2023年10月12日

稲 架 5   100句

朴葉味噌焼くひとつ家に残り稲架   寺内一砂   松相撲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
高稲架の緞帳掛けし生家かな 山本久江 201412
父母よそつと開けたる稲架襖 山本久江 201412
粗筵広げ高稲架外しをり 山本久江 201412
尼寺や尼が身丈の小豆稲架 森脇貞子 雨月 201412
稲架ときて村中軽くなりにけり 吉永すみれ 風土 201412
天が紅稲架は暗きに沈みをり 原田達夫 201501
すこやかや稲架の端より暮れ始む 齋藤厚子 201501
稲架解くや日は遠山の背に沈み 齋藤晴夫 春燈 201501
稲架襖月に眠りを深くせり 樋口英子 201501
掛け足して真中しなひし大根稲架 佐藤淑子 雨月 201501
稲架かけて己れ励ます風を享く 鴨下昭 201501
稲架掛けの赤米束の五つなる 田尻勝子 六花 201501
引越しのトラックがゆく稲架の道 平居澪子 六花 201501
電線の雀の群れは棒稲架へ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201502
稲架組んで故山の裾の広がりぬ 田中とし江 201502
稲架掛けの終り胡坐の男達 岡野里子 末黒野 201502
四分六にかけたる稲架の裏表 山本久江 201502
稲架襖影を濃くして暮誘ふ 竹田ひろ子 ろんど 201502
稲架襖あをき匂ひを放ちけり 笹村政子 六花 201502
稲架襖八海山の影届く 平居澪子 六花 201502
段畑のすそひろがりや大根稲架 市川玲子 馬醉木 201503
稲架木寂ぶ稲のすべてが取り去られ 関桂二 201504
葬列のかくれ了せぬ稲架襖 木下夕爾 春燈 201508
稲架ぶすま夜々あたたかき月あげぬ 木下夕爾 春燈 201508
棒稲架に昼の小雨のきたりけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
稲架掛けの夫婦阿吽の呼吸かな コ田千鶴子 馬醉木 201512
風そよぐ稲架のふくらむ日和かな 中島昌子 201512
稲架組むや郵便船が近づき来 竹内弘子 あを 201512
口中に砕く塩飴稲架襖 生田作 風土 201512
山よりの風の育む稲架の艶 野坂民子 馬醉木 201601
温泉煙の通ひ雲仙稲架日和 城台洋子 馬醉木 201601
豆稲架や畑を占めて挙り立つ 池田光子 201601
碧天の日差し受け止め稲架襖 森清堯 末黒野 201601
ひとつ田にひとつ稲架立ち山晴るる 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
稲架襖村がずしんと重くなる 吉永すみれ 風土 201602
高稲架や内海の風静かなる 廣畑育子 六花 201603
五月晴れ去年の大稲架残りたる 赤堀洋子 万象 201609
風に揺れ日に乾きゆく稲架親し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
かつらぎの風勇みたつ稲架襖 窪田粧子 馬酔木 201611
棒稲架の縦列揃ふ出羽盆地 吉田政江 201612
雲流る八ヶ岳真向ひに稲架組みて 柴田ふさこ 201612
お薬師の山を下れば稲架襖 内藤静 風土 201612
刈り株のまだ新しく稲架襖 石井秀一 風土 201612
稲架襖帰郷の我をたぢろがす 竪山道助 風土 201612
埒の無き大き雨粒稲架襖 荒井和昭 201612
新品種札つけてあり稲架の先 小松敏郎 万象 201612
田の神の帰り支度は稲架の蔭 内海良太 青嶺 201612
稲架幾重砦の如く組まれあり 堀田こう 雨月 201701
稲架幾重かけて田んぼの畑じまひ 堀田こう 雨月 201701
稲架襖の向かうも同じ風のあり 近藤紀子 201701
棒稲架の影連ね合ふ峡日和 鈴木漱玉 馬醉木 201701
稲架解いて大敷網を間近にす 岩木茂 2023年10月12日
片方を崖に突き刺し稲架を組む 岸洋子 201701
忘れられたやう稲架木とその影と 広渡敬雄 201701
駐在所前の田んぼに稲架組まれ 瀬島洒望 やぶれ傘 201701
空稲架に八海颪哭きにけり 森山暁湖 万象 一本は庭にさし込む稲架支へ 中川句寿夫 ここのもん 201705
落雁にしめり気少し稲架日和 中川句寿夫 ここのもん 201705
稲架たたむ音の能登島日和かな 中川句寿夫 ここのもん 201705
峡も奥稲架一本の冬隣 手島南天 万象 201705
村にまだ大字小字稲架襖 佐藤保子 馬醉木 201712
稲架解くや足下に荒き日本海 早川俊久 馬醉木 201712
稲架の棒役終え風とじゃんけんぽ 七郎衛門吉保 あを 201711
ノート手に稲架を見てゐる小学生 箕輪カオル 201712
田の神の安らぎをらむ稲架日和 高橋あさの 201712
人去りて山影の伸ぶ稲架の里 五十畑悦雄 201712
下校時の景色の変る稲架の道 荻布貢 201712
棒稲架に沿ひて咲きたる嫁菜菊 廣畑育子 六花 201801
単線の谷川に沿ひ稲架に沿ひ 金森教子 雨月 201801
国引きの海の蒼さに稲架高し 塩見英子 雨月 201801
石見路や高稲架襖雨たたく 市川村欽子 雨月 201801
信長の世を語りもし稲架を組む 小木曽文明 雨月 201801
まだ青き匂ひ放ちて峡の稲架 大内マキ子 万象 201801
稲架掛けや稲たば少しねぢりては 升田ヤスヱ 六花 201712
阿夫利嶺の景を変へたり稲架襖 石黒興平 末黒野 201802
酒米の稲架や豊かな日の溢れ 石川倜子 馬醉木 201802
豆稲架を残して宇陀の日暮れかな 上辻蒼人 風土 201803
前山の影深々と大豆稲架 杉田智榮子 馬醉木 201803
高稲架を解きて日本海まとも 岸洋子 201803
青空を一枚にして稲架を解く 西住三惠子 201804
高稲架に夕日を集め阿騎野かな 上辻蒼人 風土 201901
ひつぢ田に稲架用パイプ束ねられ 渡邉孝彦 やぶれ傘 201901
山の田に小さき稲架の立ちにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201901
子らの列稲架の向うにかくれけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201901
岩木山野武士の如く稲架守る 碇天牛 雨月 201901
初穂組む稲架長々と弥彦神 山口誠 馬醉木 201901
豆稲架に音なく雨のきてをりぬ 斉藤マキ子 末黒野 201902
高稲架の裾ひんやりと暮れ初めて 石黒興平 末黒野 201902
稲架組んで農夫暫しの休みかな 大橋晄 雨月 201902
洛北のすとんと暮れて稲架の棒 浅田光代 風土 201902
湖へ立ててあふみの蕪稲架 橋添やよひ 風土 201902
神の田に一竿だけの稲架を組む 河原敬子 201904
空稲架や触れむばかりに山の星 深川淑枝 201904
稲架組みし縄の端垂るる山日和 深川淑枝 201904
稲架道を過ぎ急坂の道つづく 工藤ミネ子 風土 201905
稲架かけしばかりの色をしてゐたる きくちきみえ やぶれ傘 201911
日暮まで父と勤しむ稲架仕事 田中嘉信 春燈 201912
ビル中に稲架の組まれて山羊もゐて 加倉井たけ子 201912
稲架けて棚田いよいよ砦めく 南うみを 風土 201912
稲架の竹結ひ干す人ら親しくて 磯野しをり 雨月 202001
稲架襖丸みを帯びて来りけり 上辻蒼人 風土 202001
稲架 →6

 

2023年10月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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