初 蝶 2       99句

初蝶の過ぎし跡こそ仄かなれ   相生垣瓜人   明治草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初蝶や影ともつかぬものこぼれ 坂本京子 200201
初蝶の翅の小さし運河照り 加瀬美代子 200202
庭に来し初蝶を祝ぎワイン注ぐ 澤田緑生 馬醉木 200204
初蝶の羽こきざみに飛びゆけり 宇利和代 雲の峰 200204
初蝶のうゐの風得て光耀す 和田照海 京鹿子 200204
右の瞳の初蝶左瞳に移る 川名将義 銀化 200204
初蝶や村の社の土俵あと 皆川盤水 春耕 200204
初蝶や童謡流す魚売り 登坂章一 春耕 200204
初蝶のそれより上を天といふ 神蔵器 風土 200205
初蝶の失せてフランス表紙かな 市川英一 遠嶺 200205
槐庵の引戸初蝶生れにけり 栗栖恵通子 200205
初蝶の軽やかに舞ふキャベツ畑 篠崎荘市 酸漿 200205
初蝶の影濃く淡き芝生かな 柳沢杏 酸漿 200205
初蝶や反り美しき御所の塀 前阪洋子 雲の峰 200205
初蝶を出窓あたりに見失ふ 岩崎皓子 雲の峰 200205
初蝶や雪駄干しある庫裡の縁 望月友子 雲の峰 200205
初蝶のマニュアル通り飛びにけり 結木桃子 銀化 200205
初蝶や湖の半ばで戻りけり 伊藤亮 春耕 200205
初蝶の蹤きゆく赤きランドセル 岸恒雄 春耕 200205
初蝶の眩しからずや瀬の光 水上陽三 200205
初蝶に気を取られゐて釘曲がる 泉田秋硯 200206
初蝶の来てをり猫の耳うごく 谷口千枝子 200206
初蝶や命の糧の海の紺 西川五郎 馬醉木 200206
初蝶や算盤塾の窓開きて 西宮舞 200206
初蝶の引き返すことまだ知らず 池谷市江 200206
初蝶のまぶしさ残る瞼かな 村重香霞 200206
初蝶は光の国の郵便夫 小澤克己 遠嶺 200206
透きとほる水の底より初蝶来 若生まりあ 遠嶺 200206
身の丈に飛ぶ初蝶や山日和 大村孝 百鳥 200206
初蝶におもはず手綱ゆるめけり 吉田政江 200206
初蝶の紛るるひまや人の老い 廣島泰三 200206
初蝶は海へ飛び出し戻さるる 小坂明 築港 200206
一竹展出てより初蝶見失ふ 小林共代 風土 200206
初蝶の出でし心療内科かな 遊橋惠美子 風土 200206
土いぢりつつ初蝶を心待ち 村越化石 200206
初蝶を従へて来る魚売女 冨田みのる 200206
初蝶の幼なの歩み待つごとし 大塚民枝 酸漿 200206
初蝶のつれ舞ふ島の段畑 大石英子 春耕 200206
蜜の閊へて初蝶のストローよ 中原道夫 銀化 200206
初蝶を捕えてかすかな悔残り 貝森光大 六花 200206
初蝶や浅瀬は波の立ちやすく 公山礼子 200206
初蝶の緩急知らぬ羽づかひ 小林希世子 200206
初蝶のつと現れし古戦場 佐方敏明 ぐろっけ 200206
夢いまだ覚めざるごとく初蝶来 川井政子 風土 200207
初蝶の光をこぼしこぼし飛び 村松紅花 ホトトギス 200207
漣やオレンジ色の初蝶来 玉川悠 遠嶺 200207
初蝶の風の襞ぬけ空無限 田島勝彦 遠嶺 200207
初蝶の幻のごと屋根越ゆる 伊藤敬子 遠嶺 200207
初蝶と見しも紛れてしまひけり 北村すなほ 200207
初蝶や好みし花を探しをり 鈴木多枝子 あを 200207
初蝶の自在を奪ふ風のあり 名取すみ子 酸漿 200207
病める子に初蝶のこと言ひもせり 平尾隆士 ぐろっけ 200207
初蝶にふれし空気のゆるびけり 関洋子 200208
初蝶に植物図鑑開けてをく 小澤克己 遠嶺 200209
初蝶に追はれてみたき広野かな 小澤克己 遠嶺 200210
初蝶や島の風力発電所 梅村達子 帆船 200301
初蝶のうゐの風待て光耀す 和田照海 京鹿子 200302
初蝶はシテの舞花ツレの舞 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
初蝶や沖に大きな帆掛船 鷹羽狩行 200304
袂出づほら初蝶のこなごなよ 中原道夫 銀化 200304
初蝶のみるみる齢加速せり 中原道夫 銀化 200304
初蝶の翅をたためばしろがねに 山田弘子 円虹 200305
初蝶や銀のロープの関門橋 藤井基史 帆船 200305
初蝶のおぼつかなくて石舞台 池尻足穂 雲の峰 200305
初蝶来ゆふべの傘を干しにけり 篁李月 銀化 200305
初蝶や職場復帰へ靴揃ふ 中村和江 ぐろっけ 200305
初蝶の知合ひのごと相寄りて 前川美智子 200306
初蝶や背にランドセル躍りづめ 黒住昌子 200306
初蝶と呼びて指も迷走す 泉田秋硯 200306
初蝶や母へ短き旅便り 祐森彌香 遠嶺 200306
一枚の湖初蝶の紛れ込む 関口幹雄 遠嶺 200306
初蝶と重き封書の来りけり 中谷葉留 風土 200306
皿に割る卵の揺るる初蝶来 中村洋子 風土 200306
初蝶やうす日を集む磧石 谷口みちる 200306
初蝶の羽の広さにまだ慣れず 木村みかん 200306
初蝶の色を見分くるまでの黙 田村園子 200306
初蝶の双つたくみな宙返り 田中呑舟 火星 200306
初蝶の影の横切る花時計 仲尾弥栄子 雲の峯 200306
初蝶が舞ひ出る川の岩間より 鎌居千代 築港 200306
初蝶の三角に翅拡げ翔つ 金森恭子 築港 200306
初蝶の飛ぶには非ず跳ねてをり 大西正栄 雨月 200306
初蝶の高麗門を出てきたる 佐野まさる 百鳥 200306
初蝶の行きつ戻りつ風かすか 弓場赤松 ぐろっけ 200306
初蝶や童女の髪に日のにほひ 渡邉英子 馬醉木 200307
憩ふ間の鍬に初蝶止まりけり 竹内龍 200307
初蝶を残して農夫去りにけり 泰江安仁 百鳥 200307
初蝶の畑よりあがり畑出でず 杉山真寿 200307
初蝶の子らに追はれて子らの上 佐藤景心 200308
初蝶の葭竹切りにまとひけり 岡井省二 省二全句集 200312
忽然と初蝶ひかり降るごとく 安達風越 雨月 200401
初蝶の向を変へたる玻璃の前 中里カヨ 酸漿 200403

 祝 川口明子様御結婚

初蝶の連れ飛ぶ空の明るさよ

稲畑汀子 ホトトギス 200403
初蝶にきつと逢へさう植木市 望月晴美 要滝 200403
初蝶や土手土臭く青くさく 岡本眸 200404
初蝶や草の膨るる丘の上 北吉裕子 雲の峰 200405
彦一の塚を初蝶高く飛ぶ 岡山裕美 雲の峰 200405
初蝶の一瑕なき翅刻過ぎゆく 河口仁志 200405
初蝶のしづむや浮きて湖のうへ 淵脇護 河鹿 200405
初蝶生る正三角形ひもとけば 神蔵器 風土 200405
初蝶 →3      

 

2021年4月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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