彼 岸 2    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
薬師寺に彼岸の写経奉る 服部菰舟 雨月 200306
炷きそふるお彼岸の香御廟所に 葛馬房夫 雨月 200306
空爆の始まる彼岸団子かな 高橋とも子 百鳥 200306
雨あとの樹下の匂へる入彼岸 十文字慶子 200307
嬬恋や畑に雪ある入彼岸 生方ふよう 200401
総持寺の彼岸使の葉書かな 三宅句生 馬醉木 200404
彼岸前制服着れば背が高し 寺門武明 あを 200404
お彼岸や端を重ねて屋根瓦 中村房枝 六花 200404
彼岸だんご捏ねて豊かなたなごころ 大畠政子 雨月 200405
過去形で語る艶聞春彼岸 小林かいう 200406
右胸にはしる痛みや彼岸入 赤座典子 あを 200405
米寿喜寿古稀とそろひし彼岸道 吉弘恭子 あを 200405
彼岸入墓前の息子ぎこちなく 森理和 あを 200405
男ひとりを癒し切つたり彼岸くる 篠田純子 あを 200405
つる薔薇の赤く芽を出す彼岸かな 吉成美代子 あを 200405
たまさかのドライヴとなる彼岸かな 山荘慶子 あを 200405
この庭に今日といふ日のくる彼岸 山荘慶子 あを 200405
彼岸過ぎ有髪の僧のきもちでゐる 竹内弘子 あを 200405
雀ゐて心の和む春彼岸 村越化石 200405
向かうから声かけ来るは彼岸僧 村越化石 200405
ちちははの墓へも行かな彼岸雨 金子篤子 200405
彼岸鐘連綿として人界に 古田考鵬 雨月 200406
再会の墓参となりし彼岸かな 岡本直子 雨月 200406
音信のなき子ある子に彼岸来る 鈴木實 百鳥 200406
小豆煮る母のいち日彼岸来る 鈴木實 百鳥 200406
七輪の捨てられてある彼岸かな 竹内悦子 200406
一木は須佐之男命彼岸かな 中嶋陽子 風土 200406
お彼岸の鐘幼子が手を合はす 川角としえ 築港 200405
老の一日唯何となく彼岸過ぐ 川角としえ 築港 200405
独り居に馴れて彼岸の墓洗ふ 吉村初代 築港 200405
跼み擦るマッチ匂へり彼岸墓地 岡本眸 200404
花の上牡丹雪降る彼岸かな 池田いつ子 酸漿 200406
突風の土吹き上がり入り彼岸 小澤登代 草の花 200406
彼岸団子鬼門金神にも供へ 阿波岐滋 草の花 200406
吾が為の墓にも一つ彼岸餅 淺場英彦 万象 200407
逆縁の児の帰りくる彼岸かな 粟津松彩子 ホトトギス 200408
お彼岸の寺に遊べる雀かな 松山正江 河鹿 200407
打ち揃ふことの楽しき彼岸かな 矢島久栄 200408
山百合や彼岸の友を語りをり 家塚洋子 酸漿 200410
なつかしくマッチの匂ふ彼岸墓地 岡本眸 200412
日時計に彼岸の影を濃くしたり 品川鈴子 ぐろっけ 200004
源平の海平なり春彼岸 三枝邦光 ぐろっけ 200006
冥界の君と会ふ日や彼岸東風 高沢昌江 ぐろっけ 200205
彼岸帰り橋越えて寄る甘味処 勝田みつ子 200205
彼岸佛兄の経もて開眼す 品川鈴子 ぐろっけ 200210
戻れば露店片付く彼岸道 田中敏文 ぐろっけ 200306
彼岸前先立つ妹にみぞれ雨 谷楓 ぐろっけ 200307
逝きし子は切符買えしか入彼岸 佐々木栄 ぐろっけ 200307
きやうだいが集ふ彼岸の墓所 向江醇子 ぐろっけ 200307
彼の國に戦はじまる彼岸入り 品川鈴子 ぐろっけ 200404
春彼岸土黒々と発酵す 橘沙希 月の雫 200404
彼岸僧入るや御木本真珠店 須佐薫子 帆船 200504
彼岸僧ホームに体育会系ボストン 鈴木榮子 春燈 200505
諳んずる父母の法名入り彼岸 吉田飛龍子 春燈 200505
本堂の建立奉加姥彼岸 柴田由乃 風土 200505
竹林で耳そばだてる入彼岸 丸山佳子 京鹿子 200505
翼張つて自力本願彼岸鳶 丸山佳子 京鹿子 200505
手を舐めて終る牡丹餅彼岸入 吉沢かねよ 帆船 200505
生かされて生きるよろこび彼岸かな 大場光奈 百鳥 200505
揚々と昔話や彼岸晴れ 赤池英津子 遠嶺 200506
彼岸参り新しき供華すでにあり 荻野嘉代子 春燈 200506
東寺餅みんな手掴み彼岸婆 戸田春月 火星 200506
蹲踞に水沫ひとつぶ彼岸かな 齋藤たかを 百鳥 200506
霊園へ臨時バス出づ彼岸かな 若江千萱 雨月 200506
誰彼に会釈交して彼岸婆 若江千萱 雨月 200506
とりどりの果物届く彼岸入 西出俊子 酸漿 200506
傘借りるほどなき雨の入彼岸 土田芳月 遠嶺 200507
お彼岸や墓の家紋の展示場 玄内栄 帆船 200507
彼岸入り改葬されて父母遠し 松下セツ子 200506
一日生きひとひ学びて彼岸来る 平フミ子 酸漿 200507
浅草にくらき夜のあり入彼岸 藤井昌治 200506
水底の青藻ひろごる彼岸前 佐藤佐代子 200506
灯籠に潮の来てゐる彼岸かな 小山國雄 百鳥 200507
竹林の風の不揃ひ彼岸前 青砥真貴子 200507
彼岸だんご大工左官も中休み 品川鈴子 ぐろっけ 200509
雨脚の匂ひ彼岸も過ぎにけり 高橋さえ子 200508
彼岸より舞うてきたりし火取虫 近藤きくえ 200510
ふうはりと笠智衆ゆく彼岸道 内藤ゑつ ゑつ 200411
本家より配る彼岸の白だんご 福島吉美 万象 200601
寿福寺に人の増え来て彼岸かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200603
すぐ上る雨の一日となる彼岸 稲畑汀子 ホトトギス 200603
ととのはぬ陽気彼岸の常として 稲畑汀子 ホトトギス 200603
病床に母置きしまま彼岸過ぐ 徳田正樹 河鹿 200605
菜園や彼岸月夜のおぼろめき 瀧春一 常念 200606
姿見に映る日影も彼岸前 木下ふみ子 馬醉木 200606
松原は等伯ぶりや彼岸凪 成宮紀代子 200606
囲ひなき墓の仲良き彼岸かな 植松美根子 200606
砂ふめば水にじみきて彼岸入 本多俊子 200606
歯の根つこ元に戻らぬ彼岸入 富沢敏子 200606
ものの香の歩む高さに春彼岸 戸栗末廣 火星 200606
紫の座布のひやりと入彼岸 落合由季女 雨月 200606
はらからと集ひて読経彼岸入り 上原朝子 200607
彼岸団子信心うすき喉滑る 土生逸麿 河鹿 200607
片付けて孫と綾取り入り彼岸 土生逸麿 河鹿 200607
明るさは増え来るものよ入彼岸 斉藤小夜 風土 200606
春彼岸失ひしものひとめぐり 鎌倉喜久恵 あを 200606
鳴り止まぬ風の彼岸に入りにけり 十文字慶子 200607
古里の彼岸法要雨の中 岡本直子 雨月 200608
腑におちぬところに煙入り彼岸 丸山佳子 京鹿子 200612
お先にと三羽とびゆく彼岸鳩 丸山佳子 京鹿子 200612
彼岸→3      

 

2021年3月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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