初明り 2      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初明り館の歳月語るかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
初明りして億年の刹那かな 高橋将夫 201001
初明かり命かがやかせて生きよ 五ヶ瀬川流一 六花 201002
初明かり大地の鼓動疑はず 五ヶ瀬川流一 六花 201002
先づは月読の宮へと初明り 小林成子 201003
九十九里光一筋初明り 村上克哉 201003
生きてゐるそれが幸せ初明り 加藤克 201003
生かさるることの不思議や初明り 小田明美 春燈 201003
杉の秀のほのぼのとあり初明り 青木政江 酸漿 201003
初明り五感に点る抱負かな 川崎利子 201003
連峰の影絵となりし初明り 鳥取博子 201003
初明りふたり暮しの雨戸開け 笹井康夫 201003
根上りの松に柏手初明り 五十嵐勉 201003
やはらかく雲間に見えて初明り 井上美智子 201004
身のほどの恋もあるらし初明り 上家弘子 ろんど 201004
初明り梛千年の息づかひ 本多俊子 201004
鴟尾高し爪立ちて待つ初明り 呉文宗 春燈 201004
病室のそこかしこより初明かり きさらぎ ろんど 201004
黒髪の巫女の水引初明り 多戸昌子 遠嶺 201004
大いなる余白なりけり初明り 長山あや ホトトギス 201005
ほのぼのとみなとみらいの初明り 石黒興平 末黒野 201005
掃き清めありし大地や初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201011
銀に北国染めて初明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初明り武蔵生れし軍港に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初明り江戸の風水明かしつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
六甲の句碑は如何にと初明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
土佐の海歴史重たく初明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
一系を継ぐ山河や初明り 服部郁史 京鹿子 201101
初明り世にある側に目覚めたる 辻直美 201102
鳩時計鳩がでぬまま初明り 佐藤恭子 あを柳 201102
初明り雨戸すべてを明け放す 長崎桂子 あを 201103
我が街の宮を尚び初明り 大橋晄 雨月 201103
菟道てふ町に卯年の初明り 山口キミコ 201103
一番線始発電車の初明り 大木清美子 201103
潮騒や川遡る初明り 根岸善行 風土 201104
太陽が十字切りたる初明り 相良牧人 201104
切り目の松脂にほふ初明り 鷺山珀眉 京鹿子 201104
初明り銅鐸の謎秘むる地の 堀田恵美子 雨月 201104
初明り自づと合掌してゐたり 山本漾子 雨月 201104
初明りの箱根駅伝大沸きに 北村香朗 京鹿子 201104
無に一歩踏みだす初明りかな 根岸善行 風土 201104
百柱に百の艫綱初明り 下山田美江 風土 201104
闘病の英気養ふ初明り 宮原悦子 雨月 201104
黒船の現れしあたりや初明り 安斎久英 末黒野 201104
仏壇の阿弥陀佛まで初明り 國保八江 やぶれ傘 201106
星消ゆる早さにありて初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201111
松風の音なく渡る初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201111
十本の松影正し初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201111
浮雲の所在告げたる初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201111
音といふ音をひそめて初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201111

 「円虹」新年祝句

これよりの豊かな未来初明り

稲畑汀子 ホトトギス 201111
初明り潜水艦が街の顔 田中貞雄 ろんど 201201
初明り雲むらさきにくれなゐに 根岸善行 風土 201201
猫の瞳の降魔のひかり初明り 鳥居おさむ ろんど 201201
みちのくの海を想へり初明り 能村研三 201201
恙なく生きる力の初明り 小栗八重 201203
若冲の鶏冠の朱や初明り 笠井清佑 201203
天井のいつもの木目初明り 定梶じょう あを 201203
駐車して横丁行けぱ初明り 渡辺安酔 201203
大池に翡翠一閃初明り 森清堯 末黒野 201204
神杉の高きに透きて初明り 堀田恵美子 雨月 201204
初明り内陣外陣隈なけれ 本多正子 雨月 201204
初明りいのち確かめゐたりけり 加古みちよ 火星 201204
初明かりこの世の端に寝起きして 荒井千佐代 201204
波に乗り猩猩が来る初明り 川崎かずえ ろんど 201204
硝子戸に闇とけそむる初明り 自在丸幸子 万象選集 201205
初明り氷柱の先のひとしづく 川口崇子 万象選集 201205
初明り千鳥の中洲染めにけり 谷田部栄 万象選集 201205
初明りやぐらの弥陀の深きまで 渡部一陽 万象選集 201205
欄干に青鷺一羽初明り 角田和子 万象選集 201205
南天の実一粒の初明り 小山千賀子 万象選集 201205
わらべ守る京の地蔵や初明り 吉川禮子 万象選集 201205
菟道てふ町に卯年の初明り 山口キミコ 九十九島 201209
美しき二重らせんの初明り 池田加代子 風土 201209
初明り一筋となり攻めきたる 佐藤喜仙 かさね 201301
初明り人の世の坂登り来て 水原春郎 馬醉木 201302
魚跳ねて川面に揺らぐ初明り 廣瀬雅男 やぶれ傘 201303
初明り明治の駅舎蘇り 山本喜朗 雨月 201303
万象のみな生き生きと初明り 塩千恵子 201303
子の幸に吾を重ねて初明り コ田千鶴子 馬醉木 201303
ゆく水の音かすかなる初明り 上原重一 201303
愛読書は宇宙図鑑や初明 鈴木照子 201303
愛読書は宇宙図鑑や初明 鈴木照子 201303
池の面に日矢一閃の初明り 和田慈子 末黒野 201304
対岸や一戸一戸の初明り 矢野百合子 201304
勤行の障子のすきま初明り 福島せいぎ 万象 201304
一齡をいただく重み初明り 村上絢子 馬醉木 201304
小松菜の畝にびつしり初明り 河崎尚子 火星 201304
初明り水平線の近づき来 笹村政子 六花 201304
初明り出窓の人形まばたきす 宮崎高根 201304
仏壇の吾子の写真に初明り 國保八江 やぶれ傘 201304
初明りわが胸にある火の欠片 水野恒彦 201304
方円にしたがふ水の初明り 田中文治 火星 201304
カーテンの隙から覗く初明り 濱野新 やぶれ傘 201304
高きから低きへ移る初明り 高橋将夫 如意宝珠 201306
初明り地球は四十六億歳 木村享史 ホトトギス 201307
初明り闇に福音ありしごと 柿本麗子 千の祈り 201307
初明り波に序列の生まれけり 吉田政江 201401
初明りただよふほしのうすあかり 佐藤恭子 あを 201401
方円にしたがふ水の初明り 田中文治 火星 201401
万物に命吹き込む初明り 高橋将夫 201401
潮満つる七里ヶ浜の初明り 小島昭夫 春燈 201402
伝ひ来るレールの響き初明り 岡本尚子 風土 201403
初明り銀杏大樹の力瘤 望月晴美 201403
文机に父母の写真や初明り 樋口みのぶ 201403
原節子を見ざる幾とせ初明り 山崎青史 末黒野 201404
うぶすなの杜の湧水初明り 河村啓花 末黒野 201404
石狩川に鴇色走る初明り 紅露恵子 万象 201404
初明り先づは未完の自画像に 中山皓雪 201404
初明り笑顔忘れぬ年とせん 小山直子 末黒野 201404
祝ひ酒なき節料理初明り 難波篤直 201404
初明り見えないものを見つめをり 本多俊子 201404
頬笑みし幼の寝顔初明り 加藤八重子 末黒野 201404
白壁を宝のやうに初明り 川井秀夫 末黒野 201404
三仏堂を繋ぐ読経や初明り 林八重子 馬醉木 201404
六甲も摩耶もわが山初明り 後藤比奈夫 ホトトギス 201405
初明りふたり住ひの雨戸開け 笹井康夫 璦別冊 201408
竹柄杓初明りごと汲みにけり 吉武千束 太古のこゑ 201411
初明り見馴れし庭の改る 稲畑汀子 ホトトギス 201501
何も彼もあるがままなる初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201501
大都会動き出したる初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201501
初明り胸中にある怒濤音 能村研三 201502
帰りきし写真の人に初明り 赤座典子 あを 201503
神奈備を東に置き初明り 豊田都峰 京鹿子 201503
香焚きて客を待つ部屋初明り 田中淺子 201503
初明り街は一気に改る 山田天 雨月 201503
初明り隅田に架かる十の橋 山下ひろみ 201504
磊磊(らいらい)は猿陣取る初明り 柳本渓光 ろんど 201504
初明り燃ゆるいのちのありにけり 寺田すず江 201504
物の怪の炎は青し初明り 中田禎子 201504
手放すと決めし郷里の初明り 矢野百合子 201505
神の国日本に生れ初明り 竹下陶子 ホトトギス 201506

 「円虹」二十周年祝句

二十歳を照らし続けて初明り

稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
現世の命は一つ初明り 吉永すみれ 風土 201511
早池峰の白装束や初明り 池元道雄 馬醉木 201603
地球儀のかすかな自転初明り 河口仁志 201603
離陸待つ一機のありて初明り 大崎ナツミ 雨月 201603
万象に影の生まるる初明り 高橋将夫 201603
聖堂の闇に十字の初明り 田部明子 馬醉木 201604
松立たぬ門一条の初明り 高野春子 京鹿子 201604
一湾の凪ぎて遠富士初明り 松本三千夫 末黒野 201604
ひたひたと波打つ渚初明 黒滝志麻子 末黒野 201604
微笑みの白衣観音初明り 前原マチ 末黒野 201604
神杉の香り新たや初明り 及川照子 末黒野 201604
経蔵の校倉造り初明り 及川照子 末黒野 201604
まなかひに小島ひとつや初明り 土井三乙 風土 201604
けふ明日へ繋ぐ命の初明り 上村葉子 風土 201604
初明り夫ありし日の床柱 柴田志津子 201605
初明り昨日を偲ぶものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
海よりの風の匂へる初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201611
いのち有限総身に初明り 浦川哲子 201611
電飾は闇が舞台よ初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201701
道の上に道がありけり初明り 加藤みき 201703
手を上ぐる赤子の空や初明り 広渡敬雄 201703
万物に命吹き込む初明り 高橋将夫 蜷の道 201703
初明りゆたに雨戸の節穴を 井上和子 201704
ブツクカバー枕草子に初明り 竹中一花 201704
初明りして生駒山より天竺へ 中貞子 201704
氏神の千木にあまねし初明り 加瀬伸子 末黒野 201704
幔幕の地紋透きくる初明かり 住田千代子 六花 201704
初明り水脈引く鴨のしづかさよ 島田和枝 万象 201704
初明り吾のおでこに輝けり 森屋慶基 風土 201704
x雄鶏のとさかの赤や初明り 王岩 あを 201703
胸中の憂ひ照らして初明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
いのちまた燃ゆる色なり初明り 神蔵器 風土 201712
東天の白み弥栄初明り 植村蘇星 京鹿子 201801
ホ句に生き生かされ米寿初明り 植村蘇星 京鹿子 201801
まつさきに初明りくる野風呂松 鈴鹿仁 京鹿子 201802
いのちまた燃ゆる色なり初明り 神蔵器 風土 201803
初明り東京は脈打つてゐる 鈴木光影 201803
神の打つ燧石より初明り 有松洋子 201804
千体佛の微光微笑や初明り 安田優歌 京鹿子 201804
羽音よりはじまる池や初明り 黒滝志麻子 末黒野 201804
初明り湖心にしかと逆さ富士 柴崎甲武信 春燈 201804
ねんごろに祈る祠の初明り 黒澤次郎 やぶれ傘 201804
春帆樓ほがらほがらと初明り 中島陽華 201805
頂の一人ひとりに初明り 山内碧 201806
牛小屋で牛磨かれて初明り 石橋幾代 201806
金明水銀明水や初明り 井上和子 201806
妻とゐて声といふもの初明り 神蔵器 風土 201808
初明りあなたは狐なのですか 東英幸 船団 201809
身に余る米寿を祝ぐす初明り 植村蘇星 京鹿子 201812
初明り君の未来を拓きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
家族皆揃ふ日のあり初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201901
見慣れたる景改る初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201901
刻々の富士山頂の初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201901
ただ祈るほかなきとても初明り 稲畑汀子 ホトトギス 201901
初明り阿弥陀の姿ほのと浮く 沼田巴字 京鹿子 201901
千体佛の微光微笑や初明り 安田優歌 京鹿子 201901
暗澹を隈なく包む初明かり 仁上博恵 201902
枝川をこめて隅田の初明り コ田千鶴子 馬醉木 201902
初明り無心に受くる欅かな 安立公彦 春燈 201903
初明り白峰凛と会津富士 室井津与志 春燈 201903
初明り背ナより照らし厨事 水谷保子 雨月 201903
灯明のゆらぎを越えて初明り 秋川泉 あを 201903
未来へと続くこの道初明り 小山繁子 春燈 201904
倚りかかる柱の艶や初明り 小林文良 春燈 201904
いのちまた燃ゆる色なり初明り 本多俊子 201904
万象は円につながり初明り 熊川暁子 201904
初明り山は薄目を開けにけり 岩月優美子 201904
岬鼻に富士置く安房の初明り 伊藤よし江 201904
摩天楼の影きはだたせ初明り 森清堯 末黒野 201904
やうやくに三の鳥居や初明り 尾崎千代一 末黒野 201904
介護ベッドに希望のごとく初明り 松井季湖 201904
閻魔堂の造花の供花や初明り 都築繁子 201907
賀の年を迎へ輝く初明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
千年の樹齢を染めて初明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
初明り→3

 

2021年1月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。