初 湯 2    88句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大富士の湧水に沸く初湯かな 木下ふみ子 馬醉木 201305
初風呂や腹一文字手術痕 瀧春一 花石榴 201312
金泉の太閤風呂の初湯かな 山田六甲 六花 201401
初湯して九十年を振り返る 藤見佳楠子 201403
太陽熱じんじん貰ふ初湯浴み 椿和枝 201404
温泉の素匂ひ立つ初湯かな 久世孝雄 やぶれ傘 201404
初風呂やみるかげもなき力瘤 佐津のぼる 六花 201404
初湯せり経木のやうな身になりて 宮井知英 201404
初湯出て湯気の仁王の親子かな 原田しずえ 万象 201404
子の歌ふ声たのしげに初湯殿 金井裕子 風土 201404
初湯して心の錆はまだ付かず 松田都青 京鹿子 201405
一滴の初湯のひかり嬰のへそ 吉武千束 太古のこゑ 201411
初湯して稚の臍より銀の泡 山尾玉藻 火星 201501
恵比寿大黒顔の初湯かな 山田六甲 六花 201501
恵比寿顔大黒顔の初湯かな 山田六甲 六花 201502
生まるるも死ぬるも一度初湯かな 藤丸誠旨 春燈 201503
子供等をまとめて浸けし初湯かな 岡崎春菜 万象 201503
天窓を烏の歩く初湯かな 根橋宏次 やぶれ傘 201503
鼻歌の二つ三つ出て初湯かな 永田万年青 六花 201504
大島も利島も見ゆる初湯かな 鈴木鳳来 故山 201505
うめるなと言はれ初湯に唸りけり 山本無蓋 201604
人工骨の足のゆるびも初湯かな 堀井英子 雨月 201604
けふ二度目なれど初湯の心地して 土井三乙 風土 201604
水飲んで冷ます初湯の熱りかな 土井三乙 風土 201604
病む夫に手波をおくる初湯かな 笹村政子 六花 201604
母の齢はるかに越ゆる初湯かな 伊藤百江 春燈 201604
リハビリの温泉それを初湯とす 萩原久代 やぶれ傘 201604
仕舞湯の初湯なりけり風の音 亀卦川菊枝 末黒野 201604
初風呂や猿の親子の大欠伸 尾崎と代子 京鹿子 201604
初風呂や肢体つくづくいとほしむ 池田節 春燈 201604
どつぷりと米寿至福の初湯かな 高村令子 風土 201604
初湯して体重測ること省く 土井三乙 風土 201604
父となりし肩をゆたかに初湯殿 能勢俊子 馬醉木 201604
大琵琶の群なす雀初湯かな 高野昌代 201605
楊貴妃の初湯を覗くの僕じゃない 寺田伸一 船団 201612
初湯して詠んで忘れて一番句 七郎衛門吉保 あを 201703
八割が想ひ出の身を初湯かな 赤座典子 あを 201703
初風呂の湯気に志を癒さるる 手島伸子 雨月 201703
初風呂や小窓へ光溢れさせリ 伊吹之博 京鹿子 201704
いささかの夢あたたむる初湯かな 石黒興平 末黒野 201704
みどり児の初湯に手足もつれけり 住田千代子 六花 201704
たつぷりの初湯や癒ゆる足を伸べ 前川美智子 末黒野 201704
御招ばれに初湯に入りて戻りけり 赤松赤彦 六花 201704
初風呂に融け南無阿弥陀なむあみだ 田岡千章 201705
初湯してこの世の広さ思ひけり 秋津令 201705
キリストの如き脾腹や初湯殿 林徹也 201706
初風呂に体沈めてより思案 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
湯を熱く張つてくれたる初湯かな 山田六甲 六花 201801
混浴といはれて足の初湯かな 山田六甲 六花 201801
曽孫といふ眩しきものを初湯なる 北川孝子 京鹿子 201802
花柄のタオルに受けぬ初湯の子 田中珠生 馬醉木 201804
新しきしゃぼんの香り初湯殿 金森教子 雨月 201804
初湯にも残りし柚子を入れにけり 佐藤稲子 やぶれ傘 201804
初風呂やジャグジー泡と遊びをり 今井充子 201804
掻き上げてあまる児の髪初湯かな 升田ヤス子 六花 201804
初風呂に癒えぬ痩躯を沈めけり 佐津のぼる 六花 201804
自然体で生きむ余生の初湯かな 山中志津子 京鹿子 201805
予後の身をしばし委ぬる初湯かな 石黒興平 末黒野 201805
胸板の厚き赤児が初湯浴ぶ 小林朱夏 201902
共白髪妻に譲らむ初湯かな 酒井たかお 201902
番台に福の神ゐる初湯かな 町山公孝 201902
掌に赤子を浮かせ初湯かな 根本世津 201903
初湯出て明日を思ふ肌の艶 高木晶子 京鹿子 201903
百歳の湯の花まとふ初湯かな 江見巌 六花 201904
初風呂や妻の呼びゐる声のして 永田万年青 六花 201904
初風呂やわたしの隙を見せてやる 菊池和子 京鹿子 201904
幼らの笑ひとび交ふ初湯かな 森高さよこ 風土 201904
手から手へ初湯の嬰は発光体 伊藤よし江 201904
混浴を仕切る溶岩初湯影 丸井巴水 京鹿子 201904
初湯して髪の先まで檜の香 元和木恵美子 馬醉木 201904
身の芯の静かに解くる初湯かな 吉岡睦子 馬醉木 201904
初湯かな淡路岩屋の銭湯に 山田六甲 六花 202001
煩悩の器を洗ふ初湯かな 高橋将夫 202003
母を看る気持ち新たに初湯かな 松井季湖 202003
赤子まだ覚めず初湯に浸されて 柴田佐知子 202003
へその緒のガーゼ揺れゐる初湯かな 武田未有 202003
金満家めくや初湯に柚あまた 岡田史女 末黒野 202004
露天湯は眺めるだけの初湯かな 土井ゆう子 風土 202004
大泣きの赤子抱かれて初湯殿 土井ゆう子 風土 202004
初湯出て話のなかに戻りけり 岩木茂 風土 202004
初風呂やしみじみをかし己が臍 小林朱夏 202006
山河まだ明るき初湯浴びにけり 柴田佐知子 202102
ゆったりと初湯五つで足りる夢 高木晶子 京鹿子 202104
初風呂に浸りて心あらたまる 礒貝尚孝 202104
桜島恋唄は老父初湯舟 片桐てい女 春燈 202203
念を入れ両手両足つき初湯 七郎衛門吉保 あを 202203
湯気玉となつてタオルヘ子の初湯 三木亨 202204
霊泉の初湯に足を洗はうか 山田六甲 六花 202301
初湯 →1

 

2024年1月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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