初 夢 4     117句

初夢ののなかをどんなに走つたやら   飯島晴子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初夢を見んと敷布の皺伸ばす 布川直幸 201601
初夢や初恋人の歯を作る 四條進 201603
初夢の仙境らしきところまで 大畑善昭 201603
初夢の真中に大いなる楕円 辻美奈子 201603
初夢やいちまいの羽探しゐる 塩貝朱千 京鹿子 201603
初夢や戯れあそぶ嬰と猫 沼田巴字 京鹿子 201603
初夢や今の私はこんなもん 辻響子 201603
初夢や子規漱石の門下生 七郎衛門吉保 あを 201603
初夢とおもへぬ夢を見てしまふ 五十嵐章子 201604
初夢のうやむやのまま覚めにけり 加藤千春 春燈 201604
初夢の覚めて恋しき人ひとり 伊藤百江 春燈 201604
初夢は猿と混浴してる夫 萩原久代 やぶれ傘 201604
初夢のさめてふるさと遠ざかる 松田泰子 末黒野 201604
初夢に現れて黄泉路の友二人 西川みほ 末黒野 201604
七十路の初夢空を飛びにけり 中村月代 末黒野 201604
初夢や壺中の天に義母の顔 重田修 末黒野 201604
初夢の忘れて二度寝仕る 宮地静雄 末黒野 201604
初夢や慌てふためく人のをり 今井充子 201604
七十路の初夢に見し英会話 上村葉子 風土 201604
初夢や夫とウィーンに遊びをり 片岡良子 雨月 201604
初夢の母はちよこんと正座して 平野みち代 201604
初夢の天鈿女命かな 中島芳郎 201604
初夢の端を誰かが踏んでゐる 井上菜摘子 京鹿子 201605
初夢の名句けろりと消ゆ目覚め 西川みほ 末黒野 201605
美しき初夢を見る願ひあり 岩岡中正 ホトトギス 201606
夢のよな初夢みようよカボチャでさ 寺田伸一 船団 201612
初夢や若き日の吾に戻りゐし 稲畑汀子 ホトトギス 201701
辻棲の合ふ初夢のめでたさよ 稲畑汀子 ホトトギス 201701
初夢や我が人生の一頁 稲畑汀子 ホトトギス 201701
初夢や亡き父母がゐて妹ゐて 中野あぐり 春燈 201701
初夢の写し出したる涅槃かな 沼田巴字 京鹿子 201701
初夢に色あれば今鳥は翔ち 鈴鹿仁 京鹿子 201703
初夢のつひに辻棲合はぬまま 山口ひろよ 201704
初夢のひとりはうしろ歩きして 齋藤厚子 201704
初夢の有為の奥山迷ひけり 中島芳郎 201704
初夢の赤子すたすた歩きけり 宮井知英 201704
初夢の星星めぐる列車かな 寺田すず江 201704
初夢や地獄の沙汰を聞き洩らし 平野多聞 201704
初夢や笑顔で招く考と妣 今村千年 末黒野 201704
初夢や記憶の人のみな優し 及川照子 末黒野 201704
初夢に亡き母の佇つ向う岸 平井改子 風土 201704
初夢や紙飛行機は月面へ 村田あを衣 京鹿子 201705
初夢や麗し男の子と話せり 秋川泉 あを 201703
初夢のためにフランス製まくら 藤井啓子 ホトトギス 201705
覚めて笑む初夢なりき佳しとせむ 岩井京子 201706
初夢に思ひ出したくなき事も 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
ぬばたまの初夢に句を詠みしはず 山田六甲 六花 201801
初夢の亡母は輝く菩薩かな 大日向幸江 あを 201802
初夢や弾けぬピアノを弾きまくり 柴崎甲武信 春燈 201804
初夢のグレードアップしてをりぬ 江島照美 201804
初夢や若き己に励まされ 池乗恵美子 末黒野 201804
初夢に忘れ得ぬ顔並び居り 服部珠子 雨月 201804
初夢や宇宙遊覧いつの日か 岩月優美子 201804
初夢は黄金色の鯉を抱く 延川五十昭 六花 201804
初夢を話おかしく朝餉かな 七郎衛門吉保 あを 201804
初夢や逢ひたきひとは後ろ向き 窪みち子 201806
初夢の立夫が図面引くわが家 後藤比奈夫 ホトトギス 201807
初夢に妻が出て来し珍しく 後藤比奈夫 ホトトギス 201807
初夢やくるみを一箇賜はりぬ 沼田巴字 京鹿子 201901
初夢を忘れしことにしてをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201901
初夢や家族と行きし温泉をめぐる 都築繁子 201902
片言の子の初夢を覗きたし 森なほ子 あを 201903
初夢はドローンの速度の風となり 有松洋子 201904
初夢の名句忘れて放尿す 植田かつじ 船団 201906
初夢も何故か俳句という遊び 大山夏子 201907
初夢に目つぶる力出しにけり 山田六甲 六花 202002
初夢のライン七人福を持ち 鈴鹿呂仁 京鹿子 202002
初夢の安芸伊予統ぶる野風呂岬 和田照海 京鹿子 202003
初夢はマーマレードのかおりして たかはしすなお 202003
老いぬれば不思議なことを初夢に 出牛進 202003
思ひ出せぬ初夢のこと話題とし 中原敏雄 雨月 202003
初夢の端に触れたる犬の息 中田みなみ 202003
初夢に振り向く母の割烹着 佐藤玲子 春燈 202004
諳ずる初夢占ひ利き目無し 佐藤玲子 春燈 202004
初夢の何処とも知れぬ山と河 廖運藩 春燈 202004
初夢は父在りし日の男振り 廖運藩 春燈 202004
神棚へ初夢預け湯浴みする 阪倉孝子 202004
初夢のパンのあんこが飛び出して 波戸辺のばら 船団 202006
初夢や翼をひろげ山を越え 服部早苗 202006
他愛なき初夢語る姉妹 山田閏子 ホトトギス 202006
初夢に免許返納せし母が 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
雨男返上は初夢でした 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
初夢になほ忙しさの蹴いて来る 稲畑汀子 ホトトギス 202101
熟寝して初夢の無き女かな 稲畑汀子 ホトトギス 202101
野良猫に初夢ありや寝そべりて 山田六甲 六花 202101
初夢の仲よき父母でありにけり 小泉三枝 春燈 202103
初夢や塗り替へられてゆく記憶 高橋将夫 202103
初夢のしまひは水のほとりにて 土井三乙 風土 202104
初夢の夫若かりし燕尾服 鈴木石花 風土 202104
毎年の初夢だけは気宇壮大 三木亨 202104
初夢や誰れにも告げず温めたし 山口郁子 末黒野 202104
初夢は秀句湧き出て醒めにけり 仁上博恵 202105
初夢に出てきて欲しき水見るひと 佐藤竹僊 あを 202201
初夢や干して枕の丁度良き 七郎衛門吉保 あを 202203
初夢は戦時喉から手の練羊羹 廖運藩 春燈 202204
初夢や二重廻しの亡夫帰る 西谷恵美子 春燈 202204
初夢の頬に触れしか獏の息 佐藤千恵 京鹿子 202204
初夢やほつとするやら惜しいやら 松田明子 202208
飯に卵割る初夢は早や忘れ 深川淑枝 202210
初夢の角隠しとるところまで 永淵恵子 202210
初夢を見ることもなく時は過ぐ 安立公彦 春燈 202304
初夢はこれでよいかとフロイトに 三浦民男 春燈 202304
大物の釣るる初夢無人島 太田良一 末黒野 202304
初夢や鳥獣戯画の兎追ひ 沼崎千枝 末黒野 202304
初夢や詮無き事のリフレイン 板谷俊武 末黒野 202304
初夢→ 1

 

2024年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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