日脚伸ぶ 2     100句

病床に忘れられをり日脚伸ぶ   富安風生

作品
作者
掲載誌
掲載年月
着水の紙ひかうきや日脚伸ぶ 熊丸淑子 馬醉木 200205
日脚伸ぶ眼鏡あはなくなりにけり 平田紀美子 風土 200205
日脚伸ぶ橋の袂の佃煮屋 橋本良子 遠嶺 200205
日脚伸ぶ根菜しかと煮含めて 二瓶洋子 六花 200205
日脚伸ぶ路地に描かるる蝋石画 中西久美子 200205
種物屋に寄り道をして日脚伸ぶ 田所洋子 雨月 200205
日脚伸ぶ五時の時報を畑に聞き 田所洋子 雨月 200205
ひと月に一度の出合日脚伸ぶ 醍醐季世子 200205
おしやべりな鸚鵡山家に日脚伸ぶ 木下玉葉子 酸漿 200205
藍小屋の土間でこぼこや日脚伸ぶ 高木良多 春耕 200205
牛小屋の敷藁の湯気日脚伸ぶ 山崎羅春 春耕 200205
遠目にも煙突五本日脚伸ぶ 松本文一郎 六花句集 200205
妻の趣味又もふえいて日脚伸ぶ 中村みち子 ぐろっけ 200205
点滴の眠りさそうて日脚伸ぶ 中村清志 200205
神苑の箒目太し日脚伸ぶ 宮崎正 ホトトギス 200206
拡げ見る江戸切繪図や日脚伸ぶ 湯浅夏以 遠嶺 200206
死支度などの話を日脚伸ぶ 二瓶洋子 六花 200206
日脚伸ぶ紙幣干したる窓ガラス 田中武彦 六花 200206
日脚伸ぶ耕す人をみてをれば 古屋道子 200206
落ちさうで落ちぬ目薬日脚のぶ 市川伊團次 六花 200207
人の噂も七十五日日脚伸ぶ 宮原みさを 花月亭 200208
暗唱の声のゆらぎや日脚伸ぶ 佐竹美保子 円虹 200212
外務省近くに移り日脚伸ぶ 稲畑汀子 ホトトギス 200301
牧場の羊の群れて日脚伸ぶ 二宮桃代 雨月 200303
夕茜に映ゆる丸ビル日脚伸ぶ 松崎鉄之介 200303
日脚伸ぶ木々のびやかに枝を張り 宮津昭彦 200303
日脚伸ぶ父の軍手の左利 中村葉子 帆船 200303
日脚伸ぶ噂をひとり歩きさせ 利根川博 銀化 200303
弓袋弓にそはせて日脚伸ぶ 小原禎子 銀化 200303
留守電の無言が二件日脚伸ぶ 山田六甲 六花 200303
日脚伸ぶときめきは老のみならず 堀内一郎 あを 200303
高階の帰宅確かに日脚伸ぶ 澤田緑生 馬醉木 200303
佳き声の般若波羅蜜多日脚伸ぶ 大山文子 火星 200304
日脚伸ぶ露店の前の人だかり 岡和絵 火星 200304
信楽のたぬき大小日脚伸ぶ 岩月優美子 200304
通勤は二時間五分日脚伸ぶ 山口和生 帆船 200304
ヘルパーの段取り上手日脚伸ぶ 増田智子 帆船 200304
口上のがまの油や日脚伸ぶ 井上あい 風土 200304
忘れ罠畦にはじけて日脚伸ぶ 木下玉葉子 酸漿 200304
履きなれてきし散歩靴日脚伸ぶ 網野茂子 酸漿 200304
ブロンズの像の指先日脚伸ぶ 宮本道子 酸漿 200304
ほの暗き御堂のほとり日脚伸ぶ 小峯雅子 酸漿 200304
使ひ分くナイフとフォーク日脚伸ぶ 青野れい子 200304
船待ちの人にかもめに日脚のぶ 山田弘子 円虹 200304
硝子屋の来てゐる画廊日脚のぶ 山田弘子 円虹 200304
日脚のぶ遮断機閉ざす厩舎口 中島瑞枝 百鳥 200304
あいまいな電光板に日脚のぶ 丸山佳子 京鹿子 200304
日脚伸ぶ魚のとりどり水槽に 工藤義夫 馬醉木 200305
日脚伸ぶ水車の水の軽くなり 平田はつみ 馬醉木 200305
夕刊のバイクの音や日脚伸ぶ 中山勢都子 200305
手機織る筬の二拍子日脚伸ぶ 山本康夫 200305
野の径にはづむ人ごゑ日脚伸ぶ 穴澤光江 遠嶺 200305
日脚伸ぶ復興しるき地震の街 曷川克 遠嶺 200305
一室を建て増す議論日脚伸ぶ 板倉幸子 築港 200305
使はざる待針の山日脚伸ぶ 山本静江 築港 200305
部屋ごとに時計のありて日脚伸ぶ 増淵三良 百鳥 200305
日脚伸ぶエデンの園に句会生れ 金澤明子 火星 200305
秒速のあひるの歩み日脚伸ぶ 禰寝瓶史 京鹿子 200305
老いてなほ父の大足日脚伸ぶ 柴田佐知子 200305
地球儀の最果て青し日脚伸ぶ 高倉和子 200305
日脚伸ぶ卒寿の母に紅さして 遠野萌 200305
えんぴつの影のあいまい日脚伸ぶ 前田永子 200305
日脚伸ぶ巨船ゆったり向きを変へ 足利ロ子 ぐろっけ 200305
水かげらふをどる橋殿日脚のぶ 隅田恵子 雨月 200305
鮒釣の竿の先まで日脚伸ぶ 吉江潤二 築港 200306
置物のごとき夫なり日脚伸ぶ あさなが捷 200306
子らと折る紙の飛行機日脚伸ぶ 中島霞 ぐろっけ 200306
君が死をうべなふ心日脚伸ぶ 大野紅花 ホトトギス 200307
カタカタと幼のくるま日脚伸ぶ 邑橋節夫 遠嶺 200307
長電話用件二の次日脚のぶ 吉田多美 京鹿子 200307
日脚伸ぶ青洲庵の大竈 田中嘉代子 ぐろっけ 200308
雪便りなほありつも日脚伸ぶ 浅井青陽子 ホトトギス 200309
日脚のぶ大日さんの大欠伸 唯野まり 200312
酒蔵の土間のでこぼこ日脚伸ぶ 久保知音 対岸 200402
鷽の鳴く山道下り日脚伸ぶ 渕江千代 酸漿 200402
日脚伸ぶ五枚複写の申請書 田中忠子 帆船 200403
日脚伸ぶ磴の蹴上げの高きかな 能村研三 200403
日脚伸ぶ使はぬ手帳何冊も 伊藤白潮 200403
妻の忌の頃よりいつも日脚伸ぶ 河西みつる 草の花 200403
日脚伸ぶ廊下の隅の文机 大野信子 草の花 200403
さみしさはこころの隙間日脚伸ぶ 岡本眸 200403
物書きの一段落や日脚伸ぶ 泉田秋硯 200404
ハミングの母子の影や日脚伸ぶ 寺内佶 遠嶺 200404
日脚伸ぶ足ほの紅き鳩の群 栗原公子 200404
猫を間に妻との距離や日脚伸ぶ 浅川正 雲の峰 200404
二軒建ち三軒目建ち日脚伸ぶ 堀一郎 雲の峰 200404
影つれて出づる公園日脚伸ぶ 宮津昭彦 200404
俳優の墓に花あり日脚伸ぶ 田中藤穂 あを 200404
日脚伸ぶ禁裏の長き土塀かな 芝尚子 あを 200404
役人と言はるるままに日脚伸ぶ 高田令子 200404
日脚伸ぶ屋根で一服する大工 岡ハツ子 帆船 200404
日脚伸ぶ地蔵通りの七味売 山崎ミチ子 帆船 200404
どことなく心ゆるみて日脚伸ぶ 東芳子 酸漿 200404
寡黙なる夫の一言日脚伸ぶ 田中きよ子 酸漿 200404
命とは授かりしもの日脚伸ぶ 田宮勝代 酸漿 200404
日脚伸ぶ命伸ぶにはあらねども 高柳かつを 百鳥 200404
日脚伸ぶ窯に焚き口四つあり 中島瑞枝 百鳥 200404
噴き上がる太き白煙日脚伸ぶ 岸三恵 対岸 200404
一病とつき合ひ生きて日脚伸ぶ 板倉幸子 築港 200404
舌を出す一つ目小僧日脚のぶ 三輪閑蛙 対岸 200404
日脚伸ぶ →3      

 

2021年1月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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