彼 岸 5    177句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
竹林のぴぴとそら鳴る彼岸寺 池田喜代持 六花 201306
堤防の絵の魚泳ぐ彼岸かな 森高武 風土 201306
亀の頭のぽかりと浮ける彼岸寺 根本ひろ子 火星 201306
岩礁に渦の生るる彼岸潮 浜福惠 風土 201306
甘党も辛党もゐて彼岸かな 粟倉昌子 201306
快き木魚のリズム彼岸かな 桂敦子 201306
末黒野をつたひ雨くる彼岸寺 山田美恵子 火星 201306
仏みな貧しく生きし彼岸くる 加藤八重子 末黒野 201306
燭台に蝋涙しづく彼岸寺 古川千鶴 かさね 201306
秘仏拝す若狭小浜の彼岸寺 岩下芳子 201306
彼岸会の僧滑らかに法を説く 安藤虎酔 かさね 201306
どの筆も使ひこなせず春彼岸 福島せいぎ 万象 201306
スコップを洗ひて納屋に彼岸過ぎ 森屋慶基 風土 201306
長柄杓かたかた鳴らし彼岸過ぐ 竹内弘子 あを 201307
老犬は下足番とて彼岸寺 常盤しづ子 馬醉木 201307
香炉灰篩にかける彼岸前 大西和子 ぐろっけ 201307
おならして少女のしぐさ彼岸婆 福島せいぎ 万象 201312
寒暖をかこち彼岸を待つ心 稲畑汀子 ホトトギス 201403
ひめ石に彼岸ぼたもち置いてくる 山田六甲 六花 201404
打ち寄する異形の岩の彼岸潮 秋葉雅治 201404
腕枕してゐる彼岸あらしかな 山田六甲 六花 201404
かさばりし帽子の箱や彼岸寒 能村研三 201404
つまづき石に彼岸まいりをすましけり 山田六甲 六花 201404
鉄を切る匂ひの中の彼岸かな 山田六甲 六花 201404
生きるより死はなつかしく春彼岸 神蔵器 風土 201405
汐の香に髪重くなる彼岸道 大山文子 火星 201405
背流すやうに墓石を春彼岸 森理和 あを 201405
ぽっかりと心に穴や彼岸寒 佐藤淑子 雨月 201405
過去帳の余白しづかに春彼岸 鈴木セツ 201405
姉逝きて彼岸を前に冴え返る 池田光子 201405
故郷の香り豊かに彼岸餅 上村富美子 雨月 201406
静かなる雨の彼岸となりしかな 中嶋昌子 春燈 201406
春彼岸白寿の目鼻探しをり 鴨下昭 201406
法名はみな佳き名なり彼岸寺 塩見英子 雨月 201406
桃の日の梅を見にゆく彼岸かな 竹内悦子 201406
山霊を包む朝靄彼岸くる 土屋草子 ろんど 201406
彼岸会や見習ひ僧の耳ピアス 山本孝子 ろんど 201406
彼岸会へいさ帯留は朧銀 池端英子 ろんど 201406
カステラの木函のしめり彼岸過 竹内弘子 あを 201406
やはらかな八十路のおはぎ彼岸かな 杉本綾 201406
大雪の彼岸の墓の人気なく 小松敏郎 万象 201407
花満つる下の彼岸にまぎれゐる 中野京子 201407
亡父の背より高き塔婆よ春彼岸 平居澪子 六花 201407
岸壁の波打ち返す彼岸潮 堺昌子 末黒野 201407
魂すでに彼岸にあらむ下り簗 鈴木石花 風土 201412
曼珠沙華彼岸参りの墓の道 田中臥石 末黒野 201412
オルゴール鳴る生々と彼岸河豚 堀内一郎 堀内一郎集 201412
大鳥居の立つ瀬を洗ひ彼岸潮 秋葉雅治 201505
彼岸会や声高らかに居士大姉 岸上道也 京鹿子 201506
嫁ぎたる子と待ち合はす彼岸寺 藤田裕子 万象 201506
ひさかたに墓に雪なき彼岸かな 森屋慶基 風土 201506
石工来て音ふやしけり彼岸寺 石崎浄 風土 201506
チュニジアのテロのニュースや春彼岸 飯田ひでを 201506
すれ違ふ人と会釈を彼岸墓地 亀卦川菊枝 末黒野 201506
子規庵の格子戸くぐる彼岸寒 足立良雄 201506
彼岸会や犬の墓にも花溢れ 鈴木良戈 201506
大空の色の節目も彼岸かな 橋本くに彦 ホトトギス 201507
彼岸潮引くに傾るる力かな 来海雅子 201507
黙し去り男いつぴき春彼岸 元橋孝之 京鹿子 201507
賑はひの下谷寺坂春彼岸 中村三郎 京鹿子 201507
こゆるぎや終ひ彼岸の富士真白 谷貝美世 末黒野 201507
珈琲でもてなされたり彼岸寺 河原昭子 万象 201507
みな脚の弱くなりたり彼岸かな 田代貞枝 201508
村いちばんの美人も彼岸墓の中 八木健 八木健俳句集 201509
半夏かな彼岸此岸の投げキッス 中島陽華 201511
報恩に謝すべく参る彼岸寺 久保東海司 風鈴 201512
ふうりんの彼岸此岸とさし響き 宮崎洋 春燈 201512
曼珠沙華彼岸へ渡す橋ひとつ 岩岡中正 ホトトギス 201602
鎌倉は近くて遠し彼岸かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
彼岸寺その後に待てる一忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
彼岸なり財布の底に六文銭 柳川晋 201606
春分や此岸も彼岸も義理人情 時澤藍 201606
声明の違ふ息継ぎ彼岸寺 小松誠一 201606
寺まゐりによき歳となる彼岸かな 立花一枝 201606
彼岸寺頼る手摺の艶たふと 中澤弘 春燈 201606
ウィーンより帰り来し子と彼岸寺 廣瀬克子 春燈 201606
年寄りのゆつくり歩く彼岸かな 松村光典 やぶれ傘 201606
彼岸とて桜餅二個仏前に 千葉惠美子 末黒野 201606
燃え尽きし蝋燭匂ふ彼岸墓地 芝田幸惠 末黒野 201606
彼岸寺田圃ばかりの径を来て 高橋ひろ 万象 201606
誰彼の面差し偲ぶ彼岸かな 大橋晄 雨月 201606
彼岸会や幼大きな夢語る 和泉道草 末黒野 201607
玄関に大靴並.ぶ春彼岸 増田みな子 やぶれ傘 201608
彼岸より此岸へなだる山の藤 門伝史会 風土 201608
彼岸寒畳の縁に躓くも 大石よし子 雨月 201706
手囲ひのマッチの匂ふ彼岸墓 松井志津子 201706
庵主様の膝痛彼岸のお数珠繰り 岡田桃子 201706
妻恋の鳥の声聞く彼岸寺 小田嶋野笛 末黒野 201707
彼岸会に詣できし人皆穏やか 大橋晄 雨月 201707
水影の水影を追ふ彼岸かな 間島あきら 風土 201706
亡夫に問ひたきことあり彼岸寒 宮川みね子 風土 201706
音たてて雨通り過ぐ彼岸かな 宮川みね子 風土 201706
彼岸寒子規読みし句の口に出て 門伝史会 風土 201706
漱石の墓に人待つ彼岸寒 竪山道助 風土 201706
お彼岸の団子作れと祖父の声 横田敬子 201708
説法の笑ひをさそふ彼岸寺 井上静子 201711
如何に在す彼岸の父母や天の川 西住三恵子 201712
九体寺に彼岸の紅葉明かりかな 中貞子 201802
彼岸会の境内鳩の群れたがる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
薔薇色ノ岩塩ヲ振ル彼岸カナ 山田六甲 六花 201804
対岸は比良の連山彼岸寺 大石よし子 雨月 201806
彼岸へと胎内くぐり出れば雪 山中志津子 京鹿子 201806
閼伽桶の少し水漏る春彼岸 佐津のぼる 六花 201806
妻のはは眠る墓なり彼岸時化 田中臥石 末黒野 201806
東京も彼岸の雪となりにけり 田中臥石 末黒野 201806
彼岸会や仏壇浄め戻り来る 今井充子 201807
彼岸詣「昇進」供ふる墓前かな 永島雅子 春燈 201807
彼岸詣済ませ竹馬の友と会ふ 永島雅子 春燈 201807
玉砂利の足跡乱れゐる彼岸 永田万年青 六花 201807
立話覚悟の泪彼岸来る 大内幸子 六花 201807
彼岸道上ミと下モある珠数屋町 田丸千種 ホトトギス 201807
彼岸餅本家分家と配り合ふ 柴田志津子 201807
彼岸僧と濡れし遺骨を干す話 曽根富久恵 201808
近況など彼岸へ届けアマリリス 中上馥子 春燈 201809
牧水の旅路辿るや彼岸潮 コ田千鶴子 馬醉木 201904
これよりは大師への道彼岸潮 滋野暁 末黒野 201904
参道の坂は難儀の彼岸かな 長崎桂子 あを 201905
お彼岸の指はづませて菜を洗ふ はしもと風里 201906
朝夕の心経唱へ彼岸かな 大内幸子 六花 201906
小さくなるははの残像彼岸墓地 田中臥石 末黒野 201906
墓地近き我が家茶屋めく彼岸かな 岡野里子 末黒野 201907
彼岸参話したきこと詰めこんで 平野秀子 末黒野 201907
父祖の地を訪ふや彼岸の忘れ潮 吉岡睦子 馬醉木 201908
なじみの顔が住職顔に春彼岸 湯本実 やぶれ傘 201908
春彼岸まるい柄杓と木の手桶 吉田幸恵 やぶれ傘 201908
海からの風やはらかき春彼岸 大西乃子 201909
坊守に稚児の添ひたる彼岸寺 吉田悦子 201911
竹林より鳥の声くる彼岸寺 貫井照子 やぶれ傘 202002
日暮里の駅の混みゐる春彼岸 田中藤穂 あを 202005
一心に平穏願ひ彼岸かな 長崎桂子 あを 202005
朝羽振る沖波を聞く彼岸寺 能村研三 202006
野仏の笑うておはす彼岸かな 石川憲二 六花 202006
彼岸中日家中に風通しけり 岡田史女 末黒野 202006
彼岸入り古里離れ五十年 安齋正蔵 やぶれ傘 202006
風音も仏のこゑの彼岸かな 中村洋子 風土 202006
石浜の彼岸詣もかなはずに 中村紀美子 春燈 202007
親おもふ彼岸詣でに気付かされ 今井充子 202007
彼岸会や佛花に色のなかりせば 瀬川公馨 202007
桃は実に夫は彼岸に行きしかな 重実ひとみ 京鹿子 202008
入り彼岸目立つ所の点火器具 大霜朔朗 末黒野 202008
「川甚」のこと寅には告げず春彼岸 川崎登美子 202106
荒草を踏めば押しくる彼岸かな 南うみを 風土 202106
お彼岸の磧の石に日の射せる 浅田光代 風土 202106
子に名まへ呼ばれて目覚む入彼岸 雨宮桂子 風土 202106
米を研ぐ彼岸の水でありにけり 平沢恵子 春燈 202106
家系図に下戸の連なる彼岸かな 近藤真啓 春燈 202106
寺町に法鼓ひびくや入彼岸 中上馥子 春燈 202106
入彼岸コロナ猖獗治まらず 高井修一 春燈 202106
彼岸会や哀しき介護日記読む 落久保万里 春燈 202106
存へて匂ひ無くして彼岸来る 大内幸子 六花 202106
六人のはらからは逝き彼岸入 菅野日出子 末黒野 202107
杖にたよる齢となりぬ彼岸寺 菅野日出子 末黒野 202107
入彼岸の香煙ゆらぐ父母あ墓 大川暉 末黒野 202107
彼岸入り農夫一人が畑に立つ 黒澤次郎 やぶれ傘 202108
末つ子が守る実家の彼岸かな 針谷忠郎 202110
日めくりのめくりそびれや彼岸明け 伊藤隆 202110
子等つどふ後の彼岸や古写真 菅野日出子 末黒野 202112
流木の裂け目深々彼岸潮 三好千衣子 202204
ご先祖の位牌拭ひぬ彼岸前 山田六甲 六花 202204
春彼岸ほのかに甘き白団子 白石正躬 やぶれ傘 202205
春色のよそゆき探す彼岸かな 赤座典子 あを 202205
「彼岸に逝くは天寿まつたう」言ひあへり 篠田純子 あを 202205
お彼岸に割ってしまったマグカップ 須賀敏子 あを 202205
風折れの松束ねあり春彼岸 森なほ子 あを 202205
戦争の終結切に願ふ彼岸 長崎桂子 あを 202205
金目鯛煮付け上々彼岸かな 仁上博恵 202206
彼岸会や遍く人の無為を聴く 中川のぼる 202206
奇跡てふ生命八年絶え彼岸 室井津与志 春燈 202206
手作りの箸の工房彼岸入 辻泰子 春燈 202206
停泊の船の聳ゆる彼岸潮 内藤静 風土 202206
祖迎ふ彼岸供への餅焼いて 福地タカ 202206
思ひ出の一番にある彼岸獅子 福地タカ 202206
彼岸会の散華や点す絵蝋燭 杉山善信 末黒野 202206
母は彌生父は霜月さて彼岸 佐藤竹僊 あを 202206
白き髪ふゆる植木屋彼岸寒 菅野日出子 やぶれ傘 202207
足弱の夫に替はりぬ彼岸寺 和田慈子 やぶれ傘 202207
虹二重彼岸此岸を繋ぐごと 増成栗人 202207
藻畳に足乱れたる彼岸かな 井上和子空 202211
直鋭鈍三魚一同居彼岸の家 奥田筆子 京鹿子 202212
彼岸→ 1

 

2023年3月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。