2                188句

向日葵の大声でたつ枯れて尚    秋元不死男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ひまわりの影にいつまでかくれんぼ
市川伊團
六花
200111
カルチャーのウフフウフフと日輪草
市川伊團
六花
200111
向日葵や都会の三角塩むすび
市川伊團
六花
200111
せせらぎや向日葵色の風は過ぐ
市川伊團
六花
200111
向日葵に対すしっかと眼を開き
杉山瑞恵
雨月
200112
ひまわりが無伴奏で咲いている
小野裕三
海程
200112
向日葵の首がつくりと水澄める
浜口高子
火星
200112
向日葵の刈られて海の遠くあり
郷田健郎
百鳥
200112
逆上の婆向日葵の首絞める
藤田守啓
船団
200112
ロシアひまわり紫色に咲いてます
渡辺ケイル
船団
200112
国境へ向日葵のみの長丁場
浮田胤子
ぐろっけ
200112
向日葵の日を追ひきれず地に伏せり
大井邦子
ぐろっけ
200112
ひたひたと向日葵の夜のゴム草履
岡本まち子
馬醉木
200208
向日葵の誘ひに来たる断りぬ
山田六甲
六花
200208
向日葵に明日は咲けよとちっとキス
小田元
六花
200208
向日葵のこっち向きあっち向きそっち向く
宮原みさを
花月亭
200208
向日葵の丈のかたヘの夜の秋
山尾玉藻
火星
200209
向日葵の千の笑顔に振り向けり
宇田紀代
200209
向日葵や三毛の子親と離れ初む
岡田万寿美
雲の峰
200209
大日の子沢山なり向日葵咲く
鈴木勢津子
200209
向日葵やヨガ教室の昼下り
柏木公江
帆船
200209
向日葵や再起の人の眼のかがやき
岡淑子
雨月
200209
向日葵や声にならざる声洩らす
竹内弘子
あを
200209
向日葵を空地にふやす漢かな
蓮田照子
200209
向日葵に見下ろされけり農に老い
木船史舟
200210
向日葵の芯ぐるぐると描きけり
石本百合子
馬醉木
200210
向日葵のうなじ灼かるる坂の道
田代史子
馬醉木
200210
向日葵の八頭身に村役場
神蔵器
風土
200210
向日葵のうしろ姿を見つづけむ
田村みどり
京鹿子
200210
山を見まはし向日葵に眼を戻す
大串章
百鳥
200210
向日葵に忘れし帽子かぶせあり
岡田信雄
百鳥
200210
向日葵の少し疲れし花とも見
河中透水
雨月
200210
向日葵や聖堂抜くる灘の風
荒井千佐代
200210
向日葵の昔かたぎに東向く
熊口三兄子
ぐろっけ
200210
自治会が植ゑし向日葵葬の道
鈴木てるみ
ぐろっけ
200210
向日葵の空ジェット機の宙返り
安達実生子
200211
向日葵の万に見られてゐる不安
隅田享子
200211
うた詠みのお気に召すまま大向日葵
滝沢環
京鹿子
200211
向日葵の真つ正面の笑顔かな
岩田育左右
遠嶺
200211
向日葵や父とあがめし山のあり
小宮山勇
遠嶺
200211
向日葵や良き一日を撮り終へし
砂川せい輝
遠嶺
200211
向日葵の校舎に向きて咲きにけり
岡田信雄
百鳥
200211
向日葵のうしろの正面マチスかな
中野京子
200211
夜遊びの向日葵畑を通りける
竹内悦子
200211
向日葵に目移りしたる大和うた
瀬川公馨
200211
空爆を知らぬ向日葵咲き乱れ
志麻茜
銀化
200211
向日葵や明野の風のすがすがし
岡田房子
酸漿
200211
マスゲームなり向日葵の千の花
久保田由布
ぐろっけ
200211
向日葵や少年荒れる二階窓
小林玲子
ぐろっけ
200211
ちぎれ雲ひまわり迷路抜けられず
松浦途子
ぐろっけ
200212
そっぽ向き咲く向日葵を見上げたり
山口和子
ぐろっけ
200212
向日葵の耳のあたりに昼の星
栗田武三
ぐろっけ
200301
天日に尽し終りし向日葵か
森田蝌蚪
200302
向日葵のあれば後ろの貌が好き
阿部正枝
絵具箱
200304
向日葵と立ち向日葵を忘れをり
今瀬剛一
対岸
200308
向日葵咲く何でも無いことの様に
松山律子
六花
200308
向日葵やみな背の高き鼓笛隊
浅井美子
遠嶺
200309
向日葵や父の手書きの謡本
西村純一
雲の峰
200309
喩へられ向日葵人に似てきたり
宮津昭彦
200309
向日葵や野ねずみ走る土讃線
小川洋子
帆船
200309
向日葵の実直に日を捉へけり
塩川雄三
築港
200309
キヤンバスに向日葵の色出し切つて
板倉幸子
築港
200309
向日葵のこちら向きをり畑道
岡田麻枝
酸漿
200309
向日葵や声の大きな小学生
寺内信
遠嶺
200310
向日葵や梁山泊に急ぎける
瀬川公馨
200310
向日葵のぶつかりさうにぶつからず
竹中一花
200310
立たされつ子向日葵の花むしりをり
楠原幹子
200310
向日葵や倭王の墓と言ふ丘に
伊藤月江
雲の峰
200310
向日葵畑百五万本競ひ咲く
大沼トシ子
200310
ひまわりにもらう元気やアルバイト
馬場美智子
六花
200310
大いなる向日葵が声かけてきし
柴田佐知子
200310
向日葵や外人墓地の鉄格子
及川澄江
風土
200310
向日葵の迷路なかなか抜け出せず
加藤弘一
築港
200310
向日葵が大きな顔で笑ひかけ
上岡末喜
築港
200310
向日葵や年をとつても無神論
木場田秀俊
200311
向日葵の倒れしままに空を向き
藤森万里子
百鳥
200311
向日葵が昼寝の園児のぞきゐる
三嶋隆英
馬醉木
200311
向日葵や相談室の窓に向き
江頭信子
馬醉木
200311
向日葵の空かがやけば海見たし
柴崎英子
200311
向日葵を撮る連嶺を借景に
奥村鷹尾
京鹿子
200311
向日葵に色を抜かれて横たはる
直江裕子
京鹿子
200311
向日葵や真つ正面に新都心
曷川克
遠嶺
200311
向日葵や飛機しきりなる離着陸
佐藤佐代子
200311
向日葵の射程距離から抜け出せず
柴田朱美
京鹿子
200312
向日葵の立塞がりぬ島の路地
上田みつ子
帆船
200312
向日葵や天動説も頷けり
松本文一郎
六花
200312
向日葵の花よく育つ保育園
浅田光蛙
対岸
200312
向日葵を絵に書く時は動悸なく
山口和子
ぐろっけ
200312
折れることなく向日葵の立ちにけり
浅田光蛙
対岸
200401
実向日葵描きて城を遠く置く
宮津昭彦
200402
向日葵や夫になかりし老残期
望月晴美
要滝
200403
向日葵や哭くときは号泣と思ふ
岩上とし子
200403
向日葵の枯れ大きまま立ちしまま
恒川絢子
対岸
200404
向日葵に無為のひと日をのぞかれる
橘沙希
月の雫
200404
向日葵の花首疲れ陽が沈む
橘沙希
月の雫
200404
向日葵や芭蕉稲荷に背を向けて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200407
パラソルヘ藍の向日葵一気に描く
田口俊子
200407
向日葵の一本高く童子仏
滝沢伊代次
万象
200407
向日葵二輪光背となり救はれし
堀内一郎
あを
200408
のびるだけ伸び向日葵の青つぼみ
北川英子
200409
向日葵の太平洋に対ひ咲く
甲斐よしあき
百鳥
200409
沖縄の歌向日葵に太き雨
斎藤くめお
対岸
200409
向日葵やいざ碁仇の越しきたり
井上紘
京鹿子
200409
向日葵や物怖ぢをせぬ子に育ち
鎌田つた枝
築港
200409
かくれんぼ向日葵畑駈け回る
大杉千津子
築港
200409
向日葵や真つ直ぐはつまらない道
玉川梨恵
200409
向日葵の強き視線が店先に
赤星惠子
あを
200409
向日葵に心の内をのぞかれし
亀ヶ谷照子
遠嶺
200410
向日葵や深層心理説いてをり
環順子
遠嶺
200410
向日葵に来て山鳩が実をつつく
朝妻力
雲の峰
200410
校庭の向日葵がまづ朝日浴ぶ
関根義行
対岸
200410
向日葵の花重くして地まで垂る
塩川雄三
築港
200410
向日葵畑真昼の風の粘つこし
中山砂光子
200410
くわうくわうと閻魔大王紅ひまわり
小田元
六花
200410
向日葵を画いて余白のなかりけり
中村立身
百鳥
200410
絵日記の向日葵の瞳の笑ひけり
沼口蓬風
河鹿
200411
向日葵はもう日を追はず空の青
高原純徳
河鹿
200411
向日葵やなほ憧るる異国旅
塩路五郎
200411
向日葵の巨体を倒す採種どき
根岸善雄
馬醉木
200411
向日葵や世に逆らひし事もあり
山本明彦
遠嶺
200411
背に刺さりしは向日葵の視線かと
中島あきら
200411
向日葵のかたちに風のリフレイン
矢崎すみ子
200411
空を負ひ灯台と立つ実向日葵
宮津昭彦
200411
ぎつしりといふ楽しさに実向日葵
宮津昭彦
200411
向日葵やリズムにのらぬ子がひとり
江坂衣代
百鳥
200411
三万本てふ向日葵に朝日満つ
西村しげ子
雨月
200411
立ち疲れしか向日葵の前のめり
栗原紘子
200412
ふかぶかと地に触れてをり種向日葵
荒井和昭
200501
滞りなく向日葵の種を採る
富沢敏子
200501
枯向日葵そんなに反省しなくても
山元志津香
八千草
200504
蛇重さ消し向日葵の葉をわたる
竹下陶子
ホトトギス
200505
ひまはりの種のゴッホとゴーギャンと
後藤比奈夫
ホトトギス
200508
ここに来てひまはりの風行き詰る
宇都宮滴水
京鹿子
200508
喜雨亭忌向日葵晴れといふべけれ
根岸善雄
馬醉木
200509
向日葵やゴーギヤンは嫌ひゴツホ好き
杉本薬王子
風土
200509
一本の向日葵頭上に雲のなし
豊田都峰
京鹿子
200509
四方の風鎮め向日葵のま昼時
豊田都峰
京鹿子
200509
向日葵に倉庫は饐えし香を吐ける
瀧春一
菜園
200509
向日葵の庭に居つきぬまぐれ犬
瀧春一
菜園
200509
向日葵の大き黒蕋秋の風
瀧春一
菜園
200509
枯るるものに向日葵の實の逞しさ
瀧春一
菜園
200509
向日葵のこちら向く顔皆同じ
阿部一彦
築港
200509
向日葵の自我を羨しと思ひける
竹内弘子
あを
200509
ひまはりや指一本で弾くピアノ
徳植よう子
200509
向日葵は太陽の花日々好日
沼口蓬風
河鹿
200510
壺に活け向日葵十花馴致じゆんちせり
泉田秋硯
200510
日の没りや向日葵千本後向き
岡井しげ女
春燈
200510
向日葵の迷路や猫の声を追ふ
佐山苑子
遠嶺
200510
立ち並ぶ向日葵なべて西を向く
村田さだ子
酸漿
200510
夏が好き向日葵が好き深呼吸
中川壽子
百鳥
200510
向日葵に山なき空の広さかな
河合大拙
百鳥
200510
野良着干す向日葵よりも高く干す
吉村一郎
百鳥
200510
向日葵の大笑ひして咲きにけり
石川英利
百鳥
200510
向日葵の芯の暗さのうつむけり
平田紀美子
風土
200510
丈揃ふ向日葵畑黄の平
大関とし子
築港
200510
向日葵の育ち迷路の完成す
小澤友江
築港
200510
向日葵や向き一斉の怖ろしき
坂本京子
200510
向日葵の一番星に傾ぎけり
中尾公彦
200510
向日葵は種に少女は母親に
林昭太郎
200510
向日葵や子に反骨の喉ぼとけ
石川笙児
200510
ひまはりをすつくと挿して夏の果て
久永淳子
春燈
200510
ひまはりや二連水車の小運河
川崎洋吉
遠嶺
200510
ひまはりに取り囲まれしログハウス
小田元
六花
200510
ひまはりと牛舎と芭蕉記念館
山田暢子
風土
200510
学長のひまはり撫でて去りにけり
荒井千佐代
200510
嘘つきし悔よ向日葵吾に向く
和田照子
200511
向日葵の積極的な首の垂れ
富沢敏子
200511
愛される方へ向日葵笑ふなり
田原陽子
200511
向日葵に見下ろされつつ旅ひとり
与川やよい
遠嶺
200511
向日葵や目覚し時計鳴り通し
中尾公彦
200511
向日葵や山車はぐぐぐと向きを変へ
浅田光喜
対岸
200511
村一面向日葵色の風となる
北島上巳
酸漿
200511
向日葵を覗きこむ子や抱へられ
橋本幸子
百鳥
200511
大いなる蜂の巣のごと枯向日葵
早崎泰江
あを
200511
ひまわりの大輪の種ほぐしけり
方谷村幸子
200511
力湧く朝の光の日輪草
森佳子
遠嶺
200511
向日葵やむかし岬に分教場
梅岡貴美子
200512
ゴッホを是とせじ向日葵は好きなれど
田所洋子
雨月
200512
ひまはりの顎を落せる朝かな
工藤ミネ子
風土
200512
考へが少しひまはりとは違ふ
田口武
さうぢやなくても
200512
向日葵の疲れ切つたる夕かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200601
ひまわりはゴッホの花よ夏が逝く
小林成子
200601
ひまはりや日帰りの旅普段着で
辻兎夢
200601
向日葵の迷路に声の迷へる子
竹下陶子
ホトトギス
200603
向日葵の天尚深く曇りけり
瀧春一
常念
200606
屈葬の村の向日葵畑かな
栗栖恵通子
200606
向日葵の百万本へ紛れたし
伊藤白潮
200608
大いなる向日葵に海しづもれり
柴田佐知子
200608
向日葵 3→      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。