葉桜 4       122句

たれかれを訪ふ葉櫻の墓地にゐて    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一日にして葉桜となりにけり 竪山道助 風土 200707
葉桜の木漏れ日いよよ細やかに 桑原レイ 200708
葉桜のうつろひに似し訃報かな 井上信子 200708
葉櫻や誰にも合はず弥陀のもと 野口香葉 遠嶺 200708
葉桜や身巾に上る札所径 中谷葉留 万象 200708
葉ざくらや兄をおもへば風立てる 戸栗末廣 火星 200708
葉ざくらや同窓会の杖の数 長田曄子 火星 200708
葉桜や結婚報告メールにて 高倉恵美子 200708
葉桜の宮址は風の語るのみ 豊田都峰 京鹿子 200708
葉桜の吉野の閑けさ持て余す 森一枝 八千草 200708
葉ざくらの川にもどり来鷺一羽 恒成久美子 ぐろっけ 200708
風音の葉桜並木川に尽き 内山けい子 200708
葉桜の洩れ日や膝のにぎりめし 灘秀子 200708
葉桜や通学の子に友の増え 灘秀子 200708
風の木の性を隠さず葉桜は 橋本榮治 馬醉木 200708
葉桜やまた雲かかる日のおもて もりおかともこ ホトトギス 200709
葉桜にもつとも近く産着干す 大西八洲雄 万象 200709
人逝きて葉桜の蔭濃くなりぬ 大坪景章 万象 200709
佐保堤葉桜蔭は主婦の座に 奥村鷹尾 京鹿子 200709
鴟尾の空葉櫻下の持仏堂 林友次郎 遠嶺 200709
葉桜や異国暮らしの子より文 鈴木愛子 ぐろっけ 200709
葉ざくらの枝なほいます花の神 狭川青史 馬醉木 200710
葉桜の上野となりぬ似顔絵師 藤井寿江子 馬醉木 200710
葉桜やちちはは亡くて隅田川 渡邊千枝子 馬醉木 200710
葉桜や江戸の賑はひ河岸に失せ 池森昭子 馬醉木 200710
雨こぼし櫻若葉のほぐれけり 川口崇子 万象 200710
葉桜や空室のある小学校 花島みゆき 八千草 200710
葉桜や夕日の堤いと長き 青木陽子 酸漿 200710
葉桜の下のにぎはひはじめけり 有村キミ子 酸漿 200710
空港は近し葉桜は遠くなり 平きみえ 船団 200710
葉桜の雨後の雫や薬医門 鈴木照子 200711
葉桜の午前に開く『智恵子抄』 坪内稔典 稔典句集 200804
葉桜やあいつはボヤのような奴 坪内稔典 稔典句集 200804
高橋の雨の葉桜通りかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
葉桜の道には君と同じ傘 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
葉桜や祈りの声は堂を出ず 鷹羽狩行 200805
踏み迷ふ葉がち桜の下道を 林翔 200805
葉桜や老友集ふ母校跡 水原春郎 馬醉木 200806
音立てて雨葉桜を揺らすなり 宮津昭彦 200806
葉桜や不機嫌時代問はるる世 笠井清佑 200807
葉桜の空より空へ風の橋 米山喜久子 200807
葉桜や蔵の二階の喫茶店 米山喜久子 200807
葉桜の下母のこゑ父のこゑ 和田政子 200807
葉桜の一樹に裏のなかりけり 高橋道子 200807
葉桜の奥に蹄の駈けし音 重見久子 火星 200807
葉桜や自覚症状なき死病 高木智 京鹿子 200807
葉桜やふと寒き朝のバスに乗る 大内恵 酸漿 200807
葉桜や目を閉ぢて立つ城の跡 坂本知子 酸漿 200807
葉ざくらやペルーへ向ふ粗衣のまま 須賀敏子 あを 200807
葉桜のこゑ師の墓へ往き返り 藤田宏 200807
葉桜を賞でて深まるわが齢 有働亨 馬醉木 200808
いつまでの平和葉桜夜を騒ぐ 渡邊千枝子 馬醉木 200808
さやさやと葉桜の風晩年へ 渡邊千枝子 馬醉木 200808
葉ざくらや磴の高きに勅 使門岡佳代子 200808
葉櫻や湖畔に午後のギターデュオ 大曽根育代 遠嶺 200808
葉櫻や菩薩の指のおきどころ 戸村よねこ 遠嶺 200808
葉桜の無量の雨となりにけり 石田きよし 200808
葉桜や昭和の長屋残す町 山本無蓋 200808
葉桜の奥に牛買ひ来てをりし 城孝子 火星 200808
葉桜を抽く大佛の頭見ゆ 大西八洲雄 万象 200808
葉ざくらや強火で通す厨ごと 佐久間多佳子 京鹿子 200808
葉桜のかすかに揺るる闇にをり 北川とも子 ぐろっけ 200808
葉桜や江戸の垢離場でありし川 久本久美子 春燈 200808
葉桜となりて水際のうすみどり 宮崎すみ 神々の交信 200808
葉桜や広場に弾む子らの声 筒井八重子 六花 200808
葉桜や夫に手渡すリフト券 三井孝子 六花 200808
葉桜やふたりで眼鏡買ひに行く 城孝子 飛火野 200808
葉桜や本丸跡の広からず 根橋宏次 やぶれ傘 200808
桜葉に灯りてよりの窓大きく 野路斉子 200808
葉桜の公園巡り来て憩ふ 松尾緑富 ホトトギス 200809
葉桜や樹齢重ねのうねり幹 遠藤真砂明 200809
葉桜に憩ふパチンコ宣伝車 森ゆみ子 炎環 200809
葉桜となりて再び天覆ふ 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200809
葉櫻の影のゆらいで杖の径 古林田鶴子 ぐろっけ 200809
葉桜や戦なき世の武家屋敷 田村祐巳子 200810
葉桜に透かして見ゆる多宝塔 岡本直子 雨月 200812
今のことはいま葉ざくらをくぐり抜け 堀内一郎 あを 200905
葉桜や芭蕉通りと名を変へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
葉桜となり息を抜く大樹かな 加藤克 200906
観覧車葉桜の地へ戻りけり 田中藤穂 あを 200906
葉桜や阿修羅御仏若々し 須賀敏子 あを 200906
葉桜となりて近しき向う岸 藤井美晴 やぶれ傘 200906
葉桜の山里ゆるり風渡る 増田一代 200907
葉ざくらの影延びてゐし一輪車 稲見寛子 炎環 200907
葉桜の昼のひそひそ話かな 萩尾亜矢子 炎環 200907
葉ざくらや乱世憂ふる獅子砲吼像 上原重一 200907
葉桜や老後の話長々と 岡野ひろ子 200907
葉ざくらや窓を小さく男子寮 井上信子 200907
葉桜や新住人のダンボール 木下もと子 200907
葉桜となりて老幹艶めきぬ 浅田光代 風土 200907
葉桜のざわめく人事丸の内 古屋元 200907
葉桜や焔を持たぬ調理器具 林昭太郎 200907
葉ざくらや心療内科の固き椅子 藤原はる美 200907
葉櫻にさみどりの水照り返す 竹中一花 200907
橋ふたつ置いて葉桜並木なり 佐田昭子 ぐろっけ 200907
葉桜となりたる空のさやぎかな 竹内悦子 200908
葉桜の波に浮べり五重塔 奥野初枝 万象 200908
葉桜やあゆみ留まること難し 鈴木まんぼう 炎環 200908
葉桜やへこたれまいぞ魂ひとつ 鈴木まんぼう 炎環 200908
葉桜や膝の上なるベレー帽 涼野海音 火星 200908
葉桜や子の背にをどるランドセル 家塚洋子 酸漿 200908
葉桜の木洩れ陽けんぱ下校の児 岩木眞澄 ぐろっけ 200908
葉ざくらに来て一本の遅桜 岩木眞澄 ぐろっけ 200908
葉ざくらの風や大路の車夫溜り 菅原末野 風土 200908
ランドセル葉桜の径曲りけり 椿和枝 200908
葉桜の木洩れ日拾ひ父を訪ふ 石田きよし 200908
葉桜のなだるる影や神田川 宮崎裕子 春燈 200908
葉桜や五重塔の錆朱色 篠原幸子 春燈 200908
葉桜の枝しなやかにそよぐかな 塩見治郎 雨月 200908
葉桜や多喜二は雨の日を好み 森理和 あを 200908
葉桜に風乗つてくる乗つてくる 立村霜衣 ホトトギス 200909
葉桜の波打つ彼方なる天守 立村霜衣 ホトトギス 200909
葉桜やけんくわしてより仲良しに 坂井恭子 200909
葉桜の影濃くなりし療養所 黒木東吾 やぶれ傘 200909
風の夜の葉ざくらしのび笑ひせり 柳生千枝子 火星 200909
葉桜の鴨川左岸カフェテラス 火箱游歩 船団 200909
葉桜の真下御成りの道として 上坂渥子 雨月 200909
葉桜や村の床屋に客ひとり 鈴木多枝子 あを 200909
葉桜の昏き鳥居を潜りけり 國保八江 やぶれ傘 200910
葉桜や小鳥の遊ぶ象の檻 村上幸子 京鹿子 201001
葉桜となりゆく都心副都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
葉桜をゆらして鷺のとび立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201005
葉桜→ 5      

 

2021年5月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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