蛇の衣 2     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
玉垣へ全身を捨て蛇の衣 増山きみ 対岸 200510
翁寺岩に吹かるる蛇の衣 鈴木和香 栴檀 200510
さらさらと全き蛇の衣ゆるる 芝尚子 あを 200511
風孕み縦一文字の蛇の衣 安達実生子 200511
ひだるさの風に吹かるる蛇の衣 中山純子 万象 200511
わが庭に住む証なる蛇の衣 久保田雪枝 雨月 200512
蛇の衣脱ぎたる観音堂の前 林典子 雨月 200601
定朝仏の真贋談義蛇の衣 尾野奈津子 春燈 200601
ごろた石積まる山田の蛇の衣 宮口文泰 万象 200608
草の上に脱ぎつ放しの蛇の衣 高橋将夫 200609
蛇の衣やくたいもなく吹かれをり 折橋綾子 200609
蛇の衣人の膚も脱げるなら 坂井法 200610
蛇の衣風のかたちに吹かれをり 中山純子 万象 200610
武蔵野は影の濃かりし蛇の衣 丸山照子 火星 200610
捨てる神拾う神あり蛇の衣 中島英子 八千草 200612
蛇の衣のせてゐるなり大南瓜 高倉恵美子 200701
蛇の衣人の悲しさ透かしけり 長沼紫紅 200702
蛇の衣今にも動き出しさうな 長沼紫紅 200702
反り強き城壁に脱ぐ蛇の衣 齋部千里 ぐろっけ 200707
言霊を吐きつくしたる蛇の衣 木山杏理 京鹿子 200707
神木に垂れ長々と蛇の衣 園多佳女 雨月 200708
羅のごとくに吹かれ蛇の衣 西村梛子 馬醉木 200708
蛇の衣知らないことを知るために 倉持梨恵 200708
幾重にも畳んで仕舞ふ蛇の衣 渡邊美保 火星 200709
抱えきし刈草の中蛇の衣 齋部千里 ぐろっけ 200709
空海の踏みし山径蛇の衣 近藤きくえ 200710
神苑の籬に濡れし蛇の衣 大城戸みさ子 火星 200710
蛇の衣なんとなくまだ動きゐる 秋千晴 200710
欄干に脱ぎ掛けありし蛇の衣 須藤トモ子 200710
野面積脱ぎしばかりの蛇の衣 山本みゆき 万象 200710
小町塚へいざなふごとく蛇の衣 本谷英基 馬醉木 200711
しやりしやりと吹かれてをりぬ蛇の衣 都留嘉男 八千草 200712
行僧の拝んでゆきぬ蛇の衣 堤湖舟 万象 200712
一山の霊気に揺るる蛇の衣 大島翠木 200712
山の径横断したる蛇の衣 大橋晄 雨月 200801
シーサーの膝にからまり蛇の衣 飛鳥由紀 200808
閻王の花籠を起点に蛇の衣 朝妻力 雲の峰 200808
山の陽の斜にさしゐる蛇の衣 城孝子 火星 200808
蔵の主らしき全長蛇の衣 隅田享子 200809
此処よりは結界なりと蛇の衣 泉田秋硯 200809
蛇の衣風に吹かれて銀の音 戸田春月 火星 200809
蛇の衣またいでをりし敷居かな 久津見風牛 200809
八百荒神石に宿りて蛇の衣 浜福恵 風土 200809
五助稲荷なあんにもなしや蛇の衣 加藤美代子 炎環 200810
せせらぎにふはりとのりし蛇の衣 山田美恵子 火星 200810
蛇の衣蛇を慕うて鳴きにけり 野中亮介 馬醉木 200810
再びの日照雨が過ぐる蛇の衣 湯浅夏以 遠嶺 200811
蛇の衣吹かれつ空を深くせり 高村令子 風土 200811
蛇の衣さげてきし子の手を怖る 出口貴美子 雨月 200811
毎年の無事を知らせて蛇の衣 高屋恵理子 京鹿子 200901
火葬塚に残り全き蛇の衣 中西光 炎環 200901
ねぎらひの言葉をひとつ蛇の衣 梶浦玲良子 六花 200902
榧の枝の風にかけたる蛇の衣 戸栗末廣 火星 200907
夜は蛇になるかも知れず蛇の衣 鷹羽狩行 200907
あつさりと雨の上がりし蛇の衣 荒井千佐代 200907
木の枝に首尾の揃へる蛇の衣 内山芳子 雨月 200908
蛇の衣さへ怖ろしと近よれず 内山芳子 雨月 200908
廃屋の物干竿に蛇の衣 山路紀子 風土 200908
木漏日に蛇の衣光る神の杉 笹井康夫 200909
蛇の衣脱ぎ捨てたきはわが身にも 中尾杏子 200909
蛇の衣枝に吹かれて父祖の墓 南うみを 風土 200909
櫂掻いて岸へ押しやる蛇の衣 山田美恵子 火星 200910
立ちすくむ風に揺れゐる蛇の衣 苑実耶 200910
蛇の衣はづして薪を下しけり 島玲子 風土 200910
蛇の衣枝に吹かれて笙の笛 中山純子 万象 200911
おだやかな光をあつめ蛇の衣 齋藤厚子 200911
洗濯機の裏で見つかる蛇の衣 衣斐ちづ子 201007
柿の木に吹かれてゐたり蛇の衣 滝沢伊代次 万象 201007
蛇の衣道を塞いで揺れてをり 秋千晴 201007
屋敷神預りとなる蛇の衣 冨山俊雄 山居抄 201008
潮風の意のままとなり蛇の衣 近藤きくえ 201009
蛇の衣うしろめたさのことふやし 中野さき江 春燈 201009
蛇嫌ひ蛇の衣にも怯えけり 風間邦子 201009
蛇の衣捨て身の恋の導火線 後藤眞由美 春燈 201010
駅までのありふれた朝蛇の衣 都丸美陽子 春燈 201010
蜆とふ軽さに吹かれ蛇の衣 面足立典子 雨月 201011
守護神の証と祀る蛇の衣 鈴木直枝 ろんど 201011
吹く風にひと揺らぎせし蛇の衣 橋田憲明 ホトトギス 201012
昇天のあとに一枚蛇の衣 足立幸信 201012
蛇の衣投げすてられぬことばかり 足立幸信 201012
大教室に持ち込まれ蛇の衣 西宮舞 201012
思ひ立つやうに脱がれし蛇の衣 石田きよし 201102
行く先の在りて脱ぎある蛇の衣 山尾玉藻 火星 201106
深吉野の日の射してゐる蛇の衣 天谷翔子 火星 201107
衣擦れのしさうや蛇の衣吹かれ 天谷翔子 火星 201107
まつ先に乾びしものに蛇の衣 宮内とし子 201108
きらきらと風の音する蛇の衣 岩月優美子 201109
神官と仰ぐ大樹の蛇の衣 磯野しをり 雨月 201109
無住寺に落ちてしまひし蛇の衣 中野さき江 春燈 201109
蛇の衣箒の先に捧げくる 大崎紀夫 やぶれ傘 201109
投げ掛けられしごとく小枝に蛇の衣 松田明子 201109
姥捨や首尾ととのへる蛇の衣 大坪景章 万象 201110
宮水に洗はれてをり蛇の衣 前田美恵子 201110
蛇の衣住吉さんの松に脱ぐ 古賀しぐれ ホトトギス 201110
ことしまた同じ垣根に蛇の衣 近藤南麓 万象 201111
蛇の衣脱ぎ捨てありしごみ置場 北尾章郎 201111
蛇の衣サイズかはりしワンピース 年森恭子 ぐろっけ 201111
金環を繋ぐ一瞬蛇の衣 寺田すず江 201208
美しき蛇の衣なり靡きつつ 田原陽子 201208
一陣の風に悶える蛇の衣 吉清和代 万象 201208
蛇の衣→3      

 

2021年5月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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