初空(初御空) 2     116句

いづくともなき合掌や初御空    中村汀女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
南北の戦抱きて初御空 佐藤仁 200505
富士を彫り上げて初空ありにけり 木村享史 ホトトギス 200507
神となる樟の大樹や初御空 若泉真樹 200507
初空や富士見通りの水溜り 石川賢吾 200507
初空や霊峰ひらく法螺こだま 鈴木漱玉 馬醉木 200512
初空にルネッサンスの志 能村研三 200601
鵜の群の礁むらさきに初御空 水田清子 200601
初空や波の高きを漕ぎゆかむ 戸村よねこ 遠き海 200602
駅伝や勝つも負けるも初御空 梶井和呼 酸漿 200603
気ままなる雲の流や初御空 村田さだ子 酸漿 200603
初御空思考の翼拡げなむ 大橋麻沙子 雨月 200603
初御空つきぬけて消ゆ飛行雲 東亜未 あを 200603
起き臥しの視野に六甲山(ろつこう)初御空 山下青坡 200604
初空の雲なく心澄み渡る 長沢よしや 200604
かん高き声の行き交ふ初御空 片岡静子 200604
初空の果なき青を畏れけり 大橋麻沙子 雨月 200604
初空や鉄路に沿ひし日本海 尾崎和子 百鳥 200604
初御空あおぐ全身ちからこめ 藤原浩 栴檀 200605
初空の一方を占むる大富嶽 瀧春一 常念 200606
今年何をなすべき初御空真青 岩岡中正 ホトトギス 200606
初御空銅茸屋根に鳥衾 北原東洋男 200703
見開きし嬰の眼に光る初御空 甲田雅子 200703
初空を拝してまづは祈りけり 坂本知子 酸漿 200703
一世紀生き抜き仰ぐ初御空 三澤たき 万象合同句集 200703
初御空櫻岳噴きて立つ煙 原田圭子 ぐろっけ 200703
初空にぼた山威儀を正しけり 松嶋一洋 200703
雲一つ置かぬ無縫ひの初御空 中村悦子 200703
初空のジャパンブルーや比良比叡 山口順子 200704
初空や波止に掲ぐる大漁旗 村上絢子 馬醉木 200704
初空ヘヒマラヤ杉の偉を張れり 小堀眞由美 200704
初空へ決然と発つ鳥飛沫 小山徳夫 遠嶺 200704
道産子の嘶き交す初御空 林陽子 万象 200704
大仏へ子を掲げゆく初御空 丸山照子 火星 200704
初空として青空を賜りし 稲畑汀子 ほととぎす 200801
のびのびと槐並木の初御空 高橋将夫 200801
白山の水美しき初御空 高橋将夫 200801
初御空放浪の先定まらず 宇都宮滴水 京鹿子 200801
初御空晴れて風なし富士筑波 鈴木阿久 200803
しろがねの機影ひとすぢ初御空 大川冨美子 ぐろっけ 200803
雲一つなき紺碧の初御空 梶井和呼 酸漿 200803
初御空背面跳でもしてみるか 佐藤喜孝 あを 200803
神杉の鉾そろひたり初御空 間宮あや子 馬醉木 200804
月も残りて日の出待つ初御空 西宮舞 200804
翼なきものは仰ぎて初御空 尾生弘子 200804
飛行機雲のぐんと伸びゆく初御空 上原朝子 200804
神武天皇船出の浜や初御空 奥田茶々 風土 200804
初御空始発電車の加速して 北島和奘 風土 200804
シーラカンスの鰭の八方初御空 雨村敏子 200804
乳飲み子の淡き衣のいろ初御空 服部早苗 200804
初空やメタセコイアの號珀色 森佳子 遠嶺 200804
初空へ凧の助六見栄を切る 高橋スミ子 万象 200805
悠然と鳶すべりゆく初御空 久世孝雄 やぶれ傘 200805
両の手を初御空へと伸べにけり ことり 六花 200901
しののめといへば皇居の初御空 鷹羽狩行 200902
この山河ありて吾あり初御空 南光翠峰 馬醉木 200903
今年またこの一角に初御空 鈴木阿久 200903
野良猫の同じかほぶれ初御空 佐藤午後 炎環 200903
高翔るヘリや鳶や初御空 安立公彦 春燈 200903
初空ヘガウディの意志またも伸ぶ 北川英子 200903
初御空たゆまず牛の歩みかな 王岩 あを 200903
前を向き琢磨を誓ふ初御空 村瀬八干代 遠嶺 200904
古代より太陽は神初御空 丹生をだまき 京鹿子 200904
初空や重なり晴るる甲斐信濃 宮崎安汀 春燈 200904
初空にしばらく耳を澄ましけり 太田佳代子 春燈 200904
調教の馬のたてがみ初御空 高木篤子 ぐろっけ 200904
人生のほどよき疲れ初御空 松本平八郎 炎環 200904
初空や雪にしづもる村あかり 樋口みのぶ 200904
初御空ふるはせて発つ一番機 青山悠 200905
初御空赤子がまるき手をひらく 苑実耶 200905
初御空鴉東へ鳩西へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
大日の心なりける初御空 高橋将夫 201001
真影を水面に映す初御空 高橋将夫 201001
ひとつ打つニコライの鐘初御空 徳田千鶴子 馬醉木 201001
白松の幹亭々と初御空 白澤よし子 馬醉木 201003
神奈備をまん中にして初御空 豊田都峰 京鹿子 201003
入母屋は翼のかたち初御空 望月晴美 201003
初御空飛行機雲の交差して 仁平則子 201003
鳳凰の飛び立ちにけり初御空 今井弘雄 春燈 201003
初空を衝きて伸びたる松大樹 冨田君代 酸漿 201003
おだやかに千木は光りぬ初御空 村上洋子 201003
凧一ツ二ツ三ツ欲し初御空 木村茂登子 あを 201003
鳥影の自由自在に初御空 清水侑久子 201004
首高く麟麟の舐める初御空 和田照子 201004
神鈴のけふは鳴りづめ初御空 井上美智子 201004
父と娘の凧高々と初御空 福田漣 201004
初御空ヘリに吊らるるジープかな 山上良江 万象 201004
御手洗は瀬戸のへそ島初御空 和田照海 京鹿子 201004
初御空一羽たちゆく遠茜 松本鷹根 京鹿子 201004
玉砂利のふくふくと鳴る初御空 近藤きくえ 201004
こじゅけいの羽音の響く初御空 堀口香代子 ぐろっけ 201004
事なきを祈る慣ひや初御空 宮田豊子 春燈 201004
雨戸開け大きく息を初御空 小川玉泉 末黒野 201004
丹頂の高らかに舞ひ初御空 横山義恭 201004
アルペンの聳ゆる偉容初御空 辰巳比呂史 201101
計画は大まかでよし初御空 高橋将夫 201101
初空や手に入れるべきもの二つ 常田創 201102
初空の蒼極まれり竹とんぼ 水原春郎 馬醉木 201102

 古屋元句集『都会歳時記』

メタリックな都会風景初御空

能村研三 201102
天を突く未完のタワー初御空 前川ユキ子 201103
初御空松も色濃く静かなり 續木文子 あを 201103
海近き街の明るさ初御空 小渕二美江 春燈 201104
初御空金剛山こんごう葛城山かつらぎ指呼の間 山下青坡 201104
ヨット部に無限大なる初御空 高田令子 201104
戦闘機の音を見上げし初御空 幡丸山照子 火星 201104
起きぬけの白湯の一杯初御空 藤田素子 火星 201104
ゆつくりと雲に埋もるゝ初御空 蟻蜂 六花 201104
白雲の兎かけくる初御空 三崎千恵子 ろんど 201104
老杉の齢を仰ぐ初御空 堀田こう 雨月 201104
生ひ立ちて老いたる町の初御空 國保八江 やぶれ傘 201106
鳥一声吾れも一声初御空 久津見風牛 201107
初空や何故か亡父の下駄をはく 藤井杏愛 京鹿子 201501
しらじらと月を東の初御空 山本丈夫 201503
朱の鳥居潜るや淑と初御空 田中淺子 201503
初空を翔ける夢もつ十五才 岸上道也 京鹿子 201504
自叙伝へ自転公転初御空 柳本渓光 ろんど 201504
アポロンの纏う緋衣初御空 松川悠乃 ろんど 201504
初空→ 3      

 

2021年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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