初 蝶 5       101句

初蝶は正餐に行くところなり   中原道夫   顱頂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初蝶にしばし止むる箒の手 府川昭子 春燈 200906
風使ふ忍びの術の初蝶来 布川直幸 200906
初蝶の行きつ戻りつを眺めをり 田中喜久子 酸漿 200906
初蝶が隠者のごとく脇通る 東亜未 あを 200906
初蝶や日のよく当る喫茶店 齋藤朋子 やぶれ傘 200906
日捲りに初蝶と記し静心 磯崎清 200907
初蝶の信号無視の速さかな 白髭美佐子 200907
初蝶の水面に影を残しけり 遠藤和彦 遠嶺 200907
初蝶にエールもらひて句会かな 佐藤ナオ子 遠嶺 200907
初蝶や今日の散歩の足軽し 小峯千枝子 遠嶺 200907
初蝶に海風荒き岬道 園多佳女 雨月 200907
縺れ合ふ初蝶やまた加はりて 岡崎春菜 万象 200907
初蝶は空の高さをまだ知らず 水野久代 200907
初蝶や途切れ途切れに追ふ視線 近藤節子 200907
初蝶を消してしまひぬきらら波 西山美枝子 酸漿 200907
初蝶のこつんこつんと杉林 吉弘恭子 あを 200908
初蝶といふたまゆらの浜を飛ぶ 上崎暮潮 ホトトギス 200909
初蝶や野山を目覚めさせてゆく 鈴木勢津子 樹間 200911
初蝶の歓喜いささか狂ほしく 塩路隆子 201005
初蝶や母子ともども大声す 小山ミツ子 末黒野 201005
初蝶の翅たたむまで見てをりぬ 川下明子 雨月 201005
近道をして初蝶に好かれたる 高倉和子 201005
初蝶をよろこび過ぎて追ひ払ふ 泉田秋硯 201006
初蝶を招く枝折戸片びらき 秋葉雅治 201006
初蝶や探しものでもする如く 板橋昭子 201006
初蝶の風柔らかによぎりけり 篠原幸子 春燈 201006
初蝶の光をこぼす光悦垣 田中佐知子 風土 201006
耕の土に初蝶来たりけり 河崎尚子 火星 201006
初蝶や潤みはじめし池の碧 黒滝志麻子 末黒野 201007
初蝶のたまゆらに曳く光かな 竹村清繁 末黒野 201007
初蝶のやうなむらさき貝の殻 小林成子 火星 201007
瑞垣を黄の初蝶の越えきたり 伊勢きみこ 火星 201007
初蝶の昆虫館より抜け来しか 田所洋子 雨月 201007
光の子となり初蝶の飛び立てり 足立典子 雨月 201007
初蝶の光撒きつつ野をよぎる 中島伊智子 酸漿 201007
篁を出で初蝶となり行けり 柳田和子 酸漿 201007
初蝶の地にすれすれを吹かれ行く 柳田和子 酸漿 201007
呟けりわが初てふは黄なりきと 佐藤美紀 ろんど 201007
初蝶の切り開きゆく未来かな 木暮陶句郎 ホトトギス 201008
初蝶の舞ふ一心に不器用に 内海はるか 201008
初蝶と言はんとすれば消えにけり 遠藤節子 201008
初蝶や風が変はれば又逢へる 大沼遊魚 倭彩 201009
草花に小さき初蝶紛れけり 河野千恵子 酸奬 201009
初蝶は黄であらまほし黄がとび来 嶋田摩耶子 ホトトギス 201010
エーゲ海より初蝶の生まれ出づ 杉本光 201101
一瞬の眼鏡にうつる初蝶なり 海村禮子 春燈 201104
純白の初蝶にして孤蝶なる 鳥居おさむ ろんど 201104
初蝶と同じ生れの東京都 神蔵器 風土 201105
微笑めと初蝶の来し忌日かな 平野みち代 201105
野仏の生みしか初蝶ひらひら出づ 川崎光一郎 京鹿子 201105
初蝶の触れたる岩の震へけり 柴田佐知子 201105
初蝶や病む娘に奇蹟もたらせよ 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
初蝶や白堊のマリヤ胸を抱く 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
初蝶を追つて博士の老いにけり 遠山みち子 201106
初蝶や北へと向かふ線路沿ひ 藤原若菜 春燈 201106
初蝶を見失ひたる日向かな 涼野海音 火星 201106
初蝶の先へ先へとゆく日向 宮内とし子 201106
初蝶と思しき影や鎌休め 小川玉泉 末黒野 201106
初蝶のたちまち恋の蝶となる 西山美枝子 酸漿 201106
初蝶の過ぐる一瞬庭あかり 安永圭子 風土 201106
初蝶の止まりし翅の息づかひ 高谷栄一 嵯峨野 201107
初蝶のかなしき色となりにけり 前川明子 201107
初蝶来遠海鳴をいぶかしみ 卜部黎子 春燈 201107
初蝶や起こせし土に口づけす 木内博一 春燈 201107
一心に見て初蝶を汚しけり 安居正浩 201107
初蝶の余震の庭を低くとぶ 鍋島広子 万象 201107
初蝶の黄を翔たしめし風ならめ 村上悦子 雨月 201107
初蝶に愁ひごころのふとほぐれ 川村欽子 雨月 201107
初蝶に指紋をつけし少年期 佐藤喜孝 あを 201107
初蝶や赤信号を渡りきる 吉弘恭子 あを 201107
初蝶のおぼつかなさを目で追ひぬ 久保東海司 201108
初蝶の風の中よりこぼれ来ぬ 田沼幸光 末黒野句集 201203
初蝶の黄に目の慣れて来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
初蝶の思はぬ早さちぎれ雲 赤瀬川昌彦 万象選集 201205
初蝶の行方見てをりまたたかず 高瀬博子 六花 201205
きらきらと初蝶舞ふや洗車中 大日向幸江 あを 201205
てのひらに乗りさうな風初蝶来 岩城茂 風土 201205
モンローの手形触れむと初蝶来 江澤弘子 201205
初蝶の沈みたる野に踏み入りぬ 小林愛子 辻楽師 201206
初蝶は気の向くままに舞ひ遊ぶ 辻香秀 201206
初蝶の結界を抜け人臭し 水野恒彦 201206
初蝶の羽ほどかろし漆仏 栗栖恵通子 201206
子どもらの背丈に飛んで初蝶来 辻直美 201206
町工場並ぶ路地抜け初蝶来 松尾芳子 万象 201206
ふるさとの初蝶にあひ父にあひ 野澤あき 火星 201206
庭に舞ふ初蝶ほうと言はせけり 北尾章郎 201207
初蝶の翅に浮き立つ生命線 岡本尚子 風土 201207
初蝶や午後のストロー浅く吸ふ 岡本尚子 風土 201207
ひらひらと過ぎるものあり初蝶なり 坂上じゅん かさね 201207
初蝶や附箋つけたる日々があり 柴田佐知子 201207
初蝶の辺りの空気華やげり 高橋和枝 201207
幻と消ゆ初蝶の縺れつつ 大橋伊佐子 末黒野 201207
初蝶や音なき風と共に去る 大橋弘子 末黒野 201207
初蝶の浜の流木越えにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201207
初蝶の胸にあたりて過ぎにけり 小川凉 201208
初蝶のふたつてふてふ次の舞 鎌田悟朗 ろんど 201208
初蝶や仕付糸抜く七条袈裟 新保ふじ子 万象 201208
初蝶や蛇口を上に向けて飲む 北崎展江 くりから 201209
初蝶のはじめは風の日となりぬ 林昭太郎 あまねく 201210
二礼二拍手一礼初蝶が目の端 池田澄子 201212
初蝶を見しは一条戻り橋 コ田千鶴子 馬醉木 201303
初蝶や一筆箋のはなだいろ 広渡敬雄 201303
三尺を飛び初蝶か冬蝶か 神蔵器 風土 201304
初蝶として彩バスに追ひつけず 丸山佳子 京鹿子 201304
初蝶→ 6      

 

2021年5月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。