遍路 2 (他季を含む)       100句

道のべに阿波の遍路の墓あはれ    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
麦畑のかかぎりの果ての遍路みち 市場基巳 200108
明日雨の夕映ながき遍路みち 岡本眸 200108
遍路鈴遠鳴る我をさそふかに 能村登四郎 羽化 200110
老遍路と話が合へるさびしさよ 能村登四郎 羽化 200110
辿路に行き並びたる秋遍路 能村登四郎 羽化 200110
知らでもの秋の遍路の氏素姓 能村登四郎 羽化 200110
満願へ杖すりへらす秋遍路 大橋克巳 俳句通信 200111
秋遍路終へゆつくりと髭を剃る 大橋克巳 俳句通信 200111
よろづやに道尋ぬゐる秋遍路 西村純一 俳句通信 200111
小流れに解くあごの紐秋遍路 鈴木恭子 200112
色変へぬ松ありてこそ遍路寺 辻前冨美枝 200112
漆黒の鴉の見遣る秋遍路 石原義輝 馬醉木 200112
暁暗の港に降りぬ秋遍路 吉岡久江 火星 200112
野分して道標の指す遍路道 渡邉友七 あを 200112
箸袋いくたび結ぶ秋遍路 沢喜美 200201
早発ちの徒遍路星戴きて 平山八十子 雨月 200201
松の内遍路です穴めぐりです 岡井省二 200201
秋遍路杖から動く影法師 井田道子 200201
結願の足軽くなり秋遍路 高山瑞恵 200201
遅れゆくひとりの鈴や秋遍路 内田雅子 馬醉木 200202
遍路杖分身のごと拭ひけり 林和子 200202
通ひ合ふ鈴の音寧し遍路笠 林和子 200202
道草に遅れ勝ちなる遍路の子 林和子 200202
道遠し雨被て重き遍路の荷 林和子 200202
遍路道母の御魂が先を行く 林和子 200202
吊り橋や南無と抱きつ遍路杖 林和子 200202
茶の花や遍路の鈴の遠ざかる 小松鈴子 酸漿 200202
逆縁に秋の遍路を志す 辻口静夫 ホトトギス 200203
みなうしろ姿となりし秋遍路 中杉隆世 ホトトギス 200203
四五人の遍路の会釈秋日和 木戸波留子 いろり 200203
秋日和霊水持込む遍路バス 木戸波留子 いろり 200203
阿波路ゆく遍路装束真新し 水原春郎 馬醉木 200204
円陣を解かれて現るる遍路の屍 森田旅舟 200204
傾きの墓の並びや遍路坂 板倉勉 六花 200204
徒歩遍路へ三里の灸を接待せり 麻生當子 200205
遍路一列生徒一列すれ違ふ 酒井康正 百鳥 200206
遍路衣の亡き師の姿いちどきり 藤原照子 200206
びしよ濡れの遍路に桜蕊が降る 吉田汀史 200206
結願の遍路此の上なき笑まひ 西村しげ子 雨月 200206
リストラを機に発心の遍路かな 友田直文 200207
遍路宿猫が夜道を嗅ぎに出る 望月周 百鳥 200207
代を掻く水の滲みし遍路径 近澤杉車 円虹 200207
杖濯ぐ水を持ち来て遍路宿 吉永とほる 円虹 200207
水筒に甘茶戴く徒遍路 青野良子 帆船 200207
花茨遍路の鈴の近づき来 岡和絵 火星 200207
お遍路の白衣きりりと霊山寺 西村しげ子 雨月 200207
老遍路渦へ投ぜしものや何 岡淑子 雨月 200207
み手洗にまづ杖清め夕遍路 武政礼子 雨月 200207
じやがいもの花坂なせり遍路みち 永田二三子 酸漿 200208
徒遍路誰とも眼合はさざる 久保田由布 ぐろっけ 200208
リストラの遍路が二人早発ちし 伊勢ただし ぐろっけ 200209
亡妻を背ひし遍路と相宿す 伊勢ただし ぐろっけ 200209
浜にしるす杖跡清し秋遍路 秋葉雅治 200211
秋遍路夜を残して発ちにけり 下村志津子 銀化 200211
足揉んで憩ふ遍路に秋の風 丸川越司 円虹 200212
みどり児を見つめて去れり秋遍路 梅原悠紀子 百鳥 200212
秋遍路笠飴色となりて終ふ 原茂美 雲の峰 200212
ピーピーと昼の虫ゐる遍路みち 松木桂子 200212
杖のみの夏の遍路となりにけり 男波弘志 200212
感謝するただそれだけの秋遍路 河野友子 六花 200212
子遍路の足かるがると彼岸花 河野友子 六花 200212
急峻となりし鈴の音秋遍路 加美明美 200301
またひとり色なき風の遍路かな 岡崎るり子 銀化 200301
よりそへる捨南瓜あり遍路道 西山美枝子 酸漿 200301
秋あざみ男遍路の足早に 西山美枝子 酸漿 200301
コスモスに遍路の影の過ぎゆけり 加古みちよ 冬菜畑 200301
黎明の空を光背遍路来る 中山砂光子 200302
遍路鈴この空つづきの懺悔みち 宇都宮滴水 京鹿子 200303
白髪をきりりと束ね冬遍路 川島真砂夫 200303
牛蒡抜きせるは遍路かかく迅し 中原道夫 銀化 200304
紐しめてまなざし遠き遍路かな 宮坂恒子 雪底 200304
どしゃぶりの読経くぐもる夕遍路 池田草曷 雨月 200305
境内に声みなぎりぬ夏遍路 稲畑汀子 ホトトギス 200305
大空にからすみちある遍路かな 宮坂静生 200305
青麦は畑にとどまり遍路杖 宮坂静生 200305
蓑虫と同行二人遍路笠 宮坂静生 200305
遍路みち手にのる鳥の巣を拾ひ 宮坂静生 200305
草掻きの音ころころと遍路寺 宮坂静生 200305
あちこちに雨漏りのあと遍路宿 武田美雪 六花 200305
ドサと置く遍路の荷物席譲る 武田美雪 六花 200305
地震疵の波止場にこぼれ冬遍路 山田弘子 草の蝉 200305
笠脱ぎてお札戴く初遍路 高橋英子 ぐろっけ 200305
猿沢の亀を見てゐる一遍路 渡辺政子 雲の峯 200306
バーバリーのゴルフ帽子で汽車遍路 鈴木てるみ ぐろっけ 200306
青年遍路野宿で通し結願す 筒井圭子朗 ぐろっけ 200306
亀鳴くや遍路衆にも救護班 桑島啓司 200307
杖もたぬ人もまじりて遍路衆 桑島啓司 200307
札所出る遍路は長き列となり 森本キヌ子 200307
その中に若き娘もゐる遍路バス 福井鳳水 円虹 200307
束の間を鯉と遊べり遍路の子 武田幸子 200307
女人高野へ燈一列の遍路笠 仙石君子 雨月 200307
遍路杖に名を記し巡礼人となる 近藤豊子 雨月 200307
一個団体順に続きて遍路かな 近藤豊子 雨月 200307
花の下にまどろんでゐる遍路かな 片山喜久子 雨月 200307
本堂が近づき遍路足早む 上岡末喜 築港 200307
一列に遍路降り来る竹生島 原茂美 雲の峯 200307
洞穴を通り抜けたる遍路かな 石脇みはる 200307
窓ごとに蒲団干しあり遍路宿 青山悠 200308
梁に貼る「南無阿弥陀仏」遍路宿 木田千女 200308
お遍路のシャツ好胤の「夢」一字 木田千女 200308
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2021年4月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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