葉 桜 2     100句

葉ざくらや人に知られぬ晝あそび    永井荷風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
葉桜や月曜ことに文の嵩
鷹羽狩行
200207
葉桜になり了せしよ風を待ち
宮津昭彦
200207
葉桜や分校の床磨き上げ
山県照江
百鳥
200207
葉桜や余所見する子の手を引いて
加藤あけみ
円虹
200207
まぼろしの城へ葉桜騒ぐ道
長山あや
円虹
200207
葉桜に触れて小さき観覧車
前阪洋子
雲の峯
200207
葉桜や大納言塚しづもりて
越智秀子
雲の峯
200207
葉桜や疎水は音もなく速し
越智秀子
雲の峯
200207
葉桜や胸ポケットに住所メモ
黒崎よし汀
雲の峯
200207
葉桜や節に殉ずと讃ふる碑
朝妻力
雲の峯
200207
葉桜や屋台の裏に水置かれ
杉浦典子
火星
200207
葉桜に心の襞を増やしけり
山室キミ子
銀化
200207
葉桜やポケットにある登山証
小田元
六花
200207
葉桜や手鏡を手にそこらまで
百田早苗
六花
200207
葉桜ややつぱり狸そばに決め
百田早苗
六花
200207
観音の振舞酒や葉桜に
河中透水
雨月
200207
葉桜や吉野詣での陀羅尼助
梅原富子
200208
葉桜や流るる水も影好み
鷹羽狩行
200208
葉桜に変りし宴となりにけり
羽根田和子
百鳥
200208
葉櫻や本の包みをそつと開け
市川英一
遠嶺
200208
葉櫻やさらり流れに影おとし
豊田作二
遠嶺
200208
句碑と句碑つなぐ葉桜萩若葉
ほりもとちか
円虹
200208
やはらかき葉桜の影負ひ行ける
倭文ヒサ子
酸漿
200208
教会の庭の葉桜見ごろなり
間瀬淑子
春耕
200208
葉桜の蔭来て上着重ねをり
十文字慶子
200208
葉桜や表札に「波浮港一番地」
加藤たかね
風土
200209
葉桜の中に青空ゆれてをり
土屋酔月
火星
200209
葉桜や余命を計る事はせず
中川勲
200209
ひらとYシャツ葉桜の昼餉どき
岡本眸
200210
葉桜の洋館売りに出されけり
伊藤多恵子
火星
200303
葉桜に赤子の足のくびれかな
吉田康子
青山椒
200303
葉桜も杉も魂宿す刻
稲畑廣太郎
ホトトギス
200304
葉桜を風の透きくる会所跡
朝妻力
雲の峰
200305
面影を追ふ境内の葉桜に
稲畑汀子
ホトトギス
200305
砂川の葉桜がくれ草津宿
品川鈴子
ぐろっけ
200305
葉桜や文のふたたびゆき違ひ
鷹羽狩行
200306
葉桜や残りし屋台たたみをり
長島惠吉
酸漿
200306
葉桜や幾度変る世の姿
森脇恵香
雲の峯
200306
葉桜や離れの裸電球替ふ
吉弘恭子
あを
200306
葉桜や水より速く水の影
山田六甲
六花
200307
紅微かに葉桜のなほ昂ぶれる
田辺博充
200307
葉桜となりて静になりにけり
楢崎幸子
帆船
200307
葉桜や国会図書館東口
仙田孝子
風土
200307
照明の装置外され葉桜に
米谷香恵子
築港
200307
気の付かぬ間に葉桜の道となる
小澤友江
築港
200307
葉桜となつて雪洞おろさるる
小澤友江
築港
200307
葉桜の町は落ち着き取り戻す
内山定子
築港
200307
植物園葉桜の下人まばら
美波治恒
築港
200307
葉桜や禰宜ねぎ君付けで呼び合うて
大柳篤子
雲の峯
200307
葉桜や足裏見する蹶速けはや
中御門あや
雲の峯
200307
葉桜の奥に子を抱く御神体
川瀬さとゑ
雲の峯
200307
葉桜や鯉大口を揃へくる
伊藤月江
雲の峯
200307
葉桜や籠の鳥声ふと高音
元田千重
火星
200307
葉桜や男同士のカフェテラス
苑実耶
200308
葉桜に車座となり美人論
白髭美佐子
200308
葉櫻や一本道は長かりし
木根渕成子
遠嶺
200308
葉桜の長谷に一石一字経
池田加代子
風土
200308
葉桜となり見えてくる前うしろ
小橋隆三
対岸
200308
葉桜や母なぐさむる子となりて
関薫子
百鳥
200308
葉桜の影円卓に横顔に
岡本まち子
馬醉木
200309
葉桜や騎手は手綱を緩めつつ谷えり子
佐藤景心
200309
葉桜の枝垂るる今も祇園女御
明石文子
ぐろっけ
200309
校庭の葉桜樹下に鼓笛隊
加藤梅窓
200310
葉桜の上に正午の時計台
柴田佐知子
200310
葉桜の湯の街人の影もなし
松木清川
ぐろっけ
200310
葉桜となりてこれより急がざる
渡辺真奈美
200311
葉桜となりて落付く街路かな
田中時子
八千草
200311
葉櫻や一弦琵琶の弾かれをる
四井由美子
200312
葉桜や女人結界の地に立てば
小林優子
酸漿
200405
葉桜に桜三里といふ名所
稲畑汀子
ホトトギス
200405
葉桜や頭抱へて猫眠る
山田六甲
六花
200405
葉桜となりて墨堤静もりぬ
須佐薫子
帆船
200406
葉桜は目深きいやをするところ
山尾玉藻
火星
200406
葉桜や九段に古き筆舗あり
安陪青人
雨月
200406
葉桜にけだるき返事聞えけり
中田みなみ
200406
葉桜の下から声のぬけてくる
山荘慶子
あを
200406
葉櫻のいつもの道に戻りけり
三橋泥太
遠嶺
200406
葉桜の夕影風の揺らし吹く
中村功
築港
200407
葉桜となり名園の空狭し
難波澄子
築港
200407
葉桜のひそかに山の木となりつ
伊藤一枝
酸漿
200407
葉桜や休日だけの渡舟
小山香月
酸漿
200407
葉桜の風となりけり石舞台
北嶋美都里
200407
葉桜や喪の明けてまだ籠り癖
稲井夏炉
帆船
200407
葉桜や夜のベンチに人気無く
赤星惠子
あを
200407
葉桜や城址にすする出石蕎麦
杉江茂義
雲の峰
200407
葉桜となりて重たき枝の揺れ
宇利和代
雲の峰
200407
葉桜やナースに髭を剃りて貰ふ
松浦白梅
草の花
200407
葉桜や往生際のよき摂理
中村清志
200407
葉桜や代打はバット振り始め
後閑達雄
対岸
200407
葉桜や水面昏れゆく東京湾
関口みよ子
帆船
200408
葉櫻の小径たどれば翁の碑
大久保恵美子
遠嶺
200408
葉桜や亡き兄の椅子そのままに
浜野茂
百鳥
200408
葉桜や露国の兵のねむる丘
木村仁美
馬醉木
200408
葉桜の風に飼はるる仔牛かな
大山里
200408
葉桜の影を拾ひて下校の子
柳生千枝子
火星
200408
葉桜のおしやべりを風吹き過ぐる
柳生千枝子
火星
200408
葉桜の二月堂より三月堂
中村洋子
風土
200408
葉桜となりざうざうと垂れ下がる
辻恵美子
栴檀
200408
葉桜や用水に水満ちて来し
古川昭子
栴檀
200408
葉桜となつて石仏見えざりき
浦松静子
築港
200408
葉桜 3→      

 

2021年5月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。