稲 架 2   100句

退院の稲架中走る車哉    伊万里梅城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
稲架組まれ乾ききつたる大地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200210
車窓より稲架飛んでゆく飛んでゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200210
枯色を極め都心の稲架なりし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200210
稲架長き砺波にけふの日の落ちる 深川知子 雲の峰 200210
谷川の風吹き上がる稲架襖 松本静香 帆船 200211
稲架襖雄牛にひま出されたる 山田六甲 六花 200211
十段もあらうか奥能登稲架襖 神原操 雨月 200211
稲架竹の青きは重し担ぎ合ふ 木船史舟 200212
稲架解くや古びし竹は音にぶく 木船史舟 200212
大文字焼の山とや稲架襖 雲所誠子 帆船 200212
稲架を見よ林檎を見よと千曲川 大串章 百鳥 200212
稲架日和遅れし昼のバスに乗る 竪ヤエ子 雲の峰 200212
筑波晴一番刈りの稲架を組む 鮎川富美子 200212
新稲架の香のみちびける夜の道 林敬子 酸漿 200212
新しき棒を加へて稲架結へり 高柳かつを 百鳥 200212
高稲架の支柱の男結びかな 柿澤喜三郎 百鳥 200212
稲架脚の叩き合ひして土落す 小橋末吉 対岸 200212
高稲架や会津の里の水うまし 清水ミツコ 200301
高稲架の下で昼餉の家族かな 小出昭夫 円虹 200301
高稲架の上で見上げる青い空 小出昭夫 円虹 200301
高稲架を架けて帰りし月明り 小出昭夫 円虹 200301
水どころ酒どころ稲架めぐらせり 甲斐遊糸 百鳥 200301
千曲川眩し積木のやうな稲架 塩谷康子 百鳥 200301
三輪車稲架組む父を見上げけり 甲斐よしあき 百鳥 200301
稲架襖残しこの村嫁して去る 横山佳世子 築港 200301
若若し青掛けの稲架襖長し 横山佳世子 築港 200301
稲架襖昔ながらのはさぶすま 横山佳世子 築港 200301
蕎麦稲架や五番札所はその先に 西山美枝子 酸漿 200301
郊外の小さきたんぼに稲架の立つ 白石秀雄 酸漿 200301
しっかりと広く稲架脚富士裾野 鈴木てるみ ぐろっけ 200301
稲架掛けの束叩きこみ叩きこみ 足利ロ子 ぐろっけ 200301
まだ一人隠れてゐるや稲架の中 藤野力 馬醉木 200302
豆稲架の豆はじき出す日和かな 堀川福子 馬醉木 200302
深吉野の伏兵かとも忘れ稲架 山下佳子 200302
靄霽れし車窓に現るる稲架の陣 田口勝彦 遠嶺 200302
開田村植田に映す通し稲架 松崎鉄之介 200308
村老いて稲架低くなる田圃道 浜明史 風土 200310
いち日の稲架が眩しき時刻なり 宮津昭彦 200311
新稲架やまた登校の手が触れて 遠藤真砂明 200311
稲架の香を纏ふ新興住宅地 北吉裕子 雲の峰 200311
稲架立ちて過疎の山里砦めく 泉田秋硯 200312
稲架襖信州の山隠したる 塩川雄三 築港 200312
稲架棒やまつさかさまに波頭 丸山照子 火星 200312
正面に五岳を据ゑし稲架襖 遠野萌 200312
低く小さく稲架を組みたる棚田かな 高倉和子 200312
稲架解きて風かるくなる昼の月 沖島孝光 200401
稲架乾く里の入日の大きかり 平田はつみ 馬醉木 200401
高稲架が並ぶ田があり小谷村 大川嘉智香 築港 200401
庄内や遠山屏風稲架襖 鷹羽狩行 200401
稲架襖解きて波音鮮しき 清水明子 遠嶺 200401
稲架組んでほつほつ点る湖の村 淵脇護 河鹿 200401
峡の田にただ一列の稲架が立つ 梅田秀子 酸漿 200401
稲架片し畑すみに見る唐辛子 山嵜ヤス子 酸漿 200401
大稲架に谷塞がれて山田かな 堀口睦子 草の花 200401
稲架組みて星に近づき過ぎしかな 戸田和子 200402
遠山の淡き夕日や稲架幾重 倭文ヒサ子 酸漿 200402
町中に残る田のあり稲架日和 国分七穂 酸漿 200402
大根稲架日がな霧島颪かな 山内須磨子 草の花 200403
月明りたよりに稲架をかけしこと 高倉恵美子 200404
相模野の稲架の匂いや亡父母想う 物江晴子 八千草 200405
稲架組んで越後の景の整へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
稲架かけて瀬戸の小島のかくれけり 細川知子 ぐろっけ 200410
稲架解かれ前に暮色の五ヶ所湾 小山漂葉 酸漿 200411
日へ胸を大きく反らし稲架掛くる 白井剛夫 200412
束の間の夕焼のありて稲架ぶすま 鈴木五鈴 草の花 200412
颱風禍稲架倒壊す其処此処に 河中透水 雨月 200412
稲の束運び運びて稲架満す 青木民子 酸漿 200412
稲架解けば一本の棒風吹けり 松本淳子 対岸 200412
稲架跡に雀追ひたるブリキ缶 朝妻力 春耕 200412
稲架解きし対馬に山の押し合へり 柴田佐知子 200412
稲架かけて秩父連山浮き立てり 鈴木とし子 遠嶺 200501
即身仏稲架ある寺に暮れてをり 鎌倉喜久恵 あを 200501
稲架高し三日続きの日本晴 窪田粧子 馬醉木 200501
奥能登や八段掛の稲架襖 常澤俶子 200501
高稲架を解いて海風よろこばす 常澤俶子 200501
畦道へ少しはみ出す稲架の影 三栖隆介 200501
撓みきて田に沈みけり稲架の脚 米沢しげる 春燈 200501
空稲架の脚をゆさぶり抜きにけり 小橋末吉 対岸 200501
稲架かけの佐久煙らせて田に焚けり 廣畑忠明 火星 200501
校庭に実習の稲架組まれたる 平岡千代子 百鳥 200501
稲架組みて水平線を眺めをり 小野寺靖 百鳥 200501
稲架蔭に仕舞ひのお茶を啜りけり 有島扇水 河鹿 200502
稲架組むや遠く田の神見てゐたり 蒔元一草 河鹿 200502
枯れ色に豆稲架の鳴る干拓地 青山悠 200502
新人の組む青竹の稲架二つ 里中章子 200502
ひとゆすりしては大根を稲架に掛く 水谷芳子 雨月 200502
空稲架に日の当たりをり波の音 杉浦典子 火星 200502
稲架解いて峡の一つ家丸見えに 木内美保子 六花 200502
村老いて稲架みな低くなりにけり 清水ミツコ 200502
大琵琶の浜の高稲架襖かな 粟津松彩子 ホトトギス 200503
豆稲架へ横一列に猿の群 海野みち子 万象 200504
稲架の杭畦に残して鶴引けり 淵脇護 河鹿 200505
小さき稲架今年も並び峡安堵 藤谷いきお 200505
日溜の稲架にほどよき干大根 吉原すみ子 200505
稲架低く野をおほひたる津軽かな 上崎暮潮 ホトトギス 200506
三角田の二辺に立つる二段稲架 牧悦子 200512
棒稲架の一郎二郎生れ小昼 北川英子 200512
詮もなし明日扱ぐ当ての稲架に雨 神田一瓢 雨月 200512
街中に稲架の匂へる一乗寺 神蔵器 風土 200512
空稲架に午後は海鳴るばかりなり 長沼三津夫 200512
稲架→ 3      

 

2021年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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