初 夢 1    100句

初夢に古郷を見て涙哉   一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初夢の大魚はゆるり身をかはす 山田禮子 きらら 199600
初夢の出口に妻とすれ違ふ 神蔵器 199810
寝足りたる初夢のなき朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 199901
初夢と気づきたる時忘れるし 稲畑汀子 ホトトギス 199901
初夢や叶へたき夢育て来し 稲畑汀子 ホトトギス 199901
初夢を持ち寄る如く集ひ来し 稲畑汀子 ホトトギス 199901
初夢の覚めて忘れて一人かな 稲畑汀子 ホトトギス 199901
初夢のつづきの如く晴れにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199901
初夢の夢にはあらじ記念館 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901
初夢のおぼろげなるを音とせん 成富好乃 199901
初夢のさめて変らぬ孤愁かな 山田弘子 円虹 199901
初夢の動悸の残る張子虎 奥田筆子 京鹿子 199901
亡き夫に凭れ機席の初夢よ 品川鈴子 ぐろっけ 199901
初夢に魚の腹より出で來しもの 中原道夫 銀化 199902
初夢や一兎追ひしに二兎を得て 鷹羽狩行 199903
初夢の後ろ姿の遠きまま 山田弘子 円虹 199903
初夢に妻が来てゐて葱刻む 神蔵器 風土 199903
初夢の中にて亡夫へたばこ買ふ 長尾康子 風土 199903
初夢の富士の麓と覚しきよ 村越化石 199903
ネガの儘この初夢を仕舞ひおく 大場佳子 銀化 199903
初夢の衰へ知らぬ先師かな 川澄祐勝 春耕 199903
初夢の波音棲めるまま覚めり 奥田節子 火星 199904
初夢のめでた過ぎしをいぶかれる 小島緑泉 199904
覚めてより初夢に色加へけり 関根洋子 風土 199904
初夢や月のウサギも宙返り 高木伸宜 船団 199906
初夢に記憶つながりつゝ覚めし 稲畑汀子 ホトトギス 200001
スープ罐より初夢をとり出しぬ 青山茂根 銀化 200001
初夢に又も昔の我の居て 稲畑汀子 ホトトギス 200001
初夢にロココの間なる舞踏会 品川鈴子 ぐろっけ 200001
初夢に色あれば今鳥は翔ち 鈴鹿仁 京鹿子 200002
初夢にひとりのひとを私す 山口淳子 銀化 200002
鑑真の御目ひらきぬ初夢に 吉田汀史 200003
初夢のふはりと地球離れたり 石田静 200003
初夢のどんでん返し朝になる わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
初夢を正夢として押し通す 田村すゝむ 風土 200004
初夢の大き葛籠を貰ひ来し 栗栖恵通子 200004
初夢の竜は短かく終りけり 河野友子 六花 200004
初夢や竜宮城より案内状 松原到 ぐろっけ 200004
初夢やジャパネスクな紳士たち 川副民子 船団 200007
初夢や大魚逃がした亡夫の悲鳴 阿辺一葉 海程 200009
初夢の山高かりし他忘れ 木村風師 馬醉木 200101
初夢や千両箱を百個ほど 鷹羽狩行 200101
初夢やかの島のかの海の色 山田弘子 円虹 200101
初夢に庵木瓜紋見たり 松崎鉄之介 200101
学徒兵そのままの兄初夢に 後藤房枝 200101
初夢の母に着物を着せてもらふ 田中藤穂 あを 200101
初夢やまなじりの濡れ故知らず 岡本眸 200101
初夢のたひやひらめのなかに覚め 鷹羽狩行 200102
初夢は淡きままにて終りたり 熊谷みどり いろり 200102
初夢や逢ひたき夫を見ず仕舞ひ 大平保子 いろり 200102
初夢や娘等とのきょりを遠くして 保坂さよ いろり 200102
爬虫類見し初夢を口にせず 山本潤子 いろり 200102
初夢のけはひもなくてさめにけり 朝妻力 俳句通信 200102
初夢の後ろ姿の父であり 三代川次郎 俳句通信 200102
初夢の頭を振れば遠ざかる 後藤志づ あを 200102
初夢に仕事の手順してをりぬ 篠田純子 あを 200102
出勤の靴初夢に捜しをり 梅本豹太 200103
初夢のあやふやのまま果てにけり 棚山波朗 春耕 200103
初夢に折鶴一羽降り立ちぬ 三浦みち子 200103
余生には用なきことよ初夢は 熊谷みどり いろり 200104
老いて知る初夢などは見ず終る 熊谷みどり いろり 200104
初夢や一富士二鷹云ふけれど 松沢久子 いろり 200104
初夢の波のつづきの波の音 小林あつ子 火星 200104
初夢の鳥失せものを銜へきし 品川鈴子 船出 200104
パステルの熱気球色初夢は 須山つとむ 船団 200105
初夢に白き駿馬の来りけり 小澤克己 遠嶺 200105
初夢のパラパラダンスしてをりぬ 橋場千舟 船団 200106
初夢の乳房六つに子が六人 ゆにえす 船団 200107
初夢の龍の鱗のやはらかき 高橋とも子 200107
初夢にまで蹤いてきし仕事かな 稲畑汀子 ホトトギス 200112
初夢の白蛇は吾妻かも知れず 遠藤若狭男 200202
初夢の親より速い仔馬かな 山田六甲 六花 200202
初夢や夢なきままに醒めにけり 熊谷みどり いろり 200202
初夢や猫人肌を恋しがり 戸沢文子 いろり 200202
初夢がまさ夢となる相思かな 保坂加津夫 いろり 200202
初夢やよきことなくて終りたり 保坂加津夫 いろり 200202
初夢の中でも皿を洗ひけり 濱地恵理子 200202
初夢の野路にかの人置きざりに 山田弘子 円虹 200202

 昨年末子規の『仰臥漫録』見つかる

仰臥漫録初夢か正夢か

山田弘子 円虹 200203
初夢や小走りに人探しをり 子安教子 200203
強がりを云ふて初夢見ず仕舞ひ 保坂加津夫 いろり 200203
初夢や浅き夢にて終りたり 保坂加津夫 いろり 200203
初夢は秘めごとの夢深ねむり 保坂加津夫 いろり 200203
人ならば汚れて見たい初夢で 保坂加津夫 いろり 200203
初夢の忘れしことを悔やみけり 鎌田俊雄 いろり 200203
初夢やお祝ひをしてみたけれど 柴田美佐子 いろり 200203
初夢やみんな忘れてしまいたり 鉄田俊雄 いろり 200203
初夢や馬いななきて走り行く 渡邊仁 いろり 200203
初夢を母に話して忘れけり 小林照子 春耕 200203
初夢の金剛鈴に音もなし 水野恒彦 200204
初夢の犀に眼で言われけり 天野きく江 200204
初夢や億光年の星探る 大谷茂 遠嶺 200204
初夢に魔法の杖を貰ひけり 岡田有紀子 遠嶺 200204
初夢につひに俳句の出てきたる 佐藤京子 百鳥 200204
初夢のパセリの束の大樹かな 中村洋子 風土 200204
初夢の天馬に乗りて月旅行 天岡宇津彦 200205
初夢の伊予より来る姫だるま 高尾豊子 火星 200205
初夢は見ず君の訃のたちまちに 竹下陶子 ホトトギス 200209
初夢に仕上げし仕事繰返す 稲畑汀子 ホトトギス 200301
初夢や子規虚子の縁どこまでも 稲畑汀子 ホトトギス 200301
初夢→ 2      

 

2021年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。