八 月 4      101句

白むくげ白無垢八月十五日   川崎展宏   玄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
八月や前進のみの回転扉 林昭太郎 201609
蓄音器回す八月十五日 斉木永久 馬醉木 201610
八月やひた歩きゐる長い道 本多俊子 201610
還暦の見合ひ八月十五日 竪山道助 風土 201610
八月十五日と記せし日記学徒たり 窪田佳津子 雨月 201610
八月や終りの速き砂時計 大沢美智子 201611
八月のあの日あの子とけんけんぱ 藤代康明 201611
生かされて八月六日今がある 犬塚芳子 201611
蒼天や八月の詩は死者が書く 有松洋子 201611
忘却の多き八月八十路来る 下山田美江 風土 201611
八月や鳥籠になき鳥の影 赤石梨花 風土 201611
八月の灯の青白き店構ヘ 赤石梨花 風土 201611
江の島を載せ八月の波頭 石井秀一 風土 201611
八月の底に三百十万體 澤近栄子 京鹿子 201611
八月や女知事なるうれしさよ 野中圭子 京鹿子 201611
たはやすく泣くな八月来りけり 高橋道子 201611
奉安殿に八月の礼黒き雲 中山皓雪 201611
八月の吐息は海に山にかな 中山皓雪 201611
黒き羽根拾ふ八月六日かな 平野みち代 201611
八月の薔薇ちりちりと開きゆく 田原陽子 201611
八月や帝戴く国に住み 相良牧人 201611
八月にはや帰り花賑はしく 長崎桂子 あを 201611
祈る日の続く八月空淡し 松浦哲夫 末黒野 201611
並ぶのはきらひ八月を曲る 井上菜摘手 京鹿子 201612
八月や力と技の書道展 松本文一郎 六花 201612
朝の卓の珈琲八月六日 鈴木みのり 201612
八月やむのたけじさん星になる 須賀敏子 あを 201610
耳鳴りはあの八月の蝉しぐれ 中田みなみ 桜鯛 201701
野の川の流れ八月十五日 森俊人 201612
八月と抱き合いながら核ボタン 秋山泰 船団 201701
息吸つて止めて八月十五日 河西志帆 京鹿子 201702
八月や見たい知りたい伝えたい 陽山道子 船団 201702
八月も終る田回りして来たる 中川句寿夫 ここのもん 201705
膝の水抜かむ八月十五日 中川句寿夫 ここのもん 201705
八月がお休みだった頃の空 夏冬春秋 船団 201707
八月の空に流るる雲早し 稲畑汀子 ホトトギス 201708
八月六日折紙をまづ三角に 楠原幹子 201709
八月某日ダイソーのゴム草履 辻美奈子 201709
八月十五日いつもの畑に父のゐて 福島茂 201710
モールスの聞こえ八月来りけり 遠山みち子 201710
八月のシャッター降りし鉄工所 竹内悦子 201710
八月や空がささやく空の声 本多俊子 201710
八月や昭和回帰の日々なりし 山下健治 春燈 201710
仮の世の夢見心地や八月来る 北川孝子 京鹿子 201710
人はみな何かに祈る八月忌 北川孝子 京鹿子 201710
八月の雲や軍鳩帰還せず 三屋英俊 万象 201710
誰か見てゐる八月の空を見る 熊川暁子 201711
真青なる八月の空黙祷す 柳橋繁子 201711
八月の過ぎゆく雨の白きこと 高田令子 201711
辞儀深く天皇皇后八月十五日 荒木甫 201711
鶴一羽折り八月の祈りとす 岡井マスミ 末黒野 201711
八月の闇に包(くる)まれ耳尖る 石井秀一 風土 201711
八月は初盆迎へる三人に 東秋茄子 京鹿子 201711
八月の長崎祈りの朝の来る 栗山恵子 雨月 201711
八月十五日米一合を洗ひをり 栗山恵子 雨月 201711
インパール作戦を知り八月去る 須賀敏子 あを 201711
おとんぼの白紙回答八月尽 本西一代 201712
八月十五日白昼の吾妻橋 山口ひろよ 201712
八月六日折紙をまづ三角に 楠原幹子 201801
八月は亡き人の月供花あふれ 岩藤礼子 やぶれ傘 201710
八月の空に兄の灯ゆれてゐる 西村滋子 京鹿子 201801
八月や小さき石にも合掌す 西村滋子 京鹿子 201801
八月に鯨が来るという岬 西村亜紀子 船団 201805
涙雨八月十五日の首都 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
八月や陰より颯と雀発つ 篠田純子 あを 201809
古法華八月二十二日晴 山田六甲 六花 201809
ITに闌けて八月大名ぞ 能村研三 201809
八月の反戦ドラマ「花へんろ」 七郎衛門吉保 あを 201810
八月やその日とその日黒く塗れ 森なほ子 あを 201810
流木が吊橋壊し八月尽 須賀敏子 あを 201810
名画座で過ごす八月十五日 須賀敏子 あを 201810
幼少の記憶よみがへる八月来 山下健治 春燈 201810
戦争を知らぬ子ばかり八月来 高村令子 風土 201810
八月や歌詞忘れたる反戦歌 栗原公子 201810
八月も一人の日々は淋しくて 東秋茄子 京鹿子 201810
八月の空押し上げてコカコーラ 北村梢 京鹿子 201810
八月の風吹く富士となりにけり 宮川みね子 風土 201811
八月や一万歩へとあと少し 宮川みね子 風土 201811
青空を仰ぐ八月十五日 門伝史会 風土 201811
八月の鎮魂つづく祈りの日 遠山悟史 京鹿子 201811
八月の書込み多きカレンダー 大石よし子 雨月 201811
きな臭い献花や八月十五日 平野多聞 201811
骨壺や八月に咲く石蕗の花 竹内悦子 201811
八月や逆さまに見る日本地図 吉田葎 201811
黙祷の多き八月沖見やる 三上程子 春燈 201811
八月の舞台に座る老婆かな たかはしすなお 201812
八月やすこし老いたるおもてなし 若森京子 船団 201812
八月の空整列の肩細し あさなが捷 201812
母の忌を修し八月終りけり 山田閏子 ホトトギス 201901
語部を継げり八月十五日 岡村彩里 雨月 201901
八月に置いて行きたき不順かな 稲畑汀子 ホトトギス 201908
八月は今日まで心切替へて 稲畑汀子 ホトトギス 201908
一枚の紙にも重さ八月来 林昭太郎 201909
八月尽ゆるびきつたる体かな 今井肖子 ホトトギス 201909
八月を灼き尽したる太陽よ 今井肖子 ホトトギス 201909
虫ピンは真直ぐに刺す八月来 小島良子 201909
八月十五日未明の烏賊火はも 定梶じょう あを 201910
図書館で黙祷八月十五日 須賀敏子 あを 201910
鮮らけき戦の記憶八月来 金森信子 雨月 201910
八月大名厩に在すベンツかな 石川笙児 201910
引き返す勇気八月十五日 千田百里 201910
八月の赤き海老網うづくまる 宮内とし子 201910
八月や鸚鵡は足の裏を見せ 小島良子 201910
八月大名なり釣糸の流れがち 伊丹さち子 馬醉木 201910
八月やいよよ真緑松の芯 伊丹さち子 馬醉木 201910
八月の父かれいにも「何日君再来」 近藤綾 201910
八月の瀬音に戻りありにけり 増成栗人 201910
八月の六日の朝や父母正座 赤松赤彦 六花 201911
八月尽平和の言葉あふれしめ 平居澪子 六花 201911
八月やいづれの列も並ばない 井上菜摘子 京鹿子 201911
八月の祈りはじまる六日かな 梅田武 末黒野 201911
八月の朝が侵食されてゆく 柳川晋 201911
八月や被曝の十字架戻り来る 後藤眞由美 春燈 201911
伯父の文開けて八月十五日 浅木ノヱ 春燈 201911
八月や父生還の月なりし 岡村彩里 雨月 201911
ひとすぢの涙八月十五日 滝澤圭子 雨月 201911
八月の重たき荷物いつ下ろす 栗山恵子 雨月 201911
恂々と菊重ねゆく八月よ 秋津 令 201912
八月の曇り時々法螺貝だ 山田まさ子 船団 201912
八月大名砂蒸し風呂に入る 村上ヤチ代 船団 201912
八月の通天閣は揺れている 長谷川博 船団 201912
犬歯ひとつおいて八月の少女 つはこ江津 船団 201912
令和なる八月よ長崎の鐘 山西商平 ホトトギス 201912
八月の一人ひとりに祖母の唄 高田留美 船団 201912
モノクロの「ひろしま」八月が終わる つじあきこ 船団 201912
ちち少し遠くなりけり八月尽 松井季湖 201912
十歩から三歩をひくと八月来る 佐藤恭子 あを 202001
八月や柱時計の鈍き音 高倉和子 202003
ふいに現る八月の曲り角 井上菜摘子 京鹿子 202008
八月 →5      

 

2017年8月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
17/08/25 2017年8月25日 2017年8月25日