雲 雀 7       100句

初ひばり胸の奥處といふ言葉   細見綾子   冬薔薇   

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ひばり東風石仏多き小野の里 橋添やよひ 風土 201705
雲雀あがりて借景の完成す 高橋将夫 201705
蒼天の高さを知つてをる雲雀 高橋将夫 201705
野辺送りすみたり雲雀揚りけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
狭山野の雲雀を待たず逝かれけり 原田しずえ 万象 201705
鳴くひばり利根の堤を遠く見て 安立公彦 春燈 201705
揚雲雀一瞬にして消ゆるなり 久保晴子 雨月 201706
雲雀野へ旅の二日目繰り出せり 溝内健乃 雨月 201706
畝立ての十畝真つ直ぐ揚雲雀 大畑善昭 201706
雲雀東風遠に電光文字昇る 安藤しおん 201706
雲居よりこゑを散華と揚雲雀 能勢俊子 馬醉木 201707
天空の綻び突いて揚雲雀 新谷フクヱ 末黒野 201707
落雲雀青き地球へ急降下 新谷フクヱ 末黒野 201707
返還の基地の青空揚雲雀 新谷フクヱ 末黒野 201707
雲雀野に開く弁当玉子焼 新谷フクヱ 末黒野 201707
原つぱを大きく使ふ雲雀かな 太田良一 末黒野 201707
やはらかき光こぼして揚雲雀 村上悦子 雨月 201707
天国の鍵ちらつかせ揚雲雀 小山田子鬼 201707
揚雲雀ひと呼吸して落雲雀 渡部節郎 201707
盲点は真下にありぬ揚雲雀 高橋将夫 201707

 父母の墓移転

ひばり野の端に坐らせて貰ふ

南うみを 風土 201706
雲雀ひばり「お父さんはもういませんよ」 川田暢子 風土 201706
落雲雀風に煽られゐたりけり 升田ヤス子 六花 201707
まだ家の建たぬ区画や揚雲雀 原田達夫 201707
雲雀鳴く空へ段なす石切場 深川淑枝 201706
髪切つて靴まで軽し揚雲雀 原田しずえ 万象 201707
踏ん張つて仰ぐ一点揚雲雀 亀田やす子 万象 201707
利根川の渡船待つ間や初ひばり 鍋島広子 万象 201707
湖にこぎ出す小舟雲雀鳴く 福島吉美 万象 201707
降りること忘れてをりぬ揚雲雀 荒井ハルエ 春燈 201707
平城京まばらにうたふひばりかな 雨宮桂子 風土 201708
木の臼の深き罅割れ揚ひばり 井上和子 201707
二丁艪のきしみ小島の揚雲雀 田中道江 万象 201708
この空は雲雀のものよ高揚れ 丸尾和子 雨月 201708
雲間より途切れ途切れのひばりの音 林陽子 万象 201709
シャクシャイン像の虚空や揚雲雀 林陽子 万象 201709
初雲雀空は無限の青さかな 浜崎素粒子 ホトトギス 201709
おだやかに過ぎし一と日や夕ひばり 成瀬櫻桃子 春燈 201710
初雲雀母を探しに雲を追ふ 西村滋子 京鹿子 201801
斑鳩の雲雀となってわたしたち 陽山道子 船団 201802
初雲雀周防の山河凡ならず 梅村寸みを 201804
墳三基裾をひとつに揚雲雀 柴田佐知子 201806
廃校に残る記念碑初雲雀 小林朱夏 201806
揚雲雀甍を越えて中空に 大塚たきよ 201807
三角州の草の高さや揚雲雀 中田禎子 201807
揚雲雀光となりてなほ鳴ける 佐々木よし子 201807
とらへたる空の一点揚雲雀 藤生不二男 六花 201807
屈託のなき青空や揚雲雀 高倉和子 201807
揚雲雀空の青さを指南せり 田中信行 201808
雲雀野や紙ひかうきの旋回す 岡田史女 末黒野 201808
思ひ切り鳴きて雲雀の落ちにけり 高倉和子 201809
雲雀野にあの日の影が落ちてゐる 戸栗末廣 201809
天心に声のきらめく揚雲雀 佐久間由子 201810
ふるさとへ雲雀の空へ行ってきた 山岡和子 船団 201811
天平の踏歌きこゆる揚雲雀 大沢美智子 201901
揚げ雲雀われの小畑見えるかな 酒井たかお 201902
通り抜け来し雲雀野と気づきたる 稲畑汀子 ホトトギス 201903
境内の公園雲雀笛ひとつ 鈴木崇 201905
天網に引つかかりたる揚雲雀 竹内悦子 201905
日のあたる真ん中に揚雲雀かな 近藤喜子 201906
空なかに定点のあり雲雀の野 森岡正作 201906
渡良瀬に火の手の上る朝雲雀 林いづみ 風土 201906
壁に記す牛の出産初雲雀 森田節子 風土 201906
中空の落つるにまかす雲雀かな 藤生不二男 六花 201906
觔斗雲に乗りたき雲雀揚がりけり 浅田セツ子 春燈 201907
揚げ雲雀励めと吾にしきり啼く 重原爽美 201907
耳しいに雲雀懸命喘きくれし 重原爽美 201907
揚雲雀古墳を開く鍵持てり 丸井巴水 京鹿子 201907
懐郷の想ひ去らざり夕雲雀 田中臥石 末黒野 201907
揚雲雀地に届かざる声追ひぬ 安斎久英 末黒野 201907
雲雀野となりし斐伊川平野かな 土江比露 春燈 201908
揚雲雀残して地球回るなり 木村享史 ホトトギス 201909
雲雀落つ回る地球を追ひかけて 木村享史 ホトトギス 201909
ここまでと決めし雲雀の空がある 安食哲朗 201910
揚雲雀平城京は広かりき 山田六甲 六花 202004
雨急に揚がる途上の雲雀かな 山田六甲 六花 202005
地に戻れ雲雀の空の崩れしよ 山田六甲 六花 202005
揚雲雀雨の来さうな空模様 廣瀬雅男 やぶれ傘 202005
荒川の土手に雲雀を聴きにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 202005
金網の米軍基地や揚雲雀 須賀敏子 あを 202006
青天の果てまで舞ひて揚雲雀 谷口一献 六花 202006
揚雲雀クレーン直立して休息 和田照海 京鹿子 202006
青空にこゑの消えゆく揚雲雀 山本久枝 やぶれ傘 202006
一段と碧空澄むや雲雀笛 谷口一献 六花 202006
雲ひとつちぎれてゆきぬ揚雲雀 黒滝志麻子 末黒野 202007
揚雲雀千切れ雲などくすぐりて 浜崎喜美子 202007
雨あとの雲雀の空となりにけり 良知悦郎 202007
揚雲雀遙かに追へば御蓋山 善野行 六花 202007
村芝居はねし社や揚雲雀 有松洋子 202007
わが影の水田に伸びる夕雲雀 藤生不二男 六花 202007
雲雀笛弱音は吐かず背伸びせず 藤原明美 202007
揚雲雀無性にちちに会いたき日 松井季湖 202007
光るもの咥へて雲雀何処の宙 片桐てい女 京鹿子 202008
物事を斜に見る癖揚雲雀 渡辺富士子 末黒野 202008
みちのくは遠し家持揚雲雀 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
山里に生きてゐる空揚雲雀 浜田久美子 六花 202010
船外機つけて舟くる揚雲雀 根橋宏次 やぶれ傘 202105
揚げ雲雀行き止まりなる土手の道 廣瀬雅男 やぶれ傘 202105
揚雲雀日差しまぶしき石舞台 丑久保勲 やぶれ傘 202105
揚雲雀ちろちろちろと水の音 安藤久美子 やぶれ傘 202105
雲雀 →8

 

2022年4月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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