初 詣 6〈初参)     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初詣閻魔の喝を受けに来し 田中貞雄 ろんど 201301
桐下駄の鼻緒が軽し初詣 山田六甲 六花 201301
後ろより高き拍手初参り 米田文彦 かさね 201303
浅草に地下鉄多し初参り 須藤美智子 風土 201303
まぼろしの神の声聞く初詣 小林久子 201303
「大吉」を結ぶ晴着や初詣 吉田宏之 201303
着崩れを直す親子や初詣 川井素山 かさね 201303
しきたりは長き列なす初詣 田島昭久 かさね 201303
子の家の平穏祈る初詣 須藤美智子 風土 201303
指きりの手の中ぬくし初参り 飯田ひでを 201304
紙垂ゆるる山の社へ初参り 白石正躬 やぶれ傘 201304
初詣幸先の良き当りくじ 吉田宏之 201304
あれこれと願ひの数や初詣 横山さくら 春燈 201304
さまざまの拍手響く初詣 横山さくら 春燈 201304
いろいろの祠寄り合ふ初詣 今澤淑子 火星 201304
反り橋を人に揉まれて初詣 石垣幸子 雨月 201304
故郷のお多賀さんへと初詣 岸本久栄 雨月 201304
雲竜の鋭き眼浴び初詣 丸尾和子 雨月 201304
今年又夫を支えて初詣 藤田京子 ぐろっけ 201304
初詣ファイト太鼓に森ひびく 池田かよ ぐろっけ 201304
ぬけ道は止めて通さず初詣 池田かよ ぐろっけ 201304
初詣絵馬に太字の希望校 森本虹泉 京鹿子 201304
氏神の磴に躓く初詣 松本三千夫 末黒野 201304
たこ焼屋の横に手相見初詣 丑久保勲 やぶれ傘 201304
万歩計の一万を越す初詣 久世孝雄 やぶれ傘 201304
大回りして鳥居を潜る初詣 國保八江 やぶれ傘 201304
人ゆかぬ神社選びて初詣 矢野百合子 201304
戦なき平和永遠にと初詣 安藤虎酔 かさね 201305
初詣真つ先に行く招魂社 大西八洲雄 万象 201305
敬礼はせず拍手で初詣 田中一美 ろんど 201305
手をかりて石段登る初詣 長憲一 201305
縁結ぶ神は遙かぞ初詣 山田六甲 六花 201401
遷宮の檜皮ひわだ匂へる初詣 山田六甲 六花 201401
初詣常と変らぬ願ひ事 赤座典子 あを 201402
踏みしむる一歩々々や初詣 水原春郎 馬醉木 201402
根の道をひたすら登り初詣 松岡和子 201403
穏やかな夫と息合ふ初詣 和田政子 201403
参道に耶蘇説かれをり初詣 塩田博久 風土 201403
これやこの伏見稲荷の初詣 山口キミコ 201403
立願を報告にかへ初詣 松崎雨休 風土 201403
角帯を身の箍として初詣 菅谷たけし 201403
初詣出雲の国の割子蕎麦 津田富司 201403
初詣良く働きし手を合す 野坂民子 馬醉木 201403
襟元のしやきつと決まり初詣 井上静子 201403
大絵馬の白馬闊歩す初詣 大橋晄 雨月 201403
風巻くな地揺れるなと初詣 鈴木セツ 201403
延寿てふ鐘を撞きたり初詣 原和三 末黒野 201404
宇治上の世界遺産へ初詣 難波篤直 201404
馬の絵馬風に鳴りゐる初詣 乗光雅子 雨月 201404
拍手の二つ目強き初詣 山下ひろみ 201404
山道に人の湧きくる初詣 中野京子 201404
舞妓らの稲穂かんざし初詣 稲田和子 201404
平安の建都を偲び初詣 難波篤直 201404
かくてまだ神にご無理を初詣 中島芳郎 201404
駿馬の脚欲する祈り初詣 西川みほ 末黒野 201404
初詣の賽銭電子マネーとは 石倉千賀子 末黒野 201404
初詣加護謝す余生はや米寿 水野節子 雨月 201404
初詣狐の面の飛び六方 原田達夫 201404
初詣幸を願ひて鯛撫づる 難波篤直 201404
初詣出店に多きぽつぽ焼 坂根宏子 野山の道 201404
神鈴に力こめたる初詣 乗光雅子 雨月 201404
人混みの中の安息初詣 まつのたく 末黒野 201404
大釜のあまざけ享けぬ初詣 堺昌子 末黒野 201404
肩傾げ触れ合ふ笑みや初詣 大西由美子 春燈 201404
濡れづめの柄杓に木の香初詣 西川みほ 末黒野 201405
初詣より戻り来し娘の気配 今井千鶴子 ホトトギス 201405
親は子を子は親思ふ初詣 村田岳洋 ろんど 201405
水平な階段昇る初詣 松田都青 京鹿子 201405
青竹の太き手摺や初詣 有賀鈴乃 末黒野 201405
子安石返してゐたる初詣 ふじの茜 201406
御手洗の筧あをあを初詣 奥田温子 やぶれ傘 201406
四代が揃うて祝ふ初詣 三原利枝 璦別冊 201408
恙無く七十路迎ふ初詣 橋場美篶 末黒野 201411
玉砂利の音に明けゆく初詣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
天邪鬼裏鬼門より初詣 田中貞雄 ろんど 201501
新成人肩を組合ひ初詣 大日向幸江 あを 201503
丸髷に稲穂挿したり初詣 延川五十昭 六花 201503
水占の神へ女の初詣 今井妙子 雨月 201503
風に幣ちぎれんばかり初詣 大橋晄 雨月 201503
琴の音は春の海なり初詣 大橋晄 雨月 201503
昼近くなりてぶらりと初詣 廣瀬雅男 やぶれ傘 201503
やどり木はけやきの簪初詣 池元道雄 馬醉木 201503
髪を結ひ佃の神に初詣 山口素基 万象 201503
神鹿の瞳のつぶら初詣 小川玉泉 末黒野 201503
初詣神酒を重ねてしどろ足 中村ふく子 201503
初詣ふるまひ酒の木の匂ひ 石川かおり 201503
形無きものへの祈り初詣 小西和子 201503
初詣白さ眩しき地球かな 岩梶隆子 201503
初詣神振り向かす五百円 大堀賢二 201503
初詣神社の犬に迎へられ 難波篤直 201503
イケメンの火の番人や初詣 坂上香菜 201503
御手洗の水やはらかや初詣 塩路五郎 201503
形なき物への祈り初詣 小西和子 201503
晩年の列をはなれて初詣 鴨下昭 201503
一駅を乗つて初旅初詣 森田尚宏 201504
初詣帰りは屋台に誘はれて 後藤園子 201504
初詣宇佐神宮の砂利の音 工藤はるみ 風土 201504
初詣今年は女坂を行く 森田節子 風土 201504
しんがりをそろそろ進む初詣 野畑さゆり 201504
干戈なき世を念じたり初詣 阪本哲弘 201504
御手洗の辺りぬかるみ初詣 瀬島洒望 やぶれ傘 201504
初詣佳き句授けて下されと 岡安仁義 やぶれ傘 201504
初詣終へ展望の古都河内 磯野しをり 雨月 201504
初詣上り下りの手摺かな 松本文一郎 六花 201504
踏みしめる玉砂利の音初詣 延川五十昭 六花 201504
初詣たなびくやうに越天楽 田中一美 ろんど 201505
父の歳越えて帰郷や初詣 神田惣介 京鹿子 201505
初詣子に手を繋がれて前進す 児玉有希 京鹿子 201505
琴の音は春の海なり初詣 大橋晄 ホトトギス 201506
われ初詣妻福袋そんなもの 原田達夫 箱火鉢 201511
初詣いくさなき世を合掌す 久保東海司 風鈴 201512
子と孫もふえて十二支初詣 岸本順子 京鹿子 201601
初詣孫ヘミニチユアランドセル 岸本順子 京鹿子 201601
押し押され未来志向の初詣 中江月鈴子 201602
思ひもよらぬ列長かりし初詣 中江月鈴子 201602
初詣ペンギン歩きの婆混みぬ 池元道雄 馬醉木 201603
初詣長蛇の列の後につき 岡野ひろ子 201603
初詣産土の杜深閑と 青野安佐子 201603
初詣琴平宮の階百段 清部祥子 201603
晴れ渡る天産土に初詣 大橋晄 雨月 201603
幼児に一円持たせ初参 大橋晄 雨月 201603
初詣共にせし子ら帰京せり 大橋晄 雨月 201603
走り根の強き力や初参賀 遠山みち子 201603
ご近所に神社があつて初詣 根橋宏次 やぶれ傘 201603
初詣の帰路にだんごを焼くにほひ 丑久保勲 やぶれ傘 201603
慎ましく老いを装ふ初詣 長崎桂子 あを 201603
目の前にチワワの顔や初詣 森直子 あを 201603
あしたへと階踏みしめて初詣 清水美恵 馬醉木 201604
初詣の社の空を飛行船 有賀昌子 やぶれ傘 201604
中吉のおみくじを引く初詣 橋本美代 やぶれ傘 201604
濡れ羽いろ平安貴族の初詣 奥田筆子 京鹿子 201604
磴五十雪洞二百初詣 松本三千夫 末黒野 201604
大釜の甘酒に列初詣 堺昌子 末黒野 201604
屋台占むる目なし達磨や初詣 西川みほ 末黒野 201604
塔頭へ逸れて息継ぐ初詣 外山節子 末黒野 201604
願ひ事ひとつに絞り初詣 中村月代 末黒野 201604
いくさなき平和を好む初詣 久保東海司 201604
初詣千本鳥居朱に染まり 村上典子 201604
焼餅を買うて来しのみ初詣 森真二 201604
初まゐり修復なりし供養塔 椿和枝 201604
背より手を振る指初詣 佐藤恭子 あを 201604
墓参終へ産土神に初詣 久保晴子 雨月 201604
大樟に注連飾りあり初詣 久保晴子 雨月 201604
初詣予想はるかの人に酔ひ 久保晴子 雨月 201604
まほろばの大和三社を初詣 溝内健乃 雨月 201604
初詣長子に押され磴登る 堀田こう 雨月 201604
清め砂踏み氏神へ初詣 塩見治郎 雨月 201604
同胞の揃ひ菩提寺初詣 塩見治郎 雨月 201604
誰彼に寄り来る鹿や初詣 森礼子 雨月 201604
謝すことの数多こころに初詣 佐藤貞子 雨月 201604
初詣人のむらがる東北店 野中圭子 京鹿子 201605
一盞の御神酒賜はる初詣 長田厚子 末黒野 201605
浦風に松ケ枝鳴れり初詣 吉永すみれ 風土 201610
初詣みんなで乗るのは偉人伝 寺田伸一 船団 201612
ぬくぬくの赤子背中に初詣 山田六甲 六花 201701
鳶親し荒磯伝ひの初詣 内海良太 万象 201703
姉妹して五番札所へ初詣 磯野しをり 雨月 201703
蓬莱のめでたさ求め初詣 手島伸子 雨月 201703
でかき鈴がらりと鳴らし初詣 廣瀬雅男 やぶれ傘 201703
初詣警護の声の聞えくる 森美佐子 やぶれ傘 201703
背伸びして人後に二札初詣 成田美代 201704
共存の足音軽き初詣 植村蘇星 京鹿子 201704
階の猫に日当たる初詣 佐渡谷秀一 春燈 201704
篝火へ闇の攻め来る初詣 松本三千夫 末黒野 201704
潮の香や入江の宮の初詣 黒滝志麻子 末黒野 201704
手の平に神木の気を初詣 安斎久英 末黒野 201704
まつすぐに男坂ゆく初詣 石黒興平 末黒野 201704
ぼけ封じの護摩木納めぬ初詣 小沼ゑみ子 末黒野 201704
初詣漢紬の畳み嫉 平澤侃 末黒野 201704
連れ立ちてぽつくり様へ初詣 鈴木石花 風土 201704
裾短き母の着付けや初詣 高橋まき子 風土 201704
腰つつく赤子の靴や初詣 中嶋陽子 風土 201704
磴百段登り大前初詣 江木紀子 雨月 201704
長生きが勢揃ひして初詣 笹倉さえみ 雨月 201704
酉年に猫抱いて往く初詣 秋川泉 あを 201703
初詣歳の数打つ大太鼓 石森理和 あを 201703
頂上に石棺ありて初詣 松田明子 201705
観世音の細きみ脚や初詣 沼田巴字 京鹿子 201801
加賀白山川音に沿ふ初詣 片桐紀美子 風土 201801
門前に火を焚いて初詣かな 山田六甲 六花 201801
安らかな川を渡りぬ初詣 山田六甲 六花 201801
礼服の初詣なり古稀余年 山田六甲 六花 201801
産土神へ遅きを詫ぶる初参り 能村研三 201802
改築の白木の社初詣 松本三千夫 末黒野 201803
チョコバナナ手に持つ孫と初詣 瀬島洒望 やぶれ傘 201803
赤い靴喝喝喝と初詣 たかはしすなお 201803
手をひいて負ひて抱きて初詣 黒澤次郎 やぶれ傘 201804
この青きみ空よ永久に初詣 安立公彦 春燈 201804
御手洗川に十指をひたし初詣 佐藤貞子 雨月 201804
天を突く夫婦の樟や初詣 稲垣佳子 末黒野 201804
音たてて火の粉夜空へ初詣 本聞せつ子 末黒野 201804
真夜中の社賑ひ初詣 本聞せつ子 末黒野 201804
初詣願ひ渦巻く宮居かな 山口郁子 末黒野 201804
嬰児はや石段数ふ初詣 今村千年 末黒野 201804
決まる道決まる社へ初詣 黒滝志麻子 末黒野 201804
青竹の柄杓の香り初詣 森一枝 末黒野 201804
袖口の白さ際立つ初詣 高木晶子 京鹿子 201804
昇殿の祝詞たまはる初詣 溝内健乃 雨月 201804
身に叶ふだけを祈りて初詣 阪上多恵子 雨月 201804
初詣→7

 

2021年1月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。