初 夢 3     204句

初夢に見しふるさとは明治の世   瀧 春一

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初夢のすぐには思ひ出せぬ人 前野狼騎 200704
初夢に遊泳したる島宇宙 鈴木勢津子 200704
初夢や硨磲貝に乘り女神来る 岩月優美子 200704
初夢に寝たきりの母歩きをり 島津治子 万象 200704
初夢もなく目覚めたる老めでた 仙石君子 雨月 200704
初夢の中の父母笑み給ふ 柳生千枝子 火星 200704
初夢に母と会ひたし会ひしなり 波田美智子 火星 200704
初夢のちちははを呼ぶ気を放つ 木下もと子 200704
初夢のことば少なき逢瀬かな 藤井佐和子 200704
初夢のままにうつつの白障子 長沼三津夫 200704
初夢の腕泳がせて覚めしこと 宮津昭彦 200801
初夢やうしろ姿の師のはろか 岡本眸 200801
初夢やインクの氷る師のあたり 神蔵器 風土 200802
初夢の初恋の人瑞々し 島田山流 春燈 200803
初夢の腑に落ちぬまま覚めにけり 中原敏雄 雨月 200803
初夢の匂ひ忘れてしまひけり 高倉和子 200803
初夢のとぎれとぎれやもどかしき 鈴木多枝子 あを 200803
初夢を見ざりしことも吉とせむ 平野伸子 馬醉木 200804
初夢の教壇に立ち竦みたる 村上沙央 200804
初夢の奴はいまでも悪太郎 前野狼騎 200804
初夢の舳大きく曲りけり 戸栗末廣 火星 200804
初夢や壁を抜けたるあとさみし 深澤鱶 火星 200804
初夢の正夢たれや宝くじ 丹羽香久 春燈 200804
初夢に東司捜してをりにけり 神山志堂 春燈 200804
初夢や盧生に非ず?寿たり 山田をがたま 京鹿子 200804
初夢のゆれて泣き止む吾のゐる 竹下昌子 200804
初夢やゴリラの中に我が居る 安部里子 あを 200804
初夢の子規に秋山兄弟も 山本喜朗 雨月 200804
初夢の続きも少し見たかつた 橋本くに彦 ホトトギス 200805
初夢の野に放たれて高く飛ぶ 樋口みのぶ 200805
オーロラをまとひて踊る初夢に 近藤公子 200808
初夢や白鵬に乗り宇宙吟 小泉貴弘 筑波の道 200811
初夢や鯤にまたがり竜宮に 小泉貴弘 筑波の道 200811
忙しくなると初夢より覚むる 稲畑汀子 ホトトギス 200811
初夢を三百六十五日待つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
初夢に極彩色の君が居て 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
初夢やレム睡眠の長き君 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
初夢の話せば消えてしまふこと 稲畑汀子 ホトトギス 200901
初夢や父の読経のしはぶきを 大坪景章 万象 200901
初夢に川と鰍や故里の 滝沢伊代次 万象 200901
初夢の胸苦しくも孤閨なる 品川鈴子 ぐろっけ 200901
初夢もなく起さるることもなく 山尾玉藻 火星 200902
初夢のなかに忘れし知恵袋 鷹羽狩行 200903
初夢の母も祖父母も若かりし 須藤トモ子 200903
初夢のさめてこの世にもどり来し 吉田空音 炎環 200903
初夢を見たる寝覚めの脚のばす 柳生千枝子 火星 200903
初夢に佳き人ありぬ深吐息 柳生千枝子 火星 200903
初夢を覚ます陽ざしの中に覚め 柳生千枝子 火星 200903
牛の背に年を重ねし初夢ぞ 高木智 京鹿子 200903
初夢のことにも触れて電話了ゆ 大西八洲雄 万象 200903
初夢や広き干潟を歩きゆく 大西八洲雄 万象 200903
初夢か拳ほどいてやりにけり 佐藤喜孝 あを 200903
初夢を覚ます松籟母の郷 小島禾汀 春燈 200904
初夢や稲荷に小さき真砂女の背 廣瀬克子 春燈 200904
初夢や白馬の騎士とツーショット 隅田享子 200904
初夢やくうに鯨と白象と 冨松寛子 200904
初夢や外国の旅あらはるる 木下もと子 200904
初夢の中に出口をさがしをり 北川とも子 ぐろっけ 200904
縁起よき初夢賜ばり京の宿 服部珠子 雨月 200904
初夢の蛇に呑まれてしまひけり 松本文一郎 六花 200905
いくたびも覚めて初夢新しく 稲畑汀子 ホトトギス 200912
忘れゐし初夢思ひ出し笑ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201001
初夢のわが手のひらにかぐや姫 鷹羽狩行 201001
初夢を語る吾輩連発し 大坪景章 万象 201001
初夢は故里の山菌狩 滝沢伊代次 万象 201001
初夢の佳き結末であつたやうな あさなが捷 201002
初夢の中にもありて通ひ路 鷹羽狩行 201002
初夢の覚めて虹なき空白み 岡田和子 馬醉木 201003
初夢のただ真つ白のめでたさよ 宮内とし子 201003
「峰」高く聳える姿初夢に 佐藤健伍 201003
初夢の思ひもかけぬ人に逢ふ 棗怜子 春燈 201003
初夢のきれいな川を渡りけり 篠原幸子 春燈 201003
初夢にちちははも居り嬉しげに 斉藤裕子 あを 201003
初夢やアキレス腱が痙攣す 吉弘恭子 あを 201003
初夢の家庭教師は広目天 前川ユキ子 201003
初夢の母はほほ紅さしてをり 佐分利亮子 201004
初夢は蒼天の句碑除幕式 川口襄 遠嶺 201004
初夢や木星の縞匙ですくひ 柴田佐知子 201004
初夢の友は笑ひて生きてをり 高倉恵美子 201004
おかしくて悲し初夢語り合ふ 前川明子 201004
初夢のなかで熟睡してしまふ 竹下昌子 201004
初夢に尉斗くわへくる千羽鶴 藤岡紫水 京鹿子 201004
初夢や帆船壕を出でて飛ぶ 河村啓花 ろんど 201004
初夢に口割れど舌もつれたり 呉文宗 春燈 201004
初夢を現にもどす窓明り 網野茂子 酸漿 201004
初夢を夢の国へと忘れ来し 西宮舞 201005
初夢の覚めて大人に戻りけり 山田佳乃 ホトトギス 201006
初夢を何か見たとも見ないとも 布川直幸 201101
初夢や夢の録画も撮れるなら 大畑善昭 201102
初夢をカラーで見しが瞬時なる 和田郁子 201103
初夢のたのしみな子と眠りをり 辻美奈子 201103
初夢の醒めたる耳朶でありにける 栗栖恵通子 201103
初夢はいまだに二兎を追ふ話 豊田都峰 京鹿子 201103
初夢や溺れきる事言ふまじく 大島翠木 201104
初夢に来て意地悪なことを言ふ 根岸善行 風土 201104
初夢や亡夫と一つの傘に入り 今中道子 201104
初夢や気球に乗りてハワイ着 白髭美佐子 201104
初夢に師の現れしこと言はず 石田きよし 201104
初夢のかけらを探す寝床かな 藤田素子 火星 201104
初夢に戻りたくなる目覚めかな 近藤ともひろ ろんど 201104
初夢に母のよそれる飯無限 篠田純子 あを 201104
初夢はかなしきことをなつかしく 稲岡長 ホトトギス 201105
覚めてなほ貘が初夢喰うてゆく 稲岡長 ホトトギス 201105
旧正の初夢父母に声掛けられ 田中貞雄 ろんど 201105
初夢の句座に高浜虚子と居り 須藤常央 ホトトギス 201107
初夢のつづきといふはなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201111
初夢の蛇にぎりぎり締めらるる 長節子 201112
又一人初夢でのみ会へる人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
初夢や追ひまはさるる五七五 辻香秀 201203
初夢の善悪貘に喰はれけり 森下康子 201203
初夢の先生背に翼あり 千田敬 201203
初夢に笑ひし声の記憶のみ 栗原公子 201203
初夢を少し繕ひ話しけり 高倉和子 201203
初夢や鬼の形相迫りくる 苑実耶 201203
初夢や煩悩の星二つ三つ 鴨下昭 201203
初夢は人には言へぬうふふのふ 塩千恵子 201203
初夢の母の面影淡きかな 水原春郎 馬醉木 201203
初夢や杖をかついで駆けてゐる 芝尚子 あを 201203
初夢や筋はなけれど富士に鷹 西村純太 201204
初夢の向ふ岸から夫の声 田原陽子 201204
初夢のリアル過ぎたる淋しさよ 宮崎きみ枝 201204
初夢は宇宙の渚貝拾ひ 鶴巻誉白 ろんど 201204
初夢の父と磯釣たのしめり 福島せいぎ 万象 201204
初夢やワインレツドの恋を追ふ 塩貝朱千 京鹿子 201204
初夢を語ろうとして又忘れ 林美智 ぐろっけ 201204
初夢や恩愛満つる父母の影 井田実代子 雨月 201204
初夢やシャガールの絵の中に居る 古俣万里 ろんど 201204
初夢や夫と歩める九十九里 石井ちえ 万象選集 201205
初夢や振袖姿空をとび 栗原紀美 万象選集 201205
初夢の母は四つ身を縫うてをり 紺村雪子 万象選集 201205
初夢に寅さんと乗る駱駝かな 砂川道子 万象選集 201205
初夢や老いたる母と若き父 須賀充子 パミール越え 201206
初夢は蕉心会の中の君 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
初夢に逢ひし故人の甦る 稲畑汀子 ホトトギス 201301
初夢や白蛇に乗りて空翔くる 辻香秀 201303
初夢や秘すれば願ひ叶ひける 西村敏子 201303
初夢や「生きてゐるよ」と妣笑まふ 松岡和子 201303
「君の名は」と聞かれ初夢覚めにけり 森下康子 201303
初夢や「金」の大魚を釣り上ぐる 塩路五郎 201303
初夢や大海原を泳ぎきり 水原春郎 馬醉木 201303
亡妻と語る初夢淡く消ゆ 川井素山 かさね 201303
初夢の白狐に礼を返さるる 柴田佐知子 201303
初夢の続きのやうに人に会ふ 大川ゆかり 201303
初夢に詰襟のひと立たまほし 藤原若菜 春燈 201304
紅顔たりし恩師の面輪初夢に 市川玲子 春燈 201304
初夢や児は何色のゆめを見る 野坂民子 馬醉木 201304
初夢の姥石の上きのこあり 中島陽華 201304
初夢を思ひ出せずとひとりごと 明石文子 ぐろっけ 201304
初夢のつかみどころのなき始末 北村香朗 京鹿子 201304
初夢のちぐはぐとなる目覚かな 西川みほ 末黒野 201304
初夢や電子辞書より句のこぼれ 新倉ゆき江 末黒野 201304
初夢の中まで探し物をして 矢野百合子 201304
起き抜けの水初夢を手繰り寄す 田岡千章 201305
初夢に見しふるさとは明治の世 瀧春一 花石榴 201312
初夢のどこかが覚めてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201401
初夢や風の盆唄聞えくる 稲畑汀子 ホトトギス 201401
ふと覚めて初夢つづきなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201401
初夢に音なし色なし神田川 神蔵器 風土 201402
初夢の湯殿に遇ひし比奈夫翁 山尾玉藻 火星 201402
初夢に一人暮らしの私かな 松井季湖 201403
初夢に海原翔けてをりしかな 松崎雨休 風土 201403
初夢のいつか腕組みしてをりぬ 安立公彦 春燈 201403
初夢のたからくじとぞ買はざりき 神蔵器 風土 201403
初夢の吾子を抱きし重さ手に 工藤ミネ子 風土 201403
初夢の天馬の背中亡兄の影 山口キミコ 201403
初夢の亡父ダンディーに杖を持つ 森下康子 201403
初夢や会ひたき人のあらはれず 平居澪子 六花 201403
初夢は一本棒立てのひと幕 豊田都峰 京鹿子 201403
八十路佳き初夢のなかジャンケンポン 池田光子 201404
字足らずのごと初夢の整はず 金森教子 雨月 201404
初夢や宇宙旅行に入金す 根本芳子 末黒野 201404
初夢とうつつのあはひ寿 石倉千賀子 末黒野 201404
初夢に思ひ出せなゐひとの居て 川井秀夫 末黒野 201404
初夢の後のつめたきヘルメット 涼野海音 火星 201404
初夢も見ず健やかに目覚めけり 加藤八重子 末黒野 201404
初夢や確と歩行の我が姿 大西よしき 末黒野 201404
初夢や前に結びし袋帯 杉原ツタ子 201404
初夢の愛の告白聞きとれず 樋口みのぶ 201405
初夢の妣とをるごと醒めてなほ 堺昌子 末黒野 201405
初夢や燗酒馳走在りし日よ 水谷直子 京鹿子 201405
藻林に初夢顔の虎魚寝て 桂樟蹊子 201501
藻林に初夢顔の虎魚寝て 桂樟蹊子 201501
色いろの初夢ばなし笑ひあふ 山田六甲 六花 201501
初夢のとぎれとぎれて続きけり 中江月鈴子 201502
初夢の覚めてわらしべ手の中に 菊谷潔 六花 201502
うなさかにたちてうつつか初夢か 佐藤恭子 あを 201503
初夢や夫婦鴉の声に覚め 中山静枝 201503
初夢に腕組みしひと誰ならむ 田原陽子 201504
初夢の一足す一も二でありし 竪山道助 風土 201504
初夢のとぎれとぎれに唇乾く 相沢有理子 風土 201504
初夢のうやむやなりし明恵の忌 中田禎子 201504
初夢に過去形の人集まりぬ 岩月優美子 201504
初夢や魔法の杖を手に入るる 雨村敏子 201504
初夢の胸に響ける師のみこゑ 室伏みどり 雨月 201504
初夢の快晴さめて大雪に 安原葉 ホトトギス 201505
初夢に会へざりし富士仰ぐ旅 安原葉 ホトトギス 201505
初夢の兜太にノーベル文学賞 竪山道助 風土 201505
初夢は深きねむりに失せにけり 櫻井住江 万象 201505
初夢のみんな幼くありにけり 河野美奇 ホトトギス 201506
初夢やましろき象の背に揺られ 天谷翔子 201506
初夢もなく目覚めよきこと淋し 稲畑汀子 ホトトギス 201601
初夢や話辻褄合はぬまま 稲畑汀子 ホトトギス 201601
初夢を忘れたるよりよき目覚め 稲畑汀子 ホトトギス 201601
猿に食はせたき初夢でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
初夢 →4      

 

2021年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。