八十八夜 2   147句

乗りこめば八十八夜櫂の音   長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ぽつぺんに吹口八十八夜寒 深澤鱶 火星 200507
わが生家八十八夜の月の加護 中山純子 万象 200507
おはぐろも形見八十八夜かな 神蔵器 風土 200507
樹の幹に八十八夜の樹々の声 中嶋陽子 風土 200507
八十八夜肩を宥むるもの羽織り 坂本京子 200507
手に重し八十八夜の花鋏 峰幸子 200507
八十八夜雨の浄めし朝なり 三井公子 酸漿 200507
鳥けもの八十八夜の空気吸ふ 河合大拙 百鳥 200507
水蠆(やご)に翅らしき八十八夜かな 黒田咲子 200508
指先の痺れも八十八夜寒 村上沙央 200508
農薬の白濁八十八夜寒 坂ようこ 200508
胡坐居の木地師八十八夜寒 服部早苗 200508
牛乳をあたため八十八夜かな 牧長幸子 対岸 200508
朝礼台を動かす八十八夜かな 柿沼盟子 風土 200508
丹念に歯みがく八十八夜かな 奥田弦鬼 風土 200601
旅に出る八十八夜過ぎし頃 稲畑汀子 ホトトギス 200605
原稿に向ふ八十八夜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200605
くわんおんの胎の八十八夜冷 深澤鱶 火星 200606
まばたかぬ鳩の目八十八夜来る 丸山佳子 京鹿子 200606
縫代に針うつ八十八夜かな 栗栖恵通子 200606
八十八夜つめたき足をそろへけり 竹内弘子 あを 200606
呑まず過ぐ八十八夜の歌舞伎町 淵脇護 河鹿 200607
墨堤に八十八夜の風便り 渡邊泰子 春燈 200607
こんな日に欠伸三つも八十八夜 丸山佳子 京鹿子 200607
駅頭に八十八夜のふるまひ茶 長崎桂子 あを 200607
たつぷりと八十八夜の星を観て 吉野のぶ子 遠嶺 200608
八十八夜明るすぎたる湯殿かな 高橋道子 200608
擂粉木をさがす八十八夜寒 田村園子 200608
溶き卵ゆるく八十八夜寒 高田令子 200608
雑踏に八十八夜を遊びけり 中田郁子 四葩 200608
水にほふ八十八夜の葬りかな 丸山照子 火星 200608
急ぐ戸に八十八夜寒かこつ 本城布沙女 雨月 200608
従いてくる八十八夜の家鴨かな 南一雄 200609
畦の花濡るる八十八夜かな 蘭定かず子 火星 200705
朝朝の雀や八十八夜来る 村越化石 200706
フラスコに水や八十八夜寒 大島翠木 200707
日の本の牧歌八十八夜かな 天野きく江 200707
野ねずみのいでて八十八夜寒 犬塚芳子 200707
八十八夜望といはむに雨ほつと 大橋敦子 雨月 200707
のぼり来し八十八夜の月赤し 坂本知子 酸漿 200707
沼べりのどの灯も八十八夜かな 藤井昌治 200707
灯の消えし八十八夜の舟溜 藤井昌治 200707
ご飯よく噛んで八十八夜冷え 岬雪夫 200708
心に風入れ八十八夜かな 雨村敏子 200708
大椀の木目八十八夜寒 城孝子 火星 200708
満月の八十八夜を遊ぶなり 長沼三津夫 200708
漁火の増えゆく八十八夜かな 鈴木千恵子 万象 200709
喜寿と古稀八十八夜の灯を惜しむ 新井皙石 京鹿子 200710
友を待つ八十八夜の喫茶店 川島澄子 酸漿 200711
旅人の八十八夜の足湯かな 滝沢伊代次 万象 200805
八十八夜松の匂ひをまわし呑む 天野きく江 200806
烏賊豊漁八十八夜の月細し 服部鹿頭矢 馬醉木 200807
八十八夜水鏡より鯉跳ねて 永原朱 200807
鈴の緒や八十八夜の音鳴らす 忍足ミドリ 春燈 200807
山の宿八十八夜の湯をこぼす 米澤しげる 春燈 200807
雨音を聞き入る八十八夜寒 山口順子 馬醉木 200808
蒔くべきを蒔きて八十八夜かな 片山由美子 200808
水垂るる棚田八十八夜かな 大坂せうじ 200808
八十八夜肉と野菜を串に刺す 田村園子 200808
職退いて八十八夜を漱ぎをり 深澤鱶 火星 200808
八十八夜わけなく好きになりし川 丸山佳子 京鹿子 200808
赤べこの目と合ふ八十八夜かな 宮沢治子 春燈 200808
八十八夜風呂を熱めに沸かしけり 宮沢治子 春燈 200808
水張つて八十八夜を待つ田かな 山本ミツ子 六花 200808
湯の華のさみどり八十八夜かな 井村和子 万象 200809
八十八夜ほんたうのこと口ごもる 竹貫示虹 京鹿子 200905
コルク抜く音して八十八夜かな 西川五郎 馬醉木 200907
ぱん篭をこぼれ八十八夜寒 井上信子 200907
八十八夜もの言ひたげな壺の口 木多芙美子 春燈 200907
つげの櫛買ひをる八十八夜かな 竹内悦子 200907
逆打ちの四国八十八夜かな 栗栖恵通子 200907
八十八夜鯉に引きある山の水 大山文子 火星 200907
八十八夜鳥は木や水汚さずに 丸山佳子 京鹿子 200907
磧湯に身を浸け八十八夜寒 大竹欣哉 200907
八十八夜車窓につづく茶の畑 藤原さちよ 酸漿 200907
八十八夜子連れの雉が茶畑に 戸栗末廣 火星 200908
母の夜具白く八十八夜来る 柴田佐知子 200908
耳たぶに八十八夜の水明り 中村恭子 200908
星殖やす八十八夜の森の冷 田嶋洋子 春燈 200908
老い夫の母恋ふ八十八夜寒 西村操 雨月 200908
農日誌八十八夜寒とのみ 水谷靖 雨月 200908
老いの身の八十八夜寒確と 水谷靖 雨月 200908
八十八夜何気なく入る古本屋 田中よしとも 酸漿 200909
箱の田に八十八夜の苗そよぐ 永見嘉敏 酸漿 200909
八十八夜珊瑚の枕欲しきかな 鳥居おさむ ろんど 201004
客のあと客きて八十八夜かな 鷹羽狩行 201005
詫状のはじめ八十八夜寒む 井上信子 201006
目はじきの目もて八十八夜かな 石脇みはる 201006
牛吼ゆる八十八夜の農ごよみ 鈴鹿仁 京鹿子 201007
前向きに病床八十八夜過ぐ 北川英子 201007
予報士の念押す八十八夜霜 成宮紀代子 201007
高階の水音八十八夜かな 竹内弘子 あを 201007
水流るるあたり八十八夜かな 竹内悦子 201008
依頼稿書けり八十八夜冷 田中臥石 末黒野 201008
八十八夜母の言葉の減りゆくよ 林いづみ 風土 201008
八十八夜愼重論の今さらに 北川孝子 京鹿子 201008
帆柱の軋み八十八夜寒 杉浦典子 火星 201008
水口の濁れる八十八夜かな 戸栗末廣 火星 201008
赤貝のひも噛み八十八夜かな 深澤鱶 火星 201008
手足よく動く八十八夜かな 笠井敦子 201008
城崎の湯巡り八十八夜寒 今村征一 ホトトギス 201010
切なさをさらに八十八夜星 今村征一 ホトトギス 201010
日の本に八十八夜てふ騒ぎ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
茶問屋の八十八夜紅襷 山口キミコ 201107
原発を指呼に八十八夜かな 北尾章郎 201107
八十八夜ねばり薄れる貼り薬 藤岡紫水 京鹿子 201107
大鉈を提げて八十八夜かな 坂口夫佐子 火星 201107
地震の地に近づく八十八夜かな 谷岡尚美 201107
伸びしるし八十八夜の草の丈 木下ふみ子 馬醉木 201108
影消ゆる八十八夜の交差点 柿沼盟子 風土 201108
のみぐすり増やし八十八夜寒 齋藤厚子 201108
月山や八十八夜の水音する 雨村敏子 201108
八十八夜手押しポンプに迎へ水 田岡千章 201109
八十八夜水口の開けられて 根橋宏次 やぶれ傘 201109
身一つの災禍に八十八夜かな 赤川誓城 ホトトギス 201110
玻璃戸拭く八十八夜の襷がけ 長谷川翠 馬醉木 201207
托鉢に雨の八十八夜かな 石本秋翠 馬醉木 201207
石段の途中八十八夜かな 高倉和子 201207
清め塩尖る八十八夜かな 矢野百合子 201207
床上げて八十八夜の人となり 森谷達三 春燈 201207
八十八夜海の昏さの父の部屋 水野恒彦 201207
すぐ上がる八十八夜の小糠雨 松本三千夫 末黒野 201207
八十八夜えり足剃つてもらひけり 岡田史女 末黒野 201208
青むものあをむ八十八夜かな 原田達夫 201208
宇治よりの八十八夜の水渉る 深澤鱶 火星 201208
八十八夜釣鐘型の砂糖菓子 田中文治 火星 201208
花も葉も降り来八十八夜かな 藤田素子 火星 201208
学校田八十八夜の水奔る 林和子 万象 201208
隠れ沼のふくらむ八十八夜かな 戸栗末廣 馬醉木 201210
湖に垂る八十八夜の縄梯子 梶浦玲良子 六花 201212
八十八夜ダイバーが岩濡らし 山尾玉藻 火星 201305
八十八夜乗らずなりたる自転車も 井上信子 201306
望郷や八十八夜の白き富士 佐藤喜仙 かさね 201307
昔日の八十八夜農繁期 藤本秀機 201307
浦波の尖る八十八夜冷 石本秋翠 馬醉木 201307
水害の郷も八十八夜かな 吉村摂護 201310
八十八夜目釘を確と十能に 田岡千章 201310
竹林の濡れゐる八十八夜かな 戸栗末廣 201310
新しき靴買ふ八十八夜かな 竹内悦子 201405
八十八夜遺さる嘆き妻知らず 竹貫示虹 京鹿子 201405
身を反らすポプラの並木八十八夜寒 藤岡紫水 京鹿子 201407
振舞ひや八十八夜の水遣ひ 深澤鱶 火星 201407
短冊の墨擦る八十八夜かな 小川玉泉 末黒野 201408
駿河なる八十八夜の茶摘唄 東秋茄子 京鹿子 201408
八十八夜眠る子どもの髪匂ふ すずき巴里 ろんど 201408
八十八夜千夜眠れば母の齢 鳥居美智子 ろんど 201408
八十八夜水かげろふが橋の裏 深澤鱶 火星 201408
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2021年5月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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