稲 架 3   124句

夕づくといよよ賑はふ谷戸の稲架    齊藤良二

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕焼けのひろごりひろごる稲架組めよ 定梶じょう あを 200512
稲架解けば欣々然と夕日落つ 定梶じょう あを 200512
はらからいかに豆稲架鳴らす風の音 木村風師 馬醉木 200601
稲架組んで夜は酒こぼす膝頭 淵脇護 河鹿 200601
空稲架や雲に風立つ裏火山 淵脇護 河鹿 200601
稲架ぶすま夕日にすがる棚田かな 小牧弘治 河鹿 200601
稲架棒に加へて新しき丸太 岡崎桂子 対岸 200601
稲架立ちて飛鳥源流細りたる 江崎成則 栴檀 200601
金星の英気もらひて稲架掛くる 禰寝瓶史 京鹿子 200601
稲を掛けガードレールを稲架とせる 加地芳女 雨月 200601
稲架の足一つは畦をまたぎをり 小泉豊流 酸漿 200601
稲架とれし畦に残れる草紅葉 小泉豊流 酸漿 200601
帰る子も稲架も影絵の田圃道 大西裕 酸漿 200601
豆稲架の莢のはじける山日和 生田恵美子 風土 200601
稲架解きて老人会の旅プラン 安部暘子 四葩 200602
大根稲架鈴鹿河原に組まれつぐ 村山春子 200602
電柱にいつか灯ともる稲架襖 八木柊一郎 ぐろっけ 200602
稲架の空夫は仰いでをりしかな 物江昌子 六花 200602
豆稲架の乾きし音の湖夕日 須永トシ 栴檀 200602
沖へ雨逸らす豆稲架与謝郡 橋添やよひ 風土 200603
稲架解きて焦点のなき野となれり 岡淑子 雨月 200603
雫まだ怺へてゐたる雨の稲架 柴田佐知子 200603
空稲架の日まみれに年詰まりけり 浜口高子 火星 200604
家よりも高き稲架組平家谷 辻恵美子 栴檀 200604
稲架立ちていよよ峡の田暮れやすし 間宮陽夫 馬醉木 200612
家族とは父とは畦の稲架襖 小澤克己 遠嶺 200612
義経の妻子の墓や螺旋稲架 神蔵器 風土 200612
頭から稲架へ突つこむ雀かな 南うみを 風土 200612
そこここに低き稲架立つ隠れ里 今越みち子 万象 200701
稲架襖隠れキリシタンありし村 松崎鉄之介 200701
村を守る盾のごとくに大根稲架 野辺祥子 200701
鉄塔の影伸び稲架の列を切る 大山清 200701
殉教の地の稲架の丈寸縮り 笠井育子 200701
棒稲架や金色堂を守る村 浅田光代 風土 200701
稲架のなき紀の川平野風走る 林和子 200702
稲架丸太寝かせ数へて束ねられ 有吉桜雲 200702
黒米の高稲架干しやかたくなに 高村俊子 万象 200702
稲架襖揃つて友の里歩き 橋本良子 遠嶺 200702
高稲架を解くも越後の冬支度 山本喜朗 雨月 200702
箱根路や白の眩しき大根稲架 小長井弘子 万象 200703
阿夫利嶺の裾まで晴れて稲架組めり 田中久仁子 万象 200708
新稲架や空に夢浮く遠筑波 上原重一 200711
棒稲架を解けば出てくるばつたかな 鴨下昭 200712
満月の稲架父の国母の国 有働亨 馬醉木 200712
落日や刈田を覆ふ稲架の影 浅野恵美子 酸漿 200712
湯沢駅稲架と案山子のお出迎へ 赤座典子 あを 200712
野の川を挟みて立てり稲架襖 橋本貞二 酸漿 200712
風林火山の甲斐の山里稲架の列 井上紀子 200801
浄瑠璃寺裏稲架干の唐辛子 水谷芳子 雨月 200801
稲架日和笑ひ仏と讃へけり 水谷芳子 雨月 200801
高稲架や投げ手受け手の息揃ひ 堀井英子 雨月 200801
明るさは稲架の解かれて芝居小屋 栗栖八重子 ぐろっけ 200801
空稲架に拾ひ日和の海鳴れる 長沼三津夫 200801
空稲架に豆干す舟屋楯として 木船史舟 200802
陽の香溜む稲架に遠嶺の暮れ残る 松本鷹根 京鹿子 200802
大根稲架地蔵の肩も借りてをり 山本とみを 200802
稲架解いて耀き出しぬ峡の川 佐藤山人 200803
稲架かけて出羽三山を担ぎ上ぐ 薗田英治 遠嶺 200803
谷地の稲架みじかし日差しふつくらと 内山花葉 200803
大根稲架の杭を打ち込む富士の晴 神田美穂子 万象 200807
稲架解きて竹ばらばらに転がれり 藤田宏 長城 200808
稲架の続きに母あり響く海もあり 伊藤白潮 200810
永別や稲架のつづきの影は師か 戸田和子 200811
義経の墓遠巻きにらせん稲架 神蔵器 風土 200811
稲架支度浅間に星のはやく出る 戸田和子 200812
夢千代の看板と稲架並びをり 山口キミコ 200812
繊月のねむれるごとく稲架太る 小堀寛 京鹿子 200812
一切経蔵する山へ稲架の道 延広禎一 200812
湖の色濃き日淡き日稲架乾く 服部菰舟 雨月 200812
稲架襖めぐらしてゐる輪中村 水谷靖 雨月 200812
尊氏が母の在所や稲架襖 浜福恵 風土 200812
刈り終へて谷戸の陽を堰く二段稲架 落合晃 200901
稲架の豆幾世を繋ぎ明日香村 水原春郎 馬醉木 200901
稲架を解く産土さまの膝下より 徳井節子 馬醉木 200901
空稲架に上州の風吹きぬけり 薗田英治 遠嶺 200901
高稲架の切れ間切れ間を貨車過ぎる 近藤敏子 200901
稲架くぐりくぐり落穂を拾ふ母 木内博一 春燈 200901
高稲架に烏は鳴きに来てをりぬ 辰巳あした 雨月 200901
晴るる日は普賢岳載せたり稲架襖 城台洋子 馬醉木 200902
稲架のびる視界飛行雲に譲る 松本鷹根 京鹿子 200902
千枚田稲架解かれゐて無一物 久保田由布 ぐろっけ 200902
大根稲架組むに主峰をまづ拝む 中西咲央 炎環 200903
稲架かげを翔ちし烏や十三夜 八田木枯 晩紅 200908
高稲架にしづみ貴船の祭宿 八田木枯 晩紅 200908
稲架の門手毬つきつつ出て来たる 八田木枯 晩紅 200908
さはさはと鴨の渡るや稲架の月 八田木枯 晩紅 200908
高稲架にかくれつ朝熊電車かな 八田木枯 晩紅 200908
豆稲架や湖国に高き山あらず 長谷川閑乙 馬醉木 200911
峡の田の一枚毎に稲架一つ 三浦百合子 200911
小学校フェンスが稲架となりにけり 早崎泰江 あを 200911
新稲架の地を指す力頼もしき 水上陽三 200912
高稲架や八海山を遥かにす 鈴木靜静恵 春燈 200912
田の一広がりや残る稲架 阿部ひろし 酸漿 200912
どの稲架も小さき峡の棚田かな 大橋伊佐子 末黒野 201001
稲架組んで里は暮色につつまれし 曷川克 遠嶺 201001
高稲架や母のうぶすな尋ねをり 野口光江 遠嶺 201001
連山の影と向き合ひ棚田稲架 田中一美 ろんど 201001
限界といふ撓ひやう稲架の竿 柴田良二 雨月 201001
稲架月夜伊吹は闇を深めゐて 水谷靖 雨月 201001
稲架打ちの谺は天へつつ抜けに 水谷靖 雨月 201001
稲架竹のこぞりて残る谷戸田かな 谷合青洋 酸漿 201001
手作業の稲架の傾ぶき深きこと 小林昌幸 201001
一列に足らふ稲架立ち町の小田 小川玉泉 末黒野 201002
稲架外し潮騒高く聞えくる 河野尚子 万象 201002
豆稲架を風の吹き抜く母郷かな 中島知恵子 雨月 201002
稲架の中富士に向ひて電車行く 矢崎暉文 酸奬 201002
暮れなづむ稲架の陰より人の声 有吉桜雲 201003
稲架を解く軽トラックを田にいれて 天野美登里 やぶれ傘 201004
生駒嶺を白き雲ゆく稻架襖 竹貫示虹 京鹿子 201010
鶏鳴のひときは高く稲架日和 佐久間由子 201010
風に乗り銀座に稲架の出現す 篠田純子 あを 201011
腰砕けなる棒稲架の二つ三つ 池田崇 201012
おほばばの畦に繰り出す稲架日和 和田満水 201012
稲架消えて関東平野の雲疾し 鴨下昭 201012
農学部やや不揃ひの稲架を組む 久保田雪枝 雨月 201012
若者の稲架飛び越えて行きしまま 麗秀麿 201101
夕茜小鷺の翔てる稲架襖 森清信子 末黒野 201101
新幹線と平行に稲架組まれあり 柿沼盟子 風土 201101
高稲架を解けば夜風のつのりくる 小林洋子 万象 201101
棒稲架の百に夕日の差しにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201101
稲架襖立ち悠揚と山河あり 川村欽子 雨月 201102
組む稲架の井桁の形や町の小田 小川玉泉 末黒野 201102
棒稲架の稲の乾きを風に聞く 小林清子 末黒野 201102
西麻布の稲架に西麻布のすずめ 篠田純子 あを 201102
稲架→4      

 

2021年10月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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