葉 桜 3     100句

葉桜の下帰り来て魚に塩    細見綾子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
名にしおふ垂桜は葉桜に
永岡セツ
酸漿
200408
葉桜や母寝たきりの目をあけず
岬雪夫
200408
葉桜の葉籠りに息深く吸ふ
大磯幸子
河鹿
200408
葉桜や遠き戦火の日々ありき
原田竜子
河鹿
200408
葉桜を透かし丹の古る五重塔
栗原公子
200408
葉桜に風弟の忌が過ぎて
福井隆子
対岸
200408
葉桜や村の合併ほぼ決まり
笠原優
200409
葉桜やOLといふひとくくり
玉川梨恵
200501
葉桜の濃きこの寺に蕪村の絵
今瀬剛一
対岸
200506
牛飼に葉桜の道ありにけり
山尾玉藻
火星
200506
葉桜やゴッホの父の聖書かな
森理和
あを
200506
葉桜や幹のでで虫はがしをる
石脇みはる
200507
葉桜の丹後や鰰風に干し
浜口高子
火星
200507
葉桜や癌病棟の友見舞ふ
安田健
帆船
200507
葉桜の陰に靴脱ぐ船遊び
辻恵美子
栴檀
200507
葉桜の森をなしをり船出跡
辻恵美子
栴檀
200507
葉桜の枝垂みどりを天に吊る
辻美奈子
200507
葉桜やいざり機てふ悲しき名
福井隆子
対岸
200507
葉桜は寺の門前暗くせり
門脇なづな
対岸
200507
西行庵葉桜萌ゆる中にあり
大石喜美子
雨月
200507
葉桜がざわざわ遠い火事が見え
田中藤穂
あを
200507
葉桜や昭和の記憶うすれゆく
徳田正樹
河鹿
200508
葉桜やお江戸は坂の多き街
伊藤稔代
200508
葉桜や少し離れて親子ゆき
西宮舞
200508
葉桜や靴音ひそめ考古館
川島三栄子
200508
葉桜や暗みにひとつ煙草の火
川島三栄子
200508
葉桜や素足で捏ねる壁の土
鎌須賀礼子
万象
200508
葉櫻の下を無灯の夜舟過ぐ
小澤克己
遠嶺
200508
葉櫻や夕べの池の細波
渡辺民親
遠嶺
200508
葉桜の城の口餅買ひにゆく
吉田康子
火星
200508
葉桜や譲り受けたる背番号
藤井智恵子
百鳥
200508
葉桜や校門に風来てをりぬ
小山國雄
百鳥
200508
葉桜や作者不詳の校歌の碑
高木武人
百鳥
200508
葉桜や造り酒屋のレンガ塀
浜和佳子
百鳥
200508
亜浪句碑の葉桜並木懐かしき
安田繁子
200508
葉桜や生駒金剛青うすれ
松本鷹根
京鹿子
200508
葉桜の高階に曳く点滴棒
竹貫示虹
京鹿子
200508
葉桜や四百粁の旅支度
鈴木石花
風土
200508
葉桜や秘仏の傷は癒ゆることなし
小林朱夏
200508
葉桜や考へなくもいつか死ぬ
東亜未
あを
200508
葉桜となり城山の木々に伍す
鷹羽狩行
200509
葉櫻のふところ深く鳥の声
森佳子
遠嶺
200509
葉櫻や庇の下の大扁額
丸山勝利
遠嶺
200509
葉桜やまだまだ黒くなる鴉
浅田光喜
対岸
200509
葉桜の下にカチューシャ少女像
大里快子
酸漿
200509
返らぬ日葉櫻に赫き道變らず
瀧春一
菜園
200509
葉櫻の鴟尾の高空大伽藍
林友次郎
遠嶺
200511
葉櫻や金剛葛城の山かつら
瀧春一
常念
200606
ひびきふる雨千本の葉櫻に
瀧春一
常念
200606
葉櫻やとろとろかへる吉野葛
瀧春一
常念
200606
葉桜に雲ひかる日や惜しむべし
宮津昭彦
200606
葉櫻のなかは流沙の音がする
吉村たけを
海市蝶
200606
垂桜葉桜となり雨の寺
家塚洋子
酸漿
200606
葉桜や川の畔の一輪車
徳田正樹
河鹿
200607
葉桜の日の斑を和紙に漉きたしや
鷹羽狩行
200607
葉桜や渾身で漕ぐ車椅子
柴田朱美
京鹿子
200607
長雨の去るや葉桜玉光る
赤松赤彦
六花
200607
葉桜や一隅並ぶ獣塚
金丸まさ子
四葩
200607
葉桜の影ひろがりし単線駅
早崎泰江
あを
200607
葉桜の隙に大滝落ちにけり
田畑時男
河鹿
200608
葉桜になりて雑木にかへりけり
谷村修二
200608
葉櫻や深川の雨あがりをり
米須あや子
遠嶺
200608
葉桜や人の死なんぞ見てゐたる
竹内悦子
200608
葉桜や太陽系に揺るぎなし
近藤喜子
200608
葉桜の鬨ばかりなる水城址
豊田都峰
京鹿子
200608
葉桜や船入の濠持つ城址
豊田都峰
京鹿子
200608
葉桜を仰ぎ傘寿の深呼吸
並木重助
酸漿
200608
葉桜になりおほせたる下を掃く
嶋田摩耶子
ホトトギス
200609
岬端へ伸びる葉桜並木かな
浜福恵
風土
200609
葉櫻や喧嘩する児のたくましき
内田稔
遠嶺
200609
葉桜のトンネル行くや風さやか
小峯雅子
酸漿
200609
葉桜や庄内用水水豊か
大井彌雨
雨月
200609
誰そ彼はしだれ葉桜ゆれどほし
木戸渥子
京鹿子
200609
花の柄の残る葉桜のみどり
稲岡長
ホトトギス
200610
葉桜の小雨に色の深まりし
岡本直子
雨月
200610
葉桜や手鏡に髪切りゐたる
池崎るり子
六花
200704
葉桜に雨は有情でありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200705
葉桜に記憶の頁埋めけり
稲畑汀子
ホトトギス
200705
葉桜に別の明るさありし庭
稲畑汀子
ホトトギス
200705
みよし野の葉桜として鎮もりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200705
近道は葉桜隠れ男坂
水原春郎
馬醉木
200706
葉桜に枝垂れの姿ありありと
宮津昭彦
200706
葉桜を出で葉桜へ弓袋
山尾玉藻
火星
200706
葉櫻の道をかよひて常の如
瀧春一
200706
葉桜や更地となりて井戸残り
伊藤トキノ
200707
葉桜や校庭ぬけしサキソフォン
米山喜久子
200707
葉桜やラッセル犬の大欠伸
米山喜久子
200707
葉桜や川沿ひに立つバンガロー
池田光子
200707
葉桜や学舎のコーラス流れ来る
黒澤登美子
200707
葉桜や乱歩全集蔵の中
大山文子
火星
200707
葉桜に風のある日や微熱の子
河崎尚子
火星
200707
葉桜のおもさは定年の重さ
安居正浩
200707
葉桜や熱持つてゐる錐の先
林昭太郎
200707
一日にして葉桜となりにけり
竪山道助
風土
200707
葉桜となりても心定まらず
高田令子
200707
医者通葉桜の下通り行く
金子八重子
酸漿
200707
葉桜やひとりの家に物干して
上林孝子
200707
葉桜や憑きもの堕ちし人ばかり
近藤喜子
200708
葉桜や閑かさ競ふ路地と路地
布川直幸
200708
葉桜の影の濃きとこ薄きとこ
布川直幸
200708
葉桜 4      

 

2021年5月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。